近未来科学の申し子がF.A.にトリップした先が、例の彼処だった件。 作:憂夜
処女作ですね。
皆さんの暇つぶしとなることを願って。
【1】トリップしました。ええ、しましたとも!
"科学の申し子ついに最年少でノーベル賞受賞!!"
"美人すぎる22歳理系女子 発明したのは時空転移装置"
"ついに可能になった テレポート!?"
……
各国の報道機関に踊るある少女を賞賛する言葉。
18歳と言う若さで時空転移装置、所謂テレポートを可能にする装置を発明し、22歳という異例の若さでノーベル物理学賞を受賞した少女、凛堂 彩。
彼女は、現在、すべての出演、取材依頼を断り、自宅に閉じこもっている。
間接照明のみの部屋の中。
はぁーーーーー。
ふかふかのソファーにダラぁーっと溶けたアイスのように座り込む。
電話もうるさいし、パソコンは、メールとかSNSのせいで、DOS攻撃にあったみたいになって使えない……。
外部との連絡手段がない!
陸の孤島ってこのことだ!
あ。でもイラっとして
自分で、電話は電話線切っちゃったし
パソコンと携帯の外部との連絡専用のは分解してバラバラにしちゃったし(組み立てれば元どおりになる)
自分でもやっちゃったし、まぁ、そのことは、どーでもいいや。
部屋からでれない!
そう、足りない器具を調達できない!
つ ま り!
実験が、できない!
あれをとっても試したいのに!
いい感じの思いついたのに!
はぁーーーーーー。
だいたい、私は、一人でゆっくり好きな時に科学をして、あとは、アニメとか、漫画とか、小説に浸れれば、それでいいのに!
人前とかすごく苦手なのになんで、テレビ?、雑誌?
こんな、科学の脳の娘の話を聞いて何が面白いんだか。
だいたい、テレポートの研究をした動機なんて、"漫画の世界の行けたらな"なんて、小学校の頃思ったからだよ?
あの頃は、そーだ鋼の錬金術師の世界に行きたかったんだっけ?
錬金術なんて、現代の科学でもできないようなことをさらっとやってのけちゃう感じに憧れて!
あと、エドに会いたいんだよね。
エドと科学の話したいし、第一、エドのこと好きだったし。
あれが、初恋だったりして。うわー。流石、引きこもり。
よし、気分転換に久しぶりにハガレンを1巻から読破しよう!
んー完全版と原作どっち読もっかなぁー?
ペラーっと漫画を見ていく。
正直、話は、セリフを言えるくらい覚えているため、絵を見てるだけ。
よし、これで、最終巻。
ペラッペラッ
プルルッ プルルッ
電話?
さっき、ほぼ破壊したのに……。
あ、親類用か、お父さんとお母さん死んでから、ほぼ使ってなかったから、親類用の存在忘れてたよ。
誰かかけてくるような人いたっけ?
えーっと?
……え?
見たことない番号?
親類用に?
しかも外国から?
一応出てみよう。
「もしもし?」←もちろん英語で
英語だったら、基本通じる。
「君は、凛堂さんかい?凛堂さんの携帯だからそうだろうけど」←こちらも英語で
威圧感のある男の声。
少し、人をバカにしたように話す
「……どなたで?」
「私は、X国の者だ。君に頼みがあってね」
X国……。
「なんでしょう?断ると思いますが、聞きますね?」
国のために両親から貰ったこの頭脳を使う気はない。ましてや、母国でもない国のためには。
「はは。君は断ると命がなくなるかもしれないのだがね?だか「っ!。何言っ「この電話番号を知っているのだよ?君は今私の手の中にもういるのだよ。」
「 "研究依頼を断って殺される" このことは君が一番分かっているだろう?さて、私の国のためにある研究をしてくれないかい?」
「……」
「ホムンクルスを作ってくれ」
殺される。
その意味をわかってはいるけど、それは、この言葉を止めてくれなかった。
「……死なない兵ですか?嫌ですよそんなもの。私は、科学には楽しさを求めているだけですから。」
「ほう。交渉決裂か。死を選ぶと?しょうがない。君の遺伝子で子供でも作ることにするよ。では、短い余生を楽しんで。」
「ツー。ツー……。」
無機質な音の鳴る携帯の画面を暗くすると、床に座り込む。
体の体温が冷たい床に奪われていく。
"死を選ぶと?"
その言葉が頭を駆け巡る。
富 名声が欲しいわけではない。
ただ、好きなことに打ち込んだだけだ。
その 結果が死の宣告。
お父さんとお母さんも、何かの研究依頼を断ると、
……殺された。
電話の男が言っていたことは本気だろう。X国は、軍事については有名な国だ。そして、黒い噂についても。
他からも依頼が来るのだろうか?
断ると殺される?
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
私には、やり遂げたいことがある。
両親の研究を完成させたい。私のようにひとりよがりでなく、多くの人の役に立つ両親の研究。
研究ができればそれでいい。
それだけで、いい。
なら、この名も、地位もすべての捨ててしまおう。
「凛堂 彩を行方不明にしてしまおう。」
余り、親しい人がいなくてよかった。
無駄な心配をかけずに済む。
個人の力が国にどのくらい通用するかわからないが、私の情報をこれからの情報を消す。
あとは、偽名を考えて……。
あれ?
なんか、涙出てきた?
「っ、ふ……自由に…科学を…楽しみたい…だけ…なのに!!」
頰を伝った雫が床に落ちていく。
瞬間、ひどいめまいがして、真っ白な空間に放り出された。
は?
なにここ?
……大きな真っ黒の扉がある。
鋼の絵の真理の中みたい……
なんてね。
『やあ、凛堂 彩』
真っ白な人の形をしたものが私の名を呼ぶ。
「……真理だ。」
なんで?
いやいや、今どーなった?
どーゆー原理?
トリップ……?
真理?
なぜに?!
『おい、お前……全て声に出てるぞ?』
え。変なことは思ってないはずだけど、なんか恥ずかしい。
『はぁ。答えてやる。おれがお前をハガレンの世界に送ってやる。お前が、行くと面白そうだからな。俺を楽しませろ。』
「……鋼の世界に行ける?科学の世界に?」
行ってしまいたい。
科学の研究ができるなら、場所はどこだっていい。
機械は、自分で作ればいい。
自分の存在を消そうと思った世界だ。未練はない。
鋼の世界の方がまだ安全だろう。
「連れて行って。向こう側に」
『扉を通るには対価がいる何がいいだろうね』
「寿命とこの世界の人の中にある私と言う存在とかダメ?」
『存在を消すと、もう二度と戻れないぞ』
「戻すつもりなんてないでしょう?貴方は私。考えてることなんとなく分かるわよ」
『はっ、そうだな。対価はそれでいいか。お前に一ついいことを教えてやる。あっちの世界は、お前ぐらいの小さな存在だけで未来が大きく変わることはない。好きにしていい。ただ、小さい変化がどのくらいの影響を与えるかは知らないぞ』
『さあ、扉を通れ、セントラルのどこかに送ってやる』
その一言とともに黒いものに体が包まれ、扉の中に引っ張りこまれる。
最後に見た真理は綺麗な弧に口元を歪ませていた。
真っ暗なせか。
自分がたった一人きりになってしまったかのような世界。
なのに闇に浮かぶ大量の情報の中には、両親が生きていた頃の幸せな映像が混じる。
はは、ずいぶん遠くにきたな、なんて。
意識が薄れていく中、頭にありとあらゆる情報を叩き込まれる。
ひどい頭痛。
真っ暗なそこに、明かりが見えたっ……。
パァッと雷のような赤い光とともに、重力を感じる空間に投げ出されると、1メートルくらい落下した。
いたい。地味に痛い。
腰うったよ。
んっ、つわぁ。
目を開けると灰色の天井。
どこここ?
なんだっけ、そっか真理にトリップさせられたんだっけ?
体を起こし辺りを見回して……。
あはは。
一度目を閉じ、首を振ってから、もう一度目を開けた。
うん。
もー、死んでしまいたい。
ううん。
死んでしまうと思う。
否、殺されると思う。
……そうか、真理ってバカなんだ!
現実逃避してやる!
でも、今見てしまったものが脳から離れない。
……瞳に写った景色それは、
薄暗く光の差し込まない空間に張り巡らされた鈍く光る管。幾重にも重なったそれは、まるで折り重なった虫の死骸のようにも見えて。
それが集まるところにある無機質な冷たい椅子にどっかりと座っている白っぽい金髪のおじいさん。皺の寄った顔で目を見開きこちらを物珍しそうに見つめてくる。
そこから少し離れたとこにある管に座っている中性的な顔立ちの少年と、寄りかかっている美しい女。
何かを食べている太った男。
全員が私をびっくりした表情のまま固まって見つめている。
「エンヴィー、ラスト、グラトニー、それにお父様まで」
小さい、本当に小さい声でつぶやいた。
もう、口に出さずにはいられなかった。
言葉にすると、事実として現実としてる受け入れるしかなくなってしまった。
……ここってあれだよね?
もしかしなくてもあそこだよね?
でもさ、フツー夢小説とかのトリップていきなり兄弟の前とか、東方司令部の中とかさ。
いい出会いのある、安全なとこだよね?
だいたい、最後に辿りつくべき場所に最初にきてしまうって。
まぁ、確かにここもセントラルだよ?
というかセントラルいやもうアメストリスのど真ん中だよ!
だからって、何ふざけてんの真理!!
私、いきなり命の危険を感じてるんだけど!
こっちの方が、安全だろうなんて考えたのは誰だ!
わーたーしーだぁ。
現実はそう甘くないってこと?
そーゆーことですか真理さん!?
受け入れようとしながらも私が、現実から思考へと逃げて、散々真理に文句を言っていると、視界の端に写った、パイプから飛び降りこちらに近ずいてくる少年のせいで、一瞬で現実に引き戻された。
あぁ、殺される。
少年ーーエンヴィーは、楽しそうに口元を歪めながら話しかけてきた。
「ねぇ、君何?君みたいな小さいお嬢さんがなんでこんなところにいきなり現れんの?なんで、俺たちの名前知ってんの?」
「答えてもらおうかしら?小さなお嬢さん?」
ラストもパイプによっかかったまま、話しかけてきた。
「……」
しまった。
聞こえてしまったらしい。
それには、今さら慌てても仕方ない。
さぁ、なんて答えるべき?
ふつーに自己紹介とかしてみる?
流石に異世界人です!とは言えな、
……。あれ?
今、小さいって言った?
二人とも小さいって言った!?
身長は標準、決して小さくなんかないし、歳なんて22。
見た目も、歳なりだろうし、子供の頃から歳より大きく見られる、どちらかというと大人びた顔立ち。
小さい要素どこ??
そう思って、近くにある鈍く光っているパイプにぼんやりと映る自分の姿を見て……。
誰?
私?
白衣を着ているし、洋服も自分のものだ。髪型なども変わらない。
ただ、ぼんやりでも分かる。
小さい。
これは11、2歳頃の私だ。
服がピッタリサイズ なのは真理の計らいなのだろうか?
でも、なぜ白衣だけ少し大きいのだ。
寿命が取られた分、体の成長過程がずれたのだろうか?
そんな、いかにも科学者らしいことに思考を持って行こうとしたが無理だった。
真理に詰め込まれた情報に、この状況。もう思考がパンクしてしまった。気持ちもついていかない。
頭が、一気に真っ白になって、起こしていた上半身がまた冷たい床に倒れた。
すーっと意識が遠のいていく。
このまま殺されるのかな?なんて呑気に考えていた。
「あーあ。なんか、倒れちゃったよ。どーするこの娘?殺しちゃう?」
「アレ、食べてもいーい?」
「ダメよ。グラトニー。だってあの子」
「そうそう。あの現れ方はさ、ねぇ?お父様」
物語が始まる。
本の表紙が口元を歪めた真っ白い人の形をしたものによって開かれた。
感想なんてもらえたら、狂喜乱舞ですね。
ゆるーい感じで主に、彩ちゃん語りで進めます。