問題児と共に入れ換し者も異世界から来るそうですよ?   作:ただの遊び人外

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よろしくお願いします。


第5話 外道の考え

ガルドは軽快に話を進める。

 

「魔王とは“主催者権限”という箱庭における特権階級を持つ修羅神仏のことを指します。彼らにギフトゲームを挑まれたが最後、誰も断ることはできません。」

 

「なるほどね。要するにジン君たちのコミュニティはその魔王に負けて名と旗印を失った訳か。」

 

「その通りです。ジェントルマン。」

 

「ジン君たちのコミュニティの事情はよくわかったわ。・・・それでガルドさんはどうして私達にそんな話を教えてくださるのかしら?」

 

ガルドは一瞬間を開けて

 

「・・・単刀直入に言います。よろしければ黒ウサギ共々、私のコミュニティに来ませんか?」

 

「な、何を言うんですか!?ガルド=ガスパー!?」

 

「黙れ、ジン=ラッセル。何も知らない相手なら騙しとおせると思ったのか?」

 

ジンは何も言わない。

 

「・・・で、どうですかレディ達。返事をすぐに・・・とは言いません。呼び出された貴方達には三十日の自由か約束されます。自分達を呼び出したコミュニティと私達“フォレス・ガロ”のコミュニティを視察して十分に検討してからお決めになられたらどうでしょう?」

 

このガルドの言葉に対して飛鳥は

 

「結構よ。私はジン君のコミュニティで間に合っているもの。」

 

「「は?」」

 

とジンとガルドが驚く。それもそうだろう。今の話を聞いてなぜこちらを選んだのかがわからないからだ。

 

「春日部さんは今の話をどう思う?」

 

「別に、どっちでもいい。私はこの世界に友達を作りにきただけだから。」

 

「あら、意外。じゃあ私が友達一号に立候補してもいいかしら?私達って正反対だけど、意外に仲良くやっていける気がするの」

 

耀はしばし考えたあと頷いた。

 

「・・・うん。飛鳥は私の知っている女の子とちょっと違うから大丈夫かも。」

 

『よかったなお嬢・・・お嬢に友達ができてワシも嬉しいわ。』

 

「で、秋人君はどうなの?」

 

「俺?」

 

秋人はしばし間を空けて

 

「俺は楽しいことが好きなんだよね。そして、俺の直感が言っているんだ。『ジン君のコミュニティのほうが楽しいぞ』って。だから俺はジン君のコミュ二ティに入るよ。」

 

ガルドが大きく咳払いをして三人に問う。

 

「し、失礼ですが理由を教えてもらっても?」

 

「だから、間に合っているのよ。春日部さんはこの世界に友達を作りに来ただけだから、ジン君のコミュ二ティでもガルドさんのコミュ二ティでもどちらでも構わない。そうよね?」

 

「うん。」

 

「秋人君はジン君のコミュ二ティのほうが楽しそうだからジン君のコミュ二ティに入る。そうよね?」

 

「そうだな。」

 

「そして私、久遠飛鳥は裕福だった家も、約束された将来も、おおよその人々が望みうる人生の全てを支払ってこの箱庭に来たのよ。それを小さな一地域を支配しているだけの組織の末端として迎え入れてやる、などの慇懃無礼に言われて魅力的に感じるとでも思ったのかしら?だとしたら自身の身の丈を知って出直して来て欲しいものね。このエセ虎紳士。」

 

「お・・・お言葉ですがレデ「黙りなさい。」・・・・・・・!?」

 

「私の言葉はまだ終わってないわ。貴方からはまだ聞きたいことがあるの。貴方はそこに座って、私の質問に

答え続けなさい。」

 

飛鳥がそう言うとガルドは動かなくなった。いや、厳密に言えば動こうとしているが体が動かないのだ。

 

「ヒュー。それが飛鳥さんのギフトかな?凄いじゃん。」

 

「ええ。恐らくそうのはずよ。」

 

 

「お、お客さん!店内でのもめごとは困ります!」

 

店員を制して飛鳥が

 

「ちょうどいいわ。貴方も第三者として話を聞いて行って欲しいの。多分面白いことが聞けるはずよ。」

 

飛鳥は店員からガルドに目を移す。

 

「ねぇ、ガルドさん、確か貴方はこの地域のコミュ二ティに“両者合意”で勝負を挑み、そして勝利したと言っていたわ。だけれど、私が聞いたギフトゲームの内容と少し違うの。コミュ二ティのゲームとは“主催者”とそれに挑戦する者が様々なチップを賭けて行う物のはず。・・・ねぇ、ジン君。コミュ二ティそのものをチップにゲームをすることは、そうそうあることなのかしら?」

 

「や、やむを得ない状況なら稀にあります。しかし、これはコミュ二ティの存在を賭けたかなりレアケースです。」

 

「そうよね。箱庭に来たばかりの私達でさえそれぐらい分かるもの。そのコミュ二ティ同士の戦いに強制力を持つからこそ“主催者権限”を持つ者は魔王と呼ばれ恐れられているはず。その特権を持たない貴方がどうして強制的にコミュ二ティを賭けあうような大勝負を続けることができたのかしら?」

 

飛鳥は一度くぎり、

「教えてくださる?」

 

強調して言った。

 

ガルドは一瞬止まったがすぐに喋りだした。

 

「き、強制させる方法は様々だ。一番簡単な方法は、相手のコミュ二ティの女子供を攫って脅迫すること。これに動じない奴は後回し、徐々に他のコミュ二ティを取り込んだ後にゲームに乗らざるを得ない状況に圧迫していった。」

 

「まぁ、そんなことだと思ったわ。子者らしい堅実な手です。けれどもそんな違法な方法で吸収した組織が貴方の下で従順に働いてくれるのかしら?」

 

「各コミュ二ティから数人ずつ子供を人質に取っている」

 

「・・・そう。ますます外道ね、貴方。それで、その子供達は何処に幽閉されているの?」

 

「もう殺した。」

 

ガルドの言葉にその場が凍りつく。ーーただ一人を除いて。

 

「まぁ、そうだろうね。」

 

秋人が呟く。この発言に誰もが信じられなかった。トーンがいつもの調子と同じだったからだ。

 

しかし、そんな中飛鳥に命令されたガルドが言葉を続ける。

 

「初めてガキ共を連れてきた日、泣き声が頭にきて思わず殺した。それ以降は自重しようと思ったが、父が恋しい、母が愛しいと泣くのでやっぱりイライラして殺した。それ以降、連れてきたガキは全部まとめてその日に始末することにした。しかし身内のコミュ二ティの人間を殺せば組織に亀裂が入る。始末したガキの遺体は証拠が残らない腹心の部下が食っ

「黙れ」

 

ガチン!と音がなるほどガルドの口が勢いよく閉じた。

 

「素晴らしいわ。ここまで絵にに描いたような外道とはそうそう出会えないわ。流石は人外魔鏡の箱庭の世界、といったところかしら・・・ねぇジン君?」

 

ジンは否定するように言う。

 

「彼のような悪党は箱庭の世界でもそうそういません。」

 

「そう?それはそれで残念ね。ーーところで、今の証言で箱庭の法でこの外道を裁くことはできるかしら?」

 

「厳しいです。吸収したコミュ二ティから人質をとったり、身内の仲間を殺したりするののは当然違法ですが・・・裁かれるまでにに彼が箱庭の外に逃げればそれまでです。」

 

飛鳥は少し考え、

 

「そう、なら仕方ないわ。」

 

飛鳥が指をパチンと鳴らす。そうするとガルドの体に自由が戻る。

 

「こ・・・この小娘がァァァァァァァァ!」

 

ガルドが吠えるとともにガルドの姿が変わった。

 

「テメェ、どういうつもりか知らないが・・・俺の上に誰が居るかわかってんだろうなぁ!?・・・箱庭第六六六外門を守る魔王が俺の後見人だぞ、!!俺に喧嘩を売るということはその魔王にも喧嘩を売るってことだ!その意味が

「黙りなさい。私の話はまだ終わってないわ。」

 

ガチン!と音を立ててガルドの口が再び閉じる。

 

しかし、ガルドはそのまま飛鳥に襲いかかる。

 

飛鳥に当たる瞬間ーー

動くな(・・・)

 

秋人がそう呟いた。その瞬間ガルドは動かなくなった。ガルドだけではない。飛鳥も耀もジンもそこにいた者全員が動かなくなった。

 

「あ、秋人君?悪いけどこれを解いてくれないかしら?」

 

「ん?ああ、悪りぃ悪りぃ。俺もまだまだだな。一瞬の感情にコントロールをうしなうなんて。」

 

秋人がそう言うとガルドを除いて皆、動けるようになった。

 

「今のが秋人君のギフトかしら?」

 

飛鳥が訊ねると

 

「いや、違うよ。今のはただの殺気。練習すれば誰でもできるよ。」

 

秋人がそう言うとガルドの方を向いて

 

「さて、ガルド君。君の作戦が悪いとは思わない。」

 

この言葉に全員が驚く。秋人はそれを無視して続ける。

 

「確かに人質を取るのはいい案だ。そしてとりかえせないように殺すのもいい案だ。さらに証拠が残らないようち死体を隠すのも悪くない。でもね、」

 

秋人は一旦止まり、ガルドにさらに強い殺気をはなち、

 

「お前は俺の仲間を傷つけようとした。だから、俺はお前を許さない。ーーしかし、俺は優しいからお前にチャンスをやろう。俺たちとギフトゲームしよう。お前の“フォレス・ガロ”の存続と俺たち“ノーネーム”との誇りと魂を賭けてな。」

 

 

 

 

 

 




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