暴物語   作:戦争中毒

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クラス対抗戦は忙しい
りんリユニオン


 

001

 

 

一夏が正式にクラス代表になってから早2週間が過ぎようとしていた。

朝、一夏と忍野が教室に入ると、クラスはとある噂話で持ちきりだった。

 

「織斑くん、忍野くん、おはよー。ねえ、 転校生の噂聞いた?」

 

「転校生?今の時期に?」

「変だな。今はまだ4月だよ?」

今はまだ四月、入学と言うには遅くて転入と言うには早過ぎるのだ。

 

「なんでも中国の代表候補生なんだってさ」

「へぇー、中国の」

「代表候補生かぁ」

 

そんな事を言いながら一夏が席につくといつの間にかセシリアと箒まで来ていた。

 

「あら、わたくしの存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら」

「どんなやつなんだろうな」

「む・・・気になるのか?」

「ん? ああ、少しは」

「ふん・・・」

「そんな事よりも一夏さん。クラス対抗戦に向けて、より実践的な訓練をしましょう。相手ならこのわたくし、セシリア・オルコットが務めさせていただきますわ」

 

一夏は箒とセシリアに挟まれて楽しくおしゃべりをしてるが忍野は何か考え事をしている。そこへ本音がやってきた。

「おっし~の~、どうしたの~?」

「ん? いや、中国に知り合いがいるんでなぁ、少し懐かしんでいるんだよ」

 

そしていつの間にか転校生の話からクラス対抗戦の話になった一夏のところでは、一夏に向けて激励が述べられている。

 

「織斑くん、がんばってねー」

「フリーパスのためにもね!」

「一夏さんには勝っていただきませんと!

「今のところ専用機を持ってるクラス代表って一組と四組だけだから、余裕だよ」

「一夏、クラスみんなのために必ず勝て」

『お前様、負けることは許されんぞ』

 

クラス対抗戦は、クラス代表同士が戦うリーグマッチで一位のクラスには賞品として学食デザートの半年フリーパスが配られるのだ。

さすが女子、デザートフリーパスがもらえるとあってセシリアや箒まで燃えている。

 

一夏は若干たじろぎながら適当な返事をすると

 

 

「そぉは問屋が卸さないわよ」

 

突然、そんな声が響いた。

みんなが振り返るとそこに立っていたのはカスタマイズされたIS学園の制服を着て、髪をツインテールにし、腕を組んだ少女が立っていた。一夏と忍野、一組の女子たちは一組のドアの前に立っている少女に視線を向ける。

 

「2組のクラス代表も専機持ちになったの。 そう簡単には優勝できないわよ!」

 

少女は腰に手を置き、堂々と一組に宣言する。すると一夏は立ち上がった。

 

「お前、鈴か?」

「そうよ、中国代表候補生、凰鈴音! 今日は宣戦布告に来たんだから!!」

 

風鈴音、一夏の親友で忍野の友達。中学二年生まで一緒だった幼なじみだ。

 

「何格好つけてんだ? すげぇ似合わないぞ」

「んなっ! なんてこと言うのよ、アンタは!」

「そんなこと言ってやるなよ一夏、格好は様になってたじゃないか」

「そうでしょ忍野! これだけは練習してきたんだから!」

 

((((もっとちゃんと最後まで練習してこい))))

満場一致で口には出さないがツッコミがいれられた。

 

「「それはそうと鈴、避けろ!」」

「へ?  ッ!!」

 

二人の言葉に僅かに間の抜けたような顔をする鈴。だが次の瞬間には何かに気づき、それと同時に跳躍前転する。

 

「ちっ、避けるな凰。それと、もうSHRの時間だ。教室に戻れ」

心底悔しそうな顔をしながら、主席簿を片手にそう言う千冬。いや、なんで悔しがるの?

 

「ち、千冬さん・・・」

「織斑先生と呼べ。あと、入口を塞ぐな。 邪魔だ」

「す、すみません・・・」

 

すごすご、とドアからどく鈴。

 

「また後で来るからね!逃げないでよ、一 夏!」

「・・・あれ? 俺は?」

 

ビシッ、と一夏に指差した後、鈴は急いで2組の教室に戻っていった。哀れ忍野。

 

「・・・一夏、今のは誰だ? えらく親しそうだったな?」

「い、一夏さん!? あの子とはどういう関係ですの!?」

 

一夏と親しげに話す鈴に危機感を感じた箒とセシリアすぐに一夏に問い詰め、他の生徒も質問攻撃を始めた。

だが皆は忘れていた。その鈴に、自分の教室に戻るよう命令した者の存在を・・・。

 

 

バシンバシンバシンバシン・・・

 

「席に着け、馬鹿者ども」

 

 

その日、クラスの8割近くが主席簿の餌食になった。

 

 

 

『これが学級崩壊というやつか・・・』

「みんな大丈夫かな?」

「加減してるはずさ、多分・・・」

 

 

 

002

 

 

 

 

「お前のせいだ!」

「あなたのせいですわ!」

「なんでだよ・・・」

 

昼休み、開口一番に箒とセシリアが文句を言ってきた。

授業中に考え事をしていて何度も注意されていたのだ。もちろん千冬にだ。

 

「まぁ、話なら飯食いながら聞くから。とりあえず学食行こうぜ」

「む・・・ま、まあ。一夏が言うのなら、 いいだろう」

「そ、そうですわね。行って差し上げないこともなくってよ」

 

二人のツンデレな台詞を聞き流した一夏はさっきから忍野を起こしてる。千冬をからかって授業中、気絶させられて今もそのままだからだ。

 

「起きろよ、忍野。飯に行こうぜ」

「・・・ぁあ、久々に強烈だったなぁ」

 

無事、起床(起動?)した忍野。若干、フラついてはいるが大丈夫そうだ。

 

「もう昼休みだ、飯に行こうぜ」

「あれ? もう昼休みなのかい? 時間が経つのは早いねぇ」

『おぬしは寝ておった・・・というより気絶しておったじゃろ』

 

「なんであそこまでして千冬さんをからかうのか理解できないな」

「まったくですわね」

 

 

 

 

 

 

 

「待ってたわよ、一夏!」

 

食堂に到着した一夏達の前にドーン、と立ち塞がったのは鈴だった。

 

「まあ、とりあえずそこをどいてくれ。食券が出せないし、普通に通行の邪魔だぞ」

「う、うるさいわね。わかってるわよ」

 

ちなみにその手にはお盆を持っていて、 ラーメンが鎮座している。

 

「のびるぞ」

「わ、わかってるわよ!大体、アンタを待ってたんでしょうが!何で早く来ないの よ!」

 

何で早く来ないといけないんだよと一夏が思ってると忍野が悲しそうな顔をして鈴の肩に手をおいた。

 

「鈴、寂しかったんだな・・・。気付いてやれな くてゴメンな・・・」

「な、何言ってるよ?」

「クラスで浮いちゃってボッチになったから一夏を待ってたんだろ?」

「んな訳あるかーーー!!」

「違うのかい!?」

「私をなんだと思ってるのよ!!」

「ステータス変化のない残念なキャラ」

「おい、どこのこと言ってるこの野郎」

「胸」

「よし殺そう、今殺そう。表に出ろ、戦争だ」

 

一触即発な雰囲気が漂い始めた鈴と忍野に慌てる箒とセシリアだが、一夏は涼しい顔をしている。

 

「一夏! 止めなくていいのか!?」

「そうですわよ一夏さん!」

「鈴と忍野のは何時もあんな感じだから」

 

「「あれが何時も!?」」

 

「おーい、二人とも。そろそろ食べようぜ」

「わかってるわよ。ほら、行くわよ忍野」

「はいはい、ラーメン持ってやろうか?」

「大丈夫よ、アンタも早く取って来なさい」

「了解、席取りよろしく」

「任せなさい」

 

「「仲いいなおい!!」」

 

鈴と忍野の関係のアップダウンについて行けず箒とセシリアは疲弊してしまった。ツッコミ役は大変だね~。

 

 

 

003

 

 

 

「それにしても久しぶりだな。ちょうど丸一年ぶりになるのか。元気にしてたか?」

「げ、元気にしてたわよ。アンタこそ、たまには怪我病気しなさいよ」

「どういう希望だよ、そりゃ・・・」

「それにしても忍野、アンタは入院しなさいよ」

「酷いこと言うねぇ。傷ついちゃうよ」

「ごめん、間違えた。アンタは死になさい」

「より酷くなってるぞ。その様子なら向こうでも元気にしてたみたいだな」

「それよりいつ日本に帰ってきたんだ?」

「アンタこそ、なにIS使ってるのよ。忍野ならともかく、ニュースで見たときびっくりしたじゃない」

 

食事後、鈴と一夏と忍野は三人でひさびさの再会を分かち合っていたが、疎外感を感じてか箒とセシリアが参加してきた。

 

「一夏、そろそろどういう関係か説明してほしいのだが」

「そうですわ! 一夏さん、こちらの方と付き合ってらっしゃいますの!?」

 

「べ、べべ、別に私は付き合ってる訳じゃ・・・」

「そうだぞ。なんでそんな話になるんだ。ただの幼なじみだよ」

「・・・・・・」

「? なんで睨むんだ?」

「なんでもないわよっ!」

 

一夏は今日も通常運転。

鈍感を通り越して無感なのかと心配しそうだよ。

 

「幼なじみ・・・?」

 

箒が怪訝そうな顔して一夏に聞き返した。

 

「えーっと、時期的には箒が転校して行った直後に転校してきたんだ。その後去年、つまり中二の終わりまで一緒だったんだ。だから幼なじみなんだ」

「そんな事よりも君達、いい加減自己紹介くらいしたらどうなんだい」

 

忍野の言葉に、自分がまだ名前すら聞いてないことに気づいた女子たちは改めて名のることにした。

 

「わたくしはイギリス所属の国家代表候補生のセシリア・オルコットですわ」

「篠ノ之 箒だ」

「中国代表候補生、凰鈴音よ。“鈴”ってよんで」

 

一夏は気づいてないが女子三人は互いにライバルと感じ、そして友人になってお昼休みはすぎていった・・・。

 

 

 

 

 

 




なぜか入力した文字が消えるスマホって・・・。
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