第十一話「遊城十代登場!」
「行け、
ボブLP2500→0
「うぉお!なんだ、こいつ!つええ!逃げろ!」
バイクの集団は去っていった。杏子は十代に話しかける。
「ありがとう、十代…だったっけ?私は真崎杏子。」
「いやぁ、助かったよ。僕は御伽龍児。」
「杏子に御伽か!よろしくな!」
「なんで僕は名字なんだろ…。」
『十代、こんなところで油を売ってる場合じゃないだろ。』
「あぁ…そうだった、わり!じゃあ俺行くわ!」
そういうと十代は自分のバイクを探した。しかし辺りに自分の乗ってきたバイクはない。
「あれ…なんでないんだ?」
よく思い出すとバイクの集団の中にサイドカーに乗っている人物がいた。最初は2人乗っていたが帰っていくときには運転席にしかいなかったような気がする。
「あいつらに盗まれたぁ!!」
『えぇ!それはまずいんだニャ…。』
「って言われても…。」
「もしかしてあなたのバイク盗られちゃったの?私のせいで…ごめんなさい。」
「いや杏子が悪いんじゃないさ。気にしないでくれよ…アハハ…。」
そういいつつ十代はしょんぼりしていた。それを見かねた御伽は十代に自分の車に乗ることを提案する。
「いいのか!なんか悪いな!」
「気にしないでよ。お礼みたいなもんだからさ。それでどこに行くんだい?」
「インダストリアル・イリュージョン社の本社だ!」
「インダストリアル・イリュージョン社ですって?」
「あぁ。WDMCの予選がそこでやるんだ。出てみようかなってさ。」
「へぇ、確かに君強かったもんな。よし待ってて、今から向かうから。」
御伽の車はインダストリアル・イリュージョン社に向けて走り始めた。
時は変わりアメリカの某所。7人の男女が闇の中で会話をしていた。
「間違いない、インダストリアル・イリュージョン社に千年アイテムの一つがある。」
「ほう、なら取りに行かねばならないな。」
「サウザントが勝手に千年錐をもちだしたせいでまた面倒な仕事が増えたってのによ…。」
「それならロッドとリングに眠るナンバーズの力で千年錐を回収するまでよ。」
「ハハハ!壊しちまってもいいんだろ?簡単だ!」
「だが千年錠は壊さず持っておきたいな。いろいろ使えそうだ。」
「じゃあ誰が行くんだ?」
「キッド。任せていいか?奴らをお前が動かし、千年アイテムを奪え。」
「…あぁ。」
一人の男が闇から姿を消した。
十代たちはインダストリアル・イリュージョン社の本社に着いた。
「わぁ、懐かしい。ドーマの一件以来ね。」
「あの時は大変だったけどね…。」
「いやぁ、わざわざありがとうな!」
「気にしなくていいわ!」
「あ、そうだ!よかったら俺の決闘、見てくれよ!」
「えぇ!僕たちは今から家に帰って…」
「俺、絶対この大会で勝って遊戯さんと戦うんだ!」
「!」
「遊戯と…。…わかった!見に行きましょ、御伽君!」
「えぇ!城之内くんたちに電話はしなくていいの?」
「いいわよ、別に!さぁ行くわよ!」
こうして三人は本社の中に入る。いつもであれば受付嬢たちが入ってくる人に一人一人対応するが、この日は受付の代わりに小さなステージが設置されていて受付嬢の姿は見られなかった。本社のホールはアナウンスが響き渡る。
「ようこそワールドデュエルモンスターズカーニバル予選会場へ!ここに集まった決闘者はある一定以上の優秀な対戦成績をもった者たちです!本日はその決闘者たちがこのビル内で決闘を繰り広げます。是非全力を尽くしてください!」
やがて時間が来ると電気がすべて消え、天井からプラネタリウムの映写機のようなものが出てくる。
『なんなのニャ!?』
「大徳寺先生静かにしてくれよ!」
映写機が起動するとホール全体が決闘場のように変化した。決闘者たちのどよめきが後を絶たない。
「ようこそ皆サーン!インダストリアル・イリュージョン社へ!」
ペガサスが姿を現す。
「あれ、城之内君がJDMCのためにペガサスは今日本にいるってこの前言ってなかったっけ?」
御伽が杏子に尋ねるとペガサスはそれに答えるかのように話しはじめた。
「この私の姿はソリットヴィジョンデース!しかしこれはただのソリットヴィジョンではありまセーン!ほら、ご覧下サーイ!」
ペガサスのソリット・ヴィジョンが決闘場の砂を掬った。
「一部の質量を実体化できるソリットヴィジョンデース!海馬コーポレーションと共同で開発しましター。しかし実用化にはまだほど遠いため、私はプロトリアルソリットヴィジョンと呼んでいマース!」
しっかり宣伝をしたのち、WDMC予選について話を始めた。
「WDMC予選はサバイバルデース。プロトリアルソリットヴィジョンで迷路を作り、そのフィールドを歩いてもらいマース。そこで出会った決闘者と強制決闘、勝った方が新しい道が開かれマース。私のソリットヴィジョンがいるゴールに三人通過した時点で終了。本選出場者が決定デース。」
「よっしゃ、いろんなやつと決闘できそうだぜ!」
参加者たちは指定された場所にそれぞれ移動するよう言われた。十代は645会議室に向かう。杏子と御伽も十代の付き添いとして彼についていった。到着しまもなくするとアナウンスが流れる。
「それではスタートデース!プロトリアルソリットヴィジョン、起動!」
辺りは石でできた迷路が構築されていく。数秒もすると辺りは完全な迷路となり空からソリットヴィジョンの太陽が三人を照らした。
「これ…出来が良すぎないかい?」
「ほんと…暑いわ!」
「よっしゃあ!行くぜ、杏子、御伽!」
十代は駆けはじめた。二人も彼を追った。
「さぁ、どんな奴がくるんだ?早く会いてえな!」
『おい、止まれ十代。』
「なんだよ、ユベル。」
『足音がするぞ、おそらく決闘者だ。』
「お!来たか!」
確かにだんだん足音が大きくなっていく。
『その曲がり角の先に相手がいるぞ。』
「よっしゃあ!」
曲がり角を勢いよく十代が曲がると向こうからも勢いよく人が飛び出てきたためぶつかってしまった。二人が転がっている間に杏子と御伽は十代に追い付いた。
「ハァ…ハァ…十代、早いわよ!」
「わ…わりわり。」
「え?十代?」
「え?って…あーー!!」
「アニキ…アニキじゃないか!」
ぶつかった相手はデュエルアカデミア時代の学友 丸藤翔であった。翔は兄である丸藤亮と新しいリーグを作るため最近ではプロデュエリストとしての仕事はしていなかった。メディアの露出があまりなかったことと、十代がなんの連絡手段も有していなかったためお互いに姿を見たのは卒業以来であった。翔はメガネがなくなっており、亮の学生時代の制服の色でヘルカイザー亮の服のデザインを彷彿とさせる服を着ていた。デュエルアカデミアの制服を未だに着ている十代と並ぶとまるで十代だけ時が止まっているようであった。
「久しぶりに会えて嬉しいよ!アニキ!」
「俺もだぜ、翔!でも今は敵同士、そうだろ?」
「うぅ…。」
「なんだ、プロデュエリストとしてカイザーと一緒に頑張ってるだろ?俺にその成果見せてくれよ。」
「う…うん!僕のデッキでアニキを倒してみせるよ!」
「そうこなくっちゃ!」
二人はデュエルディスクを構えた。
「「決闘!」」