「頼みというよりお願いが有って来たんだ。」
「わしは今テレサの修理中で忙しいのじゃが」
「報酬も用意してきた。話だけでも聞いてほしい。」
「…なんじゃ」
「俺が対価で渡すものは“文珠”お願いしたいこととはコスモプロセッサを造ってほしい」
「なっ お主それは」
「大丈夫、カオスのおっさんが考えているようなことにはならないよ」
コスモプロセッサ。アシュタロスの最高傑作にして魔神の切り札。使いようによっては世界の創造すら可能にする
「俺の目的はルシオラの復活だ。だが文珠でルシオラの霊破片を増やしてもダメだ。いくら同じ霊破片を増やしても霊気構造が集まるわけじやあないから意味が無い」
だが横島には世界なんて世界創造に興味はなかった
「今此処に有るルシオラの霊破片だけでは復活できないけど俺の体内にある霊破片を使えば復活の可能性は高い。
問題は俺の魂が欠損がした状態で無理やり霊破片を別離してしまうと使えなくなる可能性がある事だ。そこで考えたのが文珠を核として、コスモプロセッサーをブースターとして使い、俺の肉体と魂を分離に耐えられるように作り変えれば希望はある」
単一の文珠ではおそらく不可能だったろうが二文字の文珠なら可能性はあると横島はみている。かすり傷とはいえアシュタロスに傷をつけるほどの出力を引き出せたのだ
「……それがどういう結果になるのか理解して言っておるのか?」
「…ああ俺はおそらく全ての霊能力を失うだろうな」
横島が魔族化すればルシオラの霊破片は横島に取り込まれるだろう
逆に神族化は魔族の力と反発しあい消滅するだろう
横島が損失した自分の魂を増幅するには文珠だけでは出力不足なのだ
ならばこの方法が一番安全にルシオラの復活の可能性が高いのだ…
代償に横島自身の霊的中枢がタダではすまないだろうし、最悪は命も危うい。
「…横島。貴様何故これほどの発想を思いついた?」
「どういう意味だ?」
「小僧が語ったこと霊気構造はおろか魂の理論を確立しないと思いつかぬ発想だ?何がお主を変えたのだ」
横島の脳裏に浮かぶのはかつて南極でアシュタロスを文殊で模倣したことだ。あの時アシュタロスの力だけでなく、知識も表面ながら読み脱出に成功したのだ。
アシュタロスが解除した時に力は失われたが、知識は多少脳に記憶されたらしい。もっとも不安定な感じであり、使いこなせるかは別であり他人に話す気はなかった
「…まぁよい。この方法なら確かに蛍の嬢ちゃんを復活できる可能性が高い。だが横島よ、いかに二文字の文珠を使いコスモプロセッサを起動できたとしても貴様の命はもって数日が限度じゃろう。」
コスモプロセッサの動力は魔族が人間と正式に契約して得た魂なのだ
「……おぬしにその覚悟があるか?」
「かまわない。望みがあるのなら、俺はそれに賭けたい」
テレサは一応意識があり会話も聞こえていたが横島が何故そんなことをするのか
理解できなかった。
人間である横島が人間を捨ててまで魔族を復活させようとしていることが理解できないのだ。
…カオスのボケは何処にと書きながら思いました(笑)
次回は急展開