問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ?   作:ただの遊び人外

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よろしくお願いします。

ところで自分の小説って短いですかね?


第4話 コミュニティの現状

ジンは顔をしかめて男に返事をする。

 

「僕らのコミュニティは"ノーネーム"です。"フォレス・ガロ"のリーダー、ガルド=ガスパー。」

 

「黙れ。この名無しめ。聞けば新しい人材を異世界から呼び寄せたらしいじゃないか。コミュニティの誇りである名と旗印を奪われ、それでも未練がましくコミュニティを存続させることなどよくできたものだ。そう思わないかい?お嬢様方。」

 

「失礼ですけど、同席を求めるならまず氏名を名ったのちに一言添えるのが礼儀ではないのかしら?」

 

「おっと失礼。これ私は箱庭上層に陣取るコミュニティ"六百六十六の獣"の傘下である「烏合の衆の」コミュニティのリーダーである、ってマテやゴラァ!!誰が烏合の衆だ小僧オォ!!」

 

ガルドが急に牙を出して怒り出す。

 

「口慎めや小僧ォ・・・・紳士で通っている俺様でも聞き逃せない言葉はあるんだぜ・・・?」

 

「森の守護者だったころの貴方ならそれ相応の態度で返していたでしょうが、今の貴方はこの二一○五三八○外門付近を荒らす獣にしか見えません。」

 

「ハッ、そういう貴様は過去の栄華に縋る亡霊に過ぎんだろうがッ。自分のコミュニティがどういう状態に置かれているのか理解できてんのかい?」

 

この二人の間で何か険悪か雰囲気が流れる。

 

「ハイ、ちょっとストップ。」

 

この雰囲気を飛鳥が止める。

 

「事情はよくわからないけど、貴方達二人の仲が悪いことは重々承知したわ。それを踏まえたうえで質問したいのだけど」

 

飛鳥が少し間を開けて言う。しかしそれはガルド=ガスパーではなく、

 

「ねぇ、ジン君。ガルドさんが指摘している、私達のコミュニティが置かれている状態・・・・というものを説明していただける?」

 

「そ、それは」

 

ジンは言葉に詰まった。しかし飛鳥は無視してたたみかける。

 

「貴方は自分のことをコミュニティのリーダーと名乗ったわ。なら黒ウサギと同様に、新たな同士として呼び出した私達にコミュニティとはどういうものなのかを説明する義務があるはずよ。違うかしら?」

 

この質問に対してジンは答えない。否、答えられないのだ。

 

この質問に対してガルドが、答える。

 

「レディ、貴方の言う通りです。コミュニティの長として新たな同士に箱庭の世界のルールを教えるのは当然の義務です。しかし彼はそれをしないでしょう。よろしければ"フォレス・ガロ"のリーダーであるこの私が、コミュニティの重要性とジン=ラッセル率いる"ノーネーム"のコミュニティを客観的に説明させていただきますが、どうしますか?」

 

「・・・・そうね。お願い」

 

「いや、いらないね。」

 

ここで秋人が飛鳥の言葉を遮った。

 

「・・・・どうしてなのかしら?秋人君?」

 

言葉を遮られて少し怒り気味に言う飛鳥。これに対して秋人は、

 

「簡単だよ。説明されなくても知っているからさ。」

 

秋人の言葉に場が凍てつく。

 

説明されていないのに知っていると言ったからだ。

 

この状況をガルドが、

 

「お、御言葉ですがジェントルマン。貴方は彼らからこの箱庭の説明を受けていないはずなのでは?」

 

「うん。そうだよ。説明は聞いてないよ。」

 

「なら、私が」

 

「でも、分かるよ。だってこんなにもヒントがあるんだからさ、分かるよ。」

 

「なら、それを説明してくださるかしら?ガルドさんの代わりに」

 

飛鳥が秋人に聞く。

 

「いいぜ。説明してやるよ。最も、俺が分かっているのは自分達のコミュニティの状況だけだけどね。」

 

秋人が語り出す。

 

「おそらくだけど、ジン君達のコミュニティは昔は強かった。しかし、この世界だからギフトゲームによって名前を失った。違うかい?」

 

秋人は、ニヤニヤしながら言う。

 

「ほ、ほとんど正解です。訂正するの箇所は彼らが失ったのは名前だけではなく旗印も失っています。」

 

このジンの言葉に対してここにいる全員が驚く。

 

「さ、参考までにお聞きしたいのですが、なぜ分かったのですか?」

 

「いいぜ。まあ分かったのは少し前だけどな。」

 

秋人は、一息ついて語り出す。

 

「まず俺らがコミュニティについた時にジン君がリーダーと言った。・・・・この時点でまずおかしいと思わないか?言っては悪いがジン君がリーダーだとすると幼なくないか?それに俺らがこの店に入る前に俺が言った言葉覚えてる?はい、飛鳥さん!」

 

「え、えっとたしか」

 

秋人の突然の前振りに戸惑いながら答える。

 

「『出来るだけ安い店がいいな。』だったかしら?」

 

「そう、俺はそう言った。飛鳥さんと春日部さんは気づいていなかったけどこの言葉を言った時にジン君が震えたんだよ。この時点でジン君達のコミュニティにお金がないことが分かる。」

 

ジンは何も言わず体を震わせている。

 

「そして、最後の理由がガルドが言った『過去の栄華にすがる亡霊』というセリフ。これだけのヒントがあれば分かるでしょ。」

 

ガルドは内心毒ついた。このタイミングで黒ウサギを手に入れようと思っていたのにここまで分かっているならおそらくこいつはそのままコミュニティに入るだろう。これでは彼の作戦が意味がない。

 

「ああ、あとジン君が『僕達のコミュニティはノーネームです』って言ってたしね。」

 

しかし、このタイミングでガルドはまだ明かされていない真実、つまり切り札を切った。

 

「では、何のコミュニティに奪われたのかはご存知で?」

 

「いや、知らないよ?」

 

「ではそちらの説明をしても?」

 

「まあ、いいんじゃないの?」

 

「承りました。彼らは決して敵に回してはいけないモノに目をつけられたのです。ギフトゲームが支配するここの箱庭の世界の"最悪の天災"によって。」

 

「天災?」

 

「それは比喩にあらず。彼らは箱庭唯一最大にして最悪の天災、俗に"魔王"と呼ばれる存在です。」

 

 

 

 




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