インダストリアル・イリュージョン社の社長室の窓ガラスにはビニールシートが被されていた。警察が捜査に来るも結局ソリットヴィジョンシステムのエラーという扱いで処理されてしまった。
「待ってくだサーイ!容疑者は今医務室にいマース!」
ペガサスは警官を連れて医務室へ行くも、そこにはピンピンした万丈目しかいなかった。
「oh no!万丈目ボーイ、エクスたちはどこへ行ったのですカー?」
「俺が目が覚めた時は誰もいなかったぞ。」
警官たちは飽きてた顔をしてビルを出ていった。
「まさか逃げ出すとは…。きちんと見張りをつけておくべきでしター…。」
「まぁみんなが無事でよかったぜ。」
十代は相変わらずニコニコとしていた。そんな十代を横目に万丈目はペガサスに話しかける。
「ペガサス会長。結局WDMCはどうなるんだ?」
「oh、お伝えするのを忘れていましター!WDMC予選のゴールは社長室に設定されていましター。よって社長室に最も近かった三名が本戦出場となりマース。」
「ということは?」
「社長室にたどり着いた十代ボーイ、翔ボーイ、それと万丈目ボーイデース。」
それを聞いた翔はペガサスの言葉を遮る。
「ちょ…ちょっと待ってくださいっす。万丈目君は社長室から一番近いところにいたとはいえ伸びてたんすよ!?それよりその地点にいたレベッカが本戦に出場するべきじゃないんすか!?」
「なんだと、貴様!」
「なんだよ!間違ったことは言ってないだろ!」
万丈目と翔は学生の頃のように喧嘩を始めた。それに対しペガサスは落ち着きながら返答する。
「レベッカガールは…」
「ミス レベッカ!!」
ペガサスの言葉を今度はレベッカが遮る。
「s…sorry、ミス レベッカ。ミス レベッカは二つの理由で予選敗退なのデース。一つは先ほども述べたように社長室から遠いコントロール室にミス レベッカはいたこと。もう一つはバイクの免許を持っていないということデース。」
「バイク?」
「万丈目君知らないの?今回のWDMC、あと日本で行われているJDMCに出場するには大型バイクの免許がいるんだよ。」
「し…知っていたさ!俺だって持っているしな!」
「そう、しかしミス レベッカはまだ取得できる年齢には至っていまセーン。」
「私、ただダーリンに会いたくてこの大会に参加したの。でもダーリンは結局現れなかったから…もういいの!」
そういうとレベッカはニコリとしたが、心の奥では残念がっているようであった。杏子もレベッカに同情し、彼女の名前を呟いていた。その時ペガサスのスマートフォンが鳴り、彼は電話に出る。
「yes,…ok、今から向かいマース。…みなさん、屋上に来ていただけますカー?」
全員を連れてペガサスはビルの屋上に向かった。まもなくして一機のヘリがヘリポートに降り立った。
「な…なんだぁ?」
「ミス レベッカ、あなたが待っている人の到着デース!」
ヘリの扉があくとそこから遊戯、城之内、海馬が出てきた。
「ダーリン!!来てくれたのね!!」
「あ…レベッカ、アハ…ひさしぶり!」
抱き付かれた遊戯は動揺を見せるもレベッカを優しく体から離した。城之内は体中の骨を鳴らしながら杏子のほうへ向かう。
「あーすげえ疲れたぜ…。ってかおい、杏子!お前電話どうしたんだよ!」
「あ…忘れてた…!」
「ったく、せっかくいいことがあったんだから教えてやろうと思ったのによ!」
「いいこと?」
遊戯の先年パズルが光り始める。そこに現れたもう一人の遊戯を目にした杏子は涙が止まらなかった。
多くのビル群の中にひときわ目立つ建物 その中に”ハイクラス”の一人 トレードはいた。トレードの周りには三人の男が立っている。
「ピースキラーズはやられ、意識が戻った瞬間”レクシブ時空”に帰ってたそうだ。お前たちもそうならないことを願っているよ。」
「ふん、この俺がやられると思っているのか。」
「期待しているよ。」
「ところでトレード、あんた俺たちに渡したいものがあるんじゃないのか?」
「おおっと、そうだった、君たちから預かっていたあのカードたちに”遊那”が力を注いでくれた。これらだ、存分に使い”プロン時空”の決闘者たちから千年アイテムを奪え。」
「わかった。」
三人の男たちはそれぞれドラゴンのカードを一枚ずつ受け取り、部屋を出た。扉が閉まるとその裏にはキッドが立っていた。
「あいつらだけに任せていいのか?」
「びっくりした、キッドか。もちろんだ、あいつらは強い。」
「しかしせっかく入手した千年秤を持っていくんだろ?もし奪われでもしたら…。」
「それなら千年錠を持ち帰った功労者 キッド様も行けばいいだろ、あいつらと一緒に。」
「…。」
「へへ、そんなにも早く”ネオン”を助けたいんだな。」
「!!」
「悪い悪い、遊那から聞いちまった、ハハ。弟のために健気だねえ…!」
「黙れ!」
「とりあえずあいつら5D'sに任せておけば大丈夫だ…。」
トレードはそう言うと部屋にあるベッドに横になるのであった。
一週間後、WDMCの本線が開幕した。遊戯、海馬、城之内、十代、万丈目、翔の六人はアメリカのとあるサーキットの控室にいた。
「なぜサーキットでデュエルモンスターズの大会が行われる?」
「あれ、海馬さんも知らなかったの?デュエルアカデミアのオーナーってくらいだから知ってると思ってたぜ~!」
十代は悪気もなく海馬を煽る。
「貴様…!そもそもなぜおまえは卒業した後も制服を着ている!?」
「え、この制服かっこいいじゃん!俺気に入ってるんすよ!」
「ぬうう…。」
海馬は言い返すことができなくなってしまった。すると係員が六人をサーキットに呼んだ。サーキットに近づくにつれ、ペガサスの声が聞こえてくる。
「皆サーン!たいへん長らくお待たせしました!ワールドデュエルモンスターズカーニバル本選を開催致しマース!まずは選手に入場してもらいましショーウ!まずはあのヘルカイザー亮の弟にして真・サイバー流の後継者 丸藤翔!」
係員が翔の背中を押し、それによろける形で翔は公の場に出た。
「続いては万丈目グループの御曹司にしてプロデュエリスト!万丈目準!」
紹介とともに万丈目は駆けながらサーキットに出る。そして右手を空に挙げ、指をさしながら叫んだ。
「俺の名は!」
「イチ!」
「ジュウ!」
「ヒャク!」
「セン!」
「万丈目…」
「「「「「サンダーー!!」」」」」
会場が一体になったことを感じると満足そうな顔をして翔の横についた。
「続いてはデュエルアカデミアにて様々なライバルを倒してきた決闘を愛する男 遊城十代!」
十代は「おーい!」と言いながら周りに手を振りサーキットに登場した。
「この三人はまだ決闘者としては若き世代、とはいえ優秀な成績を収めている者たちばかりデース!よってチーム名をジェネレーションネクスト 略してGXとしマース!」
「「「チームゥゥ!?」」」
三人は声を揃えて驚きを言葉で表す。
「そんなぁ!僕万丈目君なんかと…!」
「『なんか』とはなんだ!俺だって…」
「まぁまぁ二人とも、仲良くやろうぜ!」
そんな三人を置いてペガサスは再び選手の紹介に移る。
「続いてはギャンブルデッキ使い 運だけの男から…」
「かああ!もうそれはいい!!」
城之内は紹介を遮ってサーキットに降り立った。
「海馬コーポレーション社長 強靭にして無敵な最強決闘者 海馬瀬人!」
海馬の名が呼ばれると観客たちは歓声を上げる。海馬もまんざらではない様子であった。
「そして今回彼が数年ぶりに公式大会に参戦してくれマース…決闘王 武藤遊戯!!」
名を呼ばれると遊戯は闇遊戯に語り掛けた。
「いくよ、もう一人の僕。」
『おう。』
千年パズルが光り、闇遊戯がサーキットの芝生をしっかりと足で踏みしめながら海馬の横に並んだ。
「彼らはチーム ドミノ!彼らの出身地からつけましター!」
「な…なんか俺たちのチーム名、いい加減じゃないか?なぁ遊戯。」
「チーム名は重要じゃないぜ、城之内君。一生懸命頑張ろう。」
「フン、せいぜい足を引っ張らないことだな、凡骨。」
「海馬ァ!このぉ!」
「続いての紹介に移りましょう!ヨーロッパ アフリカ地区から出場し、見事ここまで勝ち上がったチーム アージェントデース!彼らは本名を使って登録していないので個人の紹介は省略しマース…。」
チーム アージェントの三人は深くフードをかぶり、静かにサーキットに現れた。
「最後のチームはオセアニア圏からの出場チームデース。まずは一人目 黒き旋風を巻き起こす鉄砲玉 クロウ・ホーガン!そして二人目 自らを
「なに!?」
「遊星だって!?」
遊戯と十代は遊星の名を聞き、チーム5D'sのほうを見た。そこには確かに遊星が立っている。遊戯と十代は駆け寄ると遊星に話しかけた。
「遊星!久しぶりだな!」
「まさかまた時間をさかのぼってきたのか!?いやぁ会えてうれしいぜ!」
十代が彼の肩にポンと手を置くが、遊星はそれを振り払った。
「黙れ、お前などに用はない。武藤遊戯、お前から千年パズルはいただくぜ。」
そういうと遊星らチーム5D'sは再び自分たちの控室に戻っていくのであった。その姿を遊戯と十代は突っ立ったまま見ているしかできなかった。
(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)
Pk-A(ア)ガリア
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1200/守400
【Pスケール:青2/赤2】
(1):相手モンスターの直接攻撃時に発動できる。このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカードがエクストラデッキに存在する限り、自分はシンクロ召喚を行うことは出来ない。