北郷一刀ちゃんの憂鬱   作:龍鱗

5 / 5
これなら作れるはず、外史だし!(おい)


自分から獲物になるスタイル(自覚無し)

無事魏を建国した曹操軍だったがその日常は多忙を極めた。

北郷一刀と桂花も魏の重要な役割に収まっているため例外ではなかったが

王である華琳は人一倍疲労も重なるだろう何かできないかと一刀は考えるが一つの案が浮かんだが…。

 

(うーん及川に勧められたバイトの経験を活かせば…でも凄く恥ずかしいんだけど…。)

 

元の世界で友達・・・悪友?に勧められたバイト、の割にはかなり本格的だったのだが活かせるかと思い廊下を歩いていた、ある人物を探して。

 

「栄華、ちょっといいかな?」

 

「あら一刀さん、私に何か御用ですか?」

 

彼女は曹洪、真名を栄華というのだが、魏の財政管理を担っており、華琳に勝るとも劣らない性癖と桂花と同じくらいに男嫌い、

いや、桂花よりも酷いかもしれないが…自分が男だったらどんな扱いされてたことやらと背筋を凍らせた一刀だった。

 

「ちょっとね、華琳の仕事の手伝いをしたいんだけどそれについて服作りたくてさ、栄華にちょっと力を借りたいんだ。」

 

「なるほど、あまりお金は出せませんが、どのような服ですか?」

 

「ちょっと絵が上手い人に見本書いてもらったんだけど、こういうのなんだ。」

 

栄華が一刀から差し出された紙を見ると、ふむ、と紙を片手で持ち顎に手を当てて考える。

 

「なるほど中々素敵な服ですね。」

 

「私の世界で従者の人が着る服で、清楚感とかあるでしょ?」

 

「そうですね、私の侍女にも着せてみたいですし、これなら実際仕立ててみたものを検証してみます。」

 

「ありがとう、採寸渡しておくからよろしくね、これから凪達と一緒に警邏に行くから私も見回りながら考えをまとめてみるよ。」

 

「ええ、お気をつけて。」

 

警邏に向かう一刀を見送った曹洪は一刀が去ったのを見届けると口元に笑みを浮かべる。

 

「ふふふ、やはり未来の服というだけあって素晴らしい、早速うちの侍女にも着せて…。」

 

見る人が見れば引く笑みを浮かべてた。

 

 

 

 

許昌では一刀、凪、沙和、真桜と魏の三羽烏とそれを纏める一刀が犯罪防止と治安改善のために奔走している。

それでも警邏中に何らかの事件が起きることもあるのだが…。

 

 

「隊長、ひったくり犯の確保終わりました。」

 

「ありがとう凪、被害を受けた人も軽い擦り傷ですんだみたい。」

 

・・・

 

その後凪と一緒に見回っていたのだが…。

 

「あー阿蘇阿蘇に新しい服が載ってるの、欲しいのー…。」

 

「ウチも新しい工具欲しいねんけど予算がなぁ…。」

 

「…。」(ピキピキ)

 

「「あ…。」」

 

 

 

ドガラガッシャーン…!

 

ナニヲサボッテイルカー!

ギエェェェ

ナ、ナギチャンゴメンナノ―!

 

「やれやれ…。」

 

「ふふふ、御使い様は苦労が耐えないようで。」

 

「え、貴女は・・・?」

 

一刀が声をする方を向くとなんとも変わった服を着た女性が居た、

獣の毛皮を服にしたのだろうか、虎柄の衣装を着たなんとも妬ま羨ましい魅力的な体つき、

おまけに獣耳付きとどこぞのいかがわしい店にいそうな人である

 

「私は祝融と言いまして、蜀よりさらに南の南蛮というところから参りました、」

 

(え、な、南蛮!?こんなアマゾネスな格好した女の人が?と言うか祝融!?孟獲の奥さんじゃん!?)

 

「生来行商人の真似事をしながら許可を頂いて露店を開かせてもらってます。」

 

一刀の衝撃冷めやらぬ中彼女が微笑んで露店の商品を示すと幾らかの商品が一刀の目に留まる。

 

「あ、これ…。」

 

「おや、御使い様はそれが気になるので?」

 

「うん、これ全部まとめていくらかな?」

 

「此方はですね…。」

 

 

 

 

「隊長、どうしましたか?」

 

「ん、ちょっとね、さてサボり魔のお二人さんを連れて仕事に戻ろうか?」

 

「あうう…。」

 

「ごめんなさいなの…。」

 

 

・・・

 

 

「今日の警邏はここまで、ちゃんと引継書を書いて纏めること、皆お疲れ様ー。」

 

「「「「「「はっ!」」」」」」

 

多少のトラブルはあったが無事に警邏は終了した…。

 

 

 

 

数日後…。

 

 

 

 

「お疲れ様です一刀さん。」

 

「あ、栄華、もしかして…。」

 

「はい此方が、依頼された服です、因みになんという名前の服なんです?」

 

「メイド服、っていうんだ、何をするにしても形から入った方がいいし。」

 

「しかし何故一刀さんがその、メイド服を着る必要が?」

 

「ちょっとね、疲れてる華琳に何かしてあげたくてね。」

 

「疲れてる、そうですね、お姉さまずっと政務続きでしたし、息抜きも必要ですね。」

 

「そのために色々準備したんだ、華琳喜んでくれると良いけど…。」

 

「ふふ、頑張ってくださいな。」

 

 

 

 

翌日…。

 

華琳が朝起きて身支度を整えると食堂の方から何やらお腹をくすぐるようないい香りが漂ってきた。

 

「あら、食道で琉流が料理してるのかしら?」

 

興味を惹かれ厨房を覗き見ると・・・。

 

「あ、華琳おはよう。」

 

華琳が見たのはメイド服を着た一刀、華琳に向き直ると一礼した。

 

「一刀、どうしたのその格好?」

 

「ちょっとね、本当は華琳の部屋に持って行こうと思ったんだけど、ほら朝ごはんできたよ。」

 

一刀が盆を持ってくると、華琳にとって見たことのない料理が並んでいた

 

「主食が白米で鶏肉を使った唐揚げ…まあ油で揚げる手法の一つでこの野菜と一緒に食べるといいよ、

この汁物は味噌汁、私の世界じゃ朝のこれが美味しいんだよ、味噌は熟成させるのに時間がかかるんだけど

結構前に琉流と一緒に仕込んでおいたんだ、それと一緒にこの豆腐となめこ、なめこは山菜?の一つで

この組み合わせが味噌汁にいいんだよね、事前に季衣にも食べてもらって安全性は確保してあるから問題ないよ。」

 

「ふぅん、じゃあいただこうかしら。」

 

最初こそ初めての料理に戸惑いはあったが一口運んでみれば新鮮な味わいに舌鼓を打ちつつ、

味噌汁を啜ってみれば深い味わいと体がほんのり温まり、朝食には本当にうってつけな料理だというのがわかる。

 

「美味しいわねこれ、一刀の故郷ではこれが主流なの?」

 

「まあね、でもうまく行ってよかったよ、ここで再現するには難しい料理だったからね。」

 

盆を抱えて笑う一刀、侍女服が似合っているため中々様になっている。

 

「ふふ、琉流と一緒になにか作ってると思ったけどこんなに美味しい物を作ってたなんてね。」

 

「保存も効くし、作り方もわかったから普及してもいいかもね、はい、食後のお茶。」

 

「あらありがとう…これも美味しいわね、高いんじゃないのこのお茶?」

 

「南蛮から来たって行商人から買ったんだ、苦味があるけどすっきりするでしょ。」

 

「そうね、風味があって美味しいわ。」

 

「さっきの料理の中にも幾らかその人から買ったものがあってね、正直あるとは思わなかったけど…。」

 

一刀は苦笑い、なぜならば、味噌はともかく、この時代【コーヒー豆】なんてものが売ってるとは思わなかった。

味噌の容器は真桜に作ってもらい、コーヒー豆の挽きは季衣に手伝ってもらったが埋め合わせはまた後ほど。

 

一刀がしていたバイトはある喫茶店で、割りと良い収入だっただけに求められるスキルも中々、

何故悪友があんなバイトを知っていたのかと思ったが彼女曰く合コンの賜物らしい、胡散臭い。

 

 

 

 

その後も一刀は華琳の補佐として一日を奔走する。

 

 

「華琳、書類は案件ごとにまとめてあるよ、治安関係はこっち、治水や農耕はこっちで、

華琳が見る必要がない案件は私が片付けておいたよ。」

 

「え、ええ、ありがとう…。」

 

 

 

「ねえ一刀、さっきのお茶まだあるかしら。」

 

「うんあるよ、あれは珈琲って言って、茶請けにこんなのも作ったから食べてみて。」

 

「…これも美味しいわね、なんて名前の食べ物なの?」

 

「クッキーだよ、これもこんなところで作れるとは思わなかったけど。」

 

 

 

「ん…ふぅ…。」

 

「中々凝ってるね、書類仕事が多いせいかな、あまりムリしないでよ?」

 

「そうね…でも一刀これ…効くわね。」

 

「私の道場は健康第一がモットーで、こういうツボも学んでるんだ、日々是精進には健康な体が第一だからね。」

 

 

 

・・・

 

 

 

一刀の奉仕は予想以上に効果があったようで、いつもよりも職務に集中して過ごせた華琳。

 

「不思議ね、今日一日はいつもより仕事が捗ったわ。」

 

「それは良かった、私も頑張った甲斐があったよ。」

 

「ふふ、貴女が私専用の侍女だったら嬉しいのだけどね…?」

 

(いやだからそんな色っぽい笑みで近付かないで、女同士なのに変に意識し…いや華琳がそっち系なのは知ってるけど、そんなことしたら桂花が…いやなんで其処で桂花が出てくる私、ちょ、私まで変な気分に…!)

 

「あら、その顔、もしかして満更でもないのかしら?」

 

顔が赤くなっているうちにいつの間にか華琳の顔がすぐ目の前に来ていて後ずさろうとしたらすぐそこは壁。

 

「ふふふ、そんな顔をしないで、疼いちゃうじゃない♪」

 

「え、えっと、冗談とかだったり…しないよね?」

 

「私が冗談でこういうことをすると思う?」

 

顎に手がかかって嗜虐的でそれなのに綺麗な笑みを浮かべる華琳、もはや逃げるのは無理かと思った時…。

 

「華琳様、夜分遅く申し訳ありません、北の烏丸対策について少々気になることが…。」

 

果たしてそれは偶然か必然かお約束か、華琳の部屋に駆け込んできたのは、紛れも無く桂花、そして桂花の目に止まったのは、壁際に追い詰められた自らの親友と追い詰めているのが自らの主華琳。

 

桂花はこめかみに指を当てて、とても大げさにため息を吐いた後、その口から飛び出した言葉は…。

 

「華琳様、一刀に従者の衣装を着せて、変態ですか?」

 

「ちょ!?」

 

普段の彼女の印象をぶっ壊す勢いで、はんっ、とした冷笑を隠すことなく不敬全開な罵倒を吐き出したのだった。

その刹那、部屋の空気が一気に下がって罅割れたような音が聞こえた。

 

「く、ふ…ふふふふふ、言ってくれるわね、桂花。」

 

「一刀関係においては貴女との主従関係は抜きでいいとご了承をもらっているはずですが?」

 

既に二人には一刀の事は眼中に無く…否、一刀関係だからこそ二人は火花散らせる。

 

「本当に貴女とは決着をつけないといけないわね。」

 

「そうですね、それに関しては否定しません。」

 

互いにすることは決まったようで、卓に将棋盤を置くと互いに睨み合うと駒を置く。

 

「え、えっと、二人共、将棋打つならなにか飲み物持ってくる?」

 

「私は珈琲!」

 

「一刀、私は緑茶お願い!」

 

「う、うん、すぐもってくるねー…。」

 

そそくさと退散する一刀、未だに赤い顔で考えることは先程のこと。

 

(あうう、まだドキドキするよぉ、女の子同士なのになんか悪い感じがしない…じゃなくてあぁーもう!華琳があんな顔で迫るからなんか変な気分になっちゃたじゃん!)

 

走りながら考えることを頭を振って振り払いつつ茶を用意するために急ぐ、今浮かんだ考えを消し去るためではないと信じたい一刀だった…。

 

尚、華琳と桂花の勝負は決着がつかなかったそうな。

 

 








おまけ:一刀の今日の出来事のために準備した時の少女たちのやり取り集



「姉様が作ろうとしてるお味噌って時間がかかるんですね。」

「その代わりいろいろな料理に使えるから、楽しみにしてていいよ。」

「えへへ、楽しみです!」

「おーい隊長、注文された木のやつ出来たでー。」

「ありがとう真桜、其処においておいて。」

「はいなー。」

「それでこの麹と潰した豆を混ぜて、この木桶に詰めるんだ、空気が入らないように団子にして押し込めて…。」

時がたって…。

「はい、琉流、これが味噌汁、飲んでみて。」

「…わぁ、なんだか体が暖まって、懐かしい感じがします。」

「私の世界じゃこれが欠かせないんだよね♪」



「姉ちゃんこれ美味しいねー♪」

「まだまだあるから味わって食べなよ?」

「北郷、季衣と何を食べてるのだ」

「春蘭、丁度良かったこれ食べてみて、私の世界の料理のひとつなんだ。」

「む、中々美味いな、なんの肉だ?」

「鶏肉だよ、卵の生産が安定してきたしね。」



「お姉さん、天の御使いから侍女に転職ですかー?」

「わぁ!?風、これはそのね…?」

「ふふふー♪」

「…ちょ、風!話を聞けー!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。