暴物語   作:戦争中毒

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読者の皆さん、お久しぶりです。
『週1』目指してるくせに『十日1』の作者、戦争中毒です。

やっとのことで福音の作戦会議までたどり着きました。このペースだとアニメ一期分が終わるのは10月になりそうかな?

それでは本編スタート


暴走した軍用機

001

 

 

「それじゃ、ちーちゃん。束さんはお腹がすいたから船に戻るから、用があったら連絡してね!」

 

一通りの作業を終えた束。

箒から御礼の言葉を受け取った途端に帰り支度を始める。

 

「行ってしまうんですか、姉さん?」

「はい。お別れですね」

「嫌です! 行かないでください!!」

「大丈夫ですよラウラ。先ほど私のISへの連絡コードをあなたのISに転送しておきました」

「で、では!?」

「はい。何時でもそこから連絡して下さい。すぐに会いに行きますよ」

「ね、姉さん。ありがとうございます!」

「また会いましょうね、ラウラ」

 

ラウラとの別れを惜しみながらも済ませたクロエは、ヴァーチェを展開して束を抱えると、千冬に一礼してから潜水艦へと飛翔して帰って行った。

 

 

 

 

「なんか・・・、嵐みたいな人だったわね」

「・・・疲労感MAX」

 

互いの背に寄りかかり地面に座り込む鈴と簪。周りを見ると何人もの生徒が座り込んでいて、中には倒れてる生徒も見受けられる。

 

束の、そのあまりにも強い個性に呑まれ、一緒に居ただけでみんな疲弊したのだ。

・・・エナジードレインよりたちが悪い。

 

 

「たっ、た、大変です! お、おお、織斑先生っ!!」

 

まるで束と入れ違いになるかのように大慌てで旅館の方から走ってくる山田先生。各装備の書類整理の為に戻っていたのにどうしたのだろうか?

 

コラコラそこの二人。山田先生のスイカを睨むな。

 

「どうした?」

「こ、こっ、これをっ!」

 

山田先生が手渡した小型端末を見た途端、千冬の顔が険しくなるのが見えた。

 

生徒達は不思議そうに見ているが、離れていたのと出来るだけ小声で喋っているので一部を除き、二人が何を喋っているのかは分からない。

 

 

 

 

「忍野、軍用ISだってさ」

『ふんっ! つまらん』

「面倒なことになりそうだな」

 

“口の動きだけ”で会話を読み取った者達の目の前で事態は次の段階へと進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

002

 

 

「では、現状を説明する」

 

旅館の一番奥に設けられた宴会用の大座敷、通信機器やディスプレイが用意され今は仮設の作戦本部になっている。

何の作戦本部か? 今から千冬が説明します。

 

「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が制御下を離れて暴走。監視空域より離脱したとの連絡があった。その後、衛星による追跡の結果、福音はここから2㎞先の空域を通過することがわかった。時間にして50分後。学園上層部からの通達により、我々がこの事態に対処することとなった」

 

淡々と続ける千冬。その説明を全員が厳しい顔つきになって話を聞いてる。

 

「教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって、本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」

 

(学生にやらせるような事かよ)

 

一夏は内心呆れていた。

軍事利用が禁止されてるISが暴走、その尻拭いを学生にやらせる。『教育って何だっけ~?』っと軽い現実逃避の真っ最中。

 

「それでは作戦会議をはじめる。意見があるものは挙手するように」

「はい」

 

早速手を上げたのはセシリアだった。

 

「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

「わかった。ただし、二ヵ国の最重要軍事機密だ。決して口外はするな。漏洩した場合、諸君には査問委員会による裁判と最低でも二年の監視がつけられる」

「了解しました」

 

開示されたデータを元に相談をはじめる。

 

「広域殲滅を目的とした特殊射撃型・・・わたくしのブルー・ティアーズや一夏さん達のガンダムと同じく、オールレンジ攻撃を行えるようですわね」

「攻撃と機動の両方に特化した機体ね。厄介だわ。しかも、スペック上ではあたしの甲龍を上回ってるから、向こうの方が有利・・・」

「この特殊武装が曲者って感じだね。リヴァイヴの防御パッケージじゃ連続の防御は難しそうだね」

「打鉄弐式の武装じゃ、真っ向勝負は・・・無理」

 

セシリア、鈴、シャルロット、簪はデータから自分の専用機との脳内シミュレーションをして率直な感想を述べる。

 

「しかも、このデータでは格闘性能が未知数だ。持っているスキルもわからん。偵察は行えないのですか?」

 

ラウラの疑問に千冬が答える。

 

「無理だな。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だろう」

「一回きりのチャンス・・・ということはやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体であたるしかありませんね」

 

山田先生の言葉に、全員が忍野を見る。

どんな攻撃を仕掛けられても対処できる技量を持ち、この場に居る専用機持ちの中で最も攻撃力が高いのはアルケーガンダムによる接近戦だ。

一夏のケルディムによる狙撃もあるが、その場合は必ず前衛が必要になる。どうやっても忍野が選ばれるのは必然だった。

 

「・・・忍野、やれるか?」

「まぁ乗り気じゃないけど、専用機を持つ者の義務としてならやってやるよ」

 

頭を掻きながら、至極どうでもよさそうに答えた忍野。データを見るその目は一切の感情を写してなかった。

 

千冬は内心、生徒にこんな事をやらせる自分を不甲斐なく思い、しかしだからといって自ら出撃出来ない事を腹立だし感じていた。

しかしそんな事を考えてる合間にも作戦目標は接近し続けている。すぐに気持ちを切り換えて、作戦の決定を急ぐ。

 

「よし。それでは作戦の具体的な内容に入る。現在この専用機持ちの中で最高速度が出せる機体はどれだ?」

「それなら、わたくしのブルー・ティアーズが。ちょうどイギリスから強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』が送られて来てますし、超高感度ハイパーセンサーもついています」

「オルコット、超音速下での戦闘訓練時間は?」

「二十時間です」

「ふむ・・・。それならば適任ーーー

「お断りだ」

 

異を唱えたのは忍野だ。

 

「セシリア、その高機動パッケージでの戦闘経験はあるのか?」

「あ、ありません。しかしわたーーー」

 

「笑わせるな」

 

セシリアの言葉を遮り、明らかに不機嫌そうに言う忍野。

その雰囲気に呑まれ全員が黙り込んだ。

 

「今回はいつものお遊戯とは違う、命賭けの闘いだ。パッケージ換装するといつもとは機体の癖が変わるんだぞ? 癖の把握もできてない装備で能力値不明の相手に挑むのは自殺行為だ。それにな、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国が俺達に望んでいるのは“失敗”だ」

 

 

 

「どういう事だ!?」

 

失敗を求められてると言った忍野に食いかかる箒。口には出さないが他のみんなも今の発言に内心穏やかではない様子だ。

だが周りから快く思われなくても気にも止めないのが目の前の男。

 

「元気がいいなぁ。なにかいいことでもあったか?」

 

いつもと同じ台詞。しかしいつもとは違い嘲るかのような態度だった。

その違いに気がついた一夏と簪とラウラは、背中を冷たい物が流れたような気がした。

 

「多分、俺達が失敗することによって『ただの専用機では軍用機には勝てない、なら国土防衛には軍用機は不可欠』って言うデモンストレーションにして軍用機開発の公式化をするかもな。昔の核兵器みたいに」

 

核兵器は国際条約で規制されるまで各国で開発が進められていた兵器の一つである。一発で都市を壊滅させる兵器。被害を受けず、その兵器の威力だけを知った国々は既存の兵器で他国を牽制するより、圧倒的な力で抑えつけるほうが自国の為になると考え、国を挙げて開発競争にのぞんだものだ。

 

しかしISは核兵器と違い、登場してすぐに規制されたので軍用兵器としての開発が出来ない(ドイツのIS部隊も機体自体は競技用ISより少し良い程度)。ISを兵器としてしか見ていない者にとって、現状は我慢ならない。ならば兵器開発に踏み切れるだけの理由を作ればいい、という思惑が見え隠れしている。

 

「何を根拠にーーー」

「ちふ、織斑先生。まだ大事な事を聞いてません」

「・・・なんだ織斑」

「暴走したISの“搭乗者”の生死については?」

「「「!?」」」

 

搭乗者の存在をここにきてやっと気付いたかのような反応をする一同。

ISは人が乗らないと動かない。なら暴走したISに人が乗っているのは当然だ。なのにその搭乗者に関する説明がされないのはおかしい。

だとすると忍野が言った“デモンストレーション”の話も推測ではないのかもしれない。

 

「ハァ・・・送られてきたデータには搭乗者に関する事は何一つ書かれていない」

「やっぱり」

 

千冬は観念したかのように溜め息を一つ吐いてからそう答えた。

 

「大方、作戦が成功しても搭乗者に怪我や死亡させた罪で難癖をつけてくるつもりだったのだろう。だがこの点は大丈夫だ」

「へぇ、なんで大丈夫なんだ?」

 

まるで値踏みするかのような目つきで千冬を睨む忍野。狭い部屋の中は言いようのない緊張感に包まれていた。

 

「データが送られてきた時点で学園から搭乗者に関する情報を集めるとの連絡があった。とりあえず死なせなければ何とかなる。それにお前なら怪我をさせても殺さずに止めれるだろ?」

 

してやったり。

かなりの難題を言いながら不敵な笑みを忍野に向ける千冬。

 

「上等だ、福音は確実に落とす! 束が持って来た装備を使うぞ」

 

そう言うと、忍野は手に持っていたタブレット端末をみんなに見えるよう机の上に置いた。

 

そこに表示されていたの二種類の機体。奇妙な形をしており戦闘機から翼やコクピットを外してコンテナや大砲の砲身を取り付けたような機体だった。

 

「“GNアームズ”と“オーキス” 束が作ったIS用の強化支援ユニットだ。こいつはISにドッキングして使う装備だから破損してパージしたとしても、ISの基本性能に影響がない」

「そのようだな。それで、作戦は?」

「GNアームズ・・・、ドッキング形態だとGNアーマーって名前が変わるが、とにかくこいつ装備したケルディムとアルケー、つまり一夏と俺の二人で仕掛ける」

 

一通り資料に目を通す千冬。その目は真剣で、一字たりとも見逃さまいとしている。

すると機体サイズの数値に目を止め、こんな疑問を投げかけた。

 

「確かに性能はいい。だがこのデカ物でどうやって仕掛けるんだ? 相手は超音速飛行をしてるぞ?」

 

千冬の言う通り、GNアームズなる装備は一般的なワンボックスカーと同クラスの大きさがあり、オーキスに至ってはバス並でIS装備としては破格のサイズだ。

虎が猫と瞬発力で勝負しても勝てない。

物体のサイズが大きくなればなる程、瞬間的な素早い行動・旋回が出来なくなるのが世の常識である。いくら火力があっても追いつけなければ意味がない。

 

「その辺の心配は無用だ。GNアーマーはGNドライヴ搭載IS用に設計されてるからトランザムが使える。あ、オーキスは違うぞ?」

 

それを聞いて納得する千冬。と、同時にこのデカ物がトランザムで素早く動くのはチートじゃないかと考えた。

千冬さん、あなたが一番チートですよ?

 

「他の専用機持ちは戦闘空域と旅館との中間地点で待機。目標が俺達を突破したり、増援が必要になった時すぐに対応出来るようにな」

 

暴走したISを止める作戦としては、二段構えの策は理にかなっている。

本当は忍野と一夏の思惑があるのだが・・・。

 

「その際、簪にはこのオーキス・・・ってこいつもドッキングしたら名称が変わるんだったな。えぇっと、デンドロビウムを装備してもらう。今こいつの武装は拠点防衛戦の物だからミサイルばっかりなんだ。味方が多い状況でミサイルみたいな誘導兵器を使うってなると、適任者は簪しかいない」

「わ、私!?」

 

突然、白羽の矢が立つ簪。

しかしこの中でミサイルのような誘導火器を使いこなせるのは彼女しかいない。

 

千冬もこの件には納得したように頷く。

 

「確かに更識が適任のようだな。しかしなんだこの武装は? まるで動く爆薬庫だぞ」

 

資料にはオーキスの上部コンテナの中にミサイル等の爆発物が多量に収めている事が表示されている。その量から予測される火力は想像するだけで冷や汗もので、千冬以外の全員が開いた口が塞がらないっと言った様子だ。

 

「今時、拠点を防衛するにはミサイルは欠かせないだろ?」

「・・・それもそうだな。では作戦内容の確認をする」

 

一拍おき、一同を見渡してから千冬は作戦の内容を頭に叩き込むかのように言った。

 

「織斑、忍野の両名が福音迎撃にあたり、他の専用機持ちは戦闘空域と当館の中間地点で待機。両名の指示の元、援護や追撃に備える。いいな?」

「「「「はいっ!!」」」」

 

 

「さぁてと、行くぞ一夏」

「ほいよっと、行きますかな」

「待て忍野、織斑。どこへ行く?」

 

作戦が決まった途端、部屋から出て行こうとする忍野と一夏。

千冬がそれを咎めると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「トイレだよ」」

 

場の空気をぶち壊す答えに、全員が思わず転びそうになった。

 

 

 

 

003

 

 

さて、男性トイレの前にまで来た忍野と一夏。

仲良く連れション・・・ではない。

二人はトイレを素通りし、廊下の隅にある人目につかない小さな部屋へと入った。

 

「一夏、念の為に忍に血を吸わせとけ」

「やっぱりか。忍」

 

一夏の呼びかけに応えるように音もなく影の中から現れる忍。

 

「忍。話は聞いていたよな?」

「うむ。しかしそれほど危険かのう?」

「まぁ保険だと思ってくれればいいよ」

 

床に胡座をかいて座り込んだ一夏、忍は抱き合うようにして一夏の首筋に、

 

「あ、量は加減しろよ? あんまり吸血鬼寄りになるとISがついてこれないからな」

「そんなもの気にせんでも良かろうに」

「俺達はISで目標を潰すんだ。神でもない怪異が必要以上に人間のゴタゴタに干渉するのは良くないだろ?」

 

忍は何も答えずに改めて一夏の首筋に噛み付く。

 

血を吸い終わりそっと牙を外す忍。その歳に零れた血液を、ぺろりと綺麗に舌で舐めとってから影に沈んでいった。

 

「・・・と、と」

 

立ち上がろうとしてフラつく一夏。

 

(吸われた直後は、貧血にも似た症状が現れるな・・・)

 

当たり前なのだが、いつまで経ってもそれに慣れない一夏は血を馴染ませるかのように首筋を揉む。

 

「忍野、お前はいいのか?」

「ご心配なく。もう“リミッター”は緩めてあるさ」

 

そう言って拳の関節を鳴らす忍野。

 

 

「さて、吸血鬼の天敵みたいな名前のISを落としに行きますかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

004

 

 

そこは全てが鋼鉄で作られた場所。壁や天井には窓がなく、時計がなければ今が何時なのかも分からない。

 

歩くたびに硬質な音が響き渡り、それが部屋の温度を何度も下げているように感じられた。

 

それなりに広い部屋のはずなのに、部屋の中央に鎮座する物によって非常に狭く感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なーんて堅苦しい表現をしたが、特に変わった所に居る訳ではない。

 

場所は水鏡の船尾にあるドーム状の格納庫の中。

部屋の中央に鎮座しているのは、GNアームズとオーキスだ。

 

「すまない束。こんなことを頼むことになって」

 

隣に居る束に謝る千冬。その目の前では専用機持ち達が山田先生と協力して作業にあたっていた。

ちなみにクロエは格納庫の操作や、福音迎撃の為にやって来るであろう軍への警戒の為にブリッジに籠もっている。

 

「別にいいよ! もともと後でGNアーマーとデンドロビウムの御披露目をするつもりだったからね。でもちーちゃんはいいの? いっくん達が危ない目に遭うのをーーー」

「言うな。どういうものであれ、私は一夏の意識を尊重したい」

「ふ~んっ。それじゃ、束さんは暴走したISを遠隔操作で止めれないかやってみるよ!」

 

何やら不穏な台詞を言い残し、束は格納庫を出て行った。

 

何故みんなが水鏡に乗っているのか。それはあの後、忍野と一夏が束に支援機の使用を頼むと彼女は、

 

『なら水鏡においでよ! そしたらここから直接出撃すればいいし、降ろす手間が省けるってもんだよ!』

 

と言い、専用機持ちと千冬と山田先生の十人の乗船が許可されたのだ。

 

 

 

 

一夏はケルディムとGNアーマーのドッキングを完了し、システムチェックに勤しんでる。忍野はGNアーマーの上に立ち、何やらケーブルをアルケーのボディに繋げている。

二人は作業の邪魔になるのか、頭部の装甲を解除している。

 

「拡張領域内の粒子貯蔵タンクとのケーブル接続完了。一夏、供給されてるか?」

「GN粒子残量増加を確認。ちゃんと供給されてる。でもいいのか? ここでタンクを使ったらトランザム後が・・・」

 

忍野がGNアーマーに接続しているのは粒子貯蔵タンク。

ケルディムやアルケーの単一仕様能力『トランザム』。その弱点はトランザム終了後、一時的なGNドライヴの出力低下が起こることだ。トランザムによって内蔵粒子を使い果たし、新たな粒子生産が低下した状態だと、GN粒子に機体性能を依存しているガンダムタイプは攻撃・防御・移動のすべてが平均以下なる。その弱点をカバーするための粒子補給に使うのがこのタンクだ。

それを今使うという事は、トランザム終了後のアルケーはただの的になることを意味する。

 

「どうせ死にはしねぇんだ。それにGNアーマーの武装は多量のGN粒子を消費するんだ。粒子は少しでも多い方がいい」

「・・・それもそうだな」

 

 

 

 

オーキスの方ではまだ各種システムチェックの最中だ。

何しろオーキスはGNアーマー以上の巨体なうえ、その上部にあるコンテナはミサイルが満載され爆薬庫と化している。

 

簪もドッキングした打鉄弐式の火器管制システムとのリンクに大忙しのようだ。

 

「更識、デンドロビウムの準備は?」

「あと5分はください」

「織斑先生。これ以上、出撃が遅れれば福音が上陸する恐れが・・・」

 

すでに当初の出撃予定時刻を過ぎている。オーキスの準備を待っていたら福音が上陸し、本土の上空で戦闘になる。そうなると海上とは違い人的被害が出る恐れがあった。

 

 

「・・・仕方がない。GNアームズを先に出撃させ、準備が整い次第オーキスを発進させる。山田先生、出撃準備を」

「はいっ!」

 

山田先生はすぐに格納庫の隅にあるコンソールへと走り、GNアームズの発進準備に係る。

しかし狭い格納庫。GNアームズのすぐ後ろにはオーキスがあるので下手に推進器を吹かせれない。そこでドッキングして動けない簪と火器チェック中のシャルロットの為にラウラや箒は、補修材らしき鉄板を持ってきて即席の防炎壁(ブラスト・ディフレクター)にし、鈴とセシリア急いで発進の邪魔になるものを片付けた。

 

全員の協力によりたった2分で発進の用意ができた。

 

「出撃準備完了。織斑くん、忍野くん、いつでも発進してくださいっ!」

 

山田先生から発進許可を受けた瞬間、二人は頭部の装甲を展開した。

 

「オーライ。ケルディムガンダム、目標を狙い撃つ!」

「アルケーガンダム。いくぜェ!」

 

二機のガンダムのセンサーアイが光り、それに呼応するように水鏡から発艦するGNアーマー。

千冬達の見守る中、機体を赤く発光させて戦闘空域へと加速させて行った。




次回にGNアームズとオーキスの設定を出します。

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