Episode 遊那(第七十一話)
授業が終わり家まで駆けていく少女がいた。名は武藤遊那。親を事故で亡くし今は幼い時から良く遊びに行っていたレクシブ・クオリファイ博士の家に居候している。
「ただいまー!」
ドアを開けランドセルを放り投げるとすぐに遊びに出かけようとした。
「こーら、待ちなさい。」
レクシブ博士の娘 カイリー・クオリファイが遊びに行く遊那を引き留め勉強するよう叱る。渋々勉強部屋に行くと同じくレクシブ博士の息子 カツトとカイリーの息子 トリーも無理やり勉強させられていた。
「あー、アンタ達も捕まったのね…。」
「大学受験近いのに何してるんだ!だそうだ…。」
「お母さん、乱暴なんだよなあ。僕まだ小学生だよ。」
「黙ってやる!」
親を失ったことは悲しかったがこの生活も悪くないと遊那は考えていた。他人にもかかわらずレクシブ一家は遊那に良くしていたのだ。
勉強が終わるともう夕方になっていた。今から出てももうそんなには遊べない。遊那は遊び以外の楽しみであるレクシブ博士の研究室で研究の手伝いをすることにした。レクシブ博士は名家 クオリファイ家の出身であったが家のためだけに研究することに嫌気をさし本家とは絶縁状態にあった。ノックをし研究室に入るとレクシブ博士が実験をしている真っ最中であった。
「おぉ、遊那。ちょっと離れてるんじゃ。今危ない実験をしている最中じゃからな。」
テーブルの上に置かれた石に向けてレクシブ博士は手に握っている機械からビームのようなものを照射する。すると石はカードへと変化してしまった。
「すごい!なにこれ!」
「物をカード化させる装置じゃよ。これを実用化できればあらゆる物をデュエルモンスターズのカードにして遊ぶことが出来るぞ。」
「わぁ!そしたらまたみんなが笑顔になれるね!」
レクシブ博士はデュエルモンスターズと並行世界の研究をしていた。それは人を驚かせたりびっくりさせて笑顔にしたいという望みからだ。そんな博士が遊那もカイリーもカツトもトリーも大好きだったのだ。
「私も将来レクシブ博士みたいに科学者になるわ!それでこの世界の人みんなを笑顔にするの!」
爆音と共にレクシブ博士の家は破壊された。中には博士がいる。恐らく無事ではないだろう。
「博士ェ!!」
遊那は目の前で家を世界の闇と名乗る者に破壊された。
「なんで…なんでこんなことをするのよ!」
世界の闇を名乗る者は
「く…この苦しささえなければ…!」
「遊那、待ってて!」
カイリーが後ろで亡きレクシブ博士の最高傑作を取り出す。その装置を頭に取り付け、エネルギーを遊那に放射する。
「う…!何…これ…!」
『遊那、聞こえる?』
「カイリー?」
振り返るとカイリーは倒れている。息はしていないようだ。
「え、ちょっと…どういうこと!?」
『私がデュエルモンスターズの精霊になったの。お父さんはデュエルモンスターズの精霊の力なら闇のゲームに対抗できるって言っていたから…。』
「そんな…だからってカイリーが犠牲になることなんか…。」
『世界を救うため…でしょ!行くよ、遊那!』
こうして遊那と精霊になったカイリーによって世界は救われた。しかしカイリーはもう遊那以外には見えない。空となった肉体は死んだということにされ埋葬された。トリーは涙を流しカツトは覚悟を決めた目つきをしていた。
「遊那、俺たちで父さんと姉さんが目指した世界を作ろう。」
「…うん。」
十数年後、今度は未来の使者を名乗る者たちが歴史の粛清のために遊那たちの前に立ちふさがった。カツトは使者の一人と決闘していた。
「カツト…無理しちゃダメ!」
「俺も遊那も研究者になっていろいろな発見したよな。父さんが愛したこの次元よりももっと大きな時空があるってこと。俺は父さんを越してこの時空ごと愛してるし守りてえ。俺もやらなくちゃいけないんだ!」
「カツト…!」
「…トリーを頼むぜ。行け、
その後カツトは敗北し命を落とした。だがそれによって敵への対策が出来、遊那は見事敵を打ち砕き再び世界を守った。世界は遊那を称え、彼女は英雄となったのだ。
遊那は未婚のまま老いていった。一方でカイリーの息子 トリーは妻のミカと子供のトラルもいる。精霊となったカイリーもそのことには思わず涙していた。遊那にとってミカは娘でありトラルは孫のような存在でありトリーも含めた三人への愛は深まるばかりだった。しかしそんな中再び敵は襲来する。最後の敵は別次元から進行してきた敵であった。その次元では何かを奪わなければ存続自体が不可能なほど貧困が進んでおり、遊那が住んでいる次元に存在すると言われるヌメロンコードを狙って攻めてきたのだ。ヌメロンコードについては遊那もトリーも研究しておりそれを手に入れるための犠牲が必要なことも把握していた。だが苦しむ他次元の者は恐れることなく遊那たちを攻撃する。遊那は憎しみよりもむしろそのような手段でしか生きていけない物に対し悲しみを抱いていた。
戦いは続きやがて老化した体に限界が来る。遊那はボロボロで体が動かなくなっていた。
『遊那、しっかり!』
「カイリー…ごめん。トリーを…トラルを守りたいの。だからもうお別れ。」
『何をする気?』
「私は死んで機械となる。そうすれば決闘が出来るようになるわ。」
『そんな…!』
「でもそうすれば私の体に宿るあなたの魂とはもう話せなくなる。でもこの次元を…この時空を救うためなのよ。」
『…。』
「分かってね…。トリー、お願い。」
研究者となっていたトリーはすぐに遊那の改造に取り掛かる。目は涙であふれていたがその手を休めることはなかった。機械となった姿はトリーの記憶に残る若き日の遊那であった。生前の遊那の願いによりプログラムのベースとなる行動原理は『この時空 レクシブ博士やカイリー、カツトが愛したレクシブ時空を救う』ことであった。遊那はそのプログラムに従い動く。他次元からの侵攻を防ぐと遊那はヌメロンコードを手に入れる作業に入る。普通の人間のスタミナでは不可能なことも機械である遊那は出来、何とか手に入れることに成功した。手に入れると同時にまず自分以外にヌメロンコードが使えなくするようにロックをかけた。その鍵となるものは26枚のカードに封印されレクシブ時空中の
トリーとミカはその後病気で亡くなりトラルは本家のクオリファイ家に養子で入ることとなった。アンドロイドとなった遊那はレクシブ時空のためにあらゆることを機械的に行うようになる。レクシブ時空を救うという行動原理の元に…。そんな彼女を神格化する者もあらわれるほどであったが百年もたてば彼女の存在は忘れ去られていく。
百数年後、遊那はヌメロンコードの解読に成功しプロン時空の存在を探知する。プロン時空の資源を奪えば愛すべきレクシブ時空はこれからも笑顔で暮らせる。その答えに行きつくとクオリファイ家から派遣されたアクト・クオリファイに命令を出す。
「アクト、レクシブ時空の優れた決闘者を集めて。すぐに。」
こうしてハイクラスは結成されることとなった。
~「コムニオン」デッキ~
コストゾーンにカードを貯めていきコムニオ召喚で勝負をかけるデッキ。遊那はレクシブ・ヌメロンコードを手に入れたことでコムニオチェーンと呼ばれる相手のターンでのコムニオ召喚を実現したが普通の決闘者には不可能。
<モンスター>
コムニオン・バルトロ
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1100/守 200
(1):このカードが召喚に成功した時に時に発動できる。デッキからレベル4以下の「コムニオン」モンスター1体をコストゾーンへ送る。
コムニオン・ヤコブ
??
コムニオン・アンデレ
??
コムニオン・ユダ
チューナー・効果モンスター
星6/光属性/天使族/攻 0/守 0
(1):このカードが召喚、特殊召喚された時、自分のライフを1にしてカードを6枚ドローする。その後二枚カードをコストゾーンに送る。
コムニオン・ペテロ
??
コムニオン・ヨハネ
ベース・効果モンスター
??
コムニオン・トマス
??
<魔法>
コムニオン・リリース
永続魔法
(1):お互いのプレイヤーはドローしたカードをコストゾーンに送ることが出来る。
(2):自分の墓地にカードが置かれた時、このカードを破壊する。
コムニオン・セメタリー
永続魔法
(1):自分の手札・フィールドから墓地に送られるカードは墓地へは行かずすべてコストゾーンに置かれる。
(2):自分の墓地にカードが置かれた時、このカードを破壊する。
コムニオン・ストーム
永続魔法
このカードは自分フィールド上の魔法・罠をすべてコストゾーンに置くことで発動できる。
(1):相手のモンスター効果が発動した時に発動できる。コストゾーンに存在する表側のベースカードを1枚選んで手札に加える。
<罠>
コムニオン・ガード
ベース・永続罠
(1):このカードは発動後モンスターカード(天使族・光・星10・攻 0/守 0)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
(2):このモンスターは戦闘・効果で破壊されない。
(3):自分のターンのスタンバイフェイズ時にこのカードをコストゾーンに送る。
コムニオン・バースト
ベース・通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。自分フィールドに存在するすべてのカードをコストゾーンに送りバトルフェイズを終了させる。