翔は兄の丸藤亮の通院に付き添っていた。
「今のところは以上ありませんね。」
医者からはそれしか言われない。亮はいつ倒れてもおかしくないような状態であったのにもかかわらず今は安定しているようだ。翔はほっと胸をなでおろしていた。
「翔。」
「何?お兄さん。」
「これを…。」
亮は自分のデッキを翔に渡し、シャッフルするよう言った。
「出来たよ?」
「カードを5枚引け。」
翔は言われたように引く。手札はサイバー・ドラゴン、サイバー・ドラゴン、サイバー・ドラゴン、パワー・ボンド、融合。
サイバー・ドラゴン
効果モンスター
星5/光属性/機械族/攻2100/守1600
(1):相手フィールドにモンスターが存在し、
自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
パワー・ボンド
通常魔法
自分の手札・フィールド上から、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
機械族のその融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする。
このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、
自分はこのカードの効果でアップした数値分のダメージを受ける。
融合
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
「…!」
「やっとサイバー流の決闘者らしくなってきたな。」
「もちろんさ、お兄さんの弟だもん!」
「…翔、このカードを。」
亮は二枚のカードを翔に手渡した。
「この二枚のカードがリスペクト・デュエルに繋がる方法は俺にはまだわからない。もしかしたら相手をリスペクトするために作られたカードではないのかもしれない。」
「お兄さん…?」
「だからもし命を懸けてでも勝たねばならない決闘の時、これをつかえ!」
翔は十代との電話の途中でその二枚のカードをデッキ、エクストラデッキにそれぞれ1枚ずつ入れていた。「闇の決闘…僕もプロの決闘者として闇の決闘者を倒してみせる!」こうして翔はティソナとの決闘を始めた。
「僕の先攻!僕は手札から魔法カード 融合を発動!手札のサイバー・ドラゴン・三体を融合!出てこい サイバー流のエースモンスター サイバー・エンド・ドラゴン!」
サイバー・エンド・ドラゴン
融合・効果モンスター
星10/光属性/機械族/攻4000/守2800
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
翔のフィールドにサイバー・エンド・ドラゴンが神々しく現れた。
「僕はカードを一枚セットしターンエンド!」
□□■□□
□ □ 翔LP4000 手札0
○○●○○ □
□ ○○○○○
□ □ ティソナLP4000 手札5
□□□□□
「私のターン、ドロー。私は手札から
「HEROだって!?」
ティソナのフィールドにN・グロー・モスを思わせるような光の生命体が姿を現した。
「F・HERO ファーストレイの効果発動、召喚時、相手フィールド上に存在する光属性モンスターの中で最も高い攻撃力を持つモンスターと同じ攻撃力・守備力になる。」
「そんな!」
ファーストレイの攻撃力は4000へとアップした。
「ファーストレイは決闘中に一回戦闘では破壊されない…。バトルだ、F・HERO ファーストレイでサイバー・エンド・ドラゴンを攻撃…スピアショック!」
「速攻魔法発動!融合解除!サイバー・エンド・ドラゴンを分裂!」
融合解除
速攻魔法
フィールド上の融合モンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。
さらに、エクストラデッキに戻したそのモンスターの融合召喚に使用した
融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、
その一組を特殊召喚できる。
翔のフィールドのサイバー・エンド・ドラゴンは三体のサイバー・ドラゴンに分裂した。ファーストレイの攻撃力は4000のまま守備表示のサイバー・ドラゴンを1体破壊した。
「カードを一枚セットしターンエンド。」
□□□□□
□ □ 翔LP4000 手札0
○●●○○ □
□ ○○●○○
□ □ ティソナLP4000 手札4
□□■□□
「僕のターン、ドロー!僕は手札からパワー・ボンドを発動!フィールド上の二体のサイバー・ドラゴンで融合し、現れよ!サイバー・ツイン・ドラゴン!」
サイバー・ツイン・ドラゴン
融合・効果モンスター
星8/光属性/機械族/攻2800/守2100
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃力はパワー・ボンドの効果により二倍の5600となった。
「バトルだ!サイバー・ツイン・ドラゴンでファーストレイに攻撃!エヴォリューション・ツイン・バースト!」
ティソナLP4000→3400
「まだあと一回サイバー・ツインは攻撃できる!終わりだ!」
「…罠発動 フィクション・シグナル。自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊され
墓地へ送られた時、手札・デッキからレベル4以下の『F・HERO』モンスター1体を特殊召喚する。デッキより二体目のファーストレイを特殊召喚。効果により攻撃力は5600となる。」
「く…バトルは中止だ!サイバー・ツイン!ターンエンド…。」
「パワー・ボンドのリスク…受けてもらう。」
翔LP4000→1200
「ぐわああ!」
□□□□□
□ □ 翔LP1200 手札0
○○●○○ □
□ ○○●○○
□ □ ティソナLP3400 手札4
□□□□□
「私のターン…ドロー。私は手札から融合を発動。フィールドの光属性F・HERO ファーストレイと地属性F・HERO フェレットレイ、闇属性F・HERO フェードレイで融合!三属性を総べる究極のHERO ここに見参。融合召喚 F・HERO ハウリングレイ!」
三色のボディをしたHEROが姿を現した。
「このモンスターは三つの属性を持つモンスター。先ほどのファーストレイの効果が三属性に対応される。よってハウリングレイの攻撃力は5600。」
「また同じ攻撃力に…!」
「そしてハウリングレイは戦闘では破壊されない。バトルだ。F・HERO ハウリングレイでサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃!ハウリング・ケース!」
サイバー・ツイン・ドラゴンはハウリングレイの一方的な攻撃により撃破された。
「ターンエンドだ。」
□□□□□
□ □ 翔LP1200 手札0
○○○○○ □
□ ○○●○○
□ □ ティソナLP3400 手札2
□□□□□
翔は指をドローする位置へ置く。「ここであのカードを引けなければ僕はサイバー流の決闘者としても、プロデュエリストとしても失格だ…。大丈夫、僕なら…引けるッ!」
「僕のターン、ドロー!」
引いたカードは魔法カード テクニカル・ボンド。
「僕は魔法カード テクニカル・ボンドを発動!墓地のサイバー・ドラゴンを三体デッキに戻し融合!サイバー・エンド・ドラゴン!」
しかしサイバー・エンド・ドラゴンは守備表示で出される。
「テクニカル・ボンドで融合召喚されたモンスターは一つだけ効果を付け加えることが出来る!僕は戦闘で破壊されないという効果をサイバー・エンド・ドラゴンに付与!しかしその代り攻撃力は0となる…。」
「…しのぐ気か…。」
「僕はターンエンド!」
□□□□□
□ □ 翔LP1200 手札0
○○●○○ □
□ ○○●○○
□ □ ティソナLP3400 手札2
□□□□□
「私のターン、ドロー。私はカードを二枚セットし、ターンエンド。」
□□□□□
□ □ 翔LP1200 手札0
○○●○○ □
□ ○○●○○
□ □ ティソナLP3400 手札1
□■■□□
翔はティソナの冷静な決闘に押されつつあった。いくら戦闘で破壊されないとはいえいずれ突破されてしまう。そういった勘が働き、翔は再びドローにすべてをかける気持ちを持つ。「ここで…あのカードを…!」翔は亮のセリフを思い出していた。
「もし命を懸けてでも勝たねばならない決闘の時、これをつかえ!」
「今がその時だ。お兄さん!僕のターン、ドロー!…よし!僕は手札から速攻魔法
「新たなサイバー・エンドだと…?」
「現れよ!
サイバー・エンド・ドラゴンに酷似するも肉体の数か所に光のラインが入ったサイバー・エンドが現れた。
「サイバー・エンド・ドラゴンがパワー系なら機雷龍 サイバー・エンドはテクニカル系!サイバー・エンドの効果発動!相手フィールド上のモンスター1体の効果をこのモンスターの攻撃力をエンドフェイズ時まで半分にすることで無効にする!サイバネティック・フレイム!」
サイバー・エンドの攻撃力は2000となり、ハウリングレイは攻撃力0となる。
「バトル!サイバー・エンドでハウリングレイに攻撃!エターナル・ストリデント・バースト!」
サイバー・エンドの咆哮がハウリングレイを掻き消し、ティソナのライフを大きく削った。
ティソナLP3400→1400
「…ハハ…。」
「ん?」
「…ウヘヘ…アハハハハ!!これはいいぜェ!お前意外とやるじゃねえかァ!」
ティソナはいきなり瞳孔が開いたまま翔に言い放った。
「なんだ、こいつ…!」
「いやァ、俺のライフをここまで削るとは…アハハハ!」
「気持ち悪い奴だなぁ…。」
「プヘヘェ!罠 発動!
「またF・HEROたちが…!」
「でもまぁまーた効果無効にされるのがオチだからな…悪いが茶番はここまでだァ、ケヘヘ!」
「なんだと!?」
「俺はレベル4のF・HERO フェレットレイ、F・HERO フェードレイでオーバーレイ!」
「オーバーレイ!?エクシーズも使えるのか!?」
「平和などはまやかし。破壊こそ我らの望みにして正義。何をも掻き消せ、エクシーズ召喚!ランク4
霧が現れると大きな影がティソナのフィールドを包む。それがモンスターだと翔が気が付くころにはすでにサイバー・エンドは鎖で縛られているのであった。
決闘竜の目覚め
速攻魔法
このカードの効果を使ったターン、自分は通常召喚を行うことは出来ない。
(1):自分フィールド上に存在するドラゴン族モンスター1体を選択し発動できる。選択したモンスターをエクストラデッキに戻し、同じ攻撃力・守備力の「竜」または「龍」と名の付いたモンスターを1体、召喚条件を無視してエクストラデッキから特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する場合、フィールド上の「竜」または「龍」と名の付いたモンスターを選択し発動できる。そのモンスターとこのカードをゲームから除外し、選択したモンスターと同じ攻撃力・守備力の「竜」または「龍」と名の付かないモンスターを1体、召喚条件を無視してデッキまたはエクストラデッキから特殊召喚する。