問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ?   作:ただの遊び人外

6 / 46
よろしくお願いします。





第3話 無謀な試み

四人と一匹は石造りの通路を通って箱庭に出ると、パッと頭上に眩しい光が降り注いだ。

 

『お、お嬢!外から天幕の中に入ったはずなのに、お天道様が見えとるで!』

 

「・・・本当だね。外から見た時は箱庭の内側なんて見えなかったのに」

 

「それはですね、箱庭を覆う天幕は内側に入ると不可視になるんですよ」

 

「なるほど、なぁ、ジン君。」

 

「何ですか?」

 

「あの天幕、ちょっと貰って来ちゃダメかな?」

 

カチャ、と秋人は刀を構える。

 

秋人の行動にジンが驚く。それもそうだろう。いきなり天幕を盗みたいと言い出したのだから。

 

「だ、駄目ですよ!それにあの天幕は太陽の光を直接 受けられない種族の為に設置されているんですから!」

 

ジンが真剣にそう言う。そこに飛鳥が

 

「あら、それはなんとも気になる話ね。この都市には吸血鬼でも住んでいるのかしら?」

 

「え、普通に居ますけど」

 

「・・・そう」

 

「ところで秋人はどうして天幕が欲しいと思ったの?」

 

ここで耀が口を挟む。

 

「だってあれ、透明になれる素敵アイテムだろ?」

 

飛鳥と耀が絶句する。よくよくかんかれば確かにそうだった。

 

「確かにそうね。私も少し 欲しくなってきたわ」

 

「私も。」

 

しかし、ここでジンが待ったをかける。

 

「先程も言いましたが駄目なものは駄目です!それにあの天幕は切ることができません!」

 

その言葉に秋人が反応した。

 

「へー。じゃあ、試してみる?本当に切れないかどうか?」

 

 

 

秋人が刀を抜いた。しかしここで飛鳥が待ったをかけた。

 

「待ちなさい、秋人君。」

 

「どうしたんだい?久遠さん?」

 

「やるなら人目につかないところでやりなさい。ここじゃあ目立ち過ぎよ」

 

飛鳥の言葉を聞いて少し考える。

 

そして「それもそうだね」と言って刀を直した。

 

「仮に人目につかなくても駄目ですよ!」

 

秋人は「はいはい」といって聞き流す。

 

そんなこんながあり、四人と一匹は噴水の近くに来ていた。

 

「お勧めの店はあるかしら?」

 

「す、すいません。段取りは全て黒ウサギに任せていたので。よかったらお好きな店を選んでください。」

 

「それは太っ腹なことね。」

 

「俺は出来るだけ安めなところがいいな」

 

 

 

その言葉にジンが一瞬震えた。それに気付いたのは秋人だけだった。

 

「あら、どうしてなのかしら?」

 

「だって安い方が美味しい時もあるし、それに」

 

秋人はジンの方を見て、

 

「やっぱりなんもない。」

 

「そう?じゃああそこにしましょう」

 

「いらっしゃいませー。ご注文はいかがいたしますかー?」

 

「えーと、紅茶を二つと緑茶を一つと麦茶を一つずつ。あと軽食にコレとコレを」

 

『ネコマンマを!』

 

「はいはーい、ティーセット四つにネコマンマですね」

 

一瞬の静寂がおきる。これを破ったのは耀だった。

 

「三毛猫の言葉、分かるの?」

 

「そりゃ分かりますよー。私は猫族なんですから。お歳のわりに随分と綺麗な毛並みの旦那さんですし、ここはちょっぴりサービスさせてもらいますよー」

 

『ねーちゃんも可愛い猫耳に可愛い鉤尻尾やな。今度機会があったら甘噛みしに行くわ」

 

「やだもーお客さんったらお上手なんだからー♪」

 

猫耳娘が店内に戻ると耀が三毛猫の頭を撫でながら

 

「・・・箱庭って凄いね。私以外にも三毛猫の言葉が分かる人がいたよ。」

 

『きてよかったな、お嬢。』

 

 

「ちょ、ちょっと待って。今の言葉を察するにもしかして貴方、猫と会話ができるの?」

 

「出来るよ」

 

「もしかして他の生き物とも意志疎通は可能ですか?」

 

「うん。生きているなら誰とでも」

 

「それは素敵ね。じゃああそこで飛んでいる野鳥とかとも会話が?」

 

「うん、きっと出来・・・る?ペンギンがいけたからきっとだいじょ「「ペンギン!?」」う、うん。水族館で知り合った。」

 

「しかし、全ての種との会話が可能なら心強いですね。この箱庭において幻獣との言葉の壁というのはとても大きいですから。」

 

「そうなんだ。」

 

「はい。一部の猫族やウサギのように神仏の眷属などは可能ですが」

 

「そう。春日部さんは素敵な能力があるのね。羨ましいわ。」

 

「久遠さんは」

 

「飛鳥でいいわ。よろしく春日部さん。」

 

「う、うん。飛鳥はどんな力を持ってるの?」

 

「えっ、私?私の力は酷いものよ。だって」

 

飛鳥が自分の能力を説明しようとしたその時、

 

「おんやぁ?誰かと思えば東区画の最低辺コミュニティ"名無しの権兵衛"のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギと一緒ざゃないんですか?」

 

品のない上品ぶった声がそれを遮った。

 

 

 




誤字、脱字、間違いなどの報告よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。