WDMCの準決勝の日の夜、
「よく集まってくれた。感謝する。」
丁寧なⅤの挨拶を鼻で笑う海馬はトロン一家に啖呵を切る。
「フン、ご丁寧な挨拶などどうでもいいわ。お前たちは何をたくらんでいる?秘密主義者ほど信用できんものはないな。」
「やはりミザエルの言う通りの男だな、海馬瀬人。」
「何!?ミザエル…あの
「だが海馬瀬人、あなたがそういうのも無理はない。余計な混乱を防ぎたく、なるべく力のないものには我々の持ち込む話にはかかわっては欲しくなかった。だがさすがは世界大会本選出場者たち、あなた方の力を信じ私たち兄弟が知っていることをお伝えしよう。」
海馬も静かに話を聞くスタンスをとることにした。それを見るとⅤは静かに話し始めた。
「まず我々に関することについて整理しよう。この今いる時間は武藤遊戯、遊城十代が活躍している時間だ。その数十年後にモーメントが完成しチーム5D'sが活躍する時間が存在する。」
「あぁ、遊星たちは未来から来たって言ってたな。」
「そう。だが私たちも今いる時間の未来から来た。」
「遊星たちのように?」
「だが遊星たちとは違う分岐した未来から来たのだ。」
「どういう意味だ?」
「そうだな、おおざっぱに言おう。モーメントが出来、ライディングデュエルが流行した未来とARヴィジョンが進化し、決闘に応用された未来というパラレルワールド、両方が存在するというわけだ。これらは通常であれば行き来はできないが人間の技術を応用、または人外な力を人間の力で制御することで干渉は可能となる。」
「まるで意味が分からんぞ!」
ほかの者たちはⅤの説明に相槌を打ちながら何となく理解している様子だったが、ジャックは立ち上がりⅤへ自信満々に言い放った。Ⅴは小さな溜息をつくが、すぐに再び説明を始める。
「詳しいことはわからなくていい。つまり私たちの来た世界はみな何らかの形で繋がっているということだ。」
「ふむ。」
「デュエルモンスターズの精霊の世界やアストラル世界などは遠い過去において分岐した世界であるため、それらも私たちの生きている世界に繋がっていたといえる。」
「なるほどな。」
「一応それら一つ一つの単位として”次元”という言葉を使っている。まぁ時間や空間はめちゃくちゃであるが一つ一つバラバラに考える分には便利な単位だ。」
「なるほどな!」
遊星はジャックに真面目に話を聞くよう言い、ジャックは着席した。
「だが一つの手段を除きどんなことをしても干渉できないいくつかの次元が存在する。」
「干渉できない?」
「そうだ、今までの一連の事件はその干渉できないいくつかの次元の連合が関わっている。」
今まで黙っていた十代はハッとするように口を開いた。
「それって”レクシブ”だとか”プロン”だとかいうやつか?」
「ほう、そこまで知っているのか、それならば話は早い。我々の干渉し合える次元らを”プロン”。先ほど述べた干渉できない次元たちを”レクシブ”と呼んでいる。」
「だから俺たちのことをキッドは『プロンの決闘者』って呼んでたのか。」
「レクシブはレクシブの次元同士で干渉し合える。またそのひと塊を”時空”という単位で我々は呼んでいる。」
ジャックは我慢していたようだが再び立ち上がって叫んだ。
「えぇい!わからん!わからんぞ!どういう意味だ!?」
「わかった、座ってくれ。そうだな、宇宙でたとえてみよう。銀河には様々な惑星が存在する。その一つ一つの惑星を次元と考えてくれ。そして銀河は時空。今他の銀河から我々の銀河が攻撃されているということだ。」
「待て、貴様はさっき『どんなことをしても干渉できない』と言ったはずだ!干渉しているではないか!」
「…きちんと聞いていたのだな。」
遊星はジャックを再び席につかせながら会話に混ざった。
「その『一つの手段を除き』の一つの手段で干渉してきた…ということだな?」
「その通りだ、不動遊星。ヌメロンコードと呼ばれる世界を作り上げた過去現在未来のすべてが記されたカード。それによってレクシブ時空の決闘者たちが我々プロン時空に侵攻してきた。」
「まるで意味が…」
「ジャック、この時代にもブルーアイズマウンテンが置いてあるらしい。ペガサス会長に聞いてみたらどうだ?」
「本当か!遊星!よし、今から行ってくる。」
そういうとジャックは部屋から出ていった。
「ジャックにはあとで俺から説明しておく。続けてくれ。」
「感謝する、不動遊星。ヌメロンコードには他時空と干渉する方法も記されており、一つの時空につき一枚存在する。つまりレクシブ時空のヌメロンコードを使ってプロン時空に干渉してきたということだ。」
「キッドやキッドを迎えに来たナックスってやつとかはレクシブ時空の決闘者ってことか。そういえば”
「遊那だと…!」
「知っているのか?あ、キッドのことの方が聞きたいんだけど…。」
十代はキッドのことについて聞こうとするもⅤはあまり聞いていない様子だった。
「Ⅴ?」
「あ、あぁ…すまない。遊那という女に私たちの仲間は倒されてしまったんだ。」
「仲間?」
「アストラルという仲間だ。プロン時空のヌメロンコードの所有者でありまた別の私の仲間 遊馬の相棒だった。」
「死んじまったのか?」
「わからないが私の予想では死んではいない。プロンのヌメロンコードは遊那に奪われてしまったがプロン時空の妙な改変は起こっていない。もしかしたらまだアストラルが生きていて使用を遮っているのだとしたら…とな。」
全員静かになってしまうが闇遊戯は話を切り出す。
「話を変えてすまないが”ハイクラス”ってのはなんだ?」
「あぁ、ハイクラスはレクシブ時空のあらゆる次元から選ばれた決闘者たちのことだ。遊城十代たちが戦ったピースキラーズはそのハイクラスの下部組織の一つだな。」
「フン、大体わかったがそれで貴様らは何がしたくてこの次元に来たというのだ?」
海馬がトロン一家たちに尋ねた。
「プロン時空の次元の一つ、アストラル世界にハイクラスの拠点の一つがあり、遊那がいる。もし生きているアストラルを助け出すことが出来ればハイクラスを退けることが出来るかもしれないからな。」
「それの協力者を集めるためにこの次元に来たということか。」
Ⅴはうなずいた。海馬はしばらく黙っていたが、何かを決めたように立ち上がると自分のアタッシュケースを持ち、部屋の出口に向かって歩いて行った。闇遊戯は海馬を引き留める。
「おい、どこへいくんだ、海馬。」
「当然アストラル世界とやらだ。そこにミザエルもいるのだろう。やつのような決闘者がいるのなら行ってやる。」
「ずいぶんミザエルを買っているんだな。」
「やつの言っていたカイトとやらも興味がある。さぁ行くぞ。」
「待ってくれ、ほかのみんなも頼む。俺たちに力を貸してくれ。これはプロン時空全体の問題なんだ。」
誰しもがⅤについていこうとした中で遊星は断った。
「すまない、俺は行くことはできない。」
「なぜだ、不動遊星。私たちは君に期待をかけていた。こちらの一方的な願いではあるが…」
「いやそういうことじゃないんだ。俺たちの次元で今チーム5D'sの仲間が囚われている。」
「なんだと!?」
クロウはその事実を知らなかったことから驚き、彼もⅤにはついていかず元の次元に戻ることに決める。
「だが我々の船の燃料の都合で君たちを元の次元に送ってあげることはできない。構わないか?」
「あぁ、すまない。仲間を見捨てるわけにはいかないんだ。」
「兄様、ひょっとしたら…!」
「そうなると遊星たちの方も無視できんな…。」
「二手に分かれていくのがベストかもしれんな。」
万丈目が提案する。
「いや二手だけでなくこの次元を守るものも必要だ。そうだな…万丈目準、君はこの次元において有力な権力を持っている万丈目グループのものだったな。君と丸藤翔でこの次元の警護に当たってくれないか?」
「いいだろう、この万丈目サンダーに任せろ!!」
「海馬瀬人、君は私たちと共に来るのだろう?」
「当然だ!」
「それと遊城十代、君にもお願いしたい。」
「わかったぜ。でも遊星たちはどうすれば…」
『クリクリ!』
十代のハネクリボーの精霊が現れ、十代に何かを告げた。
「本当か?ハネクリボー。じゃあ精霊界に行くんだな!頼んだぜ。」
「ん?十代さん、誰と話しているんだ?」
十代は遊星の質問に答えようとはせずニヤリとして彼の手に自分のハネクリボーのカードを握らせた。
「ハネクリボーが精霊の世界から頼りがいのある仲間を連れてきてくれるってさ!遊星、これ遊戯さんからもらった大事なカードだからなくさないで持っててくれよ?」
「おい、俺はあげた覚えはないぜ。」
『僕だよ、もう一人の僕。』
「よ…よくわからないがわかりました、十代さん。預からせてもらいます。」
こうしてZEXALの次元には
Ⅴ、
が。
5D'sの次元には
遊星、ジャック、クロウ、遊戯。
そしてDM、GX次元には
万丈目、翔
が残ることとなった。翌日トロン一家の飛行船で五人はZEXAL次元へと向かった。残された遊星たちは一先ず次元を移動できる技術がないか調べることにし、遊星は遊星号を走らせ童実野町の高速道路を走っていた。すると後ろから大型バイクが迫ってくる。よく見るとそれはD ホイールであった。
「この次元にD ホイール!?インダストリアル・イリュージョン社の二台だけではないのか!?」
会話ができるほどまでに近づいてくるとそのD ホイールに乗った赤髪のD ホイーラーが話しかけてきた。
「不動遊星…やはり千年秤の洗脳は解けていたか。トレード、読みの甘い奴だ。」
「何者だ?」
「俺はキッド・プライスター。不動遊星!千年アイテムをかけて決闘してもらう!」
(今回はオリカは登場しませんでしたので別の話のオリカを載せさせていただきます。)
Pk-E(エ)リーゴス
ペンデュラム・効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻400/守600
【Pスケール:青7/赤7】
自分のターンのメインフェイズに発動できる。デッキから「融合」または「フュージョン」と名の付く魔法カードを一枚手札に加える。この効果を使用したターンの次の自分のターンのエンドフェイズ時までこのカードのPスケールはもう片方のPカードのPスケールと同じ数値となる。
【モンスター効果】
このカードがエクストラデッキに存在する限り、自分は融合召喚を行うことは出来ない。