暴物語   作:戦争中毒

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二人だけの男子生徒
ほうきトーク


 

001

 

ホームルームが終わり授業の時間がきた。男子生徒が参加する記念すべき初ISの授業は、

 

「質問に答えろ」

 

静かに響く声から始まった。

 

相手の僅かな反抗心さえ赦さない、絶対零度の音。暗い独房の中で聞こえるかのような足音。

無意識に頭が下を向き、四肢の力がぬけ断頭台にのせられたらかのような錯覚に男は襲われていた。

否、その時周りの者には本当に断頭台が見えていた。そしてそれへの恐怖と畏怖の念が世界を侵略していく。

 

「YESかNOかの選択肢が、お前に残された唯一の自由だ。それ以外の言葉は何の意味もなさない」

 

この状況で男は笑っていた。その笑顔はすべてを諦めすべてを受け入れる、そんな顔で声の主を見据える。

 

「答えを聞こうか」

 

世界最強と謳われた女が、その手にした物をギロチン刃と彷彿させながら執行人のように最終宣告の言葉を紡ぐ。

 

「私の参考書を婚活雑誌にすり替えたのはお前だな、忍野」

 

「反省も後悔もしていない!」

 

ー死刑執行ー

 

 

 

 

ズダン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

002

 

 

 

 

一時間目が終了し、今は休み時間。けれどこの教室に限っては異様な雰囲気が包み込んでいる。

それもそのはず。この教室には織斑一夏と忍野仁という二人の男子がいるからだ。

 

女性というのは三人寄れば姦しいという言 葉があるように、今現在この教室の出入り口と廊下ではこの二人の人間の一挙一動で騒ぎが起きるような状態である。

しかしこのクラスの生徒は非常に物静かで男子生徒を見ていた。先ほど授業中に体験した惨劇が頭にチラつき騒げる気力が無いのだ。そんな状態でも全員が彼に声を掛けるか掛けられるかを、互いに互いを牽制できるのは女子ならではだろう。そしてそれに他の教室の生徒も参加してるためながら妙な熱気が教室中に立ち込めている。

 

早朝の入学式を終え、最初の授業が終わり、二人の男子生徒は一息ついていた。 今のところ授業に遅れることはなさそうだ。

参考書捨てなくて良かったね一夏くん。

 

「大分詣ってるみたいだな、一夏」

「この状況はさすがにな・・・。 でも、忍野は平気そうだな」

「・・・そう見えるかい?」

「ごめん。大丈夫じゃなさそうだな」

 

忍野仁は青ざめた顔してる。先ほどダメージから回復していないのか若干フラフラしている。

織斑一夏は気晴らしに自販機でお茶でも、っと思ったが10分間の休憩時間であの出入り口と廊下を通って戻るには遠すぎる不可能と判断し諦めた。

 

 

「ちょっといいか」

 

 

「箒?」

「ん?」

声がした方に視線を向けると、長い黒髪を ポニーテールにした女子生徒が居た。

篠ノ乃箒。織斑一夏の幼なじみである。

 

「ついてきてくれ、話がある」

「わかったよ。忍野、ちょっと行ってくる」

「あぁ、いってらっしゃい。勿論ついて行かないよ、俺は馬に蹴られたくないんでね」

 

篠ノ乃は忍野を怪訝な顔で見ていたがこの台詞で顔を真っ赤にしてしまった。一夏は理解してないようだが。篠ノ乃さん、わかりやす過ぎですよ。一夏くんは気づいてあげなさい。

 

「~~~///! 時間が無いから早くしろ!」

「ちょっ、まてよ箒」

 

箒は一夏を連れて教室を出て行った。

出入り口と廊下の女子は二人の動きに合わせて通路を空け、通過後再び集まって騒いでる。どこかの神話の1ページのようである。

 

 

 

~一夏サイド~

 

俺は今、幼なじみの箒に連れられて階段の踊場に来ている。教室で話しにくいのだろうか?

まさかカツアゲか!?入学初日に!?

こんなの、酷すぎま

 

「ひ、久しぶりだな、一夏」

 

・・・違っていた、良かった安心した。

何だか一角獣の人の台詞を言いそうになった気がするがとりあえず置いておこう。

 

「去年、剣道の全国大会で優勝したってな。おめでとう」

「・・・・・・」

 

いや~、新聞に幼なじみの名前があって驚いたよ。テレビじゃ報道してなかったからね~。やっぱり新聞は大事だな。

 

「なんでそんなこと知ってるんだ」

「なんでって、新聞で見たし・・・」

「な、なんで新聞なんかみてるんだ!」

 

・・・怒られてしまった。新聞くらい好きに読ませろよ。

ダメだ、このままじゃもっと怒られそうだから話題を変えよう。

 

「あー、あと」

「な、何だ!?」

「・・・・・・」

「あ、いや・・・」

 

そんな剣幕で顔を近ずけないで怖いから!自分で気づいたようだけど。

 

「久しぶり。六年ぶりだけど、箒ってすぐわかったぞ。」

「え・・・」

「ほら、髪型一緒だし」

 

最初から思ってた事を言った。髪型がポニーテールじゃなかったら気づかなかったな。

 

「よ、よくも覚えてるものだな・・・」

「いや忘れないだろ、幼なじみのことくらい」

「・・・・・・」

 

また睨まれた。悪口言ったわけじゃないのに。

おっと、チャイムが鳴った。教室に戻らないと。

 

「さ、先に戻っているぞ」

 

・・・置いて行かれた。

 

 

 

 

『かかっ、随分と気の強そうな娘じゃのぉ』

「・・・今起きたのか? 忍」

『いや、お前様の姉上があの狐の小僧を殴っておる音で目が覚めた』

 

自分の影から声が聞こえてきた。

忍野忍。吸血鬼のなれの果て。主にして従僕。背負い続けなければならない罪の証。

 

『そんなことよりも早く教室に戻ったほうがよいのではないか?』

「人が真面目な事を考えるのにそんな事とか言うな。つうか、何慌ててるんだ?」

『いや、儂には関係ないが次の授業、お前様の姉上じゃろ?』

「・・・」

 

現在、授業開始から4分経過。

教師が千冬姉であることを考えるとこの先にまちうけてるのは忍野と同じ末路だろう。

 

「・・・ふっ」

 

俺は小さな笑みを浮かべて窓の外を見た。

空は青いなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズダン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ほうきトークとタイトルをつけていたけれど原作と同じことしか話してません。
タイトル詐欺です。すみません。

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