北郷一刀ちゃんの憂鬱   作:龍鱗

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今回は孫家編、しかし、mo○age見ると炎蓮様単騎でもすごく強そうです。


とりあえず胃薬の開発を急ごうか

私が孫家に拾われてある程度時が経った、しかし、まさか三国時代の名だたる面々が女性だったとは・・・。

 

「いやーそれにしても。」

 

「・・・言わないで。」

 

見渡すかぎりの一面荒野、その中を走り抜ける数騎と大軍、信じられないことに、数騎が大軍を追っている、それを眺める私と蓮華。

 

「おらぁ!何を縮こまって逃げてやがる、生きたいなら戦いやがれ、俺を喰らってみろ雑魚ども!」

 

「ぴぃぃぃぃ!孫堅が来るのじゃぁぁぁぁ!七乃、何とかしてたもぉ!」

 

「と、言われましてもねえー・・・。」

 

追われているのは袁術、あの蜂蜜偽帝と名高いおっさんが可愛い女の子だったのは驚いたが。

 

「なんか、こっちが防衛戦なのにすっかりイジメだよね。」

 

「はぁ・・・母さま。」

 

江東の虎と名高い孫堅文台、真名を炎蓮というのだかこの人がまず恐ろしい。

 

少し前に劉表の要請で賊の討伐を依頼されたのだが、それは今後の孫家の躍進を止めるための劉表の罠だった。

 

ただの賊と侮り劉表軍の伏兵で炎蓮を葬る手筈だったのだがその目論見は脆くも崩れた。この炎蓮という人は娘である雪蓮(孫策)、蓮華(孫権)、小蓮(孫尚香)の三人娘を呆れさせるレベルの豪傑で、言葉が通じる分ある意味本物の虎よりも怖い。

 

曰く、「黙って俺について来い!」、「食いたくなったら食って、眠くなったら寝る、そして殺りたくなったら殺る!」

 

聞き様によっては暴君にも等しい信条の持ち主なのだがそれを凌駕する英雄としての魅力、並外れた武勇の持ち主で、彼女を慕い数多くの人材が集まったのもまた事実。

 

そんな彼女がそんな奸計で死ぬほど弱い存在ではなく・・・文字通り罠ごと踏み潰した。

 

後から聞いたが寧ろ獲物が増えて楽しめた、らしい、何なのこの人。

 

そして、黄巾の乱でも反董卓連合でもその武勇を恐ろしいほどに見せつけ周辺勢力から危険視され今に至る。

そしてどこの勢力の陰謀か分からないが袁術を焚き付け此方に攻め込ませたようだが炎蓮さんと兵こそ率いたがそれでも兵百数十人で十分という理不尽なまでの戦力差。

 

「どこの勢力の謀略かわからないけど、あんな子に攻めさせるとか酷いことするよねえ。」

 

「そういうのを諌めるのが軍師、張勲の役目のはずなんだけどね。」

 

とうとう炎蓮が追いついて袁術達を補足した、袁術を守ろうと兵たちが奮起するが、あまりにも酷い実力差に次々と兵が減っていく。

 

「あ、かなりの人達が吹き飛んだ。」

 

「もう袁術が可哀想でしかたがないわ・・・。」

 

少し離れた場所で手を出すなと言われて待機中の私達だがここまで来るともう何のために私達が出陣したのかわからなくなる。

後の孫呉になるであろう孫家に落ちた私はなんだかもう色々と現代で培った価値観が壊れてしまった。

 

 

 

 

それからまもなく、袁術軍を壊滅させた炎蓮さんが捕虜なのであろう二人を連れて悠々と帰還してきた。

 

「小娘、クソガキ、貴様らにくれてやる、どうするかは勝手に決めろ。」

 

「はっ、分かりました母上。」

 

「いいですけど・・・炎蓮さんは?」

 

「ああ?飯食って寝るだけだ。」

 

炎蓮さんは言うだけ言ってさっさと本拠地に帰還してしまった。

 

「さて・・・と?」

 

私が袁術に視線を移せばすっかりと怯えてしまった二人が顔を青ざめさせていた。

 

「ぴぃ!?」

 

「あ、あのあのあのあの、私達にできることならばなんでもするのでどうか美羽様のお命だけは・・・・!」

 

「七乃!?だ、だめじゃ、死んではならぬぞ!?」

 

「いや、其処まで鬼じゃないし、降伏してくれるなら命は助けるよ?」

 

「ええそうね、でもひとつ質問があるのだけど、あなた達は誰に焚き付けられて此処に攻めてきたの?」

 

「そ、それはですね、孫堅様を討伐しなければ大軍を持って攻めこむぞと劉表さんに脅しをかけられてしまい・・・。」

 

「わ、妾はそんな面倒なことは嫌だったのじゃ!でも・・・。」

 

「把握、あのおっさんがまたやったのね。」

 

「懲りないわね、劉表も。」

 

張勲から事情を聞き頭を抱える私達、最近妙に劉表からの攻勢が激しい、それこそ謀略侵攻流言と数え出したらキリがない。

炎蓮さんを仕留められなかったばかりか危惧した通り躍進を続ける炎蓮さんを討つために最近しつこく攻めてくるのだ。

 

「この分だと南陽には既に劉表の手が回ってるだろうし、此処に留まる必要もないね。」

 

「じゃあ早めに帰還しましょうか、袁術も構わないわね?」

 

「助けてくれるなら、妾にできることをなんでもするのじゃ・・・。」

 

すっかり萎縮してしまった袁術、なんて言うか少しばかり庇護欲がわいた。

 

「蓮華、一応みんなに袁術を助命と保護できないか打診してみるよ、配下の張勲は知恵が回るみたいだし損はないと思う。」

 

「別にいいわよ、私からも頼んでみるわ、でも袁術、それに張勲、母さまや一刀を裏切るような真似は許さんぞ?」

 

途中から凄みのある声になり、蓮華から炎蓮の姿を想起したのか二人共首が取れんばかりに縦に振っていた。

 

(蓮華も十分いいものを持っているのも確かだよね、炎蓮さんや雪蓮が期待してるのもわかる気がする。)

 

自分はまだまだ未熟と卑下する蓮華だがその身からは十分に王としての威厳があった。

 

(ま、二人共素直じゃないから口では絶対に言わないし、認めないんだろうけどさ♪)

 

「何を笑っているのよ一刀?」

 

「なんでもないよ、蓮華が王になったのを考えてみたら様になっているなって思ってさ。」

 

「縁起でもないことを言わないでよ、それはつまり母さまや姉様から譲位されるってことじゃない。」

 

「・・・それもそっか、ゴメン不謹慎なこと言った。」

 

それでも、歴史を知る私はこの先に一株の不安が拭えなかった。

 

 

 

 

本拠地に帰還した私達は冥琳と包(魯粛)に事情を説明していた。

 

「なるほど、事情は分かった、しかし本当に劉表はしつこいな。」

 

「とうとう袁術まで炊きつけてきましたし、此方からも攻め手に講じたほうがいいですね。」

 

「呉の統治も滞り無く進んでるし、そろそろ攻めてもいいかもね。」

 

「とりあえず美羽は私預りで再教育しながら、七乃は文官として採用でいいかな?」

 

「む?一刀、お前袁術から真名を預けられたのか?」

 

「そうなんだよね、帰還中になんか懐かれちゃって、その流れで七乃からも・・・。」

 

「いやー相変わらずの人誑しですよね、一刀さんは。」

 

「包、それどういう意味かな?」

 

「ひゃわわ、なんでもないですよ?ただ今にも始まったことじゃないとも思いまして。」

 

「ほほう?」

 

「あうう、冥琳様・・・。」

 

「一刀その辺にしておけ、包のそれも今に始まったことじゃないだろう。」

 

「はぁ、そうね。」

 

包、この子は少し無自覚で毒舌な一面があり、文官としては優秀なんだがどうにかならないものか・・・。

 

「あ、一刀お帰りー!」

 

「うわっと、シャオ、ただいま。」

 

「小蓮様、仕事は終わったのですか。」

 

「うん、祭との鍛錬も終わったよ、ほんとだからね?」

 

「そうですか、私はてっきり「口も過ぎるといらない波風を立てるぞ?」」

 

「ひゃわわ・・・。」

 

ここの軍師たちは頼りになるけど、どこかしら難点があるから冥琳や雷火(張昭)の気苦労が増えるんだろうなぁ・・・。

 

「一刀ーせっかく帰ってきたんだしシャオとゆっくりお風呂に入ろうよ。」

 

「んーいいのかな冥琳?」

 

「気にするな、風呂は広いし今更だろう。」

 

「わーい!一刀背中流してあげるね♪」

 

「わ、ちょっと、引っ張らないでよ!?」

 

 

 

「天の御遣いというのは随分と人に好かれるな。」

 

「一刀さんは男だったらとんだ女誑しになりそうです。」

 

「ふ、今も変わらんだろうが。」

 

「ただいま~袁術ちゃんの残党の取り込みが終わったわよー。」

 

「お疲れ様だな雪蓮。」

 

「お疲れ様です雪蓮様、でも少し遅かったですね、今一刀様と小蓮様がお風呂に行っちゃいましたよ。」

 

「はぁ!?なにそれずるい、私も行くわ!」

 

「あ、おい雪蓮!・・・包。」

 

「ひゃわわ!わ、私のせいですか!?」

 

 

 

 

「かっずとー私も混ぜてー♪」

 

「わぁ、雪蓮ってひゃぁ!どこ触ってるのよ!?」

 

「雪蓮姉さまずるい、シャオもー!」

 

「ちょ、二人共やめてって・・・あっ・・・!」

 

その後、暫く私は二人になすがままにされてのだった・・・。




次は桂花で長いのを一本作る予定です。
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