近未来科学の申し子がF.A.にトリップした先が、例の彼処だった件。 作:憂夜
ずいぶん、遅くなって済みません。
なかなか、決まらなくて、コレもしり切れとんぼです。
皆さんの暇潰しになることを願って。
ハーブティーが香り、どこかゆったりとした店内。
私は、ハイウエストでスカートがフレアになっているワンピースに例のごとく、向こうの世界にいたときから着ている白衣をきている。
私の目の前には、お店自慢のハーブティーとフルーツタルト。
向かいの席には、短めの茶髪で首元のボタンを2つほど開け、黒のカラーパンツを履いたイケメンと言えなくもない青年。
彼は、私と同じハーブティーのセットだけど、ケーキでなくチョコチップマフィン。
ほとんど食べてないマフィンを手に持ちこちらをニコニコ、ニコニコ見ている。
もう、それは、それは、満面の笑みで!
……周りから、見れば、仲がとってもよろしいカップルに見えるだろう。
自分でも、それっぽいなぁー。なんて、思ってしまうくらい穏やかな雰囲気。
まぁ、もちろん?、この、優男を体現した青年との関係は、穏やかなものではない。
敵と自分?
支配者と奴隷?
そこまで、酷くもないか。
うーん。犯罪者と人質?
あ、パシリと主じ……。
あはは。今の彼の笑みが歪んだ気がするな。目も、光った気がするよ!
うん。
ご主人様と、オモチャだね!
うわっ。すっごく穏やかな雰囲気になった気がするよ!
もちろん!
前者が彼で、後者が私さ……。
はぁ。
さっきから、笑顔を向けられてばっかりで、食べずらい。
よし、その余り食べていないマフィンを私が、食べてあげよう!
「エンヴィーーぃ、そのマフィン一口ちょーだい」
「んー?へーぇ、食べたいんだ。……。
はい、あーん!」
……。
あーん?
ああ!あーんね!
するか!そんなこと。普通にちぎってく……
「アレ?要らないの?コレ、最後の一口なんだけど?」
さっきまで、半分くらい残ってたよね!?
私が、一瞬フリーズしたときに食べたと!
流石!ホムンクルス!
「ほら、あーん」
エンヴィーさん。
目が笑ってないのは何故!?
いや、正確に言うと、さっきと違うとても妖艶で冷たい光が射してるよ!?
口元は、お腹を抱えて笑いだしそうなくらいに、綺麗な弧を描いているのに!
どうやら、あーんされるしかないようだ!
今日、
うん。だったら、エンヴィーがびっくりするように食べよう!
指を噛む?
倍返しされそうだから却下。
指を舐める?
……。屈辱的な気もするけど、これで行こう!
やられっぱなしは、嫌だからね。
「もう、食べるよ?」
「ちょうだいっ」
「ふーん。はい、あーん!」
「あーんっ……」
口にマフィンを入れた後、少し舌を出して、エンヴィーのマフィンを持っていた人差し指の腹をぺろっとなめた。
一瞬、ピクッとするし、吃驚した表情を浮かべるエンヴィー。
やったね!
作戦成功!!
いぇ……ぃ……。
アレ?
なんか、エンヴィーさんが、不敵な笑みを浮かべてるー。
どーしよう……。
その笑みにいい思い出がない。
背もたれに寄っかかっていた彼は少しだけ腰を浮かせ、机に手をつき、後ろに引こうとしていた私の、口の端をつーッと舐めた。
「クリームついてた」
なんて、ありきたりなセリフを並べて。
それもう、満面の笑みで。
マフィンにも、フルーツタルトにもクリーム乗ってないから!!
国家錬金術師の資格のお陰で得、おろして置いたお金で、支払いを済ませ、店を出て、比較的大きな通りを
さっき、支払いのとこの店員さんニヤニヤしてたよ!?
ちらっと私たちのこと見て、ほお赤らめてたよ!?
やめて、その反応!!
そんな、赤らめるような関係では、ないから!
どっちかっていうと、顔、真っ青になるからね!?
まぁ、幸いだったのは、席が奥の方の一席で、見ていたのが、店員さんだけだったってことだ。
もう、エンヴィーになんかしようなんて思わない!
さっさと、目的を果たそう!
そうして、早く、帰って引きこもろう!
セントラルの駅前を通りかかった頃に作戦を実行する。
まずは、
「エンヴィーちょっと待って。駅でトイレ行ってくる。」
「じゃ、いこっか?」
「いや、例え 女の姿になったとしても、女子トイレになんて入れないからね?」
「ちぇ。ハイハイ。いってらっしゃいアヤ。逃げる気なんて無さそうだからね。」
「ん。待っててー」
第一作戦成功っ!!
次は、本当にトイレに行き、一番奥の個室に入る。
そこに、小さな、鈍く輝く金属の玉を一つおく。
そしたら、そこから、出て、扉を錬金術で開かなくする。
更に、故障中の張り紙をはる。
これで、作戦終了。
後は、エンヴィーと地下に帰るだけ。
浮ついていた心を落ち着かせ、トイレの外に出ると。
「遅かったね?」
どこか表情の読めない顔をしたエンヴィーが、出てすぐの壁に寄りかかっていた。
っ……。
吃驚した。
……脱走すれば私は、すぐ軍属になるつもりだ。
軍につく。正確には、マスタング大佐、今は中位?くらいだっけの部下にしてもらおうと考えているのだけど。
それは、つまり、ホムンクルスの監視下、敵城の中で行動するってことだ。
誰か、私に監視がつくだろうが、私は、彼らに、ホムンクルスのことは、話さない。
そうすれば、私を脱走した自由な状態のまま放っておくだろう。
……手合わせ錬成の
脱走のとき、ホムンクルスの前での手合わせ錬成を初めてしようと考えているの。
そこで、人柱として本当の価値を示す。
だいたい、彼らは、人間ごときが自分たちの情報を得たところで、どうにもできないと思っているから、私1人くらい捨て置くと予想した。
ただ、脱走の計画がバレるのはよくない。
否、悪い。
反抗の意志
脱走してすぐに軍属となり、監視下にいる意志を示さなければ。
それに、エンヴィーは、どう出るかわからない。
彼にとって、自分のオモチャが逃げ出すのは、不愉快だ。
それに彼がどう行動を起こすかは、わからない。
だから、そんな、脱走の計画途中に、それも、最後の仕掛けを終わらせた所に現れたエンヴィーにドキっとした。
背筋を襲った悪寒を隠すように、微笑み、言葉を紡ぐ。
「ごめんね?待った?ここまで来るとは思ってなくて、吃驚したよ」
大丈夫だ。
声も、震えてない。
「……いや、人が多かったからさ。帰ろう?」
「うんっ。ケーキまた、食べよう!」
「ハイハイ。」
作戦実行まで、残り10時間。
サボっていた黒髪黒瞳の青年は、金髪の美女に銃口を向けられ、しぶしぶ、書類が山を作る机の椅子に腰を下ろした。
さて、しり切れとんぼごめんなさい。
後、15話は先何では?と思えるような話を書きたくなって、書いてましたね。
次のは、早めに投稿できそうです。