妙神山
伝説の修行場にて竜神“小竜姫”が管理人を勤める霊山である
小竜姫とワルキューレの転移にて一同、山門前に立っていた
「…私は此処に来ても良かったんでしょうか?」
神族の拠点であり神族のテリトリーなのだ。そこに妖怪である愛子が来て大丈夫なのか、今更ながら不安になってしまったのだ。
「大丈夫ですよ。此処はデタントのテストケースとして魔族も在住してますし、今回お呼びしたのは私達の方ですので御気になさらずに」
そう言われても場違いな気がする愛子だが他の人は気にしていない。
「雪之丞は此処に来た事があると聞いたが…」
「ああ、俺と横島は此処で修行して“魔装術の極み”と“文珠”を修得したんだ」
そんな中で、ピートと雪之丞の会話に驚く愛子、そしてテレサ。
その話題の横島は門に付いている鬼と気軽に話しているが、どうみてもそんな事をする人間に見えない。横島=修行と結びつかないのだ。
「「話は聞き及んでおる、入られるが良い。ようこそ妙神山へ。その方らの来訪を心より歓迎する!!」」
そう言って重厚な扉が開いていった。
「……此処が伝説の修行場?」
門を抜け中に入った私の視界に入ってきたのは …何故か銭湯の門構えだった。
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「横島さんは、お着替えください。他の方々はそのままで結構です」
「俺もそのままか?」
「雪之丞さんも今回は見学していてください。」
「…わかった」
そう言われて素通りした脱衣所の先には果てしなく続き地平線が見えるような広大な白い世界に所々、岩が存在する異空間だった。
「久しぶりだな」
「此処で修行したのか?」
「イヤ此処では腕試しだな! 40秒ぐらいで終わらせたが」
「ふむ。それはどのような相手だったのか聞いてもいいかな?」
「俺の相手は一つ目の巨人みたいな奴で横島の相手は全身刃物の蜘蛛みたいな奴だったな」
「“剛練武”と“禍刀羅守”かね? 彼ら相手に40秒で!?」
若い頃、同じ相手に苦戦した唐巣は驚いていた、過去の自分は一体倒すのに30分以上掛かっていたのだから…
彼らの才能に正直、嫉妬がなかったと言えば嘘になるだろう。唐巣はS級の資格を持つGSだが、戦闘力においては、もはや彼らの足元にも及ぶまい。
そしてGSは実力主義な面も確かに存在する。極端な話、実力があればこそ令子のあのような高給取りになれるのだ。
(ちなみにS級GSは国内では“唐巣神父”“美神美智恵”“六道女史”の3名だったが美智恵は死亡偽装のさい失効 六道女史は当主就任と共に現場を引退して返却 現在は唐巣神父のみ)
「…先生?」
「彼らのような若者が出できたということは世代が変わるのだろうな…」
「先生も、まだまだ現役でいないと困りますよ? 貴方にはまだ救いを求める人達が待っていますよ」
「ピート君 …ああその通りだね」
「はい、僕もお手伝い致しますよ」
そんな中で、ようやく横島の着替えが終わり出てきた。
「スイマセン、お待たせました。」
と彼が来るといきなり――――
『小竜姫、小僧以外を結界の外に避難させよ ……小僧、今からワシと死合てもらうぞ!!』
そう言いながら姿を現す“猿神” …しかも大猿状態で臨戦態勢だ
「皆さん此方から避難してください。 様子は見れますので!!」
別の入り口を開き、避難誘導をする小竜姫だが、彼女だけはこの展開が読めていた。
『ではいくぞ!!』
「ちょっとまっ――」
如意棒の一振りで有無を言わさずに吹き飛ばされる。
「グハッ!!」
『ほう、とっさに霊気の盾でダメージを軽減したか …じゃが』
“ゴキッ”
まさに神速の突きで盾ごと右腕が砕けた
「ウガアアアァー!!」
『…言ったはずだぞ、死合いだとな!』
激痛の中でも左手から霊破刀を出して距離をとるが
『遅い!』
「なっ!?」
気が付くと目の前に如意棒の一撃が迫っていた。
「ちょっと横島を殺す気なワケ? シャレじゃ済まないわよ!!」
慌てて止めようとする エミ、唐巣、雪之丞、ピート
沈黙を保つのは魔鈴、カオス達、そして顔面蒼白になって動けない愛子、タイガー
「お待ちなさい! この勝負手出しは無用です!!」
「ですが小竜姫様このままでは、本当に横島君が…」
「…大丈夫です。横島さんを信じて下さい。」
『小僧その程度か? アシュタロスを討った実力は…』
数度の攻防で横島の傷は全身に及んでおり最早、虫の息であった。
『…事件の詳細はワシも知っておる アヤツが生み出した造魔の娘のこともな』
「…何が言いたい」
『なに、憐れだと思おてな』
「何っ!?」
『出来もしない希望を持たせた挙句に死なせて… 今も彼女の想いを理解しておらぬ、お主の姿を見れば、その娘を憐れと言わずなんと言う!?』
「黙れ――」
怒りのあまり、霊破刀でガムシャラに斬りかかるが如意棒でたやすく防がれてしまう
「…俺は…アイツを見殺しちまった。 …救えたはずだったのに …だから今度こそ助けたいんだ今度こそ命をかけてでも!!」
『この …たわけ者が!!』
その言葉に猿神は如意棒ではなく自らの拳で殴り飛ばした。
「ゲホッ…」
『彼女が願ったことは何じゃ? 自身の幸福か?命か? …違うであろうが!?』
(アイツが願っていたこと…わかってるさ…)
「けど俺は…誓ったんだ …今度こそアイツを護る!! …アイツと共に生きていくって」
『・・・口だけでは何も護れぬぞ。護るにはそれに見合った力が必要じゃ。それが無ければ何も、誰も護ることなんて出来わせぬ!!』
“ザクッ”
猿神の一撃で霊破刀ごと左腕が切断された…
(勝てない…また俺は何も出来ずに終わるのか?)
出血多量で意識が朦朧とする中で
――――死なせない、どんなことをしてもよ…!!
――――生きてヨコシマ…!!
―――――――ドクンッ
横島の脳裏に彼女の顔が浮かびあがり、その姿が消えていった…
「ウガアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ!!」
その瞬間、横島の体内の“霊気”と“魔力”がうねりをあげて高まりだし、耐え難い激痛に襲われる中で彼の瞳は真紅に染まり輝きをはなち始めていた。
小竜姫の契約まで行きませんでした。
次回は行きます。
また、小竜姫の真名を、活動報告の場にて募集中
此方も宜しくお願いします。