問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ? 作:ただの遊び人外
・・・結構展開悩んだ。
第36話 収穫祭への招待状
秋人side
・・・また夢だ。
今俺の目の前には前回と同じく白色、真っ黒、紫色、虹色、灰色の五つの扉があった。
「そういえば、前回もこんな感じの夢見てたな。思い出した・・・また忘れるかもだけど」
前回は確か白色の扉に入ったんだっけ。まだ虹色と紫色の扉は鎖が纏わり付いているから・・・。
とか色々と考え、今回は真っ黒の扉に入ることにした。
扉の中には一人の女性がいた。その女性は着ている服も髪の色も瞳の色も、肌の色以外は真っ黒だった。・・・ちなみに身長は俺より小さい。
その女性は俺が入ったのに気づくと俺のもとまで走ってくる。そして耳元で、
「もうすぐ、もうすぐで私もあいつに追いつく・・・!」
バッ!と目が覚めた。
今回は覚えてる・・・な。うん覚えてる。確か真っ黒な扉に入ってその中に肌の色以外が真っ黒の女性がいて。なんか言ってきた。なんかは忘れた。
「さてと、何時も通りランニングをと、そういえば今日は今後の活動方針を話し合うとかどうとかで大広間集合だっけ」
〜秋人移動中〜
大広間に着いたはいいが・・・
「誰もいねえな。早すぎたか」
仕方なく席に座って待つことにした。
「待っている間暇だし・・・
今のところわかっているのは
・カタンと音がなる。
・アルゴールの石化光線(?)受けた時に血だらけ(?)になって無効化。
・多分ペストの時も発動した。黒死病無効化。
・耀が受けた毒を解毒した。
・セミのバグズノイドに攻撃した時に変な液が出た。確か木酢液だっけ?
・その液が出た時は瞳の色が紫色だった・・・らしい。
・使用後すごく疲れる。
・・・今んとここんだけか。
可能性として高いのは無効系の能力。でもそれなら変な液が出る理由がない。後、俺の夢に出てきた鎖が纏わり付いていた紫色の扉が
わかってる情報少ねえな。
とりあえず今度「秋人?そろそろ始まるよ」
俺が考え事をしていたらどうやら全員が揃っていたため話し合いを始めるようだ。
ちなみに席順は上座からジン、十六夜、飛鳥、俺、耀、黒ウサギ、レティシア、そして年長組の代表に選ばれた狐娘のリリの順で座っている。
正直言うと俺は耀より下の気がするがまあいいだろう。
ノーネームでは会議が行われる際、コミュニティでの席次順に上座から並ぶことが礼式となっているらしい。
ちなみにヘルは仕事がどうので今日はいない。
もう一個ちなみに言うとジンはガチガチに緊張した面持ちで上座に座っていた。
「どうした御チビ?俺よりもいい位置に座ってるのにずいぶんと気分が悪そうじゃねえか」
「だ、だって旗本の席ですよ?緊張して当たり前じゃないですか・・・」
上座に座ることができる者は前提として"コミュニティの為にゲームに参加できる者"というのが箱庭の常識。それに加えて組織への貢献・献身・影響力なども求められる。
これまで特にこれといった戦果を上げることができなかったことから、ジンは引け目に感じてしまっている。
「そんなこと気にすんなよ。俺らが今このコミュニティにいるのはお前の人徳があったからだ。だから俺らの成果は全てお前の成果となる。むしろお前以外にそこに座っていいやつはいねえよ」
「YES!秋人さんの言う通りでございますよ!事実、この一ヶ月の間に届いたギフトゲームの招待状は全部ジン坊ちゃんの名前で届いております!」
そう言うと黒ウサギはそれぞれ違うコミュニティの名前封蝋が押されている三枚の招待状を取り出した。驚くことにそのうちの二枚は参加者でなく、貴賓客としての招待状だ。旗印を持たないノーネームにしては破格の待遇といっていいであろう。
「苦節三年・・・とうとう我々のコミュニティにも招待状が届くようになりました!それもジン坊ちゃんの名前でです!ですからジン坊ちゃんは胸を張って上座に座ってよいのです!」
「でもそれは・・・」
ジンはここで言葉を区切る。おそらく“それは自分の成果じゃない”とか言いたいんだろうな。
それを察したのか飛鳥は急かすように、
「それで?今日集まって理由はその招待状について話し合うためかしら?」
「は、はい、それもありますがその前にコミュニティの現状をお伝えしようと思いまして集まっていただきました。リリ、黒ウサギ。報告をお願い」
「わかりました」
「う、うん。えーと、まず備蓄に関してはしばらくは問題ありません。最低限の生活を営むだけならば一年は問題ないと思います」
「へえ、なんで急に?」
「一ヶ月前に戦った“黒死斑の魔王”が推定五桁の魔王に認定されたからです。"階層支配者”に依頼されて戦ったことから規定報酬の桁が跳ね上がったと白夜叉様からご報告がありました。これでしばらくはお腹一杯食べられます」
飯が食えることがよっぽど嬉しいのか二尾をパタパタと動かしている。
それをレティシアがそっと窘めた。
「リリ、はしたないことを言うのはやめなさい」
「え、あ、す、すいません!」
「まあいいだろ。そんなことは。んで?他には?」
秋人の問いにジンが
「それではリリ、最後に農園区の復興状態の説明を」
「はい!農園区の復興はメルンとディーンが頑張ってくれたおかげで全体の四分の一が使えるようになっています!これでコミュニティ内のご飯を確保するには十二分の土地が用意できました!田園の整備にはもう少し時間がかかりますが葉菜類、根菜類、果菜類などを優先して植えれば数ヵ月後には成果が期待できると思います!」
喜ぶリリを見て飛鳥が
「当然よ。メルンとディーンが毎日休まず頑張ってくれているのだから復興なんてあっという間よ」
「特にディーンは本当に働き者です。飛鳥さんがゲームに参加している時以外はずっと土地の整備をしてくれていて・・・メルンが分解した若木や廃材も休まずに混ぜてくれて本当に大助かりです!」
「ふふ、喜んでもらえて何よりよ」
「そこで今回の本題です!復興が進んだ農園区に特殊栽培の特区を設けようと思うのです!」
「ほほう、特殊栽培ねえ?」
「YES!霊草や霊樹のことです!例えば、」
「マンドラゴラとか?」
「マンドレイクとか?」
「マンイーターとか?」
「なぜネタが出でこないんだ・・・」
「YES♪って違います!
黒ウサギが注意してくるがそっちのけで、
「おいおい、同じネタはよくねえぞ」
「そうよ、秋人君」
「ええ、なんかすいませーん。それより黒ウサギから言質を取ったぞ!
「違います!普通に危険なので駄目です!」
「ちっ、まあいいや。で?ここで話すってことは俺たちにそれらを手に入れてこいってことか?」
俺の問いにレティシアが答える。
「そうだ。都合がいいことに、“
「しかし、一つ問題があります」
レティシアの説明の後にジンが神妙な面持ちで言う。
「問題?」
「はい。実はこの収穫祭ですが、二十日ほど開催される予定で、前夜祭を含めると二十五日。約一ヶ月にもなります。この規模のゲームはそうあるわけでは無いので最後まで参加したいのですが、長期間コミュニティに主力がいないのは好ましくありません。そこでレティシアさんと共に一人残って欲し「「「「嫌だ」」」」い・・・ですよね」
ハア、とジンはため息をつく。しかし俺たちが断るのを予想していたのか、
「でしたらせめて日数を絞らせてくれませんか?」
「というと?」
「前夜祭を三人、オープニングセレモニーからの一週間を四人。残り日数を三人・・・・・このプランでどうでしょうか?」
「でもそのプランだと二人全部参加出来るってことになるよね?それはどうやって決めるの?」
「それは・・・」
そこまで考えていなかったのか言葉につまる。そこに十六夜が提案を出す。
「なら箱庭らしくゲームで決めようぜ?」
「ゲーム?」
「あら、面白そうじゃない」
「どういったゲームをするつもりで?」
「そうだな・・・"前夜祭までに最も多くの戦果を上げた者が勝者"ってのはどうだ?期日までの実績を比べて収穫祭で戦果を挙げられそうな人材を優先する。これなら文句はないだろ?」
十六夜の案を考える。・・・特にデメリットはないな。
「俺はOKだ。お二人さんは?」
「私もいいわよ」
「うん・・・絶対に負けない」
こうして俺たちは“
何気にリリちゃん初登場な気がする・・・。