「はぁ、疲れた」
「お疲れ、ミホ。さ、寮まで一緒に歩いて行こ?」
「うん......」
初日からウサギ達の愛の告白の嵐によってぐったりとしているミホ。
まぁ、無理も無いだろう。クラスの子のみならず上級生まで駆けつけて来たのだ。しかもこの学校は兎に角人数が多い。
ミホに告白に来たのはざっと50~60人位で、恐らく日を増すと共に人数も増えて行くだろう。
因みに全校生徒(高校のみ)で20クラス×60人が三学年。ざっと3600人はいるだろうか。
ミオが寮に向かって歩き出す。そこで突然声がかかった。
「ミオちゃ~ん抱っこー」
「ッ!!!」
ミホがミオに抱っこをせがんだ。
ミホは気づいていないようだがミオのワイシャツは赤く染まっている。鼻血によって。
ミオは大量に出た鼻血を気合いで止め、ミホを抱き抱える。
本来ならワイシャツに付いた大量の血液で驚く所だがミオがミオを抱っこした時点で疲れから来た睡魔に負けて寝ていた為助かった。
校舎から寮までは2km程歩かなければいけない。
その長い道のりを歩く間には沢山の同級生や上級生、先生を見かける。
現在、ミオはミホを抱っこして歩いている訳だが、視線が痛い。
その視線の多くは妬み、もしくは萌えだ。
まず、妬みについて説明すると所謂ミホのファンからが大概だ。中にはいつの間に作ったのか背中に"ミホたん親衛隊"と書かれたTシャツを着ている者もいた。
そして萌え。これはミホとミオ。どちらも好きなファンからの視線だ。
中には「私とミオ様の娘がミホちゃんなのね」とか「hshsミホミオ丼hshs」とか「ミオ様~!!私を罵ってぇ~そしてミホちゃんがそれを慰めてそのままprpr」
萌えには二党あり、"家族派"か"変態派"である。
しかしどうでも良いのでここでは割愛させて頂こう。
兎に角色々な意味で痛い視線を耐えながら"何故おんぶではなく抱っこをしてしまったのか"と考えつつ寮まで歩いた。
二人は気づいていないがこんな輩も実はいたりする。
「待っていてねミホちゃん。今すぐその汚い所から助け出してあげるね」
その内殺人事件が起こらない事を願おう。
~~~~~~
「(えっと、1956...1956)」
寮まで何とか歩ききったミオはミホの自室となる部屋の番号を心の中で呟きながらその部屋を探す。
「(あ、有った1956。私の部屋と案外近いんだ)」
ミオの部屋は1936、ミホの部屋とは5部屋隣の更に向かい側の部屋だ。
(ミホ、●、●、●、●)
(○、○、○、○、ミオ)
走れば3秒も無い距離だ。
これは月読の配慮で、唯一の知り合いであるミオの部屋は近い方が良いとの事で一番近い部屋をミホに貸し与えたそうだ。
「(鍵、鍵っと有った)」
ミオはミホの鞄を漁って部屋の鍵を取り出してミホを落とさないようにしながら鍵を開けてドアノブを回し、部屋に入った。
やっとの思いでたどり着いたミホの部屋にはまだ物は置いていなく、綺麗と言うよりは何もない感じだ。
「(しんどいけど......もう一踏ん張り)」
ミオはミホをベッドに寝かせるとキッチンへと向かい、一旦自室に戻って取ってきた食材を使って料理を始める。
どうやらミホの大好物のミオ特性オムライスを作るようだ。
ミオ特性オムライスはフワッとした半熟のオムレツの中に特性チキンライスを入れた料理店顔負けのオムライスである。
最後に出来たオムライスにラップをし、テーブルに置いて隣には置き手紙を書いた。
"ミホが寝ちゃったから直接言えなかったけど入学おめでとう!!
今日は特別にミホの好きな特性オムライスを作って置きました。食べてね♪
明日も大変だけど一緒に頑張ろう。それから朝は部屋に迎えに行くね。大体
7:30位に迎えに行くから byミオ"
「よし......部屋に戻ろう」
完全に疲れきったミオはフラフラの足取りで自室に向かい、部屋に戻って即バタンキューだ。
もしかうぃたらミオはミホよりも疲れていたのかもしれない。しかしミホの為ならと言って何時も頑張ってきた。
「お休み.....ミホ」
ミオは呟くと泥のように眠りに就いた。
~~~~~~~
「うん......ん....」
ミホは目が覚めた。今の時間を確認するために時計を見る。
現在の時刻は3:00。変な時間に起きてしまった。
「あ、オムライス......ミオちゃんが作ってくれたんだ」
目覚めてお腹のすいたミホの鼻孔に懐かしくて大好きなあの香りが漂ってくる。
テーブルを見るとそこには懐かしいあのオムライスが置いてあり、その横には手紙が置いてあった。
「ミオちゃん......ありがとう」
思い返せば何時もミオに助けられていた。
出会ったのは小学6年の時だった。
私は親の都合で田舎から東京へと引っ越す事になった。転校先では"田舎者"と言うだけで少し冷めた目をするものも居て、ミホにとっては最悪だった。
ある日、登校中に一人の女の子が目の前にいきなり現れた。
女の子は"ちょっと可愛いからっていい気にならないでよ。田舎者の癖に"と突然言われた。
ミホは困惑した。別にいい気になった覚えは無いし、田舎者とかはそれに関係ない。
しかし気の弱かったミホには言い返せなかった。
そんなとき、彼女が現れた。彼女はミホを庇い、相手も傷つかない言い方でこの場を丸く納めて見せた。
その瞬間、ミホは彼女みたいな女になりたいと思った。
まぁ、思っただけであるが。
「美味しかったです。ご馳走さまでした」
ミオに感謝をしつつ、この微妙な時間に何をするかを考えていた。
課題は今日は出ていない。特に授業も難しく無かった。二度寝をすると多分寝坊してしまう。
考えた挙げ句。
「予習しときましょう」
......偉い。
どこぞのアホ作者にも見習って欲しい。メメタァ
~~~~~~~
チュンチュン
「ん?もう朝かぁ……」
勉強していた手を止めて閉まっていたカーテンを開ける。
部屋一杯に陽光が射し込む。
「今日も1日頑張るかぁ!!」
洞穴で生活していた頃と違って快適なので疲れもあまり溜まらない。
学校へ行く準備をすませ、牛乳を飲み、朝食を食べて歯磨きをし、着替えたミホはミオがやって来るのを待っていた。
ピンポーン
チャイムが鳴った。時刻は7:25。
おおよそ時間通りだ。
教科書を詰めた鞄を持ってミホは扉を開けた。
「おはよう!!!」
「......?うん、おはよう」
「オムライス美味しかったよ♪」
「それは良かった」
二人は何時ものように、前までのように小もない事を駄弁りながら学校へ向かった。
~~~~~~~
下駄箱にて
「えっと、私の靴箱は....あ、あった。」
ミホが靴箱を開けると。
ドドドドドドドドドドド..........
ミホは一瞬で白い何かに埋もれてしまった。
「ミホ!!大丈夫か!!!」
「ミオちゃ~ん。助けてー」
「分かった!!」
大量の何かから引きずり出されたミホはまるで朝からとんでもない物を見たかの様な顔だった。
因みに雪崩れた何かは明らかに靴箱の容積よりも多い容量が出てきた。
ミオが何かを手に取った。何か文字が書いてある。
「何々......ってラブレター!?」
「ミオちゃん、こっちもだよ」
なんと全てミホ宛のラブレターだったと言う。
ハプニングで始まる1日。ミホは今日も頑張ります。
暫くは東方と言うよりは学園物になりますね(笑)。
東方要素0に等しいです。
作者が学園物好きだからね、仕方ないね。