北郷一刀ちゃんの憂鬱 作:龍鱗
何か一本作るよりもこういった小話を書くほうが性に合ってると思っています
どうでもいい話ですがうちの一刀ちゃんはポニテ&知力ややブースト。
それと今回はちょい真面目な展開です。
③誰がなんと言おうと貴女が普通なんて言わせない
:白蓮所属
黄巾賊、漢王朝の腐敗によって民の不満が募り、周囲の賊も呼応して無差別に暴れまわる賊徒達、私が知る黄巾賊はそんな知識だ、当然領地を治める太守や県令達はその防衛に労力を費やすのだが、中には逃亡、どこ吹く風で税を上げる不届き者まで居るらしい、まあそれとはまた別な話で問題を起こした太守が私の眼の前に居るわけで・・・。
一刀「ねえ、白蓮。」
白蓮「な、なんだ一刀。」
一刀「なんだか城の兵や民の数が極端に減って見えるのは私の気のせいかな・・・?」
白蓮「あーそのな、学友が旗揚げしたものだから・・・な?」
一刀「そのせいでうちの防衛力がやや下がっているんだけど?」
ああ知っている、このお人好し太守様は親友であり学友の劉備に様々な『餞別』を渡してあまつさえ独立の助けまでしたのだ、そのせいでうちにとってはかなりの痛手だ、わかっていたけど趙雲まで抜けちゃったし。
一刀「はぁ、まさか【あれ】迄渡してないでしょね?」
白蓮「いや、私だってあれの凄さは身にしみてわかってるさ、まさか一刀の入れ知恵で騎馬隊の練度が見違えて変わるなんて思わなかったし。」
白蓮「驚いたのが馬にも武装をさせた上であの大きい槍、あれの存在がうちの威容を高めてるんだもんなぁ・・・。」
一刀「うちには問題が多いからね、最近発生した黄巾賊に数で負けてもいいようにこっちは量より質を揃えてるんだから。」
最終目的はわかりやすく言ってしまえば西洋騎馬隊だ、あれなら多少の弓で馬は怯まないだろうし、人も馬も完全武装した騎馬隊が攻めてくるのはこの時代の人達からしてみれば脅威の一言だろう、その証拠に一度此方に攻めてきた烏丸相手に試作段階のランスと武装した馬で迎撃したらその恐ろしさからか此方に有利な条件で講和を結ぶことができた。
後に聞いたんだがその様相は烏丸の人達からしてみれば騎馬に乗った数千の将が一つの隊で来たのかと見間違えるほどだったらしい。
今現在この幽州の地にそこそこな数の烏丸の民や兵たちも居る、白蓮が烏丸との平和的な関係を築くために講和を結んだ後に幾度と無く交渉を重ねて今現在烏丸の中に居る数部族の仲は極めて良好だ、幽州の地に屈強な烏丸の人達も集まっていて中にはうちの軍に居る人もいる。
一刀(備えておくことに越したことはない、とは言え、この世界の職人のレベルが高すぎてもう何も言えない・・・。)
まさかうろ覚えで作った設計図をさらに昇華させてよく映画などで見る西洋騎士の武具を作ってしまうのだからどういう技術力だと頭を抱えた、まあ現代顔負けの料理とかある時点でもう突っ込むのにも疲れたが。
白蓮「でも本当に一刀は私にはもったいないくらいだよ。」
白蓮「桃香から趙雲みたいに誘いがあったんだろ?私は別に行っても気にしな・・・あだ!?」
聞き捨てならないことを言ったのでその頭にチョップを食らわせる。
一刀「次同じ事言ったら殴るよ?」
白蓮「今叩いたよな!?」
一刀「白蓮、私は好きでここに居るの、誰に強要されたわけでもない、私の意思でここに居るんだからね?」
白蓮「うう・・・。」
一刀「白蓮は自分は凡庸だとか自信がないとか言ってるけど、そんな人にはこんな風に街を治められないよ。」
政庁の窓へと歩き、窓からその情景を見渡す、人達の活気で溢れ、皆が皆笑顔がある、客将としていた時に聞いた劉備の理想の縮図が此処に在る。
一刀「何のために私が此処に来たのかはわからない、でもこの笑顔を守るためなら私は頑張れる、白蓮みたいにね。」
白蓮「一刀・・・。」
一刀「私はそんな優しい白蓮の支えになりたい、天の御遣いとかそういう肩書関係なくね。」
そう言って振り返ってみれば何故かゆでダコみたいに真っ赤になった白蓮がいたわけで・・・?
白蓮「お、お前、よくもそんな恥ずかしげもなく・・・!」
一刀「何が?」
白蓮「いや、今更だな・・・惚れた私の負けだ。」
小声ではぁ、と溜息を付く白蓮、本当に何なんだ?
一刀(でもまあ、白蓮にはああ言ったけどそのためには問題が山積みだよなぁ・・・。)
自分で言ったが、優秀な将が少ないうちは本当に兵の質で勝負するしか無いのだ、なにせこの先白蓮を待ち受ける壁は非常に大きい。
一刀(幽州を治めている以上、歴史通りあの名族袁紹との戦いだってあるだろうし、勝ってもその先には多分その頃には強大になってる曹操軍・・・頭痛い。)
白蓮の領土欲が少ないのは知ってる、でも相手はそうではない、自衛のためには力がいる・・・。
一刀(絶対に、白蓮は守ってみせる!)
たとえ歴史に抗ってでも、拾ってくれた恩人であり、民を大切にする彼女を守りたい、その決意を新たにした。
④マイナスイオンとかそういう次元を超越してると思うんだ
:董卓軍所属(呂布寄り)
一刀「恋、れーん!」
ねね「恋殿ー!何処ですかー!」
天水、月が治める領地で私達は一人の女の子を探している、まあぶっちゃけ恋だ。
一刀「ねね、あと探してないところどこだっけ?」
ねね「むむー・・・あとは庭しか無いですぞ。」
一刀「最初から庭を探しに行けばよかったね。」
ねね「恋殿だったら間違いなく家族とお昼寝をしてたでしょうし・・・。」
二人ではぁ、と溜息をつく。
一刀&ねね「やっぱり(ですぞ)・・・。」
庭に行ってみれば案の定、数えるのも億劫になるほどの動物に混ざりセキトを抱きかかえてお昼寝中の恋がいた。
恋「・・・かずと、ねね。」
一刀「恋、また家族増えた?」
恋「ん・・・。」
ねね「恋殿ーもうすぐ視察の時間ですぞ。」
恋「分かった。」
ムクリと起きて家族をなでてから此方に歩いてくる恋、ここだけ見れば誰がこの子をあの鬼神呂布に思うだろうか、いやそれ以前に月もそうなんだが・・・あんな優しい女の子が董卓とか思わないって、もしあの反董卓連合が起きたら・・・無理、考えるだけでも悲しくなってくる。
◆
視察と行ってもそんなに堅苦しいものじゃない、単に恋、ねね、私、セキトの三人+1匹が天水の街を歩くだけ・・・なのだが。
「呂布さーん、蒸かしたての饅頭があるんだけど食べてかないー?」
恋「お饅頭・・・。」
いや、そんな物欲しそうな声出さなくてもいつもどおり買ってあげるから・・・。
恋「・・・。」(もきゅもきゅ)
相変わらず癒やされる光景だと思う、歩きながら食べるって行為は普通行儀悪いんだが、そんなこと帳消しにして恋を中心とした癒やしオーラが溢れてる、ほら、近くの民衆がほわわ~んとしているし。
一刀「ほら、ねねも。」
ねね「いただくのですぞ。」
ねねもねねでなんだか妹みたいでついつい世話を焼いてしまう、なんだか董卓軍にお世話になってから癒やしとやりがいが両立している仕事といった感じで元の世界よりも充実感を感じている気がする。
一刀(それでも、此処は戦乱の世、なんだよね。)
恋は敵を倒す武人で、ねねはその場を作る軍師、二人共後にまで名を残す偉人らしくその容姿とは吊り合わないほどの圧倒的な武と知を秘めた名コンビ、そんな二人にしてあげられる私のできることはとても少なくて・・・。
恋「一刀、悲しそうな顔してる・・・。」
一刀「え、なんでもないよ、恋。」
ねね「一刀殿は隠し事が下手ですぞ。」
一刀「う・・・。」
恋「一刀、恋が一緒に居る、恋だけじゃなくて、ねねも、月も詠も、霞も華雄も居る。」
ねね「そうですぞ、これで足りないならとんだ贅沢ものです。」
一刀「はは、そうだね、今も十分幸せなのに、これ以上望むのは我儘だよね。」
一刀(だからこそ守りたいんだよ、君たちを、こんな私にだって譲れないものが有る。)
きっと、もうすぐ朝廷から招集の勅が来るのだろう、でもこの董卓軍でも、あの連合が起きるのか?
どんなことがあっても、心が暖かくなるこの居場所を守りたい、そのためには歴史、人物評関係はあてにならないけど、今の技術でも使える兵器や再現できる政策が有るはずだ。
一刀「二人共、手、繋がない?」
恋「うん・・・一刀の手、あったかい。」
ねね「なんだか子どもみたいですが、今はかんべんしてやるのですぞ。」
一刀「・・・ありがとう。」
一刀(絶対に、この手は離さない。)
二人から伝わる温もりをその手に感じながら、来るかもしれない大戦に向けて改めて気合を入れる、この手の温もりを零さないために。
呉より先にこの人達の文が思いついてしまった、ねねがデレてる気もしますが気にしない。
三姉妹書いた次の話でこんな話も違和感ありますが、いや好きなんですよ、白蓮。
焼きそばとか作っちゃうし、西洋騎士みたいな武具が作れてもいいと思うんです。
でも次の話は前回みたいなノリになるかもです。