猫踏んじゃった。   作:リボ

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act,00 猫ふんじゃった。

 

「まいど!!またおいで」

「ありがとうおっちゃん」

 

 レタスにピーマンにニンジンと白菜。よし、全部買ったね。

今日は大勢部屋に友達が来るから気合い入れてご飯作らないと。

あっ、ヤバイヤバイ。電車もう少しで来ちゃう。急がないと。

 

少女は商店街を少し早足で歩く。

今日はどうやら自室に友人を招いてパーティーを開くようだ。

今は足らない食材を買い込んで家に帰宅している真っ最中だ。

 

「ハァハァ、ちょっと早めについたね。後3分有るよ」

 

電車を待つ時間に余裕ができた。どうせもうすぐ電車はやって来るので少女はホームで待つことにした。

 

 

 

~三分後~

 

ガタンゴトン

 

少し待って目当ての電車が現れる。電車がホームに入ろうとしたその時。

 

···ーーーートン

 

「え?」

 

 

何者かによって体を後ろから押された少女の肢体は倒れ線路に落ちる。そして電車は段々と近づき

 

 

グシャッ

 

 

 

線路には鮮血が舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし線路上にあったのは少女ではない。猫の死体だった。

 

 

 

 

~~~~~

 

 

「..........ん」

 

少女の意識は覚醒し始める。

 

「あれ?私......?死んでないの?」

 

おかしいな。確か私は駅のホームで線路に突き落とされて......そのまま.....

それに......

 

回りを見渡すと一面の緑。

 

「山?」

 

私がさっきまで居たのは日本の東京の都心のはず。山なんて一つも無かった。

 

ガサガサッ

 

「ッ!?」

 

近くの茂みが揺れた。余りに突然の出来事で思わずビクッとなってしまった。

結局茂みから出てきたのは小さな子犬。

私に気づくと近寄ってきて体をスリスリされた。

感想?超、モッフモフです。

 

その子犬は白くて尻尾が特徴的な子犬であり、恐らくだが何故か私に凄くなついている。

子犬を撫でようとして手を伸ばす。子犬は怯えもせずに私を受け入れた。

何て言うか......母性本能を擽られます。

 

 

 

 

~~~~~

 

さっきの子犬とは別れを告げ、今度は周辺を散策することにした。

それにしても綺麗な山だ。まだ日本にこんな所があったなんて少し驚きだ。

それにしてもさっきから色々な動物を見かける。

猫や猿、綺麗な野鳥に都会では見ない野生のリスに何故か絶滅したはずの狼。

皆私を見ると体をすり寄せたり舐めてきたりする。私は動物は好きな方なので嫌どころか寧ろ歓迎である。

そもそも私は虫以外の生き物は基本的に大丈夫だ。小学校は生き物係をずっとやってたっけ。

 

 

 

「兎に角ここが何処なのかを調べる為に山から降りないと」

 

そう、何時までも山に居ては家に帰れない。友人を待たせているのだ。

散策しながらも少しずつ下山していたので麓はすぐそこだ。

 

少女は山を下山する。恐らく少女は本当は分かっている。"ここは自分が居た世界じゃ無いこと"くらい。でも認めたく無かった。

まだ沢山やり残した事がある。出来るならば叶えたい。お団子をお腹一杯食べたり山のようなケーキを食べたり。

少女は必死に自分を騙して有って無いような希望を握りしめて下山する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 麓に着いた。

やっぱり私がいた所じゃない。恐らく日本の何処を探してもこんなに空気が澄んでいる所は無い。

 

「やっぱり私、死んじゃったのかな」

 

仮に死んでいたとしても私には家族が居ないし......別にやり残した事といってもパフェをお腹一杯食べたいとかそんなである。

悔いは無い。無い......けれど。

 

「涙が止まらないや.....」

 

少女の目からは涙が止まらなかった。

何故だろう。

 

「考えていても仕方ない......よね」

 

少女は涙を必死に堪えて取り敢えず乾いた喉を潤しに近くの綺麗で飲めそうな河川を探した。

 

 

 

 

 

 少女は絶句した。川の水面に写ったのは自分の顔......ではあるが頭に耳?が付いている。

正確には憑いているのだがこれはまだ本人は知らなくて良い真実だ。

 

ピコピコ

 

耳をピコピコさせてみる。え"?

なんで?なんで私の頭に耳が付いているの?コスプレなの?

それによくよく見れば尻尾が着いていた。さっきの子犬に負けず劣らずなモッフモフの尻尾だ。私は犬なのか?

いや、そんなハズは無い。

 

 

 

 

 

うん、......慌てても仕方ない。

妙に落ち着いた私は水を飲み、近くに雨風を凌げる洞穴を見つけた。

 

 

 

「兎に角暫くはここで生活しようかな?」

 

どうでも良いが、サバイバル検定一級を持っている私は火を起こし、さっきの川でとった魚を焼いて食べた。

 

 

「美味しい......」

 

空気が澄んでいるせいか食材にも臭みが無い。

これがあれば幾らでもご飯食べれます。そのくらい美味しいです。

 

辺りはすっかり夜になっている為体を丸くし、尻尾を抱き枕にして私は眠りに就いた。

 

明日はちょっとこの辺りを歩いてみようかな......

 

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