問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ? 作:ただの遊び人外
ゲームが始まる数分前、秋人は建物の上に一人でいた。
「・・・」
秋人は精神統一をし、ゲームに備えていた。
静かに殺意を滾らせて・・・。
「さあ、ゲームスタートだ!」
秋人の叫びと同時に地鳴りが起きた。
すると巨大な境界壁は跡形もなくなり、代わりに全く持って別の街に変わっていた。
「こ、ここは一体!?」
他の参加者は動揺し足を止める。
しかし秋人はお構いなく進んでいく。
「見つけたぞ!」
秋人はペストに刀を振るう。
「無駄よ!」
しかし黒い風に防がれる。
秋人はペストから距離を取る。
「貴方の弱点はわかってるわ」
「へえ」
「貴方は飛ぶことが出来ない。だから今飛んでいる私には攻撃が当てづらい、違う?」
「おいおい、それなら最初お前の後ろに俺がいたのは何でだ?」
「簡単よ、貴方のギフトは入れ換えるギフトでしょ?弾いた双眼鏡が私の前に来てたのが証拠、だから貴方は何か投げない限り下手に攻撃が出来ない。
「ふーん、なるほど中々に頭が回るんだな。ただし」
秋人は言葉を一旦きる。
「それは外れだけどな」
秋人はペストの後ろの空気を自分と入れ換える。
「なっ!?」
「無双流
ペストは黒い風で防ごうとするが秋人が刀の軌道を変え、黒い風の隙間を狙う。
「くっ!」
ペストは防ぐことが出来ず、ダメージを受ける。
しかし傷を瞬時に治す。
そこに左右から雷と炎が襲う。
黒ウサギとサンドラの攻撃だ。
しかしペストは黒い風を球体に纏い攻撃を防ぐ。
「やっぱりこの程度ね。やっぱり注意しなければいけないのは」
秋人の方を見る。
「貴方みたいね!」
秋人の方に黒い風を向かわせる。
「無駄だ!」
秋人はそれをかわしつつ攻撃を与える為に跳ぶ。
「予想通りよ!」
ペストは秋人が跳ぶのを予想していたのか秋人の跳んだ先に黒い風を放つ。
「この風は先ほどと違い触れただけで、その命に死を運ぶ風よ・・・!」
ペストはゲームに勝つ為には秋人が邪魔だと判断したのだろう。確実に殺す為に本気で風を放つ。
秋人はその黒い風を避けることもせず、突っ込んだ。
「秋人さん!」
黒ウサギは秋人が黒い風に飲まれて死んでしまったと思い涙を流す。
サンドラもそう思っでいた。
しかし秋人を殺した張本人、ペストは・・・
「ッ!!」
急いで場を離れる。
「遅えよ!」
秋人が黒い風の中から現れる。
「無双流
ペストは風で防ごうとするが秋人の刀はそれをすり抜けた。
「くっ!」
ペストにダメージを与えるが又もやすぐに回復される。
秋人は屋根の上に立つ。
「あ、秋人さん?」
黒ウサギは秋人が生きていて嬉しい気持ちもあるが、それ以上に何故生きているかが疑問だった。
「貴方・・・入れ換える系のギフト以外にも持ってたの?」
「そう慌てんなって。説明してやるからよ」
秋人は刀を収めながら言う。
「ペスト、お前の質問についてだが答えはYESだ。けど今回生き残ったのは他のギフトを使ったからじゃあない」
「ならどうやって・・・?」
「俺のメインギフトは
「奥の手・・・?それは一体・・・?」
黒ウサギは
「俺は入れ換えたのさ。ペストのギフト、
「なっ!」
黒ウサギは戦慄する。いくら箱庭といえどギフトの能力を入れ換えるギフトなどないからだ。
「ペスト、お前はわかっただろ?」
「・・・ええ。突然頭の中に色々な情報が入ってきたもの」
秋人の問いに答える。
「殺意の塊は殺気で相手の動きを阻害したり殺気が届く範囲の形とかを知るギフトだからな。」
つまりこういう事だ。
殺気の塊→殺気で相手の動きを阻害したりする。
これを
殺気の塊→触れたものを殺す。
・・・こうして見ると殺意の塊が凄くチートになったように見える。
「何よ、そのギフト、反則じゃない」
「ところがどっこい、この
「そう」
秋人が
ペストは理解した。してしまった。
ラッテンとヴェーザーの二人が倒されてしまった事に。
このままでは他の参加者も来てしまう。
それだけならまだいい。しかしこのままではステンドグラスが全て破壊されてしまう。
ペストはしばしの間二人に黙祷する。そして・・・。
「・・・止めた」
「え?」
その瞬間先ほど秋人に放った触れただけで死を運ぶ風が天を覆った。
「確かに貴方のギフトは厄介よ。けど貴方は先ほど言ったわね?視界の範囲しか出来ないって。ならこれは防げないでしょう?」
「うん、無理」
秋人の言葉と同時に死の風による無差別攻撃。
黒ウサギとサンドラはその風を避ける。
しかしステンドグラスを探している参加者は何人かは建造物の中に避難しているが、何人かの“サラマンドラ”のメンバーが参加者を庇い死の風に呑み込まれる。
そんな中、黒ウサギが覚悟を決めたようにギフトカードを取り出す。
しかし、黒ウサギの視界に黒い風に巻き込まれようとしている参加者が映った。
黒ウサギはそれを助けに行こうとするが間に合わない。
参加者の頭上に降り注いだ死の風は
「DEEEEEeeEEEEEN!!」
紅い鋼の剛腕が防ぐ。
この紅い鋼の持ち主、ディーンの上に飛鳥が立っていた。
飛鳥の無事を確認した黒ウサギは歓喜の声を上げる。
「飛鳥さん、よくぞご無事で!」
「感動の再会はあとよ!前、前!」
「え?」
振り返るとペストが放った死の風がすぐそばまで来ていた。
「余所見してんじゃねえぞこの駄ウサギ!」
今来た十六夜が死の風を蹴り霧散させる。
「ギフトを砕いた・・・?貴方、」
「先に断っておくが、俺は人間だぞ魔王様!」
十六夜がペストを殴り飛ばす。
しかし十六夜の攻撃も回復される。
「無駄よ!貴方達の攻撃では私にダメージを与える事は出来ない!」
「何?」
「星も砕けない分際では、魔王を倒す事は出来ない!」
このペストの言葉に反応したのは二人、
「星も砕けない分際だと?カッ、素敵な挑発じゃねえか斑ロリ、そういう事ならこっちも・・・!」
十六夜の言葉は途中で止まる。何故なら・・・
「星も砕けない分際・・・?誰か決めたそんな事!ああ、いいぜその挑発買った!」
秋人がとてつもない殺気を放っていたからだ。
秋人が地面に攻撃を放とうとした瞬間に
「買わないで下さいこのお馬鹿様!」
黒ウサギのハリセンが秋人を止める。
「止めんなよ、黒ウサギ」
「止めますよ!それに今なら魔王を討ち取れます!」
秋人が黒ウサギの言葉に笑みを浮かべる。
「どうやってだよ」
「こうやってです!魔王と此処にいる主力を纏めて月までご案内します♪」
黒ウサギの言葉と共に景色が変わる。
その景色に対して最初に声を出したのはペストだ。
「チャ・・・“
「YES!このギフトこそが我々“月の兔”が招かれた神殿!帝釈天様と月神様より譲り受けた“月界神殿”でございます!」
秋人がペストに攻撃を仕掛ける。
秋人は先ほどの挑発に乗っているのだ。
「ペスト、お前にダメージを与えるのに星を砕く一撃でしかダメージを与えれないというのであれば!この一撃なら!どうだ!」
秋人はゲームが始まる前に地面に放った技を使う。
「無双流、奥義!
秋人の一撃をペストは防ごうとする。しかし、お構い無しに秋人の攻撃はペストに当たる。
「あ、ああああああ!」
ペストは全力で後ろに風を放ち、止まろうとする、しかし全然止まらない。距離にして約20mほどで止まる。
「か、かはっ!」
ペストは吐血する。
この一撃は先ほどと違い回復しない。
「どうだ!」
「な、何よ、今の攻撃!?」
「無双流、奥義
秋人の言葉通りペストのダメージは回復しない。
そこに飛鳥がディーンに乗りペストの前に立つ。
ディーンの手には一本の槍が握られていた。
この槍はインドラの槍、この槍は穿てば必ず勝利する槍。
「撃ちなさい!ディーン!」
「DEEEEeeeeeEEEN!」
ディーンの咆哮と共に放たれる槍。
「しかし当たらなければ!」
ペストは躱そうとするが先ほどの秋人の攻撃のせいかふらつき、当たってしまう。
「さよなら、
飛鳥の言葉と共に槍は大量の熱量を撒き散らし、魔王と共に爆ぜた。
もうちょっとだけ続くよ。