問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ?   作:ただの遊び人外

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今回でバグズノイドの話は終わりです。次回からは3巻の内容に入っていきたいと思います。

それと感想にあった地の文が少ない、とのことですのでそこを少し意識しました。

それでは本編にどうぞ。


第35話 自分の道

 

 

アゲハside

 

怖い、すごく怖い。でも、ここでカブ爺を殺させるわけにはいかないの。私がやること一つ一つに文句を言ってくるけど、それでも大切な爺なの!

 

「どけ」

 

「嫌よ!」

 

「何故だ?お前が自由になるにはそいつは邪魔だぞ?」

 

私はミツルギに刀を突きつけられる。

 

「た、確かにそうだけど、それでも大切な爺なの!」

 

「お、お嬢様・・・!」

 

「そうかよ!」

 

ミツルギが刀を振るう。私は恐怖で目を閉じる。

 

さよなら、みんな。

 

・・・あれ?まだ意識がある。ていうか衝撃も何もこない。

 

恐る恐る目を開けるとミツルギが刀を納刀していた。

 

 

アゲハsideout

 

 

秋人side

 

俺が刀を納刀しているとアゲハが驚いた様に声を出す。

 

「どうして?」

 

「何がだよ?」

 

「どうして刀を納めるの!?」

 

どうしてって

 

「もともと俺は、いや、俺達か。俺達はお前が自由になりたいって言うから手伝ってやっただけだ。お前が自由を望まないというのであれば俺は戦う理由がない」

 

まあ、後半は八つ当たりだったが。

 

と内心で愚痴を呟く。

 

秋人sideout

 

 

アゲハside

 

私はミツルギに言われて納得した。確かに私が自由になりたいからカブ爺達は傷ついた。・・・そしてそれはカスカベも同じ。おそらくミツルギが最後に暴れた(?)のもそれが原因だろう。

 

「ごめんなさい・・・」

 

「何がだよ」

 

「ミツルギが最後に戦ってた理由ってカスカベが傷つけられたからでしょ?だから・・・」

 

「それだったら俺じゃなくて耀に謝ってこい。自分の我儘のせいで迷惑かけてごめんってな」

 

「うん」

 

私はカスカベのもとに行き、

 

「私のワガママで迷惑かけてごめんなさい!」

 

私が謝るとカスカベは私の頭に手を置き、

 

「ううん、謝ることはないよ。私がアゲハを手伝おうと思ったのもただのワガママ。迷惑かけたのは私も一緒だから」

 

そう言うとカスカベはサカマキとクドウの方に振り向き頭を下げる。

 

「二人とも、ごめん。私のワガママに付き合わせて」

 

「気にすんな。俺もなかなか楽しめたしな。まあ、最後全部が秋人に持って行かれたのはちょっと気に入らねえが」

 

と苦笑しながらサカマキは言う。

 

「私もよ。十六夜君と同じで秋人君に全部持って行かれたのは少し気に入らないけど。それに友達のワガママには付き合うものよ」

 

と微笑みながらクドウは言う。

 

「二人とも、ありがとう」

 

「礼を言うなら俺達じゃなくて」

 

「秋人君に言ってあげなさい。春日部さんが傷ついて一番怒ったのは彼だから」

 

カスカベは二人に礼を言いミツルギのもとに向かった。

 

アゲハsideout

 

 

耀side

 

私は秋人のもとへ向かう。今回私が傷ついて一番怒り、そして戦ってくれた秋人に礼を言うために。

 

「秋人、その、ありがとう」

 

「気にすんな。俺が勝手にキレて好き勝手にやっただけだ。礼を言われる筋合いはないよ」

 

「うん、でも私が傷ついたからだよね?」

 

「だから俺が勝手に「だよね?」いや、だから「だよね?」い「だよね?」・・・はい、もうそれでいいです」

 

秋人が認めてくれた。やっぱり私のためだったんだね。

 

秋人が認めてくれるとアゲハがやって来て

 

「ねえ、カスカベ、ミツルギ。私やっぱりここに残るよ」

 

その言葉に秋人は「やっぱりか・・・」と呟く。

 

私もなんとなくそう言う気がしていた。

 

「私ね、今回のことで学んだの。ワガママだけじゃ駄目って。それに今回は沢山の迷惑をみんなにかけた。だから、それを償うためにも私はここに残るよ」

 

アゲハのセリフに秋人が、

 

「それがお前の選んだ道なら何も言うまい。だから俺は最後に二つだけ忠告しておこう」

 

秋人そう言い十六夜と飛鳥のほうに向かいながら言う。

 

「自分で道が選べる時は自分が選んだ道は後悔するなよ。折角自分で選んだんだからな。そしてもう一つ」

 

秋人は一度言葉を区切り、

 

「今回は大丈夫だったけど本当に大切なものはよく失ってから気づくもんだ。お前は失う前に気づけたみたいだから、それを手放すんじゃねえぞ?」

 

そう言う秋人はいつもと違い、脆そうで、儚くて、そして弱々しかった。

 

そんな秋人を見ているとひどく悲しい気持ちになった。

 

そしてそんな秋人を見て好機と思ったのか一体のセミのバグズノイドが秋人に攻撃を仕掛ける。

 

「秋人ッ!」

 

秋人は私の声に反応して振り返る。その秋人の瞳は何時もの黒色の瞳ではなく、右の瞳だけ紫色(・・・)だった。

 

秋人が刀を振るうと刀から少量だが茶色い色をした液体が出てきた。

 

私はその液体の臭いを嗅いで顔をしかめる。私はこの臭いを嗅いだことがあった。木とかによくセミ対策として塗られている木酢液(・・・)の臭いだ。

 

なんで秋人の刀から木酢液が出てきたのかは知らないが木酢液に触れたセミのバグズノイドは

 

「ぎゃああああああ!!!!」

 

セミのバグズノイドは叫び声をあげて気絶した。

 

「なんだ・・・今の?」

 

どうやら秋人自身もなんで出たのかはわからないようだ。

 

というか誰も木酢液の臭いを嫌ってかセミのバグズノイドを助けようとしない。

 

そんな中アゲハが、

 

「ねえ、今カブ爺とお父様と相談したんだけど今日、みんな泊まって行かない?迷惑かけたしご馳走とかいっぱいだしてもらうよ」

 

「行く!」

ご馳走と聞いてすぐさま反応する。

 

十六夜と飛鳥は賛成みたいだけど秋人が

 

「悪いが俺はパス。みんなで楽しんでこいよ」

 

「あら、秋人君。断るのは無粋ではなくて?」

 

「いやいや、あんだけ暴れたんだ。俺が行ったら騒ぎにならないわけがない。ということで、俺は先に帰らしてもらうぜ。あばよ!」

 

そう言うと秋人は姿を消した。・・・秋人と一緒にご馳走食べたかったな。

 

耀sideout

 

 

Noside

 

秋人が耀達と別れた後入れ換えし王(リプレイサー)を使ってノーネームの庭に戻ってきた。そして膝をつく。

 

「ッハアハア、これが封印されし禁断の箱(パンドラ)を使った代償ってか?デメリット高すぎだろ、おい」

 

そう、秋人がバグズノイドのところから戻ってきたメインの理由はこちらだった。もちろん、騒ぎになるのが嫌というのもあるがこちらが本当の理由だ。

 

秋人はこの体の疲労の原因を封印されし禁断の箱(パンドラ)のせいだと思っているが実は違う。では何が原因かというと、それはまたべつの機会に。

 

秋人がさっさと寝ようと思い、部屋に行こうとすると黒ウサギがやって来てハリセンで秋人の頭をどつく。

 

「今までどこにいってらしたのですか、このお馬鹿様ァァァァ!」

 

「なあ、黒ウサギ」

 

「なんですか!?言い訳は聞きませんよ!ってあれ?十六夜さん達は?ご一緒ではなかったのですか?」

 

「悪いが黒ウサギ、説教は後にしてくれ」

 

「いえ、そう言うわけにはいきません!いいですか?今日という今日は」

 

「悪いが本当に後にしてくれ!」

 

秋人は殺意の塊を発動させる。

 

それにたじろき少し下がる黒ウサギ。

 

「後で聞くから悪いが今は少し休ませてくれ」

 

秋人はそう言うと入れ換えし王(リプレイサー)を使って自室に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のバグズノイド達との戦い。秋人達にもたらされたのは災厄か、それとも幸せなのか。それはまだ、誰も知らない。

 

 

 




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