東方添加物    作:琴糾持 神塞峰

4 / 5
処女作です。



第四話 月見バーガー

・・朝だ。

 

霊夢は起床すると、早朝の薄暗い賽銭箱の中を懐中電灯で照らし、金額を確認した。

パッと見て判断できるほどの枚数しか入っていない。

・・・。

 

・・だが大丈夫。

マッククルーとして、働いているので、経済的には安定している状態である。

 

賽銭箱の中身を一瞬で確認した後、神社の辺りを見回した霊夢だが、

神社の前に、何者かの姿があった。

 

藤原妹紅であった。

あの日依頼の再会であった。

まあ、一週間程度しか時間は経過していなかったが・・・。

 

「こんな朝早くにどうしたの?妹紅」

「今日は霊夢に頼みがあってきたんだ。」

「頼みって何?」

「霊夢には、マクドナルドで諜報活動をお願いしたいんだ。」

諜報活動・・・いわゆるスパイだ・・。

霊夢は妹紅の頼みを受け入れた。

「で、何を諜報すればいいのかしら」

「勿論、ハンバーガーの仕入先、原材料とかだ。」

「え、でもそんなのどうやって・・・」

「マクドナルドのトイレの近くに「避難経路図」が貼ってあるだろう?」

「ああ、あったわね。」

「あの地図に事務室の位置が書かれている。そこのパソコンから盗み取るんだ。」

「で・・でも、そんなことしちゃっていいのかしら」

「大丈夫だ。問題ない。」

「・・・。」

霊夢は内心不安であった。

が、しかしハンバーガーについては自分も気になることは確か。

・・やるしかない。

 

 

翌日、霊夢はマクドナルドの制服に着替えた。

もちろん小細工がしてある。

胸の店員バッジには盗撮カメラ、襟の下には盗聴器がある。

盗撮カメラはもちろん情報収集のため。

盗聴器は念のためである。なので意味がないかも知れない・・・。

これらの細工は、機械などの応用知識が豊富な河童の「にとり」に頼んだ。

にとりは、「これなら完全勝利だ!」というようなことを言っていた。

別にこれは勝負ではないような気がするが・・・?

 

そして霊夢はクルーとして、職務についた。

 

そしてお昼ご飯の時間。

マッククルーになると、昼食を出してくれたり、ハンバーガーなどを買う時は30%オフなどといったお得なことが驚く程ある。

 

人が多い、昼に情報は盗めないだろう・・・。

 

霊夢の目はとても悪そうな目であった。

 

やはり狙い時は夜だろう・・・。

 

そのため、店長であるドナルドに残業をすると申告しなければ。

 

「ドナルド店長。今日残業するんでよろしくお願いしますね。」

「うん。わかったよ。頑張ってね。」

「はい。」

 

そして、店員が・・私含めて3人と、店長であるドナルドの合計4名のみだ。

しかも、奇跡的に店内に客はいなかった。

 

・・・今なら・・・やれる!

霊夢はそう思い、ハンバーガー情報諜報計画を実行させることにした。

 

霊夢はまず、トイレの個室に入った。

そして、電話を胸ポケットから出し、ある人物を呼び出した。

「あら、ついに計画の時かしら。」 電話の向こうで言ったのは八意永琳だ。

「永琳、私の声 聞こえてるわよね」

「ええ。」

「じゃあまた情報がとれたら電話するわ。」

霊夢はそう言うと電話を切った。

 

そして、誰にも気づかれることなく事務室に行くことができた。

事務室の書斎の上の一台のパソコンを見つけた霊夢。

彼女は事務室の中を見渡した。

聞こえる音は店内にかかっているジャズの音楽。

事務室内を照らすのは、窓からの月明かりのみ。

 

今、やるしかない。

 

薄暗いが、パソコンは白色で、見つけやすかった。

パソコンの前についた霊夢はパソコンを立ち上げた。

パソコンにはパスワードが無く、極めて容易にパソコン内を閲覧できた。

そして沢山のフォルダの中から、目当ての情報らしきものが入っていると思われる『情報の墓場』というフォルダを開いた。

 

そこには、沢山の情報があった。

 

幸い、原材料や輸入先などの情報は、フォルダの冒頭あたりに存在しており、すぐに必要な情報を手に入れる事ができた…。

勿論、驚くような情報もあった。

 

霊夢は任務を終えると、パソコンの電源を落として事務室を出た。

 

いつものカウンターに戻ると、二人の料理担当の店内が暇そうに店外の景色を見ていた。

 

ドナルドは厨房の清掃をしていた。

 

霊夢は 仕事熱心だな と思いつつ、二人の暇そうな店内に 掃除を手伝ってやれよ と言おうとしたが、よく考えれば、自分に そんな事言える資格が無いこと に気づいた。

 

…とにかく霊夢は残業を終わらせた。

「おつかれさま。今日もよくがんばったね」

店長であるドナルドは、仕事が終わるといつもこう言ってくれる。

 

霊夢は、 仕事が終わった今の自分が、いつもより達成感と安堵感を多く得ていること に気づいた。

 

まあ、これでよかったのかもしれないな…。

霊夢はそう思った。

 

霊夢は更衣を終えて、いつもの巫女の姿で夜空を飛びながら 神社へ帰るつもりだった…。

 

 

霊夢は夜空の煌めく星々を見ながら神社への道を飛ぶ。

彼女は空を飛ぶことができる程度の能力を持つ。

故に移動手段として空を飛ぶことがある。

…そういえば、竹林で迷った時は 「竹林散策でもして、心を癒そう」とか考えていた。

その結果、迷ってしまったのだ…。

 

 

進行方向には、白く輝く大きな月があった。

 

 

 

 

 

 

 




内容は明かされてはいませんが、 ついに情報を入手した 霊夢。
そして、まだ何かありそうな予感がする月夜。

「こんなに綺麗な月夜なら、月見バーガーを持って来ればよかった」
霊夢は思った。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。