問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ? 作:ただの遊び人外
少女と別れた秋人は十六夜の下に向かう。
「どうだった?」
「おう、まあなかなかだったな。そっちはどんな感じだ?」
「こっちもいい感じだな、なかなかに面白い相手だ」
秋人と十六夜が話しているとサンドラの声が聞こえた。
「今より魔王との審議決議に向かいます。同行者は四名です。まずは“箱庭の貴族”である黒ウサギ、“サラマンドラ”からマンドラ。その他に立候補する者はいませんか?」
誰も名乗りでない。そんな中十六夜が、
「“ハーメルンの笛吹き”なら、このジン=ラッセルが誰よりも詳しいぞ!」
「ちょ、十六夜さん!?」
これに秋人が便乗する。
「その通りだ!凄く詳しいぞ!必ず役に立つぞ!」
「秋人さんまで!?」
「ま、こういう時に名前を売っとかないとね?」
秋人はジンにしか聞こえないように言う。
ジンは観念したのか頷く。
「そういえば白夜叉は?」
「あー、白夜叉はゲームのルールで参加出来ないらしい」
「へえ、じゃあ俺はちょっと刀の手入れしてくる。そっちは任せるわ」
「おう、任しとけ」
秋人は部屋を出る。
秋人が廊下を歩いていると耀がアーシャと話していた。
その途中、耀が少しふらつく。
「耀!」
秋人は耀の下に行く。耀の顔が少し赤くなっていた。
「・・・部屋に行くぞ」
「だ、大丈夫だよ、そこまで焦らなくても」
「駄目だ」
耀は頑なに行こうとしない。
「・・・仕方ない、ごめん耀」
「え?」
秋人は耀の首元に手刀を当てて気絶させる。
「アーシャ」
「お、おう!」
アーシャは急に話しかけられて戸惑う。
「耀を頼む」
「お、お前はどうするんだよ!?」
「俺?俺はちょっと・・・」
秋人が殺意の塊を発動させる。
「少し・・・刀を振ってくる」
アーシャは、というよりこの場にいる者は全員秋人の殺気に飲まれている。
そんな中、最初に動ける様になったジャックが言う。
「あれは少しどころではありませんね・・・」
「さてと」
秋人は周りに誰もいないところで刀を取り出す。
(あれは自然にかかった物じゃない。おそらく
「この落とし前はつけてもらうぞ・・・!」
秋人は地面に向けて
「無双流、奥義!————!!」
技を放つ。放ったところに穴が空いた。それも、終わりが見えないほどの穴が・・・
「バカタレが」
そこに十六夜が秋人の頭を叩く。
「こんな穴を空けてどうするつもりたよ」
「・・・あっ。・・・魔王たちの仕業ということにしておこう」
責任を魔王になすりつけた。
「まあいい。とりあえずあいつらとの審議決議は終わったぞ」
「どんな感じになった?」
十六夜は契約書類を取り出し、秋人に見せる。
《ギフトゲーム名“The PIED PIPER of HAMERUN”》
・プレイヤー一覧
・現時点で三九九九九九九外門・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁に存在する参加者・主催者の全コミュニティ。(“箱庭の貴族”を含む)
・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター
・太陽の運行者・星霊・白夜叉(現在非参戦のため、中断時の接触禁止)。
・プレイヤー側・禁止事項
・自決及び同士討ちによる討ち死に。
・休止期間中にゲームテリトリー(舞台区画)からの脱出を禁ず。
・休止期間中の自由行動範囲は、大祭本陣営より500m四方に限る。
・ホストマスター側 勝利条件
・全プレイヤーの屈服・及び殺害。
・八日後の時間制限を迎えると無条件勝利。
・プレイヤー側 勝利条件
一、ゲームマスターを打倒。
二、偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。
・休止期間
・一週間を、相互不可侵の時間として設ける。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“グリムグリモワール・ハーメルン”印』
「ふーん、オーケーだ。対戦相手は前の続きでいいよな?」
「おう。ということはお前の相手は“ペスト”か」
「ペスト・・・だと?ってことはあれか、黒死病の?」
「おう、そのペストであってるぞ」
「ということは耀が倒れたのも・・・?」
「春日部が?まあこの時期に倒れたのならそうだろな。ってか春日部がかかっているならお前は大丈夫なのか?」
黒死病とは伝染病である。かかった者の近くにいたのならかかっているかも知れない。
「ん?ああ、大丈夫だぜ」
「そうか、まあ俺は謎解きの続きと行くか。気をつけろよ」
「おう」
十六夜は建物に戻っていく。
「さてと、俺も耀のお見舞いにでも行くかな」
秋人も駆け足で建物の中に行く。
人に聞いて耀が休んでる部屋の前に着いた秋人が部屋を開ける前に少し考える。
(あの時、耀を気絶させたけど怒ってるよな。なんて言って入るべきだ?」
「声が出てるぞ」
部屋の中から十六夜が出てくる。
「さてと、じゃあ俺は邪魔にならないように出て行くか」
十六夜が出て行く。それと入れ替わるように秋人が部屋の中に入る。
「「・・・」」
沈黙が流れる。
「あ、あの」
沈黙を破ったのは秋人だ。
「気絶させたこと・・・怒ってる?」
「うん。・・・でも私の為ってことは分かる。だからこれ以上は何も言わない」
ホッと、安心したかのように秋人が一息つく。
「良かった良かった。そういえば一個聞きたいんだけどさ」
「何?」
「ゲームに参加するつもりだろ?」
耀は答えない。
「沈黙は是也、だな。まあ別に俺は止めるつもりはないよ」
「・・・どうして?」
「どうしてって、まあ理由は二つだな。一つは止めたところで行くだろうからな。もう一つは」
秋人は袖を捲りながら言う。
「俺もかかってるからだな」
秋人の腕は少しだが、黒く染まっていた。
「参加しようと思ってた私が言うのもなんだけど、なんで参加するつもりなの?」
「わかってるたろ?俺は戦闘狂だからな、それにこんな楽しい戦いは久しぶりだ、こんな程度で出ない理由にはならない」
「そっか・・・」
「ま、そういう事で」
秋人は部屋を出ようとする。
カタン、
「ん?なんか言った?」
「いや、何も言ってないけど」
「気のせいか?まあいいや」
秋人は気のせいと判断し、部屋を出た。
この時、秋人は気づいていなかった。
秋人の腕にあった黒い部分が無くなっていることに・・・。
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