007
「簪、今なにをしてる?」
管制室を出た忍野はすぐに首にチョーカーを着けて、ISのプライベート・チャンネルを使って簪を呼び出した。
『忍野くん!? 今、一組の専用機持ちの・・・人と一緒に、防護扉を破ろうと・・・してる』
アリーナの中で事故があった時のために防護扉は異常なまでに頑丈だ。内部からでは第三世代の兵器でも破るには火力不足なのだ。
「なるほど、場所は?」
『えっと・・・Dブロックの、第二扉』
「わかった、今すぐそっちに向かうよ」
忍野は通信をきるとDブロックを目指した。
~簪サイド~
「簪さん、どうしたにゃ!?」
「更識さん、攻撃の手が止まってますわよ!」
どうやら通信してる間、私は引き金を引いてなかったようだ。真宵さんとオルコットさんに言われて再びアサルトライフルを撃ち始めた。
フィールドと客席を隔てるバリアーは向こう側が見えないほどの出力の物になっていて、いつこちらに被害がくるかわからない。私達は自力で脱出するために防護扉の破壊を試みてるがうまくいかない、硬すぎるのだ。
オルコットさんがライフルとビット、ミサイルと次々と撃ってるけどヒビすら入ってない。私の武装は訓練機用のアサルトライフルだから手伝いにすらなっていないかも。
真宵さんは何人かと離れた場所で扉の制御システムにハッキングをして開けようとしてるけどそちらも効果がないみたい。
「くっ! そろそろミサイルの弾数が!」
「こっちも・・・あと少し、しか」
「にゃー! 何なんじゃよこれ、いくら何でも処理が追いつかないんじゃよ!」
・・・うん、いくら事故に備えてるからって、限度があるよね? なんで扉が集中放火をうけても壊れないの!? 中での事故なら客席の扉は普通で良いじゃない!!
カチンッ
「あっ・・・」
気がつくと私のライフルは弾切れになって、撃鉄の虚しい音が響いた。
隣を見るとオルコットさんもライフルとビットしか撃ってない。ミサイルが無くなったようだ。
「更識さん!? 攻撃は!?」
「ごめんなさい、もう・・・弾が無い」
「そんな・・・、こうなったらわたくしが意地でもこの扉を破りますわ!」
「・・・ごめんなさい」
私はオルコットさんに謝ってから真宵さんの手伝いに向かった。
「そっちはどう?」
「簪さん! 力を貸して欲しいにゃ!」
「わかった、何をすればいい?」
「『打鉄弐式』をこのパソコンに繋いで処理能力を上げて、もう一度ハッキングを仕掛けるんじゃよ!」
「それなら、私も手伝う」
さっそく真宵さんのパソコンと『打鉄弐式』を繋いでハッキングをする。私も打鉄のキーボードを展開して処理作業に入った。
「私にも手伝えることはないか?」
そう言ってやってきたのはポニーテールの女の子だ。協力してくれるのはありがたい。
「そこの配線を、こっちのと・・・繋いで」
「わかった。この配線でいいか?」
「うん」
「そう言えば簪さん、さっき何をしてたにゃ?」
「通信、忍野君が・・・来てくれるって」
「忍野? 忍野の友達なのか? えっと・・・」
ポニーテールの女の子がそう聞いてきた。知り合いなのかな? その前に名乗らないと。
「四組、更識簪」
「私は一組の篠ノ之箒」
・・・クラスメイトだった。
「にゃー!? また失敗したー!!」
・・・ハッキングも失敗に終わったらしい。
すると通信が入った。
『簪さん、到着したから扉の前から避難してもらえる?』
「ちょっと待って!」
思ったより早く到着したことに私は驚いたが、すぐにオルコットさんを避難させようとした。なんだかほっといたら危なそう予感がした。“どいて”じゃなくて“避難”って、何をするつもりなの?
「今すぐ、そこから離れて!」
「更識さん!? 何を言ってますの!?」
「救助が来たから、離れて」
「! わかりましたわ」
そう言って彼女が下がり、他に人がいないのを確認してから再び通信をした。
「みんな避難した・・・」
『了解。それじゃあ、貫けェファング!!』
“ガスンッ”と言う音と共に扉の四隅と四辺から何か突き出したと思ったら次の瞬間、扉が大きく凹み客席側に跳ばされた。
開いた扉の方を見ると、大きな剣を突き出した紅いISがいた。
「ほら、サッサと避難しな」
「わたくし達の努力は一体・・・」
「酷いんじゃよ」
「それは・・・同感」
008
「まだなの一夏!? エネルギーが保たないわよ!」
「もう少し持ちこたえてくれ!」
一夏がトランザムを開始してから数分、未だコアの場所は判明していない。鈴も頑張ってくれてるがエネルギー残量が残り僅かになり、一夏に催促をした。
一夏もトランザムの限界時間が迫り、焦っている。
「(トランザム終了まであと一分、どうする!?)」
トランザムが終了すれば機体性能低下が起こる、そうなればもう打つ手がない。
《お前様! コアの場所がわかったぞ!》
《待ってました! どこだ!?》
《胸の少し下、機体の中心じゃ! スクリーンに表示する》
フォロスクリーンに表示された場所は人間で言うみぞおち、急所に当たる位置になっている。
だがいくらトランザム状態でも普通に撃ってば確実に避けられる、一夏は賭けにでることにした。
「鈴! あいつを狙って砲撃してくれ!」
「撃っても避けられるわよ!?」
「いいから撃て!」
「もう、どうなっても知らないからね!」
鈴は一夏を信じ、残りのエネルギー全てを使い最大出力で衝撃砲を発射した。一夏も砲撃に合わせて“左右へ”とライフルビットで射撃による攻撃を行った。
そして敵は攻撃を回避するために“上へ”と飛んだ。
それは、一夏の罠だ。
「貰った!!」
一夏のスナイパーライフルから発射されたビームは無人機の中心を撃ち抜いた。
撃ち抜かれた無人機はポッカリ空いた穴の中で何度かスパークをさせてから落下。地面に落ちてから機体のあちこちで小さな爆発を起こして、完全に停止した。
こうしてクラス対抗戦襲撃事件は幕を下ろした。
かなりの駄文になってしまいましたがいかがでしょうか?
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