暴物語   作:戦争中毒

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おしのショッピング 其ノ貮

 

004

 

 

~忍野サイド~

 

「全く、お前は騒動しか起こさないのか?」

「今回ばっかりは悪いの俺じゃないだろ」

 

千冬に正座させられながら説教されている。事の顛末を説明したのに、これって理不尽じゃね?

俺悪くないだろ? 簪、山田先生、止めてくださいよ。

 

 

「で、そこに居る二人、いい加減出て来い」

 

千冬に呼ばれて物陰から出てきたのは鈴とセシリアだった。

何やってるんだよお前ら。そして簪はなんで二人を見た途端、顔を真っ赤にしてるんだ。

簪まで風邪か?

 

「「ど、どうも。織斑先生(千冬さん)」」

「っていうか。お二人さん、何やってんの?」

 

買い物袋を持ってるってことはもう買い物終わってるんじゃないのか?

 

「え、えーっと、買い忘れた物がありまして、それを買いに」

「そ、そうよ! なんか悪い!?」

「お前は口が悪い」

 

まったく、この二人は何をしてるんだ。

 

「それにしても、お前たちは変わり映えしないな」

 

千冬に言われて、改めて自分とみんなの服装を観てみる。

 

俺:学生服によく似た私服

簪、鈴、セシリア:学生服

 

・・・確かに変わり映えしない。

まぁ俺はともかく、IS学園の生徒はナンパ除けとかのために外出時も制服って割と普通だからね。

簪たちもそんな感じかな?

 

「そういうあんたもいつものスーツじゃないか」

「ふん、私はこれが自然体だ」

「・・・色気のかけらもねぇな」

「余計なお世話だ」

 

そんなんだから今だに彼氏すら「全身の関節を逆に曲げるぞ?」・・・地味に恐ろしいこと言うな。ってかなんで考えてる事がわかる。

 

「あ、あー。私ちょっと買い忘れがあったので行ってきます。えーと、場所がわからないので凰さんとオルコットさん、ついてきてください。それに更識さんも」

 

山田先生は何かひらめいたような顔をした後、有無を言わせず生徒三人を連れて向こうへ行ってしまう。

 

俺と千冬だけがその場に残された。

すると、

 

「そうだ忍野。私の水着も選んでくれるか?」

「え、嫌だよ」

「・・・フンッ!」

 

ゴスンッ!

 

「是非とも選ばせてください」

 

殴られた。しかもいつもの数倍は痛い。

こうして俺は、千冬の水着も選ぶことになった。

 

頭痛い。

 

 

 

005

 

 

しばらくして戻って来た山田先生たちと合流した忍野と千冬。

これからどうするかとなり、お昼ご飯にすることにしてレゾナントのレストランへと向かう。

 

すると忍野は正面から歩いてくる、IS学園の制服を着た二人組に気がついた。

 

「あれ? ケイシー先輩と交通事故先輩?」

「ん? よう忍野。お前も買い物か?」

「ちょっと忍野!? 先輩への敬意はどうしたッスか!?」

 

忍野の声に反応してこちらに気づいた二人は、それぞれ返事を返した。

 

「そんなものあるかよ、このIS暴走族が」

「いくらなんでも酷いッスよ!」

「なら、何て呼べばいいんだ?」

「普通に名前で呼んで欲しいッス」

「では、murder先輩」

「殺人じゃないッスか!?」

 

どこかで見たようなやりとりを傍観している先生たち。ケイシーと呼ばれた先輩にいたっては大笑いしている。

なにが面白いのか・・・。

 

 

「・・・忍野くん、この人たちは?」

「先輩って言ってたけど?」

 

忍野ともう一人の先輩の会話が終わったのを見計らって簪と鈴は誰なのか質問する。

質問された忍野はすぐに紹介をすることにした。

 

「こちら三年生のダリル・ケイシー先輩」

「はじめまして、ダリル・ケイシーだ。アメリカの代表候補生をやっている」

 

背は千冬より少し高く、ベージュに近い色の髪でツインテールに犬耳のようなくせっ毛、日焼けのような褐色肌。立ち姿は見ていて“姉御”という言葉がしっくりくる。

 

「そしてこっちが二年生のフォルテ・サファイアこと、ひき逃げ犯だ」

「ちょ、逆ッスよ!? それじゃあ名前が“ひき逃げ犯”みたいじゃないッスか!?」

 

千冬と同じくらいの背丈。明るい茶髪のショートアップに健康的な白い肌。おてんば娘のような雰囲気。

しかしどうもしゃべり方のせいで小者臭というか、下っ端のような感じがしてならないが。

 

「事実だろ? ケイシー先輩を怒らせて逃げてる途中、俺のこと跳ね飛ばしただろうが。しかもISで。そのあと見向きもせずに立ち去った人をひき逃げ犯と呼ばず、なんて言うんですか?」

「それに関しては謝ったじゃないッスか!」

「フォルテ、いいから自己紹介をしろ。他の子達が困ってるぞ」

「・・・フォルテ・サファイア、カナダ代表候補生ッス」

「はいはい、先輩よくできましたねぇ~」

「バカにしてるッスか!? そうッスよね!? 絶対バカにしてるッスよね!?」

「ところでケイシー先輩は何をしに?」

「無視しないで欲しいッスよ!!」

 

 

((先輩に対してもこれなのか・・・))

 

鈴とセシリアは先輩を片手間で小馬鹿にする忍野を見て、“敬意”という言葉を知っているのか疑問に思いつつ呆れてしまった。少しでも色っぽい話を期待した自分たちがアホらしくなったのだ。

 

すると黙っていた千冬は“ISを使って跳ねた”というところに反応して、校内でのISの無断使用の有無を確認する。

 

「サファイア、もしや校内でISを使っていたのか?」

 

ここにきてやっと千冬に気づいたサファイアは大慌てで否認をする。

 

「おおお織斑先生!? なんでここに!? って、使っていないッスよ!? いや、使ってないです!! 私はしっかり校則を守ってるッス・・・守ってます!!」

「そうか。ところでケイシー、真相は?」

「寮の廊下で使っていて忍野を跳ねてます」

「ちょっと!?」

 

否認をするも、先輩に告発されてしまうサファイア。

有罪確定。

 

「サファイア、学園に戻ったら生徒指導室に来るように」

「そ、そんな・・・わかりました。ごめんなさいッス、だから拳を振り上げないで欲しいッス!!」

「わかればよろしい」

 

拳を納める千冬を見て心底助かったような顔をするサファイア。さすが先輩。千冬の制裁がどれほどのものか、正しく理解してるようだ。

一年生には千冬を盲信するあまり、その制裁を是非とも受けてみたいという自殺志願者があとを断たない。一度受けた者は目を覚ますが・・・。

 

 

「先生たちもこれからお昼ですか?」

「ええそうですよ。よかったらケイシーさんとサファイアさんもどうです?」

「いえ、私みたいな上級生がいたら一年生たちが・・・」

「そんなの気にするような子達じゃありませんよ」

「そうですか? それならご一緒させていただきます」

「やったー! 先生たちの奢りッスよね!?」

「い、いえ。先生として本当は奢ってあげたいのは山々なんですが、あまり持ち合わせがないので奢りはちょっと、いえ決して給料が安いわけではーーー」

「山田先生、わかりましたからその辺で。フォルテ、相手は先生だぞ? お前はもう少し礼儀というものをだな・・・」

 

サファイアの奔放な振る舞いに説教をするケイシー。しかしサファイアには寝耳に水、馬の耳に念仏。

 

そんな二人をよそに悩む先生二人。

 

「さて、結構な大所帯になってしまっているからどうするか」

「この人数だと、お昼の混雑時に入れるお店は限られてしまいますからね」

 

教師二人に生徒が六人。

八人も掛ける席はこんな時間に空いてない。

かといって誘った以上、別々に食事をするなんていうのは大人として示しがつかない。

 

すると千冬が何かを思いついた。

 

「なら知り合いが経営してるファミレスに行くぞ」

 

 

 

 

 

 

006

 

 

 

千冬に連れられてレゾナントを出る七人。

 

五分ほど歩いたところでとあるファミリーレストランについた。見たところ、ここも混んでいるようだが。

 

店に入ると店員さんが出迎えてくれたのだが、

 

「いらっしゃいませ! ワグナリアへようこそ!」

 

ポニーテールで小学生のような店員さんだった。




キャラ紹介

ダリル・ケイシー
(本作での外見イメージ:艦これの武蔵)

フォルテ・サファイア
(本作での外見イメージ:蒼き鋼アルペジオのキリシマ)

原作七巻に登場。二人とも専用機を持っていて、ダリルの方が褐色肌ということ以外、容姿描写すらないキャラ。
本作では上記の外見で専用機の名前から所属国家を決定。

ダリルの専用機
『ヘル・ハウンド・ver2.5』
ヘル・ハウンドはイギリス全土にある伝承、不吉な黒い犬の姿をした妖精ブラックドッグの別名。
この理由からイギリスに対して敵対心のある国、そしてフォルテの機体とコンビを組むことから、アメリカ所属にしました。

フォルテの専用機
『コールド・ブラッド』
コールド・ブラッドという名前の、アメリカの映画で製作国はカナダの作品がある。このことからカナダ所属にしました。
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