問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ? 作:ただの遊び人外
後、近々全部のサブタイトルを今回の様なタイプに変更していく予定です。
「「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」」
「え?」
「え?」
「・・・え?」
結局あの後ノーネーム側の勝利となった。ルールとして“ホスト側のゲームマスターを打倒”としか書かれていなかったため、別に誰が倒しても良かったのだ。
「え?じゃないわよ。だって今回のゲームで活躍したのって私達だけって言うか秋人君と十六夜君だけじゃない?」
「ていうか今回はほぼほぼ秋人のおかげだろ」
「そうそう。ということで所有権は俺たちで等分して4:3:2:2だ」
「何を言っちゃてんでございますかこの人達!?それにそれじゃあ1多いですよ!」
突然のことにツッコミが追いつかない黒ウサギ。
しかし当の本人は
「ふ、む。そうだな。今回の件は皆に感謝している。私自身がここに戻ってくることがないと思っていたぐらいだったからな。君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」
以外とノリノリだった。
「レ、レティシア様!?」
黒ウサギはあたふたしだした。それもそうだろう。尊敬していた先輩がメイドに転職したのだから。
そんな黒ウサギを無視して飛鳥は嬉々として服の準備をしだした。
「私、ずっと金髪の使用人にあこがれていたの。私の家の使用人はみんな華も可愛げも無い人達ばかりだったんだもの。これからよろしく、レティシア」
「よろしく・・・いや、主従関係なのだから『よろしくお願いします』のほうがいいかな?」
「使い勝手がいいのを使えばいいよ」
「そ、そうか。・・・いや、『そうですか』か?んん、『そうでございますか』か?」
「黒ウサギの真似はやめとけ」
「使いやすいんだったら別にいいけどな」
そんな会話があった日から三日後の夜、水樹の貯水池付近で黒ウサギ達が主催で開催した歓迎会が行われている。
「だけどどうして屋外での開催なのかしら?」
「うん。私も思った」
「黒ウサギなりに精一杯のサプライズってところじゃねえか?」
「無理しなくていいって言ったのに・・・馬鹿な子ね」
飛鳥は苦笑しながら言う。
「そうだね」
耀も苦笑で返す。
その時黒ウサギが大きな声で注目を促す。
「みなさん、天幕に注目してください!」
秋人や十六夜、全員が天幕に注目する。
「本日の大イベントが始まります!」
その数秒後に天幕に異変が起きた。
「・・・・あっ」
誰かが声をあげた、もしかしたら全員かもしれない。
天幕で星が流れた、それも一つではなくたくさんと。すぐに流星群と全員が気づき口々に歓声をあげる。
そんな中、黒ウサギがこの場にいる全員に聞かせるような口調で語る。
「この流星群を起こしたのは他でもありません。異世界から来た我々の新たなる同士である四人がこの流星群のきっかけを作ったのです」
「え?」
黒ウサギの発言に十六夜達異世界組が驚く。
「箱庭の世界は天動説のように全てのルールが此処、箱庭の都市を中心に回っております。先日、我らが同士に敗北した“ペルセウス”のコミュニティは“サウザンドアイズ”を追放されれたのです。よって彼らはあの星々から旗を降ろすことになりました」
「なっ・・・・あの星空から星座を無くすと言うの・・・?」
飛鳥の言葉に誰も返さない。否、返せない。
「今夜の流星群は“サウザンドアイズ”から“ノーネーム”へのコミュニティ再出発に対する祝福も兼ねております。星に願いを掛けるのも良し、皆で鑑賞するも良し、今日は精一杯騒ぎましょう♪」
そんなことがあってパーティーは続いていく。
そんな中秋人は一人でワインを飲んでいた。箱庭では別に未成年だからお酒を飲んではいけない、というルールは無い(秋人は普通に元の世界でも飲んでいたが)。
そこに耀が料理を持ってきて隣に座った。
「隣、いい?」
「いいよ、ってかもう座ってんじゃん」
「・・・」
「・・・」
沈黙が続く。
(どうしよう。宮殿の時のこと聞きたいのに秋人がなんも言ってこないからもう忘れてるのかな?)
この時耀の顔は少し赤くなっていたがそれは耀も含め誰も気付かなかった。
沈黙は続く。
((気まずい・・・))
何か、会話しなければ、そう思う二人だったが秋人の方は何も出でこない。
しかし耀は秋人に一つ聞きたいことがあったので聞くことにした。
「そういえばさ」
「ん?」
「なんで秋人は技名言いながら技を使うの?言わない方がいいと思うけど」
確かに言わない方がいいだろう。相手に次自分はこれを使いますよ、と言っている様なものだからだ。
「あー、それは師匠の影響だな」
「師匠?」
「そっ、うちの師匠が言霊っていうのをすごく信じる人でさ。技名を言いながら攻撃しろって何回も言ってきてな、それで言うようにしてんだ」
「へーそうなんだ」
それから先、流星群が終わるまで二人の会話はなかった。
“家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い”
失ったものは確かにある。しかし、その先にある彼らの新しい生活はまだ始まったばかりなのだ。
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