問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ? 作:ただの遊び人外
黒ウサギに連れらている途中、十六夜が黒ウサギに聞こえない程度の声で言う。
「なぁ、秋人。」
「ん?どうした?」
「今から世界の果てを見に行こうと思うんだが、お前も一緒に来ないか?」
うーん、と三秒ほど考えて、
「今回はパス。なんとなくだけど、黒ウサギについて行った方が楽しい気がする。」
「OK。じゃあ、黒ウサギにはうまく言っといてくれ。」
「あいよー」
そう言って十六夜は物凄い勢いで跳んで行った。
「はえーな、おい。」
秋人のつぶやきは風に乗って消えていった。
十六夜が何処かに行って数分後、コミュニティらしきところに階段で一人の少年が座っていた。
「ジン坊ちゃーん!新しい方々を連れて来ましたよー!」
(えっ何?あっちの子供の方が黒ウサギよりうえなの?)
秋人は心底驚いた。
「お帰り。黒ウサギ。そちらの三人が?」
「はいな、こちらの御四人様がー」
くるり、と振り返り、カチンと固まる黒ウサギ。
「・・・えっ、あれ?もう一人いませんでした?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から''俺問題児!''ってオーラをすごく放っている殿方が」
「十六夜君のこと?彼なら "ちょっと世界の果てを見て来るぜ!"と言って駆け出して行ったわ。」
「なんで止めてくれなかったんですか!?」
「"止めてくれるなよ"と言われたもの。」
「ならどうして、黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」
「"黒ウサギに言うなよ "と言われたから。」
「嘘です!絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう!御三人様!」
「「うん。」」
「いや、俺は違うよ?」
ここで秋人が声を出す。
「じゃあ、一体どういう理由があったんですか!?」
「簡単だよ。俺は一応十六夜君に誘われている。それを断った。でもそれじゃあ十六夜君が可哀想だ。だから、黒ウサギに言わなかった。ほら、これでお互いwin -winの関係だ。」
秋人の説明を聞いてガクリ、とうなだれる黒ウサギ。
そんな黒ウサギとは対象的に、"ジン坊ちゃん"と呼ばれていた少年は蒼白になって叫んだ。
「た、大変です!世界の果てにはギフトゲームのために、野放しにされている幻獣が」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に世界の果て付近では強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とでも人間では太刀打ち出来ません!」
「あら、それは残念ね。彼はもうゲームオーバー?
「ゲーム参加前にゲームオーバー?・・・斬新?」
「そんなゲームがあったら、やってみたいけどね。」
「冗談を言っている場合じゃあありません!」
「まあ、大丈夫だと思うけどね。その幻獣って黒ウサギより強いの?」
「い、いえそんなことはありませんが・・・ジン坊ちゃん。申し訳ありませんが御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「わかった。黒ウサギは?」
「問題児を捕まえに行って参ります。一刻程で戻りますので皆さんはゆっくりと箱庭ライフをご堪能ございませ!」
「・・・箱庭の兎は随分早く跳べるのね。」
「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他にも特殊な権限などを持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り問題ないと思うのですが・・・」
「そう、まあいいわ。黒ウサギも堪能くださいと言っていたし、ここは御言葉に甘えて先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がしてくださるのかしら?」
「は、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩者ですが、よろしくお願いします。三人のお名前は?」
「久遠 飛鳥よ。そこで猫を抱えているのが」
「春日部 耀。」
本来ならばここで秋人が自己紹介をするはずなのだが、肝心の秋人は何かを考えているかのように腕を組んでいた。
「どうかしたのかしら?秋人君?」
「ん?ああ、ごめんごめん。ちょっと考え事をしててさ。えーと、なんだっけ?あっ、自己紹介か。俺の名前は魅剣 秋人。まぁ、よろしく頼むよ。」
「秋人君は今何を考えてたのかしら?」
ここで飛鳥が秋人に問う。それに対して秋人は、
「いや~黒ウサギが十六夜君に追い付くのは一時間ぐらいかなって考えてただけだよ。」
この秋人の答えに対してジンが言う。
「まさか。黒ウサギが一時間もかかるはずがありませんよ。」
「ふーん。まぁ、いいや。とりあえず箱庭の中に入ろうぜ。」
秋人の一声で箱庭に入っていった。
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