問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ?   作:ただの遊び人外

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今回はちょっとだけ特別な書き方です。


第41話 秋人の過去

 

 

まあ、いきなりスタートから言うのもなんだけれども俺は捨て子だったらしいんだよね。

 

秋の時に拾われたから秋人。適当につけられたもんだぜ。

 

そんでもって俺を拾ったのがこれから俺の師匠兼母親になる人、魅剣(みつるぎ)禁箱(こんしょう)って人だ。

 

この人酷いんだぜ?さっきも言ったようにいきなり木刀持たせて岩を砕けって言うんだ。それも三歳の頃だぜ?出来なかったら晩飯抜きだったしさ。

他にも四歳、いや五歳だったかな?それぐらいの時にジャングルに木刀一本で突っ込まされるしさ。サバイバルだぜ?サバイバル。あの時は死ぬかと思ったね。

 

そして俺が十歳になった頃に唐突にさ、始まったんだ。何がって?戦争だよ。戦争。

 

師匠はさ、刀持ったら大抵のことは出来るんだよね。海を割ったり、大陸斬ったり、正直人間じゃないと思ってたよ。

 

まあ、こんな強いわけだし、戦争に駆り出されたんだよね。

 

ああ、もちろん俺を連れて行って、だ。

 

幾ら本番に勝る訓練は無いとは言え、十歳の子供を連れて行くなんて馬鹿じゃあねえの?って思ってたよ。

 

飛んでくる大砲の弾を斬る師匠、飛んでくる弾を斬らされる俺。戦車を斬る師匠、戦車を斬らされる俺。いやー懐かしいね。

 

でもさ、幾ら師匠が強いからと言って一人で戦うのは限度があったんだよ。しかも足手まといである俺を連れているならなおさらだ。

 

師匠がさ、俺を庇って負傷したんだよ。俺は当然師匠を庇いながらその場を全力で離れたさ。

 

そして俺と師匠しかいない時に師匠はこういったんだ。

 

私を殺せ、って。ふざけんな、って思ったよ。俺をここまで育ててきた母親でもある師匠を俺に殺せって言うんだぜ?

 

師匠は私の首を持っていけば俺の命だけは助かる。先ほどまで戦争で敵を殺しまくってたんだ。そいつの首を持っていけば確かに助かるだろうよ。けど俺はそんな理由で師匠を殺したくなかった。

 

だから俺は師匠の申し出を断った。

 

けどさ、無駄だったんだ。師匠は俺が断るのは承知のことだったんだろうな。『命令』をしたんだよ。すると驚いたことに身体が勝手に動き出したんだ。

 

その時師匠に教わったんだが師弟関係になった場合、師匠は弟子に一個だけどんな命令でも出来るって。

 

俺はふざけんな、って思ったね。それに師匠を殺すのが命令によって、っていうのが一番嫌だった。

 

だから俺は師匠に頼んだ。殺すなら俺自身の手で殺させてくれって。

 

師匠は俺の申し出を受け入れてくれた。

 

自由になった身体で俺は刀を構えた。そして今まで育ててくれたことと鍛えてくれたことに感謝しながら、師匠の首を斬ったんだ。

 

そして俺は師匠に言われた通り師匠の首を敵の所に持って行って俺は生き永らえた。

 

ん?後悔はしてないのかだって?当時はしてたさ。なんで俺はあの時避けられなかったのかって。けど今は後悔していない。

 

なんでかって?俺が後悔してたら俺に殺された師匠に申し訳ない、そう思っているからさ。

 

これで俺の話は終わりだ。

 

さ、そろそろ戻ろうぜ。これ以上ここにいたら風邪を引きそうだ。まあ、連れ出した俺が言う台詞じゃあ無いんだけどな。

 

じゃあ俺は先に戻るぜ。また明日。

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