この度は東方projectの二次創作小説を投稿いたしました。小説を書くこと自体初めてで、間違いが恐ろしいほどあると思います。
なので、見つけたらご指摘していただけると嬉しい限りです。
どうかどうか、暖かい目で見守っていってくださいませ。
その少年は「誰にも見えないなにか」が見えていた。
それを知った友人や知り合いは次々と少年から離れていった。そして、家族も。
ある日、山の中に車で連れていかれた。少しの間ここで待ってて、と両親から言われたので少年は大人しく待っていた。だが、1時間待っても、2時間待っても誰も来てくれなかった。賢い少年は捨てられた事に気が付いた。
どうせなら、誰にも知られずに死のう。
そう思い、少年は枯れ葉の上に横たわった。
何時間たっただろうか。突然、シャリシャリと枯れ葉を踏む音が聞こえた。
もしかすると捨てられたのは自分の勘違いで、両親が迎えに来てくれたのだと思った。一筋の光明が見えた気がした。
だが、現実は違った。
自分を迎えに来てくれたと思ったのは、一人の女性だった。
何をしているんだ。
飽きれ顔でいってきた。
少年は2度も裏切られた気分になり、泣き出した。
女性は驚き、焦り、あたふたしながら不器用に自分を慰めてくれた。
優しい人だ。
少年は直感的に思った。
それから少年は自分のことを一つも隠さず説明した。「誰にも見えないもの」の事、両親に捨てられた事。
その一つ一つに女性は真摯に対応してくれた。
女性は、少年が生まれて初めて手に入れた信頼出来る「友達」だった。
何かを思い付いたのか、突然、女性は持っていた竹の子を見せてくれた。
竹の子はな、ずっと空に向かって伸びていくんだ。
意味が分からなかった。馬鹿にされていると思って、強い口調で意味を聞いた。
女性は少年が勘違いしたことに気づいたのか、苦笑しながら答えてくれた。
竹の子は真っ直ぐ伸びていく。君もどこかで道を間違わずに、今のまま真っ直ぐに人生の道を進んでいけ。という意味だ。
女性は背伸びして手を空に向けて竹の子の真似をした。こうだな、こう。と行っていたのが面白くて、つい笑ってしまった。
それから、いろいろ雑談した後に女性がアメをくれた。
そこは竹の子だと言ったが、私の物だと言って聞かなかった。
妙な子供っぽいところが面白くて、アメでいいよ、と笑いながらいった。
すると、勝ち誇ったかの様に、じゃあアメでいいな、と言ったのでまた笑ってしまった。
少年はまだ話していたい気持ちを押さえて、別れを言った。
すると女性は、またな、と言った。
「またな」という言葉が心地よくて、笑顔になった。
後ろは振り返らずに、またね、といった。
少年は決めた。生きると。
そしてまたいつか、あの人と出会うのだと。
少年は、後ろも過去も見ずに未来だけを向いて歩きだした。
ずっと昔の話。
少年の名を、館山 颯矢(たてやま そうや)
女性の名を、上白沢 慧音(かみしらざわ けいね)
といった。
「あなた、幻想郷に行きたいとは思わない?」
ある夏の日、公園で颯矢が一人でアイスを食べていたときに現れた女性は言った。
「は?なんですかそれ」
「幻想郷は幻想となったものがたどり着く場所。あなたには幻想郷へいく権利があるわ」
「はぁ…」
口からはあきれた様子をみせたが、否定できなかった。
颯矢は世界に存在するはずのない「誰にも見えないなにか」が生まれつき見えるのである。
「ふふ。自分がどういう存在か、分かっているようね。苦しくないかしら?自分一人だけまわりとは違う存在で」
「ええ、苦しいですよ。なんで僕がこんな目に?そんな自問自答の繰り返しです。…答えてはいませんけどね」
無表情のまま颯矢は言った。
「こんなことを言われても無表情なのね」
「この目のせいでね。表情が無くなりましたよ」
颯矢は周りから受けたストレスで表情がなくなっていた。
「もう一度聞くわ。幻想郷に行きたいとは思わない?」
「思いませんね」
その言葉を聞いて、女性は大きくため息をついた。
「もういいわ」
「強引にいくわね」
そういうなり、ベンチの下に空間が現れた。
「え、うわっ」
なんとか、ベンチを踏み台にして空間に吸い込まれずにすんだが女性への敵対心は増える一方だった。
「なかなかいい運動神経してるじゃない。でもね、私はあなたを助けてあげようとおもったのよ」
「助ける?」
「そう。あなたはいつも現実から逃げてばかり。逃げるから、みんなあなたから逃げて行く。家庭も、友人も、みらいさえも」
その言葉を聞いて体が動いていた。もう、我慢の限界だった。
自分をさんざん非難したその女性の顔めがけて握りしめた右手をくりだす。
だが、女性と自分の間に現れた空間に体ごと吸い込まれてしまった。
空間の中で見た夢でさっきの女性が現れて言った。
「ようこそ、幻想郷へ。幻想郷は全てを受け入れるわ」
空間に落ちてから長い夢を見ていた。いや、今でも見ているのだろう。
今まで自分が裏切られた時のことを断片的に見ている。
ふと、別の場所から声が聞こえた。
おい、大丈夫か?
どこか懐かしいとても落ち着く声だった。
目が覚めると、自分では知らない場所だった。
見渡しても和風なものが置いてある家だった。
「ああ、目が覚めたか。良かった。これ、お粥を作ってきたんだが食べるか?」
「はい、ありがとうございます…」
「どうした?あ、自己紹介がまだだったな。私は上白沢慧音だ。おまえは?」
「館山颯矢です。えっと、ここはどこですか?」
「敬語じゃなくていいよ」
敬語を使わないことには抵抗があったが、使わないわけにはいかなかった。おそらく、両手で数えられるほどしかタメ口をきいたことはないだろう。
「ここはどこ?」
上白沢さんは満足そうに頷いて答えてくれた。
「ここは、私の家だ」
「いや、そうじゃなくてですね」
「敬語」
「…そうじゃなくて、この世界は何?」
「なんだ、そう言うことか。ここは幻想郷だが?」
「やっぱり…」
あの出来事は夢ではなかったのだ。ならば、自分はどうすればいい?こんなところに!一人きりで!
そう思った後思い直す。今まで自分はずっと一人きりだったじゃないかと。
「颯矢は外の世界から来たのか?」
「来たというか、連れてこられただけど」
「なら、この村で住めばいいじゃないか!まわりには人食い妖怪がいるけれど、ここは人里―」
「―ちょっと待って」
「?」
「人食い妖怪ってなんの事?」
人食い妖怪は名前の通り人を食べる妖怪のことである。
「名前の通りだ」
颯矢は直感した。ここは危険だと。
「人里の外に出るのは危険だよね」
「そうだな」
「中なら?」
「襲われない限り大丈夫だな」
「なら、ここに住みます」
人里が安全なら人里に住む以外ありえないだろう。
「おお、そうか!それならさっそく―」
家のドアが開かれる音がした。
「おーい、慧音!邪魔するぞ」
「おおっ、妹紅」
二人で仲良さそうに話している。恐らく慧音の親友なのだろう。
ふと、自分の過去を振り返ってみる。今までに親友、あるいは友達と呼べる存在がいたかと。
自分はいつも、一人だった。
「颯矢、紹介するぞ。こいつは私の親友で、藤原妹紅(ふじわらのもこう)だ」
「館山颯矢です。よろしく」
「よろしくな。ほほぅ…」
握手をすると、なにやら変な目でこちらを見てくる。
「どうかしましたか?」
「いや、なに。慧音もいい男を捕まえたものだと思ってな」
そしてニヤニヤと慧音のほうを見る
そして慧音は顔を真っ赤にしていた。
案外、純情だった。
「そ、そそそそんな訳ないだろう!」
「あっははは、冗談だよ」
妹紅はこちらをチラリとみると、不思議な物を見るような目で言った。
「なあ颯矢、おまえさっきからずっと無表情のままだよな。どうしたんだ?」
「確かに、少し気になるな。どうかしたか?」
あんまり言いたくなかったが、断るわけにはいかないので渋々答えた。
この目の事、周りからどんな扱いを受けていたかなどを。心では無表情ではなかったが、顔に出ることはなかった。
全て話終えると、二人とも心の底から心配している顔で自分のことを見ていてくれた。
「そういえば颯矢が昔に会ったっていうその女は誰か分からないのか?」
「全然分からないよ」
「そうだよな、気になるんだけどなぁ…ん?どうした慧音」
慧音はうつむいていた。
よく見えないが、椅子に座っている慧音はハラハラしているような、恥ずかしがっているようにみえた。
「ま、まぁそんな事は忘れて近くに住んでいるみんなに挨拶をしにいこうな!な!」
「…わかった」
慧音の行動は謎だが、ほとんど無理矢理挨拶回りに連れていかれたので、問いただすことはできなかった。
今日は慧音の家に泊まったが何かあるといけないので、別々の部屋で寝た。
そうして、幻想郷での初めての夜が過ぎていったのである。
かなり主人公が暗い気がしますが、これから明るくしていきたいです。
投稿ペースの目標は1週間に1話投稿出来たらいいなと思っております。
ちなみに、私は早苗、慧音が大好きです。…要らない情報ですね。
それでは、またお会いしましょう。