ポケットモンスター陰/陽 〜ポケットモンスターが幻想入り〜   作:Mr.Pooh

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再び霊夢視点。

今回かなり駄文かと・・・。

では本編どうぞ。





第七話 竹林の元気狐

視点:霊夢

 

右を見ると竹。

 

左を見ると妹紅の奥にやっぱり竹。

 

見渡す限りの竹。清々しい量の竹。

 

霊夢はうんざりしていた。竹林なんてこんなもんなのに、捜し物の途中だと気が滅入ってしまう。

 

「・・・おい霊夢。」

 

突然、妹紅が私に話しかけた。

 

妹紅は本名を藤原 妹紅と言い、この迷いの竹林で案内役を務める蓬莱人──老いることも死ぬこともない人間だ。実際私は飛べるから案内は必要ないと言えば必要ないのだが・・・今回は多少訳が違った。

 

「・・・何よ。」

 

「・・・飽きないのか?」

 

「・・・そんな訳ないじゃない。」

 

「・・・お前にしてはかなり執念深いんじゃないか?」

 

「・・・不覚よ。こんなに熱くなっちゃうなんて。」

 

「・・・そうだな。」

 

迷いの竹林を探し始めてそれなりの時間が経っていた。お互い、既に口数が少ない。空も若干赤みがかっている。

 

でも、全ては自分もポケモンを持つため。絶対に見つけてやる。

 

 

 

 

 

 

待ってなさい。フォッコ。

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分前、阿求のポケモン勝負の後の話だ。

 

「・・・ポケモン・・・か。」

私は二人の勝負に魅了され、ポケモン勝負に憧れを感じ始めていた。

 

「霊夢さん!いまの勝負どうでしたか?きしかいせい、綺麗に決まってました?」

 

少年と固い握手を交わし、再戦を約束した阿求は嬉しそうに私に駆け寄った。

 

「なかなかだったわね。ちゃんとポケモン勝負を見たのは初めてだったけど、面白そうじゃない。」

 

「じゃあ霊夢さんも始めましょうよ!」

 

「・・・どうしようかしらね。」

 

「?」

 

私にも考える所はあった。

 

ポケモンの異変を調べる身の自分が、ポケモンを持っていいのか。

 

もしこの世界からポケモンを消し去るようなことになったとき、厄介事にならないのか。

 

もしそうなってしまったら、私もこの異変の加担者だ。

 

しかし、目には目を、という言葉がある通りに、この先ポケモンを持っておいた方が動きやすいのだろう。

 

思わず顔を伏せて考え込んでしまった。

 

・・・気が付くと阿求が私の顔を覗き込んでいた。

おまけに何か目が潤んでる。

 

見た目はかわいいが、私には分かる。これは見た者を従わせる恐ろしい力を持った目だ。

 

だけど、湿っぽいこと考えてる時には癒される顔であることも、また事実な訳で・・・。

 

「・・・ねぇ阿求。里の人達はどうやってポケモンを手に入れているのかしら。」と含みを持たせて阿求に尋ねてみる。

 

「えっ?ええと・・・皆さん様々ですが、外に出てボールで捕まえるが主流でしょうか。」阿求は自分から誘惑した癖して、質問に困惑したように答えた。

 

「外にはどんなポケモンが?」

 

「それなら、慧音さんの所へ行けば分かるかと。寺子屋にポケモンの情報を集めてるんです。」

 

「ありがとう阿求。じゃあ、行ってくるわ。」

 

阿求は一瞬固まった後、ぱあっと顔を明るくして頷いた。

 

「私と戦える日を待ってなさい。」私はそれだけ言って、寺子屋へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

阿求の言葉通り、寺子屋では里の外で目撃されたポケモンについての張り紙やら写真やらで埋め尽くされていた。いつもとはかけ離れた光景だ。

 

「霧の湖では鯉や金魚によく似たポケモンが発生している」「妖怪の山の麓で岩のような姿のポケモンを発見」「普通の釣竿を使ってもポケモンを釣ることは可能な模様」「温泉近くで火を吹くポケモンを発見」「ヒマワリに擬態するポケモンが存在するらしい」「森の中で数種類の虫ポケモンを確認」・・・中にはポケモン捕獲のアドバイスも混ざっているようだった。

 

「おや、霊夢じゃないか。こんな時期に珍しいな。」奥から寺子屋の教師の慧音が顔を出した。どうやら今は授業時間外らしい。

 

上白沢 慧音はこの寺子屋の教師にして歴史喰いのワーハクタク・・・と言っても、むやみに歴史を喰ったりしないし、半獣だから満月の夜以外に獣のような姿を見せない。無論、今は人間体だ。

 

「霊夢もポケモンを捕まえに行くのか。」

 

「ええ。何かと便利そうだし。もしかしたら、異変解決の手がかりになるかもしれないわ。」

 

私は曖昧に答えておいた。色々と考えたことはあったが、あまり真意を伝えたくはない。

 

「異変・・・しかし、この異変を解決するとなると、どうすることなんだ?」

 

「・・・今はまだ分からないわ。幻想郷からポケモンを消滅させることなのか、ポケモンを幻想郷に定着させることなのか・・・。全てはポケモンがどんな目的でこっちに来たかが分かるまでね。」

 

「目的があるのか?あまり私には、ポケモン全体の意志がまとまっているようには見えんがな。」

 

「例え全体の統一した意志はなくとも、こっちにポケモンを連れてきた張本人には目的があるはずよ。そいつから聞けばいい話。」

 

「ふむ、張本人か。・・・しかしまぁ、幻想郷でこんなことする奴って言ったら・・・。」

 

「まぁ、そうなるわよね。」言わずとも、二人の頭には同じ顔があった。「今朝から紫が行方知らずらしいわ。そこからしてかなり怪しいけど。」

 

「確定的だな。しかし証拠がないんじゃなぁ・・・。」

 

「証拠なんていらないわ。ただ見つけて問い出せばいいのよ。まさかまさかのハズレでも、普段の行いが悪かったからで済ませられるもの。」

 

「そ・・・そうか・・・。なんと言うか・・・躊躇がないな。」

 

「当たり前よ。今まで何回あいつに困らされたか・・・。今度の今度はスキマに入れなくなる位に・・・ん?」

 

一組の張り紙と写真が目に留まった。

 

竹林の奥で小狐のようなポケモンを発見 写真:射命丸 文

 

隣の写真は新聞と同じように白黒だったが、十分にポケモンの姿を確認できた。

だからかは分からないが、図鑑も反応している。

 

No.653 フォッコ キツネポケモン

ほのおタイプ

高さ0.4m 重さ9.4kg

体内に発火する能力が備わっており、起こった炎は耳から吹き出す。小枝をおやつとして咥えて持ち歩く習性をもつ。

 

「気になるポケモンでも居たか?・・・ああ、こいつか。」

 

「竹林の奥って・・・。あの天狗、わざわざ探したとしか思えないわね。」

 

「そうなんだ。彼女、自分でポケモンを探してるそうなんだよ。捕まえるでもなく情報提供してくれるから助かってると言ったら助かってるがな。」

 

「どうせ新聞の宣伝でもしたいんでしょ・・・ほら。」指差した張り紙の下には「幻想郷全情報掌握 文々。新聞」と書かれている。

 

「せこい手使うでしょ。本当に掌握できてたらこの新聞の営業に出てあげてもいいんだけど。」

 

「確か文々。新聞って人里に貼ってある新聞だよな?こんな所でも宣伝しなきゃいけない位落ち込んでるのか?」

 

「記者の性格の問題ね。文は一起きたことを百くらいにして書く天才なのよ。」

 

「・・・話を戻そう。こいつは多分、お前みたいな度胸のあるやつじゃないと捕まえるのは無理だろうな。」

 

話を戻された。

まぁ、反応には困るわよね。

 

「そんなに手強いの?小さい癖にやるじゃないの。」

 

「いや・・・むしろ小さいからこそだ。空からじゃこいつの姿は見えずらい。」

 

「地上から攻めろってことね。」

 

相手にとって不足は無さそうだ。

 

「決めた、私の最初のポケモンはこいつよ。」

 

「よほど気に入ったらしいな。じゃあ、早めに頼まなければ・・・。」

 

「頼む?どういうことかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「こういうことだったのね・・・。」

 

寺子屋の一件の後、私は迷いの竹林の前で、妹紅と一緒に立っていた。言うまでもなく、妹紅は迷いの竹林の案内役として頼まれているのに違いなかった。しかし今回は普通の道案内とは訳が違う、捜し物だ。

 

「誰かと思ったら霊夢か。知り合いで助かったよ。」

 

「・・・そりゃあ、道案内ならともかく、度胸ない人が妹紅なんかと捜し物なんてなったらポケモン捜す所じゃなくなるわよねぇ・・・。竹林って時点で察するべきだったかしら。」

 

「・・・私じゃ悪いか?よく考えたらお前、迷っても空飛んで帰れるじゃないか。」

 

「いや、せっかく来てもらったんだし、一緒に来てもらうわよ。私の記念すべき一匹目を捕獲する所を見てなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 

周りを見ても竹ばかりで、目的のポケモンは一向に見つかりそうにない。

 

「「・・・。」 」

 

互いに無言のまま、時間は過ぎていく。

 

「・・・そういえばアンタ、ポケモンはもう持ってるの?」ふと気になって、質問してみる。

 

「・・・ああ。一匹だけだが。」懐からボールを出しながら言うと、妹紅はそのボールをそのまま放り投げた。

 

「ヤヤッ!」ボールから出てきたのは、赤と黒の毛を持った鳥ポケモンだった。

 

「コトリだ。まぁ、知っといてくれ。」

 

No.661 ヤヤコマ コマドリポケモン

ノーマル・ひこうタイプ

高さ0.3m 重さ1.7kg

小さい身体ですばしっこく動く。鳴き声が美しいことでも知られ、愛用するトレーナーは多い。

 

「ヤヤッ!ヤヤヤッ!」

 

「・・・美しいのかしら。この鳴き声。」

 

「・・・そんなこと感じた覚えはないな。」

 

「ヤヤヤッ!ヤヤーッ!」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「ヤヤヤッ!ヤヤヤッ!ヤーヤーッ!」

 

「あーもー!うるさいわね!さっさとしまってちょうだい!」

 

「ああ。うるさくてたまらん。特にこのイライラしてる時にはなぁ・・・。」妹紅がコトリにボールを向けようとした、その時だった。

 

 

 

 

 

 

「コー!」

 

 

 

 

 

 

聞いたことのないポケモンの鳴き声が響いた。

 

「・・・おい霊夢。今の聞こえた・・・よな?」

 

「ええ・・・近くにいるわね。」

 

コトリも驚いたのか鳴きながら飛び回るのを止め、妹紅の肩に停まっている。

 

鳴き声はだんだん自分の方に近付く。

 

一匹のポケモンの鳴き声だけが響く竹林の中、私たちは神経を尖らせて周りを見渡し、ポケモンが現れるのを待つ。

 

・・・どこから来る?

 

 

 

 

 

 

・・・カサッ。

 

 

 

 

 

 

「フォッコーッ!」

 

「おっと。」

 

一瞬の草むらの動きの後、右から飛び出したオレンジ色の影を妹紅が横に避けた。

 

そのままオレンジ色の影だったものは地面に叩きつけられる。

 

「あらら・・・大丈夫かしら?」

 

「! コッ!」

 

私の言葉に反応するように、それは倒れていた身体を翻して立ち上がった。

 

紛れもなく写真で見たポケモン、フォッコだ。

 

「そっちから顔を出してくれて嬉しいわ。さっ、さっさと私に捕まりなs」

 

「コーッ!」

 

「うわっ!」

 

フォッコは再び妹紅に向かって飛び上がったが、妹紅は同じようにかわす。しかし、今度は地面に激突することもなく着地した。

 

「ヴーッ・・・。」

 

「何か、こいつ私だけ狙ってるような・・・。」

 

「・・・いや、多分あなたじゃなくてその鳥のせいね。住処の近くでうるさくされたら私だって黙ってないもの。」

 

「あ、こいつか。よしっ、行ってやれ、コトリ。」

 

「ヤヤッ!」

 

コトリは妹紅につつかれると、フォッコに向かって行った。

 

「フォッ!」

 

フォッコは予想通り、コトリに向かって跳び回った。しかし飛んでいるコトリは空中でひらりとフォッコの攻撃をかわし続ける。

 

「フォッコーッ!」

 

激昂したフォッコはコトリへの攻撃の手を激しくするが、全くコトリに当たる気配はなかった。

 

「・・・あいつ、アホなの?」思わず口を開いてしまった。

 

「・・・思ったより判断力はないみたいだな。」苦笑しながら妹紅は言う。

 

そのうち動き疲れたフォッコが地面に倒れ込んでへたってしまった。

 

「フォッ・・・コーッ・・・。」

 

「スキだらけね・・・。本当にこいつが最初で良いのかしら。その赤い鳥の方が数段良さそうなんだけど。」

 

「ポケモンなんてボールさえあればいくらでも捕まえられるんだし、あまり気にする必要もないんじゃないか?」

 

「・・・そうね。」霊夢はフォッコに向かってボールを投げ、当てた。瞬く間にフォッコがボールの中に押し込まれる。

 

ボールはしばらく動いた後動かなくなった。捕獲に成功したのだろう。

 

「・・・これが初捕獲なんて、ロマンは私を嫌ってるに違いないわ。」

 

「ロマンがないと言うか・・・実感がないな。あるのは虚無感だけだ。」

 

「言えてるわね。・・・じゃあ、帰りましょうか。」

 

「・・・ああ。」




はい、と言う訳で霊夢のパートナーはフォッコです。

良い選択したんじゃないかな、と思ってますが・・・皆さんのイメージには合ってるでしょうか。

次回、新視点。

では。
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