問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ?   作:ただの遊び人外

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今回後半、ほぼ原作通りかな?


第8話 秋人の考え方

「なっ・・・!?」

 

余りの異常さに秋人達が驚く。

 

そこに白夜叉が

 

「今一度名乗り直し、問おうかの。私は“白き夜の魔王”太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望みのは

、私がだす試練への“挑戦”か?それとも対等な“決闘”か?」

 

“星霊”とは、惑星以上の星に存在する主精霊のことを言う。妖怪や悪魔などの概念の最上級種であり、同時にギフトを与える存在である。

 

「水平に廻る太陽と・・・そうか、白夜と夜叉。つまり、あの水平に廻る太陽やこの土地は、オマエを表現してるってことだな。」

 

「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私がもつゲーム盤のうちの一つだ。」

 

「勝てる気がしねえ。」

 

「さて、おんしらの返答は?“挑戦”であるなら手慰み程度に遊んでやる。しかし、“決闘”を望むなら話は別。魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか。」

 

全員即答出来ずにいた。

 

しばしの静寂のあと十六夜が口を開く。

 

「参った。降参だ、白夜叉。」

 

「ふむ?それは決闘ではなく、試練を受けるということか?」

 

「ああ、これだけのゲーム盤を用意できるアンタには資格がある。いいぜ、今回は黙って試されてやるよ、魔王様。」

 

『試されてやる』と随分可愛らしい意地の張り方があったものだと、白夜叉は腹を抱えて哄笑をあげた。

 

「く、くく・・・して、他童達もおなじか?」

 

「・・・ええ。私も試されてあげるわ。」

 

「右に同じ。」

 

苦虫を噛み潰したような表情で返事をする様子を見て満足そうに声を上げる白夜叉。

 

しかしーーーー

 

「俺は決闘だ。白夜叉さん。」

 

秋人は違った。

 

この秋人の言葉に場が静まる。そこに十六夜が

 

「おいおい、秋人。さっきと言っていることが違うぜ?オマエはさっき『勝てる気がしねえ』って言ってたじゃねえか。」

 

「ああ、確かに言ったぜ。」

 

「なら、どうして?」

 

耀の質問に対して秋人は

 

「なあ、お前達はさ。」

 

一度言葉を区切り

 

「自分が絶対勝てる相手としか戦わないのか?」

 

「ッ!」

 

秋人の言葉に十六夜達が気づいた。

 

「勝てない=戦わないにはならない。まあ、考え方は人それぞれだけどな。」

 

笑いながら秋人はそう言う。そこに白夜叉が、

 

「おんし、自分が言っていることの意味が分かっておるのか?」

 

「ん?何が?」

 

「私とおんしとの実力の差は分かっておるはずだ。」

 

確かにそうだ。白夜叉と秋人との実力はまさしく、月とすっぽんだろう。しかし

 

「分かってるよ。百回やったら百回殺される。千回やっても同じだろう。一万回やって一回勝てるかどうかだ。」

 

「それを分かっていながら何故?」

 

秋人は呆れるように言う。

 

「簡単なことだ。そこに強者がいるから戦う。戦う理由はそれで十分だ。」

 

「例え、それで死ぬことになってもか?」

 

「構わない。俺の運命がそこで終わっていただけだ。」

 

フム、と白夜叉は考える。そして、

 

「良かろう。相手してやる。」

 

「白夜叉様!?」

 

黒ウサギが驚きの声を上げる。それもそうだろう。呼びだしたばかりとはいえ、自分の大切な同士なのだ。それが白夜叉と戦うとなると死ぬ恐れがある。

 

黒ウサギは白夜叉を止めようとするが

 

「無駄じゃよ、黒ウサギ。あやつは意志を変えるつもりは無さそうだからの。」

 

その言葉に対して黒ウサギは諦めた様に言う。

 

「・・・わかりました。けど、殺さないでくださいね!」

 

「分かっておるよ。」

 

「さて白夜叉さん。そろそろいいかな?」

 

秋人は日本刀を構えて言う。

 

「まあ、待て。先に三人の試練からだ。」

 

その時、彼方にある山脈から甲高い叫び声がきこえた。

 

最初に反応したのは耀だった。

 

「なに?今の鳴き声。きいたことない。」

 

「ふむ・・・あやつか。おんしら三人を試すにはちょうどいいかもしれんの。」

 

チョイチョイと手招きをする白夜叉。

 

やって来たのは、鷲の翼と獅子の下半身をも持つ生き物だった。

 

「嘘・・・グリフォン!?」

 

「そうだ。あやつこそ鳥の王にして獣の王。“力” “知恵” “勇気”の全てを備えた、ギフトゲームを代表する獣だ。」

 

「さて、肝心の試練の内容だが、おんしら三人とこのグリフォンで“力” “知恵” “勇気”のいずれかを競い合い、背に跨って湖畔を舞うことができればクリア、ということにしようか。」

 

《ギフトゲーム名“鷲獅子の手綱”》

 

プレイヤー一覧

 

逆廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

・クリア条件 グリフォンの背に跨り、湖畔を舞う。

・クリア方法 “力” “知恵” “勇気”のいずれかでグリフォンに認められる。

・敗北条件 降参もしくはプレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

“サウザンドアイズ” 印

 

「私がやる。」

 

読み終わったと同時にビシ!と指先まで綺麗に挙手したのは耀だった。

 

『お、お嬢・・・大丈夫なんか?なんか獅子の旦那より怖そうやしデカイけど』

 

「大丈夫、問題ない。」

 

「いうねえ。結構難しそうだけど、大丈夫?」

 

「大丈夫、問題ない。」

 

その隣で十六夜と飛鳥が呆れたように苦笑いをしている。

 

「OK。先手は譲ってやる。」

 

「気をつけてね、春日部さん。」

 

「うん、頑張る。」

 

頷き、グリフォンに近づく。数メートル離れた距離でまじまじとグリフォンを観察する。

 

(凄い。本当に上半身が鷲で、下半身が獅子なんだ。)

 

「え、えーと。初めまして、春日部耀です。」

 

『!?』

 

グリフォンの体が跳ねた。

 

「私を貴方の背に乗せて、誇りを賭けて勝負しませんか?」

 

『・・・何!?』

 

「貴方が飛んできたあの山脈から白夜の地平から時計回りに大きく迂回し、この湖畔を終着点と定めます。貴方は湖畔に着くまでに私を振るい落とせば勝ち。私が背に乗っていられたら私の勝ち。どうかな?」

 

耀の問いに対してグリフォンは

 

『娘よ。お前は私に“誇りを賭けろ”と持ちかけた。確かに娘一人振るい落とせないならば、私の名誉は失墜するだろう。しかし娘。誇りの対価に、おまは何を賭ける?』

 

「命を賭けます。」

 

即答だった。とにかく早かった。

 

「だ、駄目です!危険すぎます!」

 

「か、春日部さん!?本気なの!?」

 

黒ウサギと飛鳥から驚きの声が上がった。

 

それを白夜叉と十六夜かろ止める。

 

「下がらんか。これはあの娘から切り出したことだぞ。」

 

「ああ、無粋なことはやめとけ。」

 

「そんな問題ではございません!!同士に分の悪いゲームをさせるわけには!」

 

「大丈夫だよ。」

 

耀は飛鳥と黒ウサギに向かっていう。

 

グリフォンは少し考えた後、

 

『乗るがいい、若き勇者よ。』

 

耀は頷き、乗ろうとしたところに秋人が

 

「ねえ、春日部さん。」

 

「なに?」

 

「俺が言うのもなんだけと、本当にいいの?命を賭けて。」

 

「大丈夫、・・・でも確かに少し不安はある。けどそれは自分がまだ未熟だから。秋人風に言うなら死んだらそこまでの運命だったてこと。」

 

「ふーん。まあそこまでの覚悟があるならいいや。それと。」

 

秋人はそう言い、自分が着ている服の上を耀に渡す。

 

「これは?」

 

「ちょっと今から白夜叉さんと戦うための準備するからそれ邪魔なんだよね。持っといてもらえる?」

 

耀は少し間をあけて、くすりと笑い、

 

「うん。わかった。」

 

と言って秋人から服を預かり、その服を身に纏った。そして、グリフォンの背に乗り一言。

 

「私、貴方の背に跨るのが夢の一つだったんだ。」

 

『・・・そうか。』

 

そしてグリフォンは飛びたった。

 

 

グリフォンが飛び立ち、数分がたった。

 

『娘よ。間もなく山脈だが・・・良いのか?このまま行けば』

 

「うん、分かってる。氷点下の風が更に冷たくなって、体感気温はマイナス数十度ってところかな?でも大丈夫。・・・それよりいいの?本気でこないと私が勝つよ?」

 

『・・・良かろう、後悔するなよ!』

 

その瞬間グリフォンのスピードが上がった。下にある氷河がグリフォンの羽ばたきで崩れていた。耀はこの衝撃に耐えていた。

 

 

 

グリフォンが最後の直線に入り湖畔の中心まで走りきった。耀の勝利が決まった。ーーーしかし、耀の手から手綱から離れた。

 

『何!?』

 

「春日部さん!?」

 

助けに行こうとした黒ウサギを秋人が止める。

 

「まだだ!」

 

耀は落下中、一つのことを考えていた。

 

(風を絡め、大気を踏みしめるように!)

 

その瞬間、耀が飛んだ、まるでグリフォンの様に。

 

「・・・なっ!?」

 

その場にいた全員が絶句した。そんな中、耀は不安定ながらも全員の元に戻ってきた。

 

「やっぱりな。」

 

十六夜が最初に耀に声をかける。

 

「・・・何が?」

 

「お前のギフトのことだよ。お前のギフトは他の生き物の特性を手に入れるものだったんだな。」

 

「・・・違う。これは友達になった証。でも、いつ気づいたの?」

 

「ただの推測。お前が黒ウサギと出会った時に『風上に立たれたら分かる』とか言ってただろ。しかしそんな芸当は普通の人間にはできない。だからお前のギフトは他種から何らかの形で手に入れたんじゃないかと思ったんだが・・・どうやらそれだけじゃあなさそうだな。あの速度に耐えられる生物は地球上にはいないだろうしな。」

 

耀の側に三毛猫が走り寄る。

 

『お嬢!怪我は!?』

 

「うん、大丈夫。秋人が服を貸してくれたし。」

 

そう言って耀は秋人の元に行き、

 

「ありがと。」

 

服を返した。

 

「別にいいよーって、うわー服パキパキ。まぁいいや。」

 

そう言って服を着た。

 

(あのパキパキのままきて大丈夫なのかな?)

 

耀はそんなことを考えていた。

 

秋人は白夜叉の方に向いて一言。

 

「さて、白夜叉さん。試練も終わったことだし始めようか。」

 

秋人は静かに刀を構えた。




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