問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ? 作:ただの遊び人外
秋人が白夜叉に一撃を入れてゲームは秋人の勝利となった。
十六夜が秋人に近づき、
「おいおい、今のは何だよ!?おもしれーじゃねえか!」
秋人は十六夜に説明する。
「入れ替えただけだよ。白夜叉と黒ウサギの位置を。」
「ってことはお前は大きくするギフトと、入れ替えるギフトの二つを持ってるってことか?」
「いや、俺は入れ替えるギフトしか持ってねーよ。」
「いや、お前は現に、いや、まてよ、もしかして!」
十六夜が気付いたのを確認して秋人が言う。
「そっ。俺は入れ替えただけさ。向こうにある岩とね。」
秋人は湖畔の方を指差す。
「お前の能力の範囲は何処まで何だ?」
「どこまで気になるんだよ。まぁ、それは後でのお楽しみってことで。」
秋人はそう言い白夜叉の方へ行く。
「いやはや、見事な一撃だった。まさか私を倒すとはな。」
「冗談言うな。手を抜きまくってただろうが。スタート位置から一歩も動いてねえーじゃねえか。今回はこれで納得しておくが、次戦うときは本気で来いよ?」
秋人は軽く殺気を出して言う。そこに黒ウサギが、
「この、お馬鹿様がああああああ!」
パチーン!と、ハリセンで秋人の頭を叩く。
「何処に階級支配に対して本気を出せなんて言う新人がいるんですか!」
「ここ。」
「黙らっしゃい!」
怒っている黒ウサギに対して秋人が、
「でもさあ、黒ウサギ。どうせいつかは超えないといけないんだぜ?なら、別に今ここで戦線布告してもいいじゃんか。」
「駄目です!」
「まぁ、いいや。ところで白夜叉さん。ギフトゲームに勝ったんだからさ、なんかくれ。」
「くれって、お主。まぁ、良い。“主催者”として星霊のはしくれとして、おんしらには“恩恵”を与えねばならん。何がよいかの?」
白夜叉が考えていると、黒ウサギが
「あっ、それならギフトの鑑定をお願いします。」
ゲッ、と気まずそうな顔になる白夜叉。
「よ、よりによってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところなのだがの。」
そう言い、四人を見る白夜叉。
「どれどれ、・・・ふむふむ・・・うむ。四人とも素養がたかいのは分かる。しかしこれだけではなんとも言えんな。おんしらは自分のギフトの力をどの程度に把握している?」
「企業秘密。」
「右に同じ。」
「以下同文。」
「パス。」
「うおおおい!?いやまあ、確かにさっきまで対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それじゃあ話が進まんだろ。」
「別に鑑定なんていらねえよ。それに人に値札を貼られるのは趣味じゃない。」
はっきりと拒絶する十六夜。それに同調するかの様に頷く他の三人。
「まぁ、良い。ちょいと贅沢な代物だが、コミュ二ティ復興の前祝いとしては丁度良かろう。」
白夜叉がパンパンと柏手を打つと四人の眼前に光り輝くカードが現れる。
カードにはそれぞれの名前と、ギフトの名前が記されていた。
コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム“正体不明”
ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム“威光”
パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム“生命の目録”“ノーフォーマー”
真っ黒なカードに白い文字で魅剣秋人・ギフトネーム“
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「・・・ごめん、ネタが出てこなかった。」
「違います!このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ!耀さんの生命の目録だって収納可能ですし、好きな時に顕現できるのですよ!」
「要するに素敵アイテムってことでオッケーか?」
「なんで適当に聞き流すんですか!あーもうそうです、超素敵アイテムです!」
「ふぅん・・・もしかしてこの水樹って奴も収納できるのか?」
十六夜が水樹にカードを向けると水樹が光の粒子となりカードの中に呑み込まれた。
「おお、これは面白いな。もしかしてこのまま水を出せるのか?」
「出せるとも。試してみるか?」
「だ、駄目です!水の無駄使い反対!」
白夜叉はそのやりとり笑いながら見つめた。
「そのギフトカードは、正式名称“ラプラスの紙片”、即ち全知の力の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった“恩恵”の名称。鑑定はできなくともそれを見れば大体のギフトは分かるはずだ。」
「へえ?じゃあ俺のはレアケースってわけだ?」
「ついでに俺もな。」
ん?と白夜叉がまず十六夜のカードを覗き込む。その間に秋人が
「あ、後ごめん。飛鳥さん。」
「何がかしら?」
「いや、ガルドとの時、殺気がギフトじゃないって言ってたじゃん?なんか知らないけど、あれギフトらしいんだよね。だから嘘ついててごめん。」
「別にいいわよ、それぐらい。貴方も知らなかったんでしょう?なら仕方ないわ。」
「そういってもらえるとありがたいよ。」
「さて、おんしも自分がレアケースだと言っておったな。」
「ん?そうだよ。ほい。」
秋人はそう言い白夜叉に自分のカードを見せた。
そこには白夜叉が驚くことが二つあった。まず一つは、
(こやつも先程の小僧と同じ・・・いや今度は名前すら出ておらん。どういうことだ?)
それにもう一つ。
(殺意がギフトになっておるだと?)
そう、殺気を放つだけなら白夜叉にも簡単にできる。しかしそれがギフトになることは無い。つまりそれは秋人の殺気が白夜叉の殺気を超えているということだ。
(やれやれ、よくこんな面白い者達を連れて来たものだ。)
白夜叉は内心楽しんでいた。
六人と一匹は店前に移動し、一礼した。
「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい。」
「あら、駄目よ春日部さん。次に挑むときは対等の条件で挑むのだもの。」
「ああ。吐いた唾をそのまま飲み込むなんて格好つかねえからな。」
「次は全力のあんたをぶっ飛ばす。」
「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ。・・・ところで。」
白夜叉が黒ウサギ達を真剣な表情で見る。
「一つ聞かせてくれ。おんしらは自分達のコミュ二ティがどういう状況にあるか、知っておるのか?」
「名前とか旗の話か?それなら聞いたぜ。」
「なら、それを取り戻すために魔王と戦わねばならんことも?」
「聞いてるわ。」
「では、それらを踏まえた上で黒ウサギのコミュ二ティに入るのだな?」
「そうだな。だって打倒魔王とか楽しそうじゃん。」
「“楽しい”ですむ話ではないのだがの。まぁ、魔王というのがどんなものかコミュ二ティに帰れば分かるだろ。それを見ても戦うというのなら止めはせんが・・・そこの娘二人。おんしらは確実に死ぬぞ。」
二人は何も言い返せなかった。
「小僧二人は大丈夫だろうがの。」
「・・・ご忠告ありがと。肝に銘じておくわ。」
五人と一匹は“サウザンドアイズ”を後にした。
ネタが被ってないといいな・・・