とある血涙の奇形変種(フリーク)   作:iとθ

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 原作登場人物はまだ出てきません。次でようやく出します。

 一話は書いてて、これビミョーだなぁと我ながら思いましたのであんまり期待しないでください。


1話 ばけものの日常

 本を読み、ハラハラし、感動し、涙する。この本を書いた人と、つながっていられる。人と同じような感情を抱くことができる。本を読んでいるその間は自分がばけものだということを忘れられた。

 

 気が付けば、俺の部屋には本が所狭しと並べられていた。本棚には入りきらず、床にまで積み上げてあるような膨大な量は、近くの古本屋で購入し、やがては売られていくのだった。バイトとかで入ってきたお金は半分以上が本に消え、食費、光熱費はどうにかやりくりできている状況だ。

 

 そんな中、俺は一人の小説家に出会った。彼女の名はM.T。最初に彼女の本を読み終わったとき、体のそこから何か、言葉では到底言い表せないようなものがこみ上げてくるのを感じた。あえて言葉で表すなら、登場人物の境遇が俺に似ていたこと、そして救われたこと。その二つが重なって、もしかしたら彼女だったら救ってくれるかも知れないという期待と、もし拒絶されたらという恐怖心が混ざって溢れ出したような気持ち。

 

 結果として、自分から彼女に会いにいくとかそういう行動は起こせなかった。でも俺は彼女の本を心の支えとして生きていくことになった。本棚の一番取り出しやすいところにM.T作品を並べる。同じ名前が本棚に並ぶとコレクションのようでなんとなく達成感を感じる。やりきれなくなったときはその本にすがりつき、希望を見出す。そんな毎日を送っていた。

 

 中学の頃はコーヒーを飲みながら読書って何かいいな、と思っていたのだが、ページをめくる方に熱中してしまいコーヒーは一、二口飲んだだけで気が付けば冷め切っているということが何回も発生したため今はやってない。カッコつけてブラックのんだら、あまりの苦さに中身を捨てるという事例もやめてしまった要因の一つだ。

 

 飯は、コンビニでパンとかおにぎりとか。安かったら弁当とかを食い続けてきた。不健康極まりないのは百も承知だ。だから飯を作ろうと思い立ったし(その日の夜にはコンビニに走っていった)、いつかは手作りの料理とか食べさせてもらいたいなぁ、とか思う。

 

 人とは深い関わりを持てないけどそれでも友人関係はそれなりに築いていると自負しているし、今の生活にはそこそこ満足している。そのせいで、普通の人になりたいとますます渇望するのだが。

 

 つい先日のことだ。M.Tの代表作が映画化された。普通の人に見えるように、青春をエンジョイしているように見えるようにしたいのもあって、俺は映画館に足を運んだ。悲しいかな友達は捕まらなかった。補修とか、いろいろあるようだ。

 

 映画は子供の頃―7歳ぐらいの時に一度くらいは見たことがあった。その記憶はとてもしょぼいもので、ああなんとなく見た気がするという程度のもの。

 

 真っ暗な劇場の中、スクリーンが俺に見せた景色は美しかった。

 

 まず映ったのは空。ただひたすら青い背景、そこにある真っ白な雲。だんだんとカメラは下を映していく。そこに現れたのは小道。桜の並木道。どこかの屋上から撮影した風景だろう。風が吹き、葉が揺れる。一本の桜の木の下で見上げているのは背の高い少女。繊細な顔立ちで、人形みたいな彼女はこの物語の主人公で、この場面は本でいうプロローグに当てはまる。

 

 ただ、それだけのシーン。15秒あまりのそのカットだけで、俺の心を震えさせるのには十分だった。

 

 上映が終わっても、しばらくの間俺は席を立つことができなかった。あの本の世界がスクリーンの中で何倍にも美しく描かれていたから。それをゆっくり噛み締める時間が欲しかった。

 

 映画っていいな。素直にそう思えた。7歳の時はまだきっと感性が豊かじゃなかったんだろうなと思う。でも、今は。

 

 それから俺は週に一度か二度、映画館に足を運ぶようになった。古本をM.T作品以外すべて売り、お金を作ったのだ。

 

 行く前からどれを見ようとかは決めずに映画館に行ったため、時間帯的にあまり面白いものがやっていないこともよくあった。でもそんな作品でも、これを作った人たちがどんな想いでこの映画に携わってきたか。素直に思いの丈をぶつけるつもりで挑んだのか、金が入ればいいという気持ちで撮ってきたのか。それを考えるとどんなB級映画でも、そこそこ楽しめることを俺は学んだ。

 

 尤も、それの下を行く、C級とやらはまだ見たことがないし、見る気も起きないと思っていたのだが。




 
 M.Tさんは誰でしょうか?ヒントは自分が感銘を受けた小説家さんですね。

 どうにか映画にこぎつきました。

 誤字脱字ありましたらご指摘お願いします。

 ひどい文でしたが次の話の出来はそこそこなのでよろしくお願いします。
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