ポケットモンスター陰/陽 〜ポケットモンスターが幻想入り〜   作:Mr.Pooh

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また遅れたァァァァァァ!

本当すいません。おまけに今回果てしなく難産だったので駄文です。

宴会に来た霊夢達は何を見るのか。

では、本編どうぞ。




第二三話 酒席とポケモン

視点:霊夢

 

「おお、やってるやってる。」

 

私と空の活躍ですっかり涼しくなった旧都。

 

地霊殿からそこへ戻ってみると、人混み、もとい妖怪の群れが通りを文字通り埋め尽くしていた。

 

その妖怪達が何をしているのかと言うと、 大まかに三つ。

 

一つ、料理を食べる。

 

二つ、お酒を飲む。

 

三つ、談笑する。

 

談笑と言っても内容は「涼しくなって良かった」とか「最近の客が」とか「姉ちゃん酒注いで」とか他愛も無いことばかり。ただ騒いでいるだけと表現を変えた方が適切かも知れない。って最後何なのよ。

 

しかし妖怪達が騒いでくれているお陰で、元々はもっと暗い雰囲気のはずの旧都が今は明るい活気に満ちている。

 

そう。

 

それが宴会。

 

皆明るく、食べて飲んで時にはバカやって楽しくやるのが宴会だ。

 

幻想郷では何かあるとすぐ宴会が起こる。きっかけは様々だが、特に異変が解決された後の発生率は十割。今回もそれに当てはまるだろう。

 

更に幻想郷の宴会の特徴の一つとして、参加者が全く縛られない。人間と妖怪はもちろん、吸血鬼、亡霊、仙人、果ては神様と誰が来るか分かったもんじゃないのだ。今回の場合は・・・。

 

「ポケモンも多いわねー。」

 

そう、ポケモンである。

 

私達の言葉こそ使うことはできないようだが、何しろ神様まで宴会に参加するのだ。今更驚くようなことでは無い。むしろ、今の私達の状況では有難かったり・・・。

 

「わぁ〜!ねぇお燐!あのポケモンは!?すっごい大きい!」

 

後ろ空が指差したのは、岩が蛇みたいに連なったポケモン。家一軒はありそうだ。確かにでかい。

 

「おぉー。ありゃでかいな。霊夢、分かるか?」

 

話を振られた燐は次に私にパス。幸い私は図鑑を持っているので次にパスする必要も無い。

 

「ちょっと待って、図鑑図鑑図鑑・・・っと、あったあった。」

 

No.095 イワーク いわへびポケモン

いわ・じめんタイプ

高さ8.8m 重さ210.0kg

時速80kmで地中を掘りながら進み、岩石や砂を捕食する。地中深くで生まれたイワークは身体の岩石成分が変異し青白い体色となることがある。

 

「イワークって言うんだ。・・・岩食うから?」

 

横から飛んできた燐の駄洒落は故意なのか天然なのか分からなかったが、とりあえず無視した。

 

「見えないよー!私にも見せて!」

 

「うぐっ!?かっ、被さんな!」

 

空が突然後ろから襲撃した。乗っかられて凄い重い。

 

「あの・・・宴会に参加した目的分かってます?」

 

私達が遊んでいるようにでも見えたのか、辺りを見ていたさとりがこっちに向かって要らない釘を刺した。

 

「忘れてないから大丈夫よ。それに私が遊んでるわけじゃ無いから。」

 

「うにゅ?」

 

「お空は分かってないみたいですが・・・まぁ仕方無いですね。」

 

さとりは再び辺りを見始めた。主にすら見捨てられた空・・・哀れなり。

 

さて、確認だが、私達がこの宴会に参加した理由は二つ。

 

一つは近所付き合いとしてだが、ハッキリ言うとこれはオマケ。

 

重要なのは二つ目。宴会に出ているポケモンの心をさとりに読んでもらうためだ。

 

もちろん、ただ心を覗きたいからではない。こちとら深い事情があるのだ。

 

地霊殿でさとりに私のポケモンの心を読んでもらった時、私のポケモンの一匹、ヤミラミがスキマとは違う方法で幻想入りしたらしいことが判明した。しかしヤミラミの記憶だけではその方法の正体が掴めなかったので、他のポケモンの心も読ませてもらってその方法を探る・・・と、懇切丁寧に説明するならこんな所か。

 

そんな訳で、さとりも宴会に同席している。ペットの燐と空は・・・まぁ、ついでだ。

 

さとりはさっきから例のでかいいわへびポケモンをしきりに見ている。どうやら心を読んでいるようだが、あまり顔は浮かないので恐らくハズレだろう。

 

しかしまぁ、予想以上のポケモンの数だ。五、六匹混ざってれば良い方かと勝手に思っていたのだが、蓋を開けてみるとざっと二十匹はいる。

 

それぞれが違うことをして過ごしているのも興味深い。妖怪と一緒に宴会料理を食べているのが大多数ではあるが、他にも遠めに人混みを見ていたり、ポケモン同士でじゃれ合っていたりと様々である。

 

だがいくら目の前にポケモンがいても、心を読めない私にはどうしようもない。精々撫でて可愛がるのが限度。

 

「お燐ー!あっち!あっちに凄いポケモンいるよー!」

 

「あっ、ちょっとお空!待てったら!」

 

仲良しペット二人も人混みを掻き分けて違う場所に行ってしまった。

 

・・・どうしよう。完全に暇になってしまった。

 

ううむ、これからさとりの調査が終わるまで目の前を通るポケモンをひたすら図鑑に登録するだけの時間が過ぎるのか。

 

虚し過ぎる。

 

それに周りは宴会中。皆好きに飲んだり食べたり・・・あ、あの焼き鳥美味しそう。

 

一応まだ仕事中だからお酒を飲む訳にはいかないけど・・・料理を頂く位なら良いわよね?

 

よし、それじゃあ焼き鳥頂いちゃいますか・・・。

 

 

 

 

 

 

「ヘラクロォ!」

 

 

 

 

 

 

「ヴェッ!?」

 

突然、やたら気合の入った声が私の耳に入った。

 

それと同時に視界が影に隠れたように暗くなる。

 

・・・いや、この色の濃さは間違い無く影だ。今、私は何かの影に隠れた。

 

私は焼き鳥を取ろうとした時から動いていない・・・つまりそういうことは・・・。

 

恐る恐る、後ろを覗き込んでみる。

 

・・・目の前に、ギョロッと光る二つの光。

 

それが二つの瞳と分かるまで、それなりの時間が掛かってしまった。

 

「・・・うぎゃー!」

 

数秒の沈黙の後、私は思わず後ろに尻餅をついた。

 

真後ろ、本当の真後ろに、ガタイの良いポケモンが立っていた。しかもこっちを見てる。

 

「なっななな何こいつ!?」

 

動転して舌も思うように回らない中で出たのは腰抜けな声だけだった。

 

「あっははは!面白い驚き方だな霊夢は!」

 

「ふぇっ?」

 

ポケモンの巨体の後ろから憶えのある声が聞こえた。

 

「なっ・・・なーんだ。勇儀のポケモンだったのか・・・。」

 

同時にポケモンの影から現れたのは勇儀。地霊殿に入る前に会った鬼のでかい方だ。円錐を曲げたような赤い角を額から一本生やした姿は堂々としていて、豪快さが感じられた。

 

「いやぁ、ちょっと驚かしてやろうって思っただけなのに、まさか尻餅つくとは・・・。」

 

「うっ、うるさいわね!びっくりするわよそりゃ!」

 

私は大声で恥ずかしさを紛らわせつつ、立ち上がってお尻に着いた砂を払う。

 

多分勇儀はモンスターボールからこのでかいポケモンを取り出して、直接私の真後ろに置いたんだろう。だからいきなり影が現れた。

 

何故私が驚かされたのか気になったが、どうせ突発的な思い付きで深い意味な無いんだろう。それより気になるのは勇儀のポケモンについてである。

 

「何なのよそのポケモンは。カブトムシっぽいけど何か違うような・・・?」

 

「ヘラクロッ?」

 

さっきは本当に私の真後ろにいたから分からなかったが、勇儀のポケモンを改めて離れて見てみると、カブトムシのようでカブトムシではないように見える。・・・いや、これでは伝わらないか。

 

言い方を変えよう。そのポケモンは立派な角・身体を覆う殻とカブトムシっぽい要素が一通り揃ってはいるのだ。

 

が、体長がカブトムシ離れして大きい(私よりちょっと大きい位はある)上に二足歩行までしている。更に言えば足も四本しか無い。だからどこかちぐはぐに見えるのだ。

 

No.214 ヘラクロス 1ぽんヅノポケモン

むし・かくとうタイプ

高さ1.5m 重さ54.0kg

力が非常に強く、自分の100倍の重さのものを軽々持ち上げる。樹液が好物。

 

図鑑を見ると、特徴も何処と無くカブトムシっぽい。

 

「やっぱカブトムシだよなこいつ。一本角同士、良いんじゃないかって思ってさ。な?コジロウ。」

 

「ヘラクロッ!」

 

勇儀はコジロウの角に手を乗せながら言った。

 

「いや、一本角は一本角だけど、コジロウ?とあんたの角じゃ・・・。」

 

「おー!勇儀のポケモンはコジロウって言うのかぁ!」

 

陽気な声が耳に入ってきた。酒気を帯びているのか若干呂律が回っていないのに、かなり幼い声。

 

当てはまる声の主はただ一人。

 

「おぉ萃香。そういや私のポケモン見んの初めてか。」

 

千鳥足で近づいて来たのは予想通り、萃香。勇儀が一本角なら萃香は二本角の鬼である。

 

こいつは見た目かなり幼いが、かなり酒豪でどれだけ呑んでも酔いはするが悪酔いはしないと有名らしい。

 

今こそフラフラしているが、その実意外にしっかりしていたりする。実際に何度か杯を交わした私が言うのだから間違い無い。

 

「もうすっかり出来上がってるなぁ。どんだけ呑んだんだ?」

 

「ふぇ?いつも通りだよぉ?」

 

「そりゃまあ、あんたはいっつもそんなになるまで呑むけどさ・・・そういやどこ行ってたんだお前?確か、宴会起こすーって人萃め始めた後見失ったんだが・・・。」

 

「んぁ。その後お酒飲んでそれで・・・。」

 

「あっ、居た居た!」

 

またも会話に割り込む声があった。同時にこちらに向かって来る人影が二つ・・・うん?二つ?

 

・・・確かに二つだ。しかももう見慣れた人物の。

 

「もうっ、勝手に行くから探したよ!」

 

「あんたの方から一緒に来いとか言ったのに・・・私達は何なのよ。」

 

人影の正体はヤマメとパルスィ。何の偶然か、どちらも今日私と会って何やかんやした妖怪である。

 

「なんであんたらが萃香を?」質問したのは私。

 

「こいつね、一緒に呑め呑めって絡んできたんだけど知らない内にどっか行っちゃって・・・仕方無いから探してたの。」

 

「あー、うん。そうそう。ヤマメとパルスィ誘ったんだけど、色んな所で呑んでたら見失ったんだよね。あはは、ごめん。」

 

怨みったらしいパルスィの発言を萃香が明るく返した。

 

「そんな軽く言うんじゃないわよ妬ましいわね。」

 

が、火に油を注いで終わったようだ。

 

「まぁまぁ。パルスィだって色々ポケモンとか見れて楽しかったでしょ?それでおあいこだよ。」

 

ヤマメが火消しに努める。健気だな。

 

「まっ、まぁそれは確かに・・・。」

 

嫉妬の妖怪も動物には弱いのか、火の勢いも弱まってきた。

 

しかし。

 

「そうだそうだぁ!私を許す心位は持っとれ!」

 

「「「「・・・。」」」」

 

火を起こした本人が油追加。徳用サイズの。

 

「・・・あんたアホなの!?」

 

「そりゃ無いよ萃香・・・。」

 

「無いな・・・ 。」

 

「・・・。」

 

私、ヤマメ、勇儀の順で萃香を避難。私達は言うだけまだマシで、パルスィは無言で負のオーラを放っている。めちゃくちゃ怖い。

 

「・・・ん?私何かおかしなこと言った?」

 

そしてその空気でも素晴らしく動じない態度で答える萃香。

 

こりゃもうダメだ。色んな意味で。

 

「まっ・・・まぁ、良いんじゃない、かな?折角の宴会なんだし。あんまり気張っても楽しくないよ。ね?」

 

遂にヤマメが萃香をフォローするのを諦めて別方面で場を落ち着かせ始めた。うん、誰が見ても正しい選択だわ。

 

「あっ、それよりさぁ・・・。」

 

挙げ句の果てに話題を変える始末。場を散々荒らした結果、いつの間にか萃香は話の主導権を握っていた。

 

「勇儀のポケモン、凄い強そうだよねー。何て言うの?」

 

「ヘラクロッ?」

 

萃香が話題に挙げたのは勇儀のポケモン。本人が不意を突かれたように身体を揺らした。

 

「こいつか?こいつはコジロウって言ってな・・・って、お前さっき自分でコジロウって言ってなかったか?」

 

「そーだっけ?」

 

言ってわね、と心の中で相槌を打つ。

 

「まぁ良いや。それよりどうだこいつ?なかなか強そうだろ。」

 

「ヘラクロッ!」

 

勇儀はコジロウの頭に手を置いて自慢気に言った。本人も腰に手を当てて誇らしくしている。

 

「確かに、私達と比べたら身体もごつくて大きいね。力もありそう。」

 

ヤマメはコジロウの身体を覗き込みながら言う。コジロウはその視線に合わせてマッスルポーズを・・・何やってんだこいつら。

 

「こんな奴よく捕まえられたわね。私が生身で行ったら多分返り討ちよ・・・。」

 

それを遠目に眺めながら呟くパルスィ。萃香に出していた黒いオーラは既に消えている。

 

「そうさなぁ。力じゃ負けるかも分からないけど、手数は少ないからな。弾幕をちょちょいと出してやれば捕獲も簡単よ。」

 

勇儀は右手に力瘤を作って答えた・・・って、ちょっと待て?勇儀な力で負ける?

 

「勇儀が力で負けるってことあるの?」

 

私は思ったことそのまま口に出した。

 

「ん?あぁ、実際には競り勝ったんだが、結構歯応えあったからパルスィには無理だろって話だ。パルスィ細っこいから。」

 

「いや、あんたと力で競って勝負になる方がおかしいと思うんだけど・・・。」

 

勇儀は鬼の中でも相当力持ちで、その怪力っぷりは足踏みだけで家屋を崩れさせる、と聞いたことがあった。

 

「確かに・・・良く考えりゃ、コジロウってなかなか怪力だったんだな。あたしにぴったりって所だ。」

 

私の素朴な疑問をコジロウの評価と捉えた勇儀は、気を良くしたのかコジロウの頭をぐりぐり掻き回した。撫でているつもりなんだろうか。

 

「ヘラクロ。」

 

しかしやられている本人はさほど嫌そうにしていない。寧ろ顔を緩めて喜んでいるようにも見受けられる。

 

凄く幸せそうな笑顔で撫でられているコジロウ。

 

微笑ましい光景に、私も笑顔になりそうになる。

 

が、突然隣から呪詛の念を感じ、その気が醒める。

 

またあいつか・・・。

 

「ケッ・・・あの虫、妬ましいわ・・・。」

 

右隣を見ると、予想通りパルスィが嫉妬を露わにしていた。歯を強く噛んでいるらしく、口元からギリギリ聴こえてくる。どうやら相当コジロウに妬んでいるようだ。

 

「もう何と言うか・・・流石ねあんたは・・・。」

 

私は勇儀に聞こえないよう、小声で割と本心に近いことを言った。するとひたすらコジロウを睨んでいた顔がこちらに向く。

 

「・・・よく言われるわ。けど愛情を知らないで育ったってのはこんなもんよ。」

 

パルスィは昔を思い起こすような影のある表情で言い放った。

 

「愛を知らない・・・ねぇ。どうせ昔の話なんだし、今はポケモンとでも仲良くなれば愛情も注いで貰えるんじゃないの?コジロウみたいに。」

 

「逆じゃなくて?」

 

「ええ。コジロウだって勇儀が好きじゃなきゃあんな顔しないもの。逆ってよりは、双方からって言った方が良いかしらね。」

 

「あっ、そうだ。」

 

突然、何か思い出したように勇儀が声を上げた。同時にコジロウを撫でていた手が止まる。

 

「でかいポケモンって言ったら、あいつ誰のポケモンなんだ?野生か?」

 

止まった手は親指で後ろ側を指差した。

 

何かの鳥ポケモンのことかと思って後ろを覗き込んだが、何の姿も見えない。見えるのは後ろの宴会の様子と岩の塊だけ・・・あっ、ん?

 

そうかそうか。さっきから話題にも出なかったからすっかり背景として見ていたが、イワークがいたのを忘れていた。大きい身体が私達の方に相応の大きさの影を作って・・・。

 

「って、近っ!?」

 

さっきまで程良く距離を取っていたイワークが、いつの間にか勇儀のすぐ後ろまで迫っていた。

 

丁度こっちを上から見下ろす感じで目を光らせている。近くで見て初めて、かなりの強面なのが分かった。

 

だがイワークは飽くまでこちらを見ているだけで、襲い掛かって来るような様子はまだ見受けられない。

 

「あの・・・勇儀、後ろ・・・。」

 

私は今度はイワークに聞こえないよう、勇儀に囁いた。

 

だが帰ってきたのは至極単純な答え。

 

「ん?知ってるぞ?知ってるから指差したんだが。」

 

「えっ?・・・後ろ向いてないのに?」

 

「ああ。鬼たるもの、こんなの感覚で掴めるようじゃないとな。」

 

当たり前のことのように言う勇儀。・・・私だけびっくりしてたのか。恥ずかしい。

 

「って言うか霊夢。お前は見える場所なのに分かんなかったのか?」

 

「えっ!?・・・そ、そんな訳無いじゃない。」

 

一人恥じている所に勇儀の痛い質問が飛んできて、突然私は窮地に立たされた。

 

「わっ私は勇儀が気付いてないから脅かそうかとか思ってただけで・・・ホラ、私勇儀に驚かされたから。ね?」

 

必死に弁解するが、私が口を開く度、反比例的に勇儀の目は白くなっていった。

 

後ろを見るとヤマメとパルスィと萃香も同じく。変わっていないのはコジロウだけである。

 

やばい。相当墓穴掘ってる。

 

斯くなる上は話題転換だ。

 

「いやー、しかしなんでこっち来たのかしらね?私達に用でもあるのかしら?それとも何か別の・・・。」

 

 

 

 

 

 

「・・・の指示。」

 

 

 

 

 

 

「・・・へっ?」

 

どこからか私に答える声がした。

 

きっと喧しかった私の話し方と違って、放っておいたら消えそうな声で。

 

「・・・今の声は?」

 

何だかちょっと怖くなって、周りに質問してみる。

 

「え?声?声なんてしてないと思うけど・・・。」

 

が、ヤマメはその存在を否定した。

 

まさかと思って他の三人も見てみるが、揃って首を振った。

 

「えっ、じゃぁやっぱり気のせい・・・?」

 

確かに小さい声ではあったけど、気のせいじゃないような気がしてならないのだが・・・。

 

 

 

 

 

 

「気のせいじゃ無いよぉ・・・?」

 

 

 

 

 

 

がこん、と。

 

何かが地面に落とされるような鈍い音がしたかと思うと。

 

目の前にはただ顔だけがあった。

 

「・・・ぎゃあぁっ!?」

 

私は反射的に尻餅をつきながら後ずさる。

 

そして離れて見て、ようやくさっきまでの声が知った声だったことが分かった。

 

「キッ・・・キスメかぁ。」

 

震えた声でそれだけ絞り出した。

 

少し大きめの桶に入った少女。こいつも地底に住む私の友人の一人、キスメだ。

 

桶ごと私の目の前に落ちたことで驚かせたって訳らしい。

 

安心して溜息を一つすると、周りからくすくすと笑い声が漏れているのが分かった。

 

「・・・なんで笑ってるのよあんたらは!?」

 

見渡すと、四人全員で腹を抱えて笑っていた。

 

「あんたらまさか・・・!?」

 

「ふふっ、そうっふ、そうだよ!私達は知ってたっはははは!」

 

大笑いしながら喋る萃香。

 

「いっ、いつから!?」

 

「くふっ、霊夢が慌てて話し始めてからかな・・・くふふっ。」

 

「あ、あんたらぁぁぁぁぁ!」

 

私は怒りとか羞恥とか混乱とか色々引っ括めて叫んだ。




やっとのことでキスメ登場。他も地霊殿組のポケモンがちょびちょびっと。

次回も宴会。他の地霊殿組のポケモンも登場です。

では。
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