ステレオネタについてわからない方は、申し訳ありませんがここでのフォローは無い方向で……何分、今の悟空さんはそこまで体験してないですから。
さて、遂に発進したアースラ。 彼らは希望という山吹の戦士を、はたしてなのは達のもとへと届けることができるのか。
りりごく24話です。
元気なモブのネタの解説もなしです……
睡眠。
それは人間にとって切っては切り離せないモノ。 断食は出来る、性欲もコントロールできよう。 それらは何日続く? 3日? 4日?
だがしかし、睡眠だけは別ではないか。 そもそも人はこの時間に人生の3割は消費している。 その事実だけで、この睡眠というものがどれほど大事なのかがわかるだろう。
……何が言いたいかというと。
「うおおおおおおおおお!!」
「はりーはりーー!! 急がないとあの子たちの良い絵が――ごほっごほ! 凄いもんが見れなくなるぞ!」
「おい30番たんねぇぞ!」
「169番で代用して! 材料の調達なんてできっこないんだから!!」
……戦場がそこにあった。
見る人が見れば頭を縦に振りそうな忙しさ。
悟空が戦場で悪人と戦うならば、彼ら――エイミィ達が戦う者はズバリ“時間” その誰にも留めることができない自由であり孤独な敵を前にして、彼女たちは壮絶なバトルを繰り返していた。
ざっと21時間ほど。
「おい! スクリーントーンじゃねぇんだからそんなにべたべたやってんじゃ―――――」
「ここ削り忘れ!? だれだやった奴! 表でろ!!」
『おまえだろ!!』
「……すんません。 彫刻刀持ってきます」
『んなもんで出来るわけねぇだろ! 角材いじってんじゃねぇンだぞ!! 最悪悟空さんに素手で削ってもらえ!!』
彼らは……いっぱいいっぱいだった。
既にテンションはナチュラルハイ!! ご機嫌な
彼らとは? 整備班とエイミィの混成部隊である。
しかも前にリンディが言っていた通り、少ない人数での派遣だ、故に整備する人間はその数を極限までスリ削られ――たったの3人。
「縦横10メートルの部屋に3人がかりでやるったてよぉー、こんな古代壁画みてぇなもんをよぉー、床一面に書くなんてよぉ……よぉお?」
「つべこべ言うな! いいからつべこべ働け!!」
「……つべこべってなんだろう……ぐへへっ……」
…………いろいろ、限界であった。
しかしこの3人以外にも奮闘しているモノが一人。
それは紅一点。 ボロッボロの“作業繋ぎ”姿3人男と姿を同じく、その身を赤青のペイントでぐちゃぐちゃにしている者がいた。
「ふふ……」
床に強化プラスチックと複合セラミック、さらに魔法によるコーティングを施していく彼女は――
「ふふっ……ふふふ……」
やっぱり壊れていた。
「血の色よりも赤きもの、闇の色より深き……は! いったい何を?」
少しヤバい呪文を詠唱した中で不意に目を醒ます彼女。
鳴門巻きみたいな目を正気に戻したエイミィは今回の目的を再確認する。
「いけない。 作業をまだ2割がた残しているのに……」
『GUOOOOOOO』
「熱暴走してる……ならば! みんな! あたし達の目的を思い出して!!」
『――――っは!』
首を振り、その胸に抱いた“彼との約束”を思い出しては呟いて、狂った整備班衆を舞妓する!
「お姫様抱っこされて恥じらうなのはちゃんの顔をみたいかーー!!」
『ぉお!』
「肩車されて真っ赤になるフェイトちゃんをみたいかあああああ!!」
『うおおおおおおおおおおお!!』
こいつら……ダメである。
悟空との約束はそんなんじゃないような? ……しかしそんなことで士気が上がっていく変TAI……もとい、整備班たちの決死の作業は、続いていく。
遠い異郷の地に転送させられた少女たちの背に、冷たい感覚を与えながら。
『出来る出来る出来る!! やれるやれるやれる!!!』
「いそげ! 約束の時は近いぞ!!」
「なぜ!! ベストを尽くさないん……だああああ!!」
「俺の電動ドリルが中央突破――――!」
「反射と音響の融合を見せてやるウううううう!!」
『はあぁぁぁあああああああ!!!』
彼らの夜明けは……来るのであった。
~アースラ別室~
アースラ発進から到着まで4日あるうちの1日が過ぎ、残りの日数は後3日。
その大事な1日目は、悟空ともども管理局の人間ほとんどがつかの間の休日を過ごしていた。
まさかこんな大変な時に休む時間があるなんて……どこか納得いかない風な人間もいたが、そこはやはり大人であったのか。 出来ることをするという命題で、その者も自身の傷を癒すために短い休暇を取ることとしたのである。 そうしてアースラは、2日目の朝を迎えた。
孫悟空の朝は早い。
朝と言っても、太陽の輝きが無いこの次元空間ではあまり実感もない上に日差しで目が覚めることはない。
故に彼を起こすもの、それは宛がわれた部屋に備え付けてあった時計で――「うるせぇぞ」……時計(故)であった。
「ん……~~~~! くあーよっく寝たぁ」
室内に派手な騒音をまき散らせ、鉄くずを四散させること20秒後。 ランニングとボクサーパンツ姿の悟空はゆっくりと布団から出てくる。 暗い部屋でもよくわかる自身の道着を手に取ると、ふとんの上に置いてランニングを脱ぐ。
「エイミィの奴、うまくやってくれたかなぁ? あれがねぇとたぶん、オラこれ以上修行してもあんま強くなんねぇだろうしな」
そばに置いてあった青のアンダーをアタマからかぶり、腕を通していく。
ちなみにこれは管理局からの支給品であり、彼の荒ぶるばかりの胸囲に半笑になりながら手渡してきたリンディは本当におかしそうだったとか。 いったい彼の胸囲の何が面白いというのだろうか、正直不明である。
「さってと、そろそろはじめっかな……」
全身を山吹色で染め上げた悟空。 彼は帯を引き締めると、そのまま両手を地面に着く。
陸上選手が行うスタートダッシュの形に見える体制になったと思うと、そのまま地面を蹴り。
「よっと……せーの! いち、にっ!」
彼は逆立ちとなる。
そこから始まる掛け声は、身体の上下運動に呼応している……つまり逆立ち腕立て伏せのカウントアップ。
これが彼の始まりであり、準備運動である。 武術で始まる朝は――
「ふっ! ふっ! ふっ――――」
とても長そうである。
2時間が経った。 腕立て、腹筋、背筋、スクワット、徐々に下半身へと移動していく彼の筋トレは、その運動の激しさを上げていく。
気づけば彼の周りには水滴が落ち、部屋の温度も1度ほど上昇していた。 そのころであろう、彼は軽い全身運動を切り上げその場に立ち尽くす。 額から汗が垂れ、顎に集まり落ちていく、その音が……
「ゴクウ! 起こしに来たよ……?」
「お、もうそんな時間か。 すぐ行く」
今日という日の始まり、それを知らせる水の音へと変わっていくのでした。
入ってきたのはギリギリ小学生程度までにその身体を短くした使い魔アルフ。 彼女は手慣れた動作で悟空の部屋に入ると、鼻をわずかに動かし……
「なんかこの部屋熱気が……アンタ何してたんだい?」
ほんのりと文句の口調を乗せた一言を放り投げる。
それに対する悟空の返答はというと……
「ん? 軽い筋トレをな。 エイミィが終わるまで待ちきれなかったもんだから……つい」
「エイミィ……あいつがどうしたっていうのさ」
「え! お、ん~~まぁ、あとでわかるさ……あと、リンディには内緒だぞ?」
「リンディ……? なんで」
「なんでもだ、いいな?」
「……いいけどさ」
人差し指を口元に持っていって、おっきなウニみたいな頭を横に振りながら言う悟空は完全に博打場に入った父子の絵を完成させていた。
自身の頼みごとのせいで、何人かが不眠不休の貫徹を決行しているとも知らず……彼は呑気に地面を叩く。
「ところでよ?」
「なんだい?」
「いや、昨日もそうだったけどよ。 おめぇ決まってこの時間に起こしに来っけど……どうしてだ?」
「……それは」
そこで交わされたことば。 其の一言は悟空独特の“なんでもなさ”がふんだんにちりばめられているのだが、いかんせんアルフの表情は少し……硬い。
垂れた耳としっぽ、それらが力なく揺れると同時に彼女の口は小さく動いていく。
「フェイトがね、いつもこの時間に起きるんだ」
「フェイト?」
「うん。 あの子、信じられないくらいにしっかしりてるんだけど、それに見合わないくらいにダメなんだよ……」
「だめ?」
そのときのアルフの顔は、というより視線自体がどっかに行っていた。 まるで戦時中の体験をインタビューされている戦争経験者のような面持ちは、見る者に怪訝な表情をさせる。
「あの子は寝起きが本っ当~~に悪くって。 最近までは買ってきた小さい黒板を爪で引っかいたりして頑張ったもんだよ」
「あの変な音でか? それでやっとおきんのけぇ……相当なもんだなぁ、あいつ」
「そうだよ。 しかも下手に起こすと電撃が飛んできて……起こせなかったら起こせなかったでフェイトは泣きそうな目でこっちを見て来るし……」
「でも。 実はそれが良かったりすんじゃねぇか?」
「…………うん」
アルフの苦労話。
まるで育児相談のこれに、悟空が何となく確信を突いた言葉を返せるのは彼に“そういった経験”があるからで。 そうとも知らず悟空の絶妙な返しがいい感じに触れたのか、アルフは機嫌よく話のテンポを進めていく。
「それで、最近じゃ黒板に耐性が付いたみたいでまた振出しに戻っちゃってさ」
「……あれに耐えるんか……それはそれでスゲェな」
「こんどは……あ、これはすごい偶然なんだけどさ。 アタシがフェイトとあんたの戦ってるところを記録映像で分析してた時なんだけど」
「オラの? ……あ! もしかして初めてたたかった時のか?」
「そうだよ。 あのときはいろいろとフェイトが……いや、まぁそれはいいとして」
そこで切ったアルフの顔は思うことがあったのかどうなのか。
「それでその時のアンタが“砲撃”の時に出す……かめかめ? えっと」
「かめはめ波のことか?」
「そうそう! そのときの声が出た瞬間に、あの子急に起き上がってさ。 バルディッシュ構えて大騒ぎだったよ……そっからだね、毎朝アンタの砲撃の声を目ざましにしたのは」
「……そっか。 それ聞いちまうとなんか、フェイトの奴に悪いことした気がすんなぁ」
『たはは』と笑いながらそのときを思い出しているのか、彼女の尾は自然と揺れていく。 知らぬ間に彼女に対して刻み付けていた深い
のちに彼女が「分身なんてずるいよ」とか「足の裏からなんて非常識だ……」などと部屋の隅で呟いていたのはアルフにだってわからない。
……そう、本当にわからなかったのである。
この時の悟空の発言が、後に重い発言となり変わることになど……
~アースラ 通路~
“彼等”がその戦いを開始してからおおよそで28時間が経過していた。
聞こえていたドリルの音はその刃先の交換作業を含め、おおよそ18時間ぶりに回転音を消し。 狂いそうなほどに漏れてきていた絶叫の声も、まるで“こと切れた”かのように聞こえなくなっていた。
そんな彼らの戦場跡に、2匹の獣があらわれる。
「ここかぁ……昨日エイミィから言われたんは」
「……なんかさ、いろいろヤバいと思うんだけど……ここ」
「なんでだ?」
その内の一匹は酷く警戒する。
立ち込める陰湿な空気は腐臭。 背筋を這いずるのは悪寒……今まで感じたことのない負のオーラが、身長110センチの少女に襲い掛かる。
張りつめた空気と呼応するように逆立つオレンジの尻尾は、長い体毛と相まって巨大な猫ジャラシのように……
「アルフ、痛ぇぞ」
「……ごめん」
びったんびったんと悟空の足元に当てていく。
これに溜まらず若干ながら眉を寄せた悟空に、ケモノ耳を垂れて謝る少女は同時に舌を出す。
しかし、それもたった3秒の出来事。 彼女の顔はすぐに深い影を作り、遠い昔を思い出すように天井を見上げる。 その仕草、その視線。 全てが7~9歳の外見には不釣り合いの老成すら思わせるものである。
「死臭がする……間違いない、むかし山の中でアタシが成りかけてた奴だから絶対そうだ!」
「……へ?」
思わぬ一言におめめぱちくり……若干子供が入った悟空はすぐさま『それ』に気付く。
「なんだ? この雑巾みてぇんは」
「……黒い………消し炭…?」
その色は黒。
しかしである。 黒というのは終わりの色。 無と終着を意味するこの色は、それ単体でしか表現できないわけではなく、複数……最低でも2つからなる色素の複合からでも作ることができる。
まぁ、3原色以外にならどれでも当てはまると言えばそうなのだが。 ここで何が言いたいかというと、この悟空が“教室の隅から隅までを水拭きし、それを長い年月にわたって繰り返したうえで、掃除用具室の中にあるバケツの淵に投げ捨てられたかのような物体”と形容したそれが、タダ単色からなる物体ではないという事。
そうしてそれに気づいたアルフは……しかし、そのことを口にする前に――
「うぇ~~ん」
「死体が動いた!?」
「失礼だよぉ」
唐突に動き、コインの裏表のようにひっくり返ったその物体。
その色は深い青……蒼とも書けそうなその色は時空管理局員の制服の色。 その服は女物であり、着込んだ彼女は悟空に向かって『にんまり』……とびっきりの笑顔を作る。
「やったよ……」
「……お!」
「できたんだ。 やっと……」
「ホントけ!?」
「うん」
おおよそ30文字数の会話。 たったのこれだけで、悟空の顔はみるみる明るいモノになっていく。
倒れた女性を介抱しつつ、目の前の部屋に視線を移す。
開け放たれた部屋には3色の色があった。
「白い部屋ん中に……あ、床が赤と青で渦巻きみてぇになってんな」
「なんなんだいこれは?」
壁にあるのは白。 これはこの部屋のもともとの色であり、始まりをつかさどる無地の色。
次が床に描かれた赤と青の床……正確にはそれぞれの色で壁画の様に書かれた文字の羅列。 それが渦を巻くように描かれていくのは部屋の中心へと『ちから』を集約していくようで。
「そ、それはね……古代魔法のプロセスの一部を利用したんだよ。 赤が増幅で青が収束と固定、それぞれが束なるように螺旋を組むことで、その能力を底上げしあうっていう寸法……らしいよ」
「…………?」
「と、とにかく……あとは部屋の四隅にある白円の中に魔導師が魔力を供給すれば完成だよ……」
「四隅? ほんとだ、部屋の角っ子に白い円がある。 あそこに魔導師の奴が入ってくれればいいんだな?」
「うん……でも」
息も絶え絶え。
エイミィは最後の解説を行うと、そのまま歯ぎしりをする。
悔しい……あまりにもわかりやすい彼女の顔は、悟空にも伝わっていく。 何があった? そう言わんとする彼に先んじるようにエイミィはそっと手を右る。
「完成度……80%だったよ」
「な!? 何がたんねんだ!」
「あのね……」
固唾をのむ。 ゴクリという音と共に静けさが支配する彼らの周囲に、エイミィはそっと指をさす。
それは部屋の壁。 その、ある一定の間隔に作られた『くぼみ』を指した彼女は、まるで怨敵を見るかのような鋭さで……しかし初めてのお使いを失敗してしまった幼子の様な震えた声で悟空に言う。
「………………ステレオの位――「あとは任せろ! オラ、ウンと強くなって絶対ぇアイツをぶっ飛ばしてやっから!!」……がくっ――」
「今なんか言おうとしてなかったかい?」
「ん? そうか?」
倒れたエイミィに誓いの言葉をささげる悟空。
若干まくし立てるように聞こえたのは、彼の中にある知識や本能だとかが過剰に反応したからであって、彼に何ら悪気というものはない…………ああ、まったくない。
「とにかくエイミィが言うには、ここの部屋使うんなら魔導師が一人でもいねぇとなんねェらしいな」
「そんで魔力を供給するんだろ? でもそれで何ができるっていうんだい」
「はは、それはな――」
「なんなのかしら?」
「実は……ん?」
この部屋に、アルフ以外の女の声が聞こえた。
どこかスラっとしていてキレがあり、それでも包容力を感じさせる美しい声。 その明らかに『母』を思わせる声の持ち主は、パッと見ならば街で男性から声をかけられるレベル。 実際、そんなシーンがあったかもしれないが『弟』と見立てたクロノを「うふふ、息子よ」なんて返されて幾人の犠牲者が出たことか……路上に倒れた男の数は両手の指では足りないだろう。 きっと。
さて、関係ない話が出たが、悟空の顔はみるみる白くなっていく。
ばれてはならない――めんどくさくなる……などなど。 どこかの家の窓を割ってしまった4番バッターの小学生並みな思考で彼はそっと“背後”を振り向く。
そこには……
「うふふ?」
「よ、よぉ……はは……」
「??」
女神が居た。 ミントグリーンの髪を青いリボンで束ねたポニーテールのかわいい女性がそこに居た。
いつの間にか“悟空の背後を取って見せた”彼女は終始笑顔で口を開いていく。
「なんだか昨日からこそこそとしていたみたいだけど? この船の艦長に内緒でいったい何をしようっていうのかしら?」
「え! ……ぇえと、あのよ?」
「なにかしら?」
「…………リンディよ? さっきからしゃべり方がおかしいんだけど……よ?」
「あら? そうかしら?」
リンディさん、語尾が全部疑問符です……
そんな悟空の声を聞き流すように、右手で垂れてきた前髪を梳く彼女。 この間、悟空とアルフの尻尾は得体のしれない異様さを前に総毛立つ。
底知れぬ不安……いいや、恐怖とすら形容できるその人物の名はリンディ・ハラオウン。
次元航行開始1日目。 その日に悟空は彼女の気を探りつつ食堂→リンディが来た! ……人類の視認できない速さでの反復横とびで回避→→浴場→悟空が入浴中のバスルームで半裸のリンディとニアミスするラッキースケベ現象が――「太陽拳!!」→→駆け足で自室へ……という感じで彼女とは言葉は愚か視線すら合わせなかった。
…………それが一番いけないとも知らずに。
「昨日……さんざんわたしの事を避けてたみたいだけど? それはこの部屋が原因なのかしら?」
「そ、そんなことねえぞほんとうだぞ……おぉ!」
「ゴクウ……語尾以外が全部棒読みになってるよ」
「おう……!」
ワナワナとふるえていくリンディの肩。
「言いたいことがあったのに……」
そう呟く彼女の髪は揺れる。
まるで界王拳使用前の悟空のそれ。 つまるところ、大迫力を誇る彼女の闘気は、界王星での修行を完了していた悟空を圧倒するに至る。
「あんな鬼を相手取るように……逃げなくても……」
ピクリと動いた左の眉は、彼女の心象の揺れを表すかのようで鈍く……速い。
相反する単語は、それほどにまで彼女の機嫌の異常さをうかがわせる。
「~~~~っ!」
「ま、まぁまぁ。 ホントの事いうとよ、一昨日みてぇに怒鳴られると思ったからよぉ」
「……つまり、怒鳴られるようなことをする気なのね?」
「いい! い、いや……ん~~そうなんだけどよぉ……」
しどろもどろと両手を動かし、だけど目線は彼女から外さない。 それがリンディにもわかったのだろう。 今度こそ外さない悟空の視線に、彼女のテンションは若干のガス抜きを開始する。
「はぁ。 それでわたしに隠れて何をしようとしていたのかしら?」
「……修行だ」
「修行? ……あぁそれで」
そのたった一言。 それで理解に至る彼女はどういう頭の構造をしているんだろうか。
若干気後れして見せたのは気のせい? リンディは纏っていた自身の髪と同じ色の魔力光をかき消すと、悟空から半歩距離を取る。
「あの時わたしが怒鳴ったから……で、いいのかしら?」
「え?」
「心配のつもりだったのだけど……あなたには悪いイメージがついてしまったみたいね」
「……まぁ……な」
彼女の事なの意味を汲んだ悟空は鼻先を人差し指で2,3回かく。 そうして目線だけ上にあげると、今度は彼女に言葉を返す番となる。
「おめぇがオラを心配して言ってくれたんはわかってたつもりなんだけどよ? それでもこれからやる修行を教えたら止められると思ったんだ……無茶すんな――って」
「……そうね。 どうしても無理をしようっていうのなら止めたかもしれないわ」
「だろ?」
「けど」
そこで一旦会話を切る。
彼女お得意の“タメ”に入ること2秒半。 小さく息を吐いて、リンディは腕を組んで悟空を見る。 つま先から入り頭頂部までゆっくりと、品定めをするように送るその視線に悟空は訳が分からないという視線を返すのだが、それでも彼女の行動は終わりを迎えない。
「あなたにはあなたなりの考えがあるのよね?」
「…………まぁな」
「そしてそれを止めてしまったら、“今度こそ勝てない” ……そうよね?」
「あぁ!」
徐々に強くなる悟空の口調。
聞こえてくる会話はまるで確認のように自身の胸に入り込んでくる。 悟空は、以前の戦いを――あの男とベジータとの戦歴を思い胸に抱き……リンディを見つめていく。
「……うく――コホン! なら、わたしに止める理由なんかないわね。 というより、ここで引き止めてあなたの邪魔をする、なんて選択肢は正直ありえないモノ」
「そうなんか?」
「悔しいけど、“あなたたち”レベルの戦いなんてこの世界じゃ自然災害にも等しいわ。 誰にも、介入することなんてできないのよ」
「……そっか」
若干引き下がったのは悟空の気迫に押されたから?
それはわからないモノとして、リンディは自身が先日言おうとしていたことを洗いざらい吐き出していく。
悪い印象を与えてしまったか? 彼の気概をそいでいたのではないか?
彼ひとり……辛い道を進ませようとしているのではないのか……それらすべてをかき混ぜた不安とも言い表せる視線を悟空に向ける中で、彼はそっと息を吸う。
「そんじゃあ、リンディにも許してもらえたことだし……さっそくやっか!」
「……ええ」
「……ふむ」
始まりを告げていく。
鳴らした靴の音は清々しいほどに軽く、澄んだ音色を奏で。 振りあげる拳はどこまでも伸びていくよう。
彼が入っていく3色の部屋、そこは驚くほどに無音であり、まるで防音室に入ったかのような錯覚を受ける。 それもそのはず、この部屋は急ごしらえと言えど悟空が暴れてもなかなか『悲鳴』すら上がらない程度まで装甲を厚くし、他の部屋にまでこれからおこる事に巻き込ませない。
それがエイミィなりの配慮であり、そうでもしないとこの船が次元空間の塵になっていまうであろうという計算結果でもある。
「で? この部屋が一体なんだっていうの?」
「ん? あぁ、ここはホントならオラがブルマの父ちゃんにお願いしてた奴なんだけどよ?」
「はぁ……(ブルマ……父ちゃん?)」
「界王さまんとこみてぇに、地球よりもウンと大きい重力で修業したくてよ、そんで作ってもらったんだ」
「??」
知らない単語の数々に、しばらく目を丸くするリンディとアルフ。 しかし悟空の語りは終わらない。
ここからがキモ。 この要所がエイミィ最難関であり、この一日で仕上げた彼等四人の最大の功績。 彼の天才博士が宇宙船の改造、制作等を含めたうえで30日強かかった作業時間を大幅に塗り替えたそれは大いに驚愕的。
それは彼らが持っていたからだ、その博士に足りない“技術”を補う“
「“人工重力発生装置”っていうらしいんだ」
「人工……!? そんなもの作っていたの?! あの子は」
その装置の名を聞き驚きわななくリンディ。
それもそうだろう。 おそらく魔法世界でも類を見ないとされる技術体系――重力。
単純な姿勢制御や、艦内に使われているソレならまだわかるだろう。 だがそれはあくまでも“0以下の重力を補正するためだけ”のモノに過ぎず、実際プラス方向に働かせるというのならば、それはそれで大きな課題が出る。
ちからの方向性、指定範囲の制御、エネルギーの確保と流れの経路制作etc.…………
それらをクリアしたというエイミィの執念はおそらく凄まじいモノだったのだろう。 いったい何が彼女をここまで突き動かしたのか……正直、永久に謎でもいいかもしれない。
「重力……そんなもんでいったい何するのさ?」
「なにってそりゃあ……修行だぞ」
「まさか――」
リンディは青ざめる。
この男はまさかそれほどまでに無茶を貫き通すというのかと。 彼女の考えるのは超重力下での特訓であり、おそらく人間が感じる“数倍”の重力下での地獄のようなもの……
「そんじゃさっそくやってみっか……えっと? 使いかた、つかいかた……あ、リンディ?」
「……はぁ。 ここに立てばいいのよね? で、魔力を……こうかしら?」
「なにしてんだい?」
それに付き合うと、言ってしまったのだから引き返せない。
“あんなこと”まで口にしたのだ、ここで彼女にやっぱりやめたと手のひらを返す選択など存在せず、故に少しだけ先走ってしまったのだろう……彼女は“上限”を知りもしないで装置を動かし始めた。
「お? なんだ、床が……?」
「え? ええ?」
起こる異変はまず発光。 赤と青のコントラストが周囲の壁を塗り替える。 その発光が大きくなるにつれて、部屋を押さえつける力は……「きゃっ!?」……強くなる。
「あ、アルフ?」
「な、なんかいきなり身体が……うぐっ?!」
次が少女の悲鳴。
オレンジの髪を振り回して両手と膝をつく。 長い尻尾を上に突き出しつつ、しかしその先端は重力の言いなりとなって床に着いた形をとる。
四つんばいに“させられた”アルフはそのまま唸る。 そこからいくら腕に力を込めても、どれほど身体を奮おうともそこから立て直すことなどできず。
「いやあああああああああ!!」
「お、おい……アルフ!」
目をつむり、声を張り上げる彼女は既に限界を超えようとしていた。
「あぁ……うぅ! はぁ、はぁ……ああ!!」
「アルフさん!?」
「やだ! からだ……ぁぁあああああああああ!!」
上げる声は既に悲鳴。 痛々しくもなまめかしい印象を持つそれは――いいや、そんなことを言っている場合でもない。
悟空は依然として変化なく健在。 それに反するかのようにアルフはドンドン弱り果てていく……それを見かねたリンディは、しかし成す術なく。
「……そうか。 アルフ! オラに捕まれ!!」
「う……うん……」
「いったいどうしたっていうの……」
悟空の機転により抱えられつつ部屋の外へと出されたアルフ。 するとようやく痛烈な表情が消え、彼の胸の中でゆっくりと自身の呼吸を取り戻していく。 消えていく圧迫感に大量の油混じりの汗……アルフはようやく常態に戻っていくのであった。
「きゅ、きゅうにからだがおもくなったんだ……」
「……ああ」
「そしたら……そしたら全身が引きちぎられ――うう!」
「お~~よしよし……こわかったなぁ……」
恐怖。
彼女の脳裏に焼き付くのはただそれだけ。 何もしていないし起きていなかったはずだ、それなのに突如として襲い掛かってきた全身をすりつぶされる感覚。
痛いというものもあるのだが、それよりも“死ぬほどの体験”からくる恐怖心が、今の彼女の心象を大きく占めていた。 ……それを言葉と共に行動で癒そうとする悟空。 彼はアルフを抱き上げると自身の胸に顔をうずめさせ、そのまま背中を撫でていく。
「あう……ああう……ううう……ゴクウぅ~~っ!」
「よしよし……」
そうして彼女は、今起こった事を嗚咽と共に流していくのであった。
~そして~
「だめじゃねぇかリンディ。 もう少しでアルフの奴がヤムチャ達とおんなじとこに行くとこだったぞ」
「ご、ごめんなさい……わたし。 アルフさん……?」
「アタシは……平気」
「アルフさん……」
「ていうかその……ゴクウ、さっきのは――」
「お?」
「あ、いや……なんでもないんだ」
すぐさま始まった反省会。
今回はいつも叱るはずの立場にいるリンディが対象なので悟空が裁判官……なのだが、やはり彼の言葉は「まずはアルフにちゃんと謝んねぇとな」……しかなく。 すぐさまそれを行うリンディに対して、少女は無罪と返し、モノの数分で裁判は閉廷した。
そのあとに、何となく悟空のズボンの裾を「ギュッ」と握り締めた彼女は、彼の修行開始まで離さなかったとか……彼女の心の傷は、それほど深かったというべきか……?
さて、先ほどアルフに起きた謎の現象なのだが。 これは今回の取扱説明をする人間がいかに重要かを彼女たちに知らしめた。
いい加減目を醒ましてほしい発明者に対し――
「エイミィ! 起きてくれ!」
「ふふ~~」
「エイミィったらさあ!」
「萌えしぬぅ……ふふ」
「えぇと……弱く弱く――――かめはめ……波!」
「わっきゃい!!? な! なにするのですか?!」
「はは、わりぃな。 もう少しだけ頑張ってくれねぇか」
「は? はぁ……?」
悟空が“顔面横に撃ちはなった気弾”の音で目を醒まさせ、おろおろと周りを見つめる中、にこやかにエイミィへと今回の現象と、機械の説明をさせるに至る。
「あのね、これは供給する側の魔力量によっておこせる重力変動が変わってくるの」
「……それで?」
「うん。 それで今回なんだけど、たぶん艦長の大きい魔力量で簡単に相当量の重力が発生したんじゃないかなって思うの」
「そうなんか? それはそれでリンディってすげぇんだな」
「……ただ念じただけだったのだけど…………」
「甘く見ちゃダメですよ? 艦長自身、とんでもない魔力量を持つAクラス以上の方なんですから」
「う゛!」
「……はは」
わかったことと言えば、今回はただ取説を見ないで重要機器を動かしたことによる事故……では済まない程度に大事なのだが、悟空がそばにいたおかげで最悪のケースは免れたので今回は良しと――「あれ? でも……」話は、まだ続くようである。
「さっき悟空君はなんともなかったみたいだけど、あの時っていったいどれくらいの重力がかかっていたのかしら?」
「そうだな、オラがなんともねェとこみると……ん~~」
「あ、それならここに……ほら、このゲージを見て」
「ゲージ? ……0から100まで書いてあるのだけど、これってもしかして」
「そうですね、悟空君が注文した通りに“理論上”は出来るはずなんで数値を設定の範囲内に――「そうではなくて!」……はい?」
「これはもしかしなくても0Gから100Gまでなのって聞いてるの!」
「……そうですけど?」
「あ、ああ……」
抱えた!
リンディは激しく頭を抱えた!!
エイミィが映し出している“中空ウィンドウ”に表示されるゲージを横目に彼女は大きな頭痛を覚えたのだ。
この娘は……いいや、この“男”はいったい何を考えているのか! 普通に考えてみて、まず100Gというのはおかしいと思えよと脳裏に浮かび、人間に耐えられる最高重力はいくつだったかと記憶を彷徨わせる。
「いい? 悟空君。 人間っていうのは、持続的なもので大体9G。 しかも戦闘機乗りが耐えうる数値上で9Gぐらいしか耐えることなんてできないの」
「……そうなんか?」
「そうよ、それができるのならまずそれは人間じゃ――「あっれ? さっきの重力設定16G? ……すご!」……えぇ~~」
そうして彼女は、戦闘民族の底なしさを思い知らされるのでした……悟空、修行開始である。
「さってと。 とりあえずリンディ、エイミィ……今のオラで10Gは軽いと思うんだ」
「軽いって……ウソでしょ」
「そうですよね。 単純に身体の重さなんかは10倍ですもんね。 えぇと? この間の測定で艦長のが「ちょっとエイミィ!」……だから、その10倍で「なんであなたが知ってるの!!」――あいたぁ! 何するんですか艦長!!」
彼女たちの、小競り合いをその背に受け。
「おっと、忘れてた。 アルフ、おめぇはそこで待ってるんだぞ?」
「……あ、うん」
「よし、そんじゃエイミィ! 10倍が軽いと感じたからな……今度は20倍行ってみっか!」
『20!?』
悟空は更なる苦行を選択する。
本人にとってこれが苦となるかは正直言って不明だが、彼はもう決めているのだ。 これから向かう先に行くまで、例えどのくらいの時間がかかるとしても。
「あぁ! どんどん行かねぇとな。 じゃねぇとあのオラに似たサイヤ人には一生勝てねぇ」
己が拳打の威力を研ぎ澄ませることを、やめるわけにはいかないと。
いつもとはわけが違う。 やらなければ友が、この世界に生きるすべてが死ぬのだ、奴に殺されるのだ。
それが彼の普段からある強さへの探求心にプラスされ、巨大な原動力となって突き動かしていく。 戦える身体に――今より強い自分にと。
「わかり……ました」
「たのむ」
それに“付き合う”と言われ、決めてしまったエイミィですらこの選択には冷や汗。 下手をすれば、いいや先ほどのアルフを見てわかるとおり、下手をすれば普通に人殺しだ。
「行きますよ!」
「やってくれ」
だけどもう、彼の気概を止めることなどできなくて。
なら付き合ってやろう。 どこまで行くのかわからないが、その行く道をともに歩いていこうではないか。 彼女たちの決意は固まり始める。 今はまだ塗りたてのコンクリートのように地盤が弱いが、それでも悟空の起こす行動を信じて……「あり? どうなっちまってんだ??」
…………信じていたが。
「な、なぁ! 今ホントに20倍の重力なんか!?」
「そうだけど?」
「どうかしたの……」
「ゴクウ?」
彼は……平然と立ち尽くしていた。
その身に纏いし重圧は常人の二十倍。 彼の体重が仮に60だとして、それがいま1200キロにまで増加しているのだ。 普通に考えてそこまでの増加はまず人を殺すに至るだろう、それがどうだ? 彼は何事もなく立ち尽くしているではないか……そんなこと――
「あ、ありえない! だってゲージは20を示してるし……」
「ん~~? なんなんだ?」
「……よっ」
皆が疑問に思う中、外にいるアルフは部屋の結界内に向かって落ちていた鉄くずを投げてみる。 およそ人の親指大程度あるそれは高速で結界内をめざし突貫する。
それが“内側”に入ろうとした瞬間……
「うぉ?」
「え?」
「なになに!?」
「う~~ん」
鉄くずは、その軌道を90度変えて地面に激突する。
野球のフォークボールより鋭く落ちたそれは床にめり込むことすら出来ず、頑強にまで固められた特殊合金の積層構造である床に呆気なく砕かれる。 その光景を見たリンディは確信する。 これは、確実に機械の誤作動なんかではなく。
「耐えているっていうの? この20倍の重力を前に」
「……そうみてぇだな」
彼が普通に適応しているという事。
その事実を前に出された今、リンディの常識は一気に瓦解する。 いいや、そもそもたかが魔導師風情が何を……そういったことすら心の中で木霊していき、闘いの血統を持つ彼をただ、リンディは目を丸くしながら見つめることしかできず。
「……んじゃ、こんどは今の倍行ってみっか!」
「…………えっと、40倍ですか?」
「そうだ。 やってくれ!」
「む、無茶だよゴクウ!」
「ん? ……大ぇ丈夫だって。 アルフ、おめぇはいい子にしてそこで見てろ?」
「で、でも……」
上がる非難の声もなんのその。 悟空は道着の帯を硬く締めると、そのままスルリと手の中で滑らせ、両拳を作って気合を入れる構えを取る。 息を吸い、これから来るであろう衝撃に身をかがませて――
「いくよ!」
「来い!! …………――――ぐっ!!?」
彼は大きく唸り声を出す。
全身に襲い掛かる重圧、それが彼の体重を増やし、現在おおよそで2800キロにまで増えた悟空の体重。 軽く小型トラック並みにまで増えた自重にさすがの彼も顔を歪める。 キツイ……そういう単語が彼の中で作り出されること数秒。 部屋中に重機が進行する音が鳴り響く。
「はあ! ……はぁはぁ……だああ!!」
「あ、歩いてる……40Gの中でゆっくりとだけど……」
「あ、ありえない」
「ゴクウ……すごい」
ガツンと鳴らした青いブーツは、彼が受けている重圧を正確に伝えていく。 それに思わず感嘆するリンディたち、しかし悟空はそれにすら意に介さず歩くことをやめない。
騒音を鳴り響かせ続け、孫悟空の戦いは幕を開ける。 これより70時間強、彼はいったいどこまで“取り戻すことができる”のか……それは彼自身も知らない事である。
「こ、このまま……とりあえず体が慣れるまでやってやる」
「なれる……ものなの?」
「で、でぇじょうぶだ……界王さまんとこでもすぐ慣れた! それとおんなじさ――ぐおお!」
『…………かいおう?』
そうして彼は、“今回も”その道をまっすぐ進んでいくのである。
強くなるための軌跡を――奇跡へと到達するための道のりを……彼は重い足で進んでいく。
「わりぃなみんな、とりあえずこっから3日間……“オラに付き合って”もらうぞ……ぐぐぅ」
これから先にはびこる、一抹の不安を蹴散らすように。
彼は愚直な進行を止めない……
悟空「おっす! オラ悟空」
リンディ「……はぁ。 常識……常識ってなんだったかしら」
エイミィ「か、艦長? ……ダメだ、目がどっかあらぬ方向にむいてらっしゃる」
アルフ「……ていうか。 なんか悟空の動きがどんどん良くなってくんだけど……」
悟空「はああああああ! だああああああああ!!」
三人『……!?』
悟空「さってと、だんだん慣れてきたぞぉ……そろそろ筋トレに」
三人『え? 筋……え?』
クロノ「ん? なんだか今、ずっと前に感じた悪寒が……」
なのは「クロノくん?」
クロノ「いや、すまない。 少し初めて悟空と会った時のことを……」
なのフェイ『……あ』
ユーノ「あはは、やっぱり悟空さんと戦った人って大抵リアクションがおんなじなんだ」
クロノ「砲撃を手で裁く自体異常だろ。 ……まぁそれはいいとしてもう時間か」
なのは「次はとうとうわたしたちのお話……だよね?」
フェイト「うん。 それじゃ次回! 魔法少女リリカルなのは~遥かなる悟空伝説~ 第25話」
なのは「第25話 歩みを止める子供たち、そこは地獄の門だった」
???「うぅ……」
クロノ「しっかりしてくれ! ここであなたが生きてくれなければ僕たちは何のために――」
ユーノ「それじゃあ、また」