感想等、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
一部分手直しさせていただきました
家に入るとすぐに封筒を開けようとする。開けた封筒の中には見慣れない字で文章が書いてあった。
○
坂崎いつかへ
いまお前がこの手紙を読んでいるとき、私はもう生きてはいないだろう。
なにせ今から13年後だ。私はとっくに力尽きていることだろう。
17歳になるといろいろな感情を抱くことが多くなってきただろう?
その中で常にお前の頭の中で蠢いている誰にも相談できない悩みが一つあるだろう。それが一番大きい悩みだと言うことは私もわかっている。
その体のことだ。肩から羽と腰のあたりから生えている触手、痛みを感じると不可抗力で目が赤くなってしまうこと、再生能力。
私はそれをよく知っている。自分が人ではないもののように思えるその感情も。醜い自分とひたすら向き合わなければならない地獄のような日々を。
J.Mという一人の研究者がいる。彼はいわゆるマッドサイエンティストで、数十人の
私もその一人だ。彼の所有していたRc細胞というのを体に埋め込まれた。背中から意味のわからないものが出てきて、痛みに苦しむ。そんな毎日。
私は失敗作だと、そう言われた。Rc細胞は無限の治癒力を持つ細胞なのになぜうまくいかなかったんだと。
しかしRc細胞を組み込まれた人間は私の他にもいて、その中で唯一私が死ぬことなく手術を終えた。
そんな私の細胞からクローンを作るという計画が既に進行中だとJ.Mいわれたのだ。お前は用済みだと。
5年が経った。私のクローンにはその再生能力が備わっていたらしく、J.Mは満足気だった。
そのクローン、いやもうお前と言ってしまおう。お前には普通の暮らしをさせて、ここに連れ戻したら、その絶望も数倍に増すだろうなとニタニタとヤツは笑っていたよ。
なにせ、致命傷さえ負わせなければ再生する便利なものだからな。お前は。
○
ここで文は終わっていた。俺はどうしても二枚目を読もうとは思えなかった。
俺は想像してしまう。四肢を斬られた人がうねうねと貼って動いているそのさまを。吐き気がこみ上げてきた。
ほかの四人についても同様に頭に思い浮かべる。傴僂はひどく背中が折れ曲がっている・・・任意的にそうさせられた。きっとその体制のせいでひどく顔がむくんでいるだろう。
一つ目。単眼症という先天畸形がある。この場合、鼻が欠損している、もしくは非常に不完全な形であるため、生まれてもすぐにしんでしまうと本で読んだことがある。だが、残虐な行為をし続けているのだから生きて存在しているのだろう。超能力とは何の関係もない残酷な施術だ。
三本腕。これも先のひとつめと同じく希に存在する重複肢症の一つである。こういった極端な畸形胎児は先と同様生まれてすぐにしんでしまう。となるとやはりこれも、施術によって。しかも三本目の腕を兄弟からもがなくてはならない。それを思うと気持ちが悪い。
そして俺とそのオリジナル。
俺はそのJ.Mの遊び道具として生まれてきた。
いつか、という名前もヤツがつけたのだろうか。
いつか夢が叶いますように。そういう思いを込めて付けられた名前だと思っていたのに。
イツカ。サカザキ イツカ。
今まで、父と、母とつながっていた証であるその名前が頭の中でカタカナへと変換され、無機質な響きを含み始める。
怖い。真っ黒な水の中からその感情が浮かんでくる。
怖い。もしヤツに捕まったら・・・。壊れてしまう。
逃げなきゃ。ここから逃げないと、痛いのは嫌だ。
でも。
憎い。俺をこんな体にした、ヤツが憎い。
憎い。
行かなきゃ。助けに行かなきゃ、みんな死んじゃう。
でも。
怖い。
憎い。
怖い。
憎い。
俺はどうしたいのだろう。
前話から転じて、一気に暗い話ですね。
展開早いでしょうか?
誤字脱字あったらよろしくです。