遊戯王 DM to ARC-V   作:エクシ

69 / 83
第六十九話「決着」

「俺が引いたカードは死者蘇生だぜ!」

「死者蘇生?そんなカードが今役に立つとでも?」

 

闇遊戯は感情のこもっていない遊那の受け答えにニヤリとする。

 

「リバースカードオープン!速攻魔法 異次元からの埋葬!」

 

 

 

異次元からの埋葬

速攻魔法(制限カード)

(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から

合計3体まで対象として発動できる。

そのモンスターを墓地に戻す。

 

 

 

「俺が戻すのはお前のαβ(アルファベーター) B ブラック・マジシャン・コムニオ!」

「なんだと?」

 

遊那のブラック・マジシャン・コムニオは闇遊戯の幻想の黒魔導師の効果によって除外されていた。

 

 

 

幻想の黒魔導師

エクシーズ・効果モンスター

ランク7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100

レベル7モンスター×2

このカードは自分フィールド上の魔法使い族・ランク6の

エクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

手札・デッキから魔法使い族の通常モンスター1体を特殊召喚する。

また、魔法使い族の通常モンスターの攻撃宣言時、

相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードをゲームから除外する。

「幻想の黒魔導師」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

「そして魔法カード 死者蘇生を発動!」

 

 

 

死者蘇生

通常魔法(制限カード)

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

「俺は墓地に戻ったお前のブラック・マジシャン・コムニオをいただくぜ!」

 

遊那は何か仕掛けてくるかもしれない闇遊戯を警戒していた。コムニオモンスターの効果を発動させるためには手札に多くのベースカードを握っておく必要がある。闇遊戯が何か効果を発動する度に永続魔法 コムニオン・ストームによって手札にベースカードを回収するべきと遊那は判断した。

 

「コムニオン・ストームの効果により永続ベースカード コムニオン・ガードを手札に加える。」

「来い、ブラック・マジシャン・コムニオ!」

 

闇遊戯の場にコムニオモンスターであるブラック・マジシャン・コムニオが特殊召喚された。遊那は警戒を続けるが余裕の表情を浮かべる闇遊戯は自らのターンを進めていく。

 

「アストラルから受け取ったもう一つの力を使わせてもらうぜ。自分のコストゾーンに表側となっている枚数が相手よりも少ない場合、ブラック・マジシャン・コムニオを別のクラスに進化させることが出来る!」

「進化…だと?」

 

自分も知らないコムニオ召喚の秘密に遊那は機械でありながら動揺した。

 

「ネクスト・クラス・チェーン!ブラック・マジシャン・コムニオをコストゾーンに送り、エクストラデッキからαβN(アルファベーターネクスト) B ブラック・ウィザード・コムニオを召喚するぜ!」

 

ブラック・マジシャン・コムニオはエネルギー体へと変わり、コストゾーンへ送られる。その衝撃波からネクスト・クラスへ移行したαβN B ブラック・ウィザード・コムニオが姿を現した。

 

「なんなの…このコムニオ召喚は…!」

「アストラルにはお前のコムニオチェーンのようにクラスチェーンの素質があった。それを俺が使わせてもらったに過ぎない。」

「使わせてもらった…?」

 

ヌメロンコードを持たない人間がただ少しヌメロンコードを持つものと接触しただけで新たなコムニオ召喚をマスターできるとはとても遊那には”計算”できなかった。だが実際に起きていることである。遊那は闇遊戯の出方をうかがう。

 

「αβN B ブラック・ウィザード・コムニオがネクスト・クラス・チェーンによって特殊召喚に成功した場合、フィールドに存在する二体のモンスターを破壊できる!」

「ベースカードを使わずに効果を発動だと?」

「ネオスとスターダストを倒せ!αβN B ブラック・ウィザード・コムニオ!」

 

遊那はそれにチェーンしてコムニオン・ストリーム、そしてコムニオン・スターダスト・ドラゴン、コムニオ・ネオスの効果を発動する。

 

「コムニオン・ストリームコストゾーンに存在するコムニオン・バーストを手札に加え、コムニオン・スターダスト・ドラゴンの効果で加えたバーストを捨て、このカードの破壊を1度無効にする。さらにコムニオ・ネオスの効果で手札のモンスターベースカード コムニオン・ヨハネを捨ててブラック・ウィザード・コムニオを守備表示に変更する。」

「スターダストは守られてもネオスは破壊されるぜ!」

 

闇遊戯の言う通り、コムニオ・ネオスは破壊された。しかし攻撃力2800のブラック・ウィザード・コムニオでスターダストを攻撃することは守備表示になってしまったことで叶わなくなる。

 

「残念だけどブラック・ウィザード・コムニオでコムニオン・スターダスト・ドラゴンを攻撃は出来なくなった。貴方の策は尽きたわ。」

「それはどうかな?」

 

闇遊戯は依然として余裕の表情を浮かべる。

 

「何?」

「確かにアストラルがくれた力はここまでだったが、ここからは俺の王としての力を使うぜ、応えてくれ、俺のデッキ!」

 

闇遊戯は千年パズルの力を光らせ、力を発動させる。ウジャトの眼が闇遊戯の瞳に出現し、ネクスト・クラス・チェーンの更なる先へと進む。

 

「自分のコストゾーンに表側となっている枚数が相手よりも5枚以上少ない場合、俺は更なるクラス・チェーン…ハイ・クラス・チェーンへと進むことが出来る!」

「ハイ・クラス・チェーン?」

「俺のコストゾーンには表側となっているカードは1枚。そしてお前のコストゾーンには7枚!よってハイ・クラス・チェーンが可能!ブラック・ウィザード・コムニオをコストゾーンに送り現れろ 我が力により覚醒した最強の魔導師!αβH(アルファベーターハイ) B ブラック・ソーサラー・コムニオ!!」

 

ウィザードよりもさらに迫力のあるローブを羽織ったブラック・ソーサラー・コムニオが現れた。

 

「これで終わりだぜ、遊那。」

「私にない…知識…!」

「バトルだ!ブラック・ソーサラー・コムニオでコムニオン・スターダスト・ドラゴンを攻撃!ハイ・ブラック・マジック!」

 

ブラック・ソーサラー・コムニオの巨大な杖からエネルギーは射出される。コムニオン・スターダスト・ドラゴンに向けて放たれたその攻撃によって遊那は敗北した。

 

遊那LP1→0

 

ソリットヴィジョンは消滅し始める。それと同時に十代、遊星、遊馬が消滅に反して現れる。

 

「遊戯さん!遊那に勝ったんですね。」

「あぁ、みんなも勝ったんだな。」

「遊戯さんが勝ったってことは…。」

「アストラル!」

 

遊馬はアストラルを呼ぶも何の返事も返って来ず、俯く。その時遊馬のすぐ近くからアストラルの声がした。

 

『遊馬、心配をかけたな。』

「!! びっくりした!何すんだよ!いきなり後ろに!」

『驚くかと思ったのだ。』

「くっそ…。うっ…うう…。」

 

遊馬は怒ろうとするも出会えた喜びに涙する。

 

「とりあえず目的のアストラルを取り戻すことは出来たな。」

「えぇ…でも…。」

 

遊星は遠くを見る。そう、まだキッドが帰ってきていない。

 

「キッドはきっと敗北しているわ。」

 

全く動かなかった遊那が突如話し始めた。闇遊戯は遊那に訳を尋ねる。

 

「簡単なこと…彼がクオリファイ家の人間だから。彼に決闘(デュエル)では敵わない。」

「キッドは強いぞ。」

 

十代が反論するも遊那はそれを無視する。

 

「私はもうすぐ自爆する。」

「なんだと!?」

「決闘で敗北した時に自爆するようプログラムしていたのよ。」

「お前はなぜそこまでレクシブ時空のために動こうとする?」

 

闇遊戯の質問に遊那は俯きながら答える。

 

「私には家族がいた。彼らは私を愛し、そして私も彼らを愛した。そんな彼らが生きている世界を守りたい。そう考えるのは普通では?」

「それは…。」

「体が朽ちようとも私たちの世界を守る。それを行動原理にするとプログラムされている。」

「ではそのプログラム…行動原理に従ってレクシブ時空の発展のためにハイクラスまで作ったということか!?」

 

遊那は返事をしないが否定もしなかった。

 

「お前の考えは理解できないがコムニオン・モニュメント…あのモンスターのようにお前の意思は固く、同じ決闘者(デュエリスト)として尊敬に値するものだった。」

「…私の最後のプログラムを起動。貴方たちを一時的にキッドの元に転送します。」

 

そういうと遊那は四人に手を向けた。

 

 

 

 

 

キッドはオッドアイズ・ディ・アルコバレーノの攻撃によって敗北していた。

 

「ん?お前デュエルディスクをプロン製のものに変えていたのか。なるほど、だから強制帰還装置が起動しないわけだ。」

「く…なんて力だ…。」

「この空間からは勝者しか出られない。安心し…!!」

 

アクトは何かを悟る。しばらく考え込むとキッドに背を向けた。

 

「まさか負けるとは…すぐに”他の方々”に報告しなくては…いやまずはヌメロンコードの回収が先か…。」

「なんだ…俺にとどめを刺すんじゃないのか…!?」

 

キッドの言葉にアクトはニヤリとしながら振り向く。

 

「もう遊那はいない。ならばレクシブ時空は我々クオリファイ家の好きにさせてもらう。」

「なんだと!?」

「そのためにはお前が必要になるかもしれん…”覚醒”する前に殺してしまっては意味がない。」

「覚醒…?」

「それといいことを教えてやろう。お前の弟がさらわれた理由はお前の弟が優れた決闘者だったからだ。」

「!?」

「”覚醒”するかもしれないと睨んでいたからな。」

「待て!なぜおまえがそんなことを…まさか!!」

 

キッドは弟 ネオンをさらった犯人はアクトであることに気が付く。地を這いながらもアクトを捕まえようとするがアクトは徐々に姿を消していった。

 

「くそぉ!!!!」

 

キッドは自分の生まれ故郷の景色をみながら一人取り残される。「俺は死ぬまでずっとここに居続けるのか…。ネオン…すまない。」キッドは無念の思いで目を閉じた。

 

「キッド!起きろ!」

 

十代の声がする。「ついに俺は幻聴まで?」キッドは目を開こうとしない。

 

「おい、すぐに脱出するぞ!」

 

遊星が焦っている。「遊星までいるのか?一体…?」キッドはそっと目を開けた。そこには四人の男たちが立っている。

 

「行くぜ、キッド。俺たちの世界へ行こう!」

「遊馬…!」

「キッド、お前はここで諦める奴じゃないんだろう?三人から聞いたぜ。」

「武藤…遊戯…!」

 

闇遊戯がキッドに手を差し伸べる。その手を取ると五人はアストラル世界に再び転送された。

 

 

 

 

 

遊那の力によって再転送された場所は墜落を始めている移動要塞のデッキにいた。

 

「うわ、こんなとこに出ちまった…ユベル、みんなを浮かせられるか?」

『無茶言うな。』

「だよなぁ…。」

 

冗談を言う十代以外は皆焦っている。すると下方に十代や海馬をハートランドに運んだ飛行船が飛んでいた。そこから(ブイ)の声が聞こえる。

 

「海馬瀬人や他の仲間たちはすでにこちらにいる!君たちもすぐ来るんだ!」

「って言われてもよ、Ⅴ!これ超高いぜ!?」

「かっとビングだ!遊馬!」

「えぇ!?」

 

ビビる遊馬にアストラルも後を押す。

 

『かっとビングだぞ、遊馬。』

「…だな!行くぜ!みんな!かっとビングだ!俺たち!!」

 

遊馬が飛び降りると十代、遊星が落ちていく。キッドは唖然とし飛び降りようとしない。闇遊戯はキッドの肩にポンと手を置いた。

 

「行こう、みんなが待ってるぜ。」

 

闇遊戯も落ちていく。キッドはそれに続いて飛び降りた。落下中、闇遊戯はキッドに声をかける。

 

「大丈夫だ、お前なら。きっと弟を見つけられる。」

「…。」

「たとえお前ひとりじゃ無理でも仲間たちがいる。そうだろ?」

 

キッドにそういうと下の方で飛行船に乗り込んでいる十代、遊星、遊馬を見た。

 

「あぁ、時空は関係ない。決闘が俺と彼らを結び付けてくれた。…そうだな、きっとネオンを助けられる。」

 

二人は飛行船に向けて手を伸ばすのであった。




αβN B ブラック・ウィザード・コムニオ
コムニオ・効果モンスター
クラス3/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2300
このカードは(1)の効果でのみエクストラデッキから特殊召喚出来る。
(1):自分のコストゾーンに表側で存在するカードの枚数が相手のコストゾーンに表側で存在するカードの枚数より少ない場合、自分フィールド上に存在する「ブラック・マジシャン」Cモンスターをコストゾーンに送ることでこのカードをC召喚扱いで特殊召喚出来る。
(2):このカードがC召喚に成功した場合、相手フィールドに存在するモンスター2体を選択し発動できる。選択したカードを破壊する。
(3):手札のベースカードを1枚捨てることで発動できる。フィールドに存在するカードを1枚選択し破壊する。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。