ポケットモンスター陰/陽 〜ポケットモンスターが幻想入り〜 作:Mr.Pooh
色々言いたいことは後書きにして、本編どうぞ。
プロローグ〜第一話 黄色いネズミ
ポケットモンスター。
縮めてポケモン。
この世界の、不思議な、不思議な生き物。
海に。
森に。
町に。
その種類は、100、200、300・・・いや、それ以上かもしれない。
さて、ここはポケモンとは縁も所縁も無い場所、幻想郷。
ここは外の世界と離れ、外の世界──外界で幻想となったものが流れ着く世界。
そしてそこでは、外の世界と幻想郷を隔てる結界、「博麗大結界」を守る役割を担う神社である「博麗神社」の巫女、博麗 霊夢と、魔法の森に住む魔法使い、霧雨 魔理沙が、幻想郷では「異変」と呼ばれる、幻想郷の様々な問題事を解決していた。
赤い霧が幻想郷を覆う。
冬が長く続き終わらない。
偽物の月が夜空を照らす。
突如とした異常気象。
間欠泉と共に地上に流れる悪霊。
謎の飛行物体。
そんな幻想郷の異変に、ポケモンが迷い込んだとしたら・・・?
これは、そんな物語である。
視点:霊夢
異変がない日は楽でいい。
昼を過ぎた午後のひと時は特にそう思う。
春、いたる所で咲き誇っていた多くの桜が散り、大地が生命力溢れる夏へと姿を変える準備を始めた間の季節、初夏。外で過ごすのに一番ちょうどいい陽気だ。青く茂る木の葉が今年最後の春風でかすかに揺れ、太陽はリハビリをするように大地を照りつける。暑くなく寒くなく、本当にちょうどいい気候だ。
・・・今だけは。
「はぁ・・・。」
思わず溜息をついてしまった。これからうだるような暑さが続く夏が始まると思うと億劫でしょうがない。
おまけに夏には博麗神社で宴会が開かれるのだ。宴会だけならいいが、主催が博麗神社だからたまったもんじゃない。おまけに去年は手伝いが萃香だけだった。今年もそうなるのだろうか・・・。
ああ、怪奇現象でも、何だったら異変でも良い。何か、この憂鬱を忘れさせるものは・・・。
何か・・・。
不意に、神社横の草むらから一つの影が飛び出した。
それは今まで見たことのない動物だった。シルエットは大きなネズミのようだが、全身が黄色い毛で覆われている。耳は細長く上を向いており、てっぺんだけ茶色い。体や尾も一部茶色く、何だか不思議な風貌だ。
その動物は私の姿を認めると、こっちに駆け寄ってきた。近くで見ると綺麗な目をしている。
かわいいじゃないの。
その動物を抱き抱えて膝に乗てみる。
やっぱり可愛い。
勢いに任せて頭を撫でてみる 。
「ピカァ〜♪」
その動物は気持ち良さそうに鳴き声を上げた。鳴き声も今まで聞いたことがなかった。
何の動物かは分からないけど、かわいくて癒される・・・。それこそ夏のこととか全部忘れさせてくれそうだわ。もうずっと撫でて・・・。
「ここかあぁぁぁぁぁぁぁーっ!」
突然飛び出すもう一つの影。
魔理沙だ。
動物は魔理沙を見るや否や、びっくりしたように逃げ出した。
「待て待て待て待て待て待て待て待てぇぇぇー!」
追う魔理沙。逃げる動物。呆然とする私。
「・・・魔理沙!?一体どうしたのよ!?」
「あっ霊夢!そいつを捕まえてくれ!」ホウキに乗った身体を翻しながら、魔理沙は叫んだ。
「えっ!?ちょ、ちょっと!」
動物が魔理沙のおまけ付きでこっちに向かって来ている!
「霊夢、止めろ!」
「そんなこと出来ないわよ!うわっ、ぶつかる!」
「うわわわわわわわ!」
刹那、動物は私の膝と頭を踏み台に、神社の屋根の上まで登った。
「くそっ、あいつ!」
魔理沙は急旋回して上に登る。同時にガラガラと何かが崩れ落ちるような音が響き、神社の天井の瓦が落下した。
「ちょっと魔理沙!何してくれてんの!」天井に向かいながら、どこにいるかも分からない魔理沙に向かって叫ぶ。
「ちょっと、待って、くれいっ!」魔理沙は答えながらあの黄色いネズミを追いかけているようで、相変わらず瓦の剥がれる音が鳴っている。
「待てじゃないわよ!動物なんて追いかけて何してんのよ!」
「だからちょっと待ってくれ・・・あっ!」
魔理沙が叫ぶと、あの黄色いネズミが再び地面に降り立ち、神社とは逆方向に駆け出すのが見えた。
速い・・・!
魔理沙が捕まえるのに苦労している理由も分かる気がする。
「いいかげん大人しくするんだぜ!」
魔理沙はネズミが下で駆け出したのを見ると、神社の屋根の上から猛スピードで追いかける。
ネズミは素早い魔理沙を物ともせず、ちょこまかと動き回って逃げながら撹乱させているように見えた。
・・・もしかして、逃げることに慣れているのかしら?
そんなことを考えていると、いつの間にかそのネズミが駆け寄ってきて、私の膝の上を陣取った。
・・・ゑ?
慌てて正面を見ると・・・案の定、魔理沙が正面から突っ切って来る。
「うおあっ!霊夢!」「まっ魔理沙!ストップ!」「ダメだ!止まれない!」「ええっ!さっき止まってたじゃないのよ!」「スピード出すぎてるんだぜ!早く避けろ!」「神社はどうなるのよーっ!」
私は叫びながら神社横の地面にダイビングした。
私は助かった。
だが案の定、魔理沙はそのままのスピードで神社を突き破った。
いかがでしたでしょうか?
今作は基本一人称で進めて行こうと思います。
読書の皆様の感想が僕の助けになります。感想や評価、指摘等、どしどしお送り下さい。
それでは、この作品をどうぞご贔屓に。