『とらドラ~竜と虎と隼~』   作:Falcon

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つべこべいわずにつべこべぇ!!!


第十一話『うがーーーーー!!!!!~見惚れてたのは……~』

 

亜美が走り去った後、しばらく隼は呆然としていたが一つの結論を見つけた。

 

「そうか……………そういうことだったのか…」

 

沖田 隼は天才だ。いきなり不機嫌になり走り去って行く亜美を見て一瞬で気づいたのだろう。そして、彼の出した答えは………

 

「女の子の日だったんだな…」

 

…………………………やっぱり彼はバカなのかもしれない…

 

Side隼

 

いや~、謎も解けたしすっきりしたな。亜美の奴、気にしてなきゃいいが………まぁ、明日普通に接してやれば問題ないだろ♪

 

「そういや…………最近、竜児の家に行く回数が減ってきてる感じがすんな………よし!! ちょっくら行ってみっか!!」

 

そして、竜児の家の前につき音を立てないように忍び込み部屋の襖を思いっ切り開けた。

 

「おーっす、竜児!! 隼さんが遊びに来てやった…………………ぞ?」

「………………え?」

「………………は?」

 

俺の目に飛び込んできたのは口を開けて呆けた顔をしている竜児と何故か水着を着ている大河の後ろ姿だった。

 

「き……………」

「木?」

「あ…やべ!!」

「きゃあぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

 

叫び声が上がると同時に飛んできた木刀が眉間にぶち当たり俺の意識は途絶えた……

 

SideOut

 

Side竜児

 

大河が隼をノックアウトしたあとの取り乱しようはすごかった……しきりに『ねぇ、竜児!! ハヤ君が!! ハヤ君が!!』と泣きわめく始末………あぁ……また、大家さんに怒られそうだ……そして、落ち着いたかと思えば『ハヤ君が見たのは背中だけだよね胸見てないよね? ……やだよ~、ハヤ君に胸が貧相って思われるのは嫌だよ~』と落ち込み出す始末……もう、勘弁してくれ……。そんな俺は現在、大河のために『偽乳パッド』を製作中だ。大河も俺が完成させるまでは寝ないと言って隣でゲームをやっている…………安心しろ大河、誰の目から見ても本物だと言えるような出来で仕上げてやる!!

 

SideOut

 

Side隼

 

う………いてて……なんだこの頭の痛みは? 昨日までの記憶が曖昧だ……確か昨日竜児の家について襖を開けて……………駄目だ、そこから先の記憶がない…。起き上って隣を見ると竜児が爆睡していた。時計を見て見ると現在8時5分……学校の始まる時間8時15分………………いやっべぇぇえええええええ!!!!!!!!!

 

「おい竜児!! 起きろ!!! お前ともあろうものが何やってやがる!!!!」

「…………………ん…ん? いや、俺…童貞だけど」

「どんな夢ぇぇぇぇええええ!!? 一体どんな寝惚け方してんだよ!! お前のキャラじゃねぇだろ!!? いつからボケキャラになってんだ!!!!」

 

なんとか竜児を起こした後、竜児は大河を起こし3人そろって学校まで走ってたんだが…………

 

「あ…………暑い…………」

 

暑さにより俺ダウン………………

 

「いやいや!!! なんでお前が俺達より先にダウンしてんだよ!! 昨日ぐっすり寝てただろうが!!!!」

「暑いのは駄目なんだよ…………それに昨日は全然寝た気がしねぇんだよ………なんか頭痛ぇし…………」

「ほ、ほほほ、ほら竜児、早く行くわよ!!」

「お、おぉ!! そうだな大河!!」

「あれ? なんかお前ら今、目逸らさなかったか?」

「ハヤ君!! 遅刻するよー!!」

「ほら、隼!! 話している暇はないぞ!!」

「おい、人の目を見てから発言しろよ。って、こら!! 逃げんじゃねぇ!!!!!!!」

 

なんとか学校には間にあったがモヤモヤするこの疑問はなんなのだろう?

 

SideOut

 

朝の授業が終わり水泳の時間が始まろうとしていた更衣室に向かう前に竜児と大河がなにやら目でわかり合っていたのを隼は不思議そうに見ていた。そして、プールに着き隼は当然見学なので体操服に着替えた後、日陰にあるプールのベンチに寝っ転がり竜児たちの到着を待っていた。すると……

 

「『ファルコン』様は泳がないので?」

「ははは……………お前はホントケンカ売るのが上手いなぁ~……香椎ぃ~!!」

「む………香椎じゃなくて奈々子!! 昨日、言いましたよね?」

「うぇ!? いや、言ったけど……今はそんなことより!!」

「(ピクッ…)……………『そんなこと』?」

「あ………いや………(え? なんで俺が責められてるんだ? 俺が悪いのか!?)」

「そっか~…………隼君にとって私は取るに取らない存在なんですね………」

「(なんで涙目!!? この場面、他の奴に見られたら俺が悪者じゃね? それとも俺が悪いのか!?)いや、そんなことねぇよ!! な……奈々子///」

「ホントに?♪」

 

先ほど目に浮かべた涙は一体何だったのか奈々子は満面の笑みで隼に笑顔を向けてきた。隼はあまりの代わり身にからかわれたと多少青筋を浮かべるが奈々子の笑顔を見てその怒りも吹き飛んでしまい奈々子の笑顔に見惚れていた。

 

「ん? どうしたの隼君?………もしかして、私の水着姿に見惚れちゃいました?」

「ば……違ぇよバカ!!/// 俺が見惚れてたのはお前の笑顔………あ…」

「…………………そう…ですか////」

「(俺はなにこんな恥ずかしいことを本人の目の前で言ってんだぁぁぁぁぁぁああああああ!!!! やべぇよ……絶対、思われたよキモいって……今後の関係に影響がなければいいんだが…)」

「(まさか隼君が私のことをそんな風に思ってたなんて………やっぱり隼君は他の子に取られたくないですね//// よし!! 頑張ろう!! 奈々子ファイト!!)」

 

隼は他の皆が来るまで頭を抱えていて奈々子はそんな隼の横で終始ニコニコしていた。

 

Side隼

 

あ~………なんか駄目だ……今日の俺はおかしい……あれか?暑さか?暑さのせいか? さっきの発言とかもう駄目だろ………昔の少女漫画かよ……『見惚れてたのはお前の笑顔だぜ!!(キラン)』……………………。

 

「うがーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

「うわ!! いきなりどうした沖田!!?」

「タカっちゃん!! ハヤっちゃんがこの暑さでおかしくなった!!」

「とりあえず抑えつけるぞ!!」

 

竜児と能登と春田に抑えつけられてから冷静になってきた………よし、忘れよう。クールだ……クールにだ俺………よ~し…落ち着いてきたぞ…。俺が自分を落ちつけていると男子の注目を受けていた亜美と目があった。亜美は何を思ったのかにやりと笑ってから俺の方に向かって来た。

 

「な~に見てんの? 隼ったら亜美ちゃんに見惚れちゃってた?」

 

………………………『見惚れてたのはお前の………』

 

「うがぁああああああああああ!!!!」

「え!!? いきなりなに!!?」

「バカチー!! ハヤ君になにやったのよ!!!!!!」

「ははは!!! どうしたんだ沖田? 叫びたい気分なのか? よし!! 俺も一緒に叫ぼうじゃない0か!!!!」

「アホなこと言ってないで止めるの手伝え!!!!!」

 

……………………もういっそ殺してくれ………

 

SideOut

 

隼も落ち着き、授業が始まった。まぁ、授業といってもプールで自由にするだけなので完全に遊びなのだが…。

 

「隼君、大丈夫? なんか、凄い暴れたって聞いたけど?」

「あ~………うん、大丈夫だよゆりちゃん。暑さにやられただけさ~」

『(つうか、担任!!!!! なんであんたがいるよ!!!!!!???)』

 

そうなのだ、何故か英語教師である担任の恋ヶ窪 ゆりがジャージにサングラス手袋と紫外線対策ばっちりな格好をして隼の横で談笑しているのだ。それを見た男子は『必死か?』と勘繰り女子は『やらねぇぞコラ!!』と目が言っていた。

 

「隼君はプールに入らなくてもいいの? 今日、暑いわよ?」

「プールに入ると泡になって消えてしまうからはいれないんすよ~」

『(どこの人魚姫!!!!!!!!)』

「…………まぁ、他は真面目にやってるから…………ん?真面目にやってたかしら? 他の授業も大体寝てたような………」

「ゆりちゃん!! 俺、ちょっとプールの水に足浸からせて来るわ!!!!!」

『(あ、逃げた…………)』

 

都合が悪くなり逃げ出す隼にゆりは『しまった!!』と心の中で叫び他の女子は『よし!!!』と思わず声に出していた。

 

Side隼

 

あ~少しは生き返るぜ………。俺は今、プールの水に足をつけてくつろいでいた。俺がくつろいでいるといきなり顔に水が凄い勢いでかかって来た。

 

「油断大敵だよ隼君!!!!」

「ぶはっ……実乃里か? いきなりかけんなや!!! つうか水鉄砲の威力強いな!!? どうやってんだ?」

「ふふふ…そいつは秘密さ………これは櫛枝家秘伝の一つだからね。隼君が櫛枝家に入るのならこの秘密を教えてあげようじゃないか!!!!」

「なに、プロポーズみてぇなこと言ってんだ………あ~あ…眼帯濡れちまったじゃねぇか……」

「そいつはすまねぇ……(ホント、鈍感だな~……)」

 

このままじゃ蒸れちまうな………。俺は眼帯を取って乾かすことにした。すると実乃里が驚いた表情でこっちを見てきた。ん?

 

「どうかしたのか実乃里?」

「隼君が眼帯取るの初めて見た…………。見た感じ外傷があるように見えないけど…」

「眼帯は別に怪我を隠すためじゃねぇよ……」

「そっか~、それじゃあ……カッコつけかい? そういうのは中学までで卒業しないと…」

「中二病でもないわ!!!!!」

 

俺は片目を閉じたまま少し不機嫌に対応してしまった。しかし実乃里は俺のそんな態度にも笑顔で冗談を返してくれた。…コイツのそういうところはありがたいな…。その後、実乃里はじゃれあってる竜児と大河を発見して二人の方へと向かって行った。

 

「暑いなら入ればいいのに…。別に泳ぐわけじゃないから入れるでしょ?」

「お、亜美か。だから泳げねえわけじゃねぇんだよ」

「だったらホントの理由教えてよ」

「ヤダ」

「ケチ」

 

亜美は俺の横に座るといきなり愚痴を言いだした。なんでも大河を体型のことでからかってやろうかと思ったら思ったよりもスタイルがよかったとか…………。

 

「くっだらねぇ~………つうかお前ホント根性悪いな。………へぇ~ホントスタイル悪くないな」

「あんたが本当の自分出せって言ったんだから仕方ないでしょ…。つか、なにジロジロ見てんのよ変態…」

「人聞きの悪いこと言ってんじゃねぇ!! だいたい俺はスタイルどうこうで相手を判断はしねぇよ!!」

「やましい気持ちが無いんだったら私のこと真正面から見なさいよ…」

 

ジト目で見てくる亜美………。別に真正面から見るくらいなんとも…………なんとも………無理!!

 

「やっぱ、目逸らした。このムッツリ!!」

「ちょっと、待て!! ムッツリは止めろ!! それなら普通に変態の方がよっぽどいいわ!!」

「じゃ、なんで顔逸らすの?」

「……………………だよ…」

「聞こえな~い」

「似合いすぎてて見てるこっちがドキドキすんだよ//// 言わせんなよドS……//」

「ふ、ふ~ん、そうなんだ~/// 亜美ちゃんだから似合ってるのは当然だし…///」

『……………………///////////』

 

き…気まずい………俺があまりの気まずさに何か声をかけようとすると……

 

「どうしたんだ沖田!! 亜美!! 会話もせずに隣で座り合って…………なんだか怪しいぞ?」

「ば、バカ!! 祐作、いきなり何言ってんのよ!!///」

 

祐作~~~!!!!!!!! なにさらに気まずい状況にしてくれてんだ!!!! てめぇ、あとで覚えとけやこら!! 俺は怨念めいた感情を祐作に向けるが祐作は俺のそんな感情に気付く訳もなくいつの間にか祐作の隣にいる実乃里となにやらひそひそとやっていた。そして、一段落ついたのか祐作と実乃里は不敵な笑みを作って亜美の足をつかんだ。

 

「え? ちょっと、祐作? 実乃里ちゃん? まさか……」

『よ~~……………そろ~~!!!!!!!』

「きゃあぁぁあああああ!!!!」

 

亜美は二人に引っ張られてプールの中に引きずり込まれた。『いえ~い!!』とタッチをかわす二人……その後、これを見た奴らが所々で落とし合いをしていた。

 

「押すなよ、絶対に押すなよ春田!!」

「振りかボケ!!!!!!」

 

飛び込み台の上でバカをやっていた能登をイラついた木原が蹴り落としていたり…

 

「ちょっと!! 北村君!? 櫛枝さん!? やめ……」

「どっせーーーーーい!!!!!!」

 

両手足持たれたゆりちゃんは祐作と実乃里にブランコのように揺らされて投げられていた………気の毒に……ん? 服を着てるゆりちゃんが落とされるってわけは………

 

「そら!!!」

「…………へ?」

 

俺は後ろから何者かに蹴られ気づいたらプールに落ちる寸前だった…………。あ~………マジか?

 

SideOut

 

Side竜児

 

俺は北村と櫛枝にプールに叩きこまれ水から上がるとクラスの奴に蹴り落とされる隼の姿が映った。

 

「あれ? 隼君、落とされちゃったけど大丈夫かな?」

 

隼は泳げるから溺れることはない…………しかし、問題は…

 

「あれ? もしかして逢坂さんって泳げないの?」

 

川嶋のその声を聞いてプールの真ん中を見て見ると溺れる大河の姿が……………って落ち着いて状況把握してる場合じゃねぇぇぇぇェえええええ!!!!! しかも胸パッド一つ外れて浮いてやがる!!? 俺は周りにばれない様にパッドを取り大河の元に助けに行った。

 

SideOut

 

水泳の時間が終わりに近づき皆が着替えに向かっている時に竜児が担任に『隼の具合が悪いので少し休ませてから着替えさせてもいいですか?』と進言し許可をもらい祐作と竜児は隼に付添いベンチで他の奴が着替え終わるまで座っていた。

 

「悪いな竜児…気を使わせて。祐作もすまんな。」

「気にすんなよ。親友として当たり前のことだ。」

「そうだ、沖田!! 気にすることはない!! 俺は親友でありクラス委員として当たり前のことをしてるだけだ!!」

 

『そうかよ』と、隼はケラケラと笑い空になった更衣室に入り濡れた体操服を脱ぐと傷だらけの背中が姿を現した。

 

「コイツだけは他の奴にはまだ見られたくないからな…………」

「……………隼…」

「……………沖田、俺の替えの下着だが………使うか?」

「使うかボケ!!!! ………大丈夫だ、こんなこともあるかと思い4着持ってきた!!」

「いや…………そんなドヤ顔で言われても困るんだが……」

「そんなに使うものなのか? …………!!!! まさか、沖田……早漏…」

「祐作? 面貸せ、ぶん殴るから♪」

 

隼は逃げる祐作を追いかけその後ろを竜児が追いかけていった。走る三人の表情は誰から見てもいい笑顔だった。

 

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