ありがとう‼︎ 可愛いよ浦島!!!!!!
そんなわけで、演練も折り返し地点に来たかなーというお話です
前回の時点では、始まってもいませんでしたが
審神者になる女性は少ない。
故に、演練で見かけるのは稀である審神者が多いだろう。
場所によっては女性が極端に少ない所もあるので、女性というだけで目を引くことは多々ある。
稀に女装する審神者がいるのだが、似合っているので誰もつっこまないのはお約束だ。
「どいつもこいつも……こんな爺の顔を見て、楽しいのか」
寝言は寝てから言えよ、と三月の刀剣男士は心の底から思った。
今時、珍しい純粋な黒髪はそれだけで目立つ。それだけでなく、絶世の美少女とは言わないが、街にいるかなり綺麗な子と言うに相応しい容姿の三月は、兎角目を引いた。
それだけでなく、顕現出来る者が少ない三日月を連れていることも、要因の一つだろう。
「お嬢。とりあえず、早く演練相手のところ行こうぜ。待たせちゃ、悪いだろ」
「ああ……そうだな。こんな所で、油を売っている場合ではなかった」
三月は慌てて、今来た道を戻った。
身を翻した際に、フワリと舞う。羽織の白と、髪の黒のコントラストが薬研の目には眩しく、他の人間には毒だとも思った。
〜・〜・〜・〜・
少年……というにも幼いかもしれぬ幼子は、先ほど自分とすれ違った少女を見て、惚けた表情をしていた。
雪の様な真っ白な髪と肌、海の様に青い瞳、そして少女の様に可愛らしい顔立ちは、兎に角目立った。
「主? どうしたんだ」
「鶯丸……。あのね、さっきの人、凄く綺麗な人でした」
「? そうか」
鶯丸と呼ばれた、緑茶の色をした髪を持つ刀剣男士は、自分の主の見たことない様子に驚いていた。
物心つく以前から、刀剣男士と過ごしていた少年の目は、醜いものを知らず、汚れているものを触れたことはなかった。
それ故、美しさの基準が、他の子どもより、少なくとも三倍以上は高かった。しかし、それが綺麗ではあるが絶世の美女ではない少女に向けたことに、意外感を禁じ得なかった。
「また……会えますか?」
少年は鶯丸の顔を見上げ、不安げに尋ねた。
瞳はユラユラと揺れ、鶯丸に否定を許さなかった。
「君が思っていれば、また会えるさ」
嘘は論外、否定は許さない。
二人は少女の名を、知らなかった。
〜・〜・〜・〜・
殺気が、空気をひりつかせるのを感じる。
当たり前だ。主に勝利を捧げる為に、六振りは必死なのだ。目の前に立ちはだかる刀剣男士など、邪魔でしかない。
自身らの本体を抜き、調子を確かめる。
三月の手入れによって、冴え渡る様な輝きを持つ刃は透き通っているのかと思うほど、混じり気がなかった。
「主」
山姥切は三月の足元に、跪いた。
それは臣下が主へ、変わらぬ忠誠を誓うもの。
この刃は敵を斬り伏せる為に、
この身は誇りを守る為に。
「堀川国広の傑作が一振り、山姥切国広。我が主に……三条三月様に勝利をご覧に入れましょう」
柄ではないと、山姥切は思った。
だが、こうしなければ気がすまなかった。
写しと罵っていた自分を認めてくれた、敬愛すべき人。
「あい分かった、山姥切の」
三月はたおやかな笑みを浮かべ、山姥切の元へ膝をついた。
そして、纏う襤褸切れを外した。
明かりに照らされ、煌くのは金糸の様な金髪。そして、美しく整った
「そなたにこれは必要ないだろう。もう、胸を張って歩いて良いのだ」
優しく微笑む姿は、どこまでも美しく、尊いものであった。
~・~・~・~・
「へぇ……なかなか面白そうな奴だ」
青年は儚げな見た目からは、想像もつかないドスの利いた声を出した。
湖の様に青い瞳と、長い髪をポニーテールにした姿は何処となく大和守安定に似ており、マントの様に羽織った新撰組のダンダラ羽織が、さらに安定に似た雰囲気をかもし出していた。
第八演練場の二階席から見下ろすのは、青年の小さな友人がしきり気にしていた少女の試合だ。
敵と練度の開きがあるが、それを的確な指示でカバーする聡明さ。そして、何より刀剣達からの全幅の信頼。
戦事は本分ではなさそうだが、非常に優秀だ。
審神者になって、半年にも満たないだろうがここまで優秀だとは、と青年は友人の観察眼に舌を巻いた。
「何が面白いの? 主」
「教えてよ」
甘える様に青年の背中にしな垂れかかるのは、沖田総司の愛刀の加州清光と、大和守安定。
二人とも、その綺麗な顔を蕩けさせ、青年に夢中であった。
青年は二人に、いたずら好きのする笑みを浮かべた。
「んー? それは、秘密だ」
「ええ〜、ズルい!」
「悔しけりゃ、何が何でも口割らせてみな」
青年はブー垂れる加州の頭を撫でた。
すると、羨ましかったのか、安定も撫でろと言わんばかりに擦り寄った。
短刀二振りに、脇差、打刀、太刀、大太刀が一振りずつという、スピードに特化した編成は非常に上手くできていると、青年は感心した。
短刀が切り込みとなり、脇差と打刀と太刀が敵の主力を削ぐ。そして、取りこぼした敵を大太刀が一掃する。
非常に無駄が無く、それぞれの特徴を最大に生かしたものだ。
今度、うちでも使ってみよう……と、密かに思った。
「あ、終わったみたいだよ。主」
「凄いね、あの審神者。まだ半年も経っていないだろうけど、すっごく強い」
「そうだな」
青年は、小さな友人に感謝した。
いい加減、同じ面子に飽き飽きしてたところだ。丁度いい。
青年は携帯端末をいじりながら、ほくそ笑んだ
今回は三月以外の審神者が、二人登場しました
かなーり重要なキャラなるので、期待してもらえるとありがたいです
次回は二人について、何か分かるかもしれません