横島の道   作:赤紗

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人間界

 

「……本当によろしいのですか?」

「アンさんだけの責任じゃないいんやで!? …妙神山かて、どないするんや?」

「既に決めたこと …アヤツも委細承知しております!」

「…決意は変わらんか」

「…分かりました、では斉天大聖老師・猿神」

「「神魔最高指導者両名の承認のもと貴神に『永遠の眠り』についてもらいます」」

「承りました」

「妙神山の引継ぎ、そして彼との時間の為に2週間後と致します。」

「感謝いたします」

「まぁ後悔せんときや!?」

「…後悔は十分してきましたよ」

 

そう言いながら猿神は部屋を退室した。彼にも思う事が有るのだろう

 

「人間界も騒がしくなってきとるみたいやな」

「…美神美智恵ですね!? 困りましたね、功績者の一人が人間界を混乱させようとしているのですから」

「何がしたいんやろうな? 大戦後も、まだ様々な妖怪捕獲に手を出してるし…例のグループとも接触が確認されてるわけだから今後も動く気やろうな」

「最悪、人間対妖怪に発展しかねません!? …この流れを食い止めなければ」

 

神魔最高指導者達が問題視しているのは美神美智恵の霊破シュミレートの運用だった

令子達には、記録された魔物や妖怪の霊破動を再現してシュミレートすると言っていたが、現実には霊破片が採取できないのは捕獲を繰り返し行って解剖してデータを撮っていたのだ

(固有でしか居ない、ブラトーやフェンリルなどの一部を除く)

ただ、これだけの技術力を武官の彼女単体では用意でず、そのため魔族と取引して運営が危うかった南武グループに目を付け取引したのだ。

 

「南武グループと繋がりが大戦以降も続いているということは、これを使い心霊兵器の導入に入ったとう事」

「…対価というか手土産は、横島君の文珠か …遺体のどちらかやろうな」

 

魔族因子を身に持ちながらも魔族化せずにいる横島は死体でも研究価値は高い。

そんなことを許せばデタント側の神魔族も黙ってはいまい、

…本当に世界が混乱の渦に巻き込まれていくと思うと神魔最高指導者達は頭痛を堪えきれなかった

 

 

 

 

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その頃、横島は雪之丞と共に信頼の出来る仲間を集めていた

 

レストラン「魔鈴」

 

集まったメンバーは

「ピート」「タイガー」「エミ」「魔鈴」「愛子」「神父」「カオス」「マリア」

…そして復活した「テレサ」も同席していた

 

横島は大戦の真実、空母で切り捨てられ殺されそうになった事

ルシオラの死後、令子の無責任な言葉

ルシオラが犠牲になるのを承知の上で、誘導していた未来の美智恵、そして、当人の妊娠

それら全てが横島の心を傷つけたこと、失望したこと

考えに考えて残ったのはルシオラが何故死ななければ成らなかったのかということだった。

 

 

…ここまで話を聞いたメンバーは酷く暗い顔していた。

現状横島が世間でどのような扱いなのかはみな知っている。

ただ大戦の詳細を詳しく知るものは少なく、またその後に起きた事は全員知らないことだった

 

「それで俺は…コスモプロセッサーをルシオラ復活限定で作り直そうとしているんです!!」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

「それが一番確実なんです!!」

 

横島は自分の体の現状とコスモプロセッサーを作り直すメリットを話した

 

「…それでもコスモプロセッサーは今、神魔にとって敏感なワケ …私は反対よ」

「…そうだね時期が悪すぎる。だが時間が掛かりすぎると霊破片が変質し魔族化の危険も高い」

 

エミと神父は気まずそうに反対意見を出し、それ以外も真剣に話し合いをしてくれていた。

そんな中、急に高い霊圧が現れたのだ!!

 

『お待ち下さい。コスモプロセッサー以外でルシオラさんを復活させる方法が見つかりました!!』

 

そう言って現れたのは小竜姫であり、彼女は決意の篭った眼差しで

 

『横島さん 皆さん妙神山へ一度お越し下さい』

 

一同を妙神山へ招待したのだ。

 

 

 




美智恵さん南武グループと繋がってました
(魔界正規軍に監視されているのはこの為です)

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嬉しいです、次回も頑張ります

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