問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ? 作:ただの遊び人外
月から帰った後、元に戻った街にて集まる秋人達。そこには他の参加者達も居る。そして目の前には白夜叉がいる。
「皆、よく戦ってくれたの。東のフロアマスターとして礼と・・・謝罪を告げねばならんの。偉そうにふんぞり返っておきながら、私は最後まで封印されたままだった。いや、全く以って申し訳ない」
白夜叉の謝罪に批難の声はない。
それほどまでに彼女の信頼は厚いのだろう。
白夜叉の謝罪の後、サンドラが前に出て声を上げる。
「魔王とのゲームは終わりました。私達の勝利です!」
ワァ!と周りから喜びの声が上がる。
それらを見回した後、白夜叉は参加者達に号令を出す。
「傷ついた者はすぐに手当てを受けよ。無事な者はそれに手を貸すのだ。それが終わった後は・・・魔王を倒した功績の授与と祝勝会を兼ねた誕生祭の続きだ。覚えのある者はドキドキワクワクしながら待ってるが良いぞ♪」
白夜叉の号令に、一層大きな歓声が上がる。
ゲームの後始末をしようと動き出した時、黒い穴が現れる。
皆、その穴が気になり近づいて見ようとするが、
「近づくな!!」
白夜叉の殺気を籠めた声によって止まる。
「あれはなんだよ、白夜叉」
十六夜の問いに白夜叉は
「あの穴は死神の通り道、箱庭の中でも最強クラスの化け物が使う物だ。まあワープホールのようだと思っていれば良い」
「・・・化け物は酷い」
穴の中から声が聞こえる。
そして穴から出てきたのは、
「あっ、ヘルじゃん。あの時はありがとよ」
ヘル=クライシスだった。
「秋人さん、あの人を知っているのですか!?」
「おう、此処に送ってくれたのあいつだし」
「なっ!?あいつと会って生きていたのか!?」
白夜叉は秋人の驚き声を上げる。
「お、おう。あいつなんかあるのか?」
「あるも何もあいつを見た者は生きていないという噂を持つものだぞ!」
「所詮噂だろ?げんに俺は生きてるし」
「・・・その噂、間違いでもない。私と会って生きているのは貴方を含め二人だけ」
「で、その死神さんがなんのようだ?」
十六夜がヘルに質問する。
「・・・仕事」
ヘルはそう言い先ほどのゲームで死んでいったサラマンドラの者達のところへ向かう。
「何を!」
サンドラの問いを無視し、ヘルは死体の上で鎌を振るう。そうしたら死体から白い靄のようなものが出でくる。
「それは魂か?」
「・・・そう、これが私の仕事。本当は姿を消してやるんだけどもう一つ仕事があるからこの状態できた」
ヘルが秋人の方に鎌を向けて質問する。
「・・・貴方の所属するコミュニティのリーダーは?」
秋人は答えるべきか悩むが、悩んだのち答える。
「そこにいるジン君だ」
「・・・そう」
ヘルは短く返しジンの方へと向かう。
「お、おい。手は出すなよ」
秋人の言葉にお構いなく進んでいく。
ヘルがジンの近くに行った時ジンは死を覚悟して目を閉じる。
しかし、何時まで経っても衝撃は来ない。
それどころか周りから驚きの声が聞こえる。
恐る恐る目を開けるとそこには、自分に対して跪いているヘルがいた。
「え!?ちょっ!」
ジンは驚きのあまり何を言っていいのかわからない。
「・・・ジン=ラッセル殿」
「は、はい!」
「・・・私を汝がリーダーを務めるコミュニティに身を置く許可を頂きたい」
「「「「「え、ええええええ!!!」」」」」
ヘルの発言に全員が驚く。
「・・・閻魔様にそこにいる、魅剣 秋人の監視を頼まれました。そのためには同じコミュニティにいた方が効率がいいと判断したのです」
「おい、秋人」
十六夜が秋人に声をかける。
「・・・何だよ」
「一体何をしたんだよ」
「・・・心当たりがない」
ヘルはその会話に口を出す。
「・・・勘違いしないで欲しい。監視するのは秋人の魂が異常な物だから」
「・・・どういうこと?」
「・・・閻魔様に貴方のことを報告すると閻魔様が見たことがないって。だから監視を頼まれた」
「俺の魂って一体・・・?」
秋人の呟きに誰も答えない。
「・・・して、ジン=ラッセル殿。返答は如何に?」
「あっ、はい!・・・少し待ってもらってもよろしいですか?」
「・・・別に構わない」
ジンは秋人達の近くに行く。
「皆さんは今回のこと・・・どう思いますか?」
「いいと思うぜ」←秋人
「右に同じ」←十六夜
「黒ウサギも別によろしいかと」←黒ウサギ
「・・・どっちでもいい」←耀
「というかあの人が入ってメリットはあるの?」←飛鳥
飛鳥の質問には秋人が答える。
「戦力になるな。あいつ、かなり強い。多分だけど此処にいる全員と戦っても勝てるぐらいに」
ジンはしばし悩んだ後、答えを出す。
「・・・僕は入ってもらおうと思う」
ジンの自信なさげの答えを秋人達が肯定する。
「ま、いいんじゃねえの?」←秋人
「確かに」←十六夜
「YES!なら早速言うのですよ♪」←黒ウサギ
「うん」←耀
「ま、いいんじゃないかしら?」←飛鳥
ジンはみんなの返答を聞いてヘルの方に向かう。
「ヘルさん、僕たちノーネームは貴方を歓迎します!」
「・・・感謝する。ただ、今からこの魂を地獄に持っていかなければならない」
「わかりました。ではまた後ほどということで?」
ヘルが去ろうとするとそこにサラマンドラの一人の男が立ちはだかる。
「待てよ!」
「・・・何?」
「その魂を体に戻したらあいつら生き返るんじゃねえか!?」
「・・・そうだけど?」
「なら、その魂を返せ!」
男はヘルに向けて炎を放つ。
「やめなさい!」
サンドラの制止の声を出すがもう遅い、炎はヘルに近づき、当たった瞬間霧散した。
「・・・は?」
男は呆然とした声を出す。
「・・・余計な仕事を増やさないで欲しい」
ヘルがそう言うと男が急に倒れた。そして男からも魂が出てき、ヘルの方へと向かう。
今度こそ去ろうとするヘルに待ったの声がまたかかる。
「待って下さい!」
「・・・今度は何?」
ヘルが声が聞こえてきた方に顔を向ける。声の主はサンドラだった。
「先ほどの話・・・本当ですか?」
「・・・本当」
「なら!」
「・・・無理、これは仕事だから私の一存じゃ決められない」
「そう・・・ですか」
ヘルの言葉に明らかに落胆するサンドラ。しかし、ヘルは先ほど自分に炎を向けてきた男の魂を前に出す。
「・・・でも、こいつの魂なら別に返してあげてもいい」
ヘルの言葉に顔を上げるサンドラ。
「・・・本当なら死神は手を出された場合その出してきた者を殺す権利がある。だからこのまま地獄に連れて行ってもいいんだけど」
ヘルは言葉を一旦区切り、
「・・・貸し一つ、ということで手をうってあげる。どうする?」
「ありがとうございます!」
サンドラはヘルの問いに即座に答える。
ヘルはその速さに驚く。
「・・・いいの?私に貸し一つ作ることになるんだけど」
「別に構いません!同士の命には代えられませんし」
「・・・そう」
ヘルは魂をサンドラに渡す。
「・・・私が去った後にその魂を入れて欲しい」
「わかりました!」
「・・・じゃあね」
ヘルは黒い穴を開け、今度こそ去った。
新しい作品を書こうかと考える今日この頃。