『とらドラ~竜と虎と隼~』   作:Falcon

12 / 14
ボールを相手のゴールにゴールにシューーーーーー!!!!


第十二話『不器用な者たち~雨降って地固まる~』

 

「それにしても逢坂さんがカナズチとはね~………なんだかお気の毒~。かわいそ~。今まで随分恥かいたんじゃないかしら~」

「教室に入っての第一声が嫌味を聞くことになるとは……」

「はぁ………………」

 

隼達が着替えてから教室に戻ると亜美が大河に先ほどの件について嫌み攻撃をしていた。それを見た隼は呆れ竜児は後に自分に振りかかる災難を思い溜め息をついた。

 

そして、どういう理論でそうなったかは不明だが…大河泳げない=竜児も海やプールにいけない=かわいそう=うちの別荘に来ない?…という感じに話が進んでいった。まぁ、十中八九大河に対する嫌がらせなのだろうが……。大河は不機嫌な表情で教室を出ていこうとするが………

 

「もちろん隼と祐作も一緒に行こうね~♪」

 

足がピタリと止まった。

 

「あ? なんでさ?」

「おお、中々楽しそうだな!!」

「だって高須君だって私と二人きりじゃ居ずらいだろうしやっぱり気心知れた友達がいたほうがいいでしょ?」

「ん~、わかるようなわからないようn「ちょっとバカチー!!! なんでハヤ君まで巻き込むのよ!!!」うぉ!!?」

「え~、逢坂さんには関係ないでしょ?」

 

まさに一色即発な空気を出す二人。そして、その二人がぶつかろうとした瞬間………

 

「やめときな………拳に傷がつくぜ?」

「お前もいきなり何言ってんだ?w」

「シャラップ!!!!!!!」

「ぶっ!!?」

 

実乃梨に突っ込んだ隼だったが実乃梨は強烈なチョップを隼の頭に叩き込んだ。

 

「っ~~……何しやがる?」

「隼君、人が話してる時に横入りはいけね~な、いけね~よ………」

「最初に横入りしたのはお前d」

 

隼に最後まで言わせず実乃梨は『揚げ足を取らない!!!』と言って二発目を放った。頭を押さえる隼を尻目に話は進んでいき結局、スポーツ対決となりアミダの結果……………水泳という大河にとって無理ゲーな勝負になった。

 

Side隼

 

これで今日一日が終了した。いや~、何気に今日は色々と濃い一日だったな。それにしても今日授業中に大河がやけに笑顔で全員の顔色を窺っていたが何があったんだろ? あの授業中に回っていた紙に関係あるのだろうか? つうか俺のとこに来てないのは俺が嫌われているからか? え? マジで? 俺って嫌われてるの? うわ~……………………泣けてくるわ……

 

「隼、帰ろうぜ………って、なんで泣いてんだ?」

「ハヤ君どうしたの!!? なにかあったの!!?」

「竜児、大河……俺はいらない子か?」

 

竜児たちに話してみると呆れた顔をされた。

 

「まぁ、あの紙は気にすんな。面白いものじゃねぇから」

「そうだよ、あれはくだらないことしか書いてないから」

「て、いうか私も見てないし気にしなくていいんじゃない?」

「あんたの場合は嫌われてんじゃないの?」

「んだとコラ!! テメエにだけは言われたくねえよ!!!」

 

そして、始まるお馴染みのケンカ。しかし、亜美も見てないのか。よかった…もし、自分だけだったら立ち直れんぜ。竜児『おい、隼!! 止めるの手伝えよ!!』なにやら竜児が呼んでる気がするが……まぁ、大丈夫だろう♪ 俺は帰りの支度を始めた。

 

 

翌々日、二度目のプールの授業が始まった。俺はまた落とされないようにベンチのとこに座っており練習をしている大河と竜児を見るが………………さすがに勝つのは厳しいかな…

 

周りから無理だろやら、勝負にならねえよなどの声が聞こえてくる。確かに厳しいだろが口に出して言う事じゃねぇだろが…。俺は言った奴らを睨むとそいつらは黙って泳ぎに行った。

 

「何、怖い顔してんのよ?」

「………………亜美か」

 

声のする方向に首を向けると亜美が呆れたような表情で俺を見ていた。

 

「別に…………ひそひそと言ってる奴らがウザかっただけだよ。」

「ふ~ん、前から思ったんだけど隼さ~、あの子を甘やかし過ぎてない?」

「あ?何言ってんだ?」

 

俺は意味がわからずにぶっきらぼうに返す。すると亜美は少し眉を顰めて口を開いた。

 

「ホントにわかんないの?」

「だから何を…「別に私には関係ないけどさ、答える気がないのに過剰に優しくするのは最低だと思うよ」………………」

「私はあんたじゃないから何を考えてんのかはわかんないわ。でも思わせぶりなのは止めた方がいいんじゃない?」

「………………………それならお前はどうなんだよ? 俺を別荘に誘うとかいう冗談…、これは思わせぶりな態度に入らないんで?」

 

俺は心の内を少し見透かされたからか少し強く言ってしまった。しかし亜美は俺に顔を近づけてからボソリとしかし耳に届く声で言った。

 

「冗談なんかじゃないよ」

「…………………………は?」

 

俺は自分の予想していた答えが180度違う事を脳が理解するまでにタイムラグが発生してしまった。

 

「私は本気で勝ちに行くつもりだよ。そして、勝って隼達と海に行くつもりだよ。ホントは隼だけを連れて行きたかったけどね♪」

「っ~~~~~~/////// お前な~!! だから思わせぶりな態度は止めろと…」

「ホントに思わせぶりなだけなのかな?」

「え?」

 

亜美は誰しもを魅了するよな笑みでそう言った後、去って行った。…………からかわれただけだよな?

 

「…………………調子狂うぜ…」

 

SideOut

 

 

それから二週間ほど雨の続く日が続いた。隼は朝起きて起き上ろうとすると背中の傷が疼いた。

 

「……………痛ぇ…」

 

しばらくすると背中の疼きも退いてきて隼はカバンを持ってから傘をさして一人で登校した。

 

「……こう雨が続くと嫌でも思いだすな…………」

 

隼は昔から朝、雨が降ると一人で登校していた。夕立などでは特に反応しないが朝5時くらいから雨が降っていると背中の傷が異常に痛むのだ。背中の傷痕は残っているが完治自体はしている。だが、朝の雨を感じると精神的な痛みを感じてしまうのだ。竜児もこのことを知ってはいるが隼は苦痛を悟られるのが嫌なので朝、雨が降る日は一人で登校するようにしていた。

 

「……っ(クソ…今日は異常に疼きやがる……………遅刻してから行くか?)」

 

隼はそう考え、公園の屋根付きベンチで時間でも潰そうかと思い足を動かそうとすると…

 

「隼君?」

「…………………………おぅ、おはよ」

 

厄介なのに会った……。それが現在隼の心の中を占めていた。

 

「隼君どうしたの!!? 顔色が悪いよ!!」

「あ~……………あれだ。イメチェン?」

「そんな趣味の悪いイメチェン無いよ!!? 凄い脂汗浮いてるよ!!」

 

参った…………。隼は目の前の人物をどうかわそうか考えるが………無理だという判断に至った。そんなことを考えている時に背中が疼き隼はつい表情を歪めた。

 

「隼君!!?」

「なんでも……ねぇから先に行ってくれ。後から追い付くから。」

「ほっとけるわけないでしょ!!!!!」

 

だよな……。実乃梨がどういう人物かよく知っている隼はその答えを聞き苦笑した。結局、少し休めばよくなるということは信じてくれたのか実乃梨は隼と共に公園のベンチで座っていた。

 

「ねぇ、隼君ホントに大丈夫なのかい?」

「問題ねぇよ…………あと、少しでいつもの隼さんに元どおりですよ」

「…………………どこか体悪いの?」

「…………………風邪だよ風邪」

「…ホントに?」

 

実乃梨は疑わしい目で隼を見る。隼は先ほどとは違う汗が流れていることに気付き内心焦っていた。

 

「ほ、本当に決まってんだろ。ほら、行こうぜ」

「あ、待ってよ~!! 隼君!!」

 

隼はそう言ってから学校へと向かった。ちなみに二人が着いた頃、二時間目が終わっておりこっぴどく叱られたのは言うまでもない。

 

Side隼

 

この日は珍しく晴れだった。しかも日曜!! こんないい天気の日は出掛けるしかねぇわな♪ 俺はさっそく予定を立てようとすると『悲しみの~、向こうへと~、辿り~つ~ける~な~ら~』着信が鳴り出した。そう言えばこの曲を聞いた時の春田の顔が引きつってたな……なんでだろ? 相手は……実乃梨か!!

 

『はい、もしもし~』

『隼君、今日暇でしょ?』

『実乃梨か…て、いきなり、暇人扱いかよ…………今日は天気がいいから散歩でもしようと思ってたとこだよ』

『それなら私も御一緒していいかな? 大河は今日、高須君とプールで練習みたいだから』

『別に構わないぜ。あ~そういえば、プールのチケット渡したんだった。まぁ、贔屓目なしで見て明日の試合は亜美の優勢かな?』

『おっと~…そいつはどうかな? 私はハプニングが無い限り大河の勝ちだと思うな~』

『大きく出たな~、ちなみに根拠は?』

『ふふふ~、私の勘は当たるのだよ、隼君。』

『なんだそれ』

 

俺はそう言って笑ってから電話を切った。

 

 

「なんでこうなるかね~」

 

俺は実乃梨と散歩してたんだが突然夕立が降って来た…。はぁ………珍しく天気がいいと思ったのに……。現在、俺たちはコンビニで雨宿りをしている。

 

「隼君、傘あったけど一本しかなかった~」

「そっか、じゃあ二人で使うか?」

「うぇ!!?」

「うぉ!! いきなりどうした?」

「その~…それってつまり~…………い…傘…だよね…」

「ん? なんて?」

「なんでもないさーーー!!? ほら、帰ろう? さぁ帰ろう!!!!」

 

実乃梨はなにやら頬を赤らめて肩で呼吸していた。いったいどうしたんだコイツは? さすがにコンビニで買っただけあって傘は小さかったのでかなり近い……というか……

 

「なんで俺の腕にしがみついてるよ?」

「え!? それはほら~…くっつかないと隼君も濡れちゃうし……ね?」

「いや……ね?と、言われてもな…」

「それとも……………嫌、かな?」

 

そう言った実乃梨は俺にはどこか悲しそうに見えた。

 

「嫌…ではねぇよ。ただ……その照れ臭いんだよ////」

「ホントに?」

「あぁ…//」

「ホントにホント?」

「しつけぇよ////!!!!」

「そっか…………えへへ///」

 

その後、帰りつくまで実乃梨は何故かご機嫌だった。俺はどっと疲れたよ……………

 

 

今日は色々と疲れ飯を作るのも億劫だったので竜児の家へと俺は向かった。

 

「おう、竜児~。邪魔するぜ~」

「………………あぁ」

 

ん? なんかテンション低いな…つうか不機嫌?

 

「大河はいないんか?」

「………………さあな」

 

あ~………なるほどね。

 

「ケンカか?」

「……………………」

「はぁ……………原因はなによ?」

「大河が俺のことなんてどうでもいいって言うからむかついたから……だと思う」

「……………ふ~ん」

 

どうでもいい……………ねぇ

 

「なぁ、竜児。大河はなんでそんなことを言ったんだ?」

 

そして、俺は竜児からことのあらましを聞いた…………なるほどな……

 

「はぁ…………お前らホント不器用でバカだな」

「…どういう意味だよ?」

「そのまんまだろ? だいたいチケットをくれた俺のため? お前はスカか? そんなわけねぇだろが…大河はお前のためにやってんだよ」

「あいつが俺のためにやるわけないだろ………」

「その決め付けで大河がキレたんじゃないのか?」

「あ………………」

 

竜児は気づいたのか目を見開いて固まった。

 

「アイツは不器用な奴だからな…………素直には言えないんだよ」

 

もうこれ以上言う必要はないだろ…。こいつらはもう大丈夫だ。俺は竜児の家を出て家に帰った。

 

SideOut

 

Side竜児

 

確かに今思えば俺はあのとき夕立が降ってもなお練習をすると言った大河を見てチケットをくれた隼のためなんだと思ってしまいそれを言ってしまった。

 

「……………不器用か…………そういえばそうだったな…」

 

明日謝ろう…俺はそう心に決め明日アイツの弁当も作ってやるために早く寝た。

 

SideOut

 

朝方は曇っていたが学校が始まる頃にはギラギラとした太陽が出て絶好のプール日和だった。そして、水泳の時間が始まり試合が始まろうとしていた…………まぁ、それは置いといて我らが主人公は………

 

「…………………快晴はないわ~………」

 

暑さによってダウンしていた。そして、そんな隼をほっといて男子陣はプールに現れた亜美を見て歓声を上げていた。何故なら亜美はビキニ姿だったからだ。胸の強調された黒のビキニを見て男子は悶絶していた。亜美は隼が自分に興味を持たずダウンしているのを見て少し頬が引きつっていた。そして、少ししてから大河が現れた。大河は大量の浮輪を武装していた。

 

「え?あれで泳げんのか?」

「すげ~!! ガン○ムみてー!!!」

「ちょっと、異物の持ち込みは無しでしょ!!」

「あら、だったら水着も脱がなきゃね? 異物でしょ?」

「……………このクソガキ………」

 

そして、試合が始まった。始まった瞬間に大河は大量の浮輪を亜美に投げつけた。そして、プールに落ちた亜美に飛びかかって水着を剥ぎ取って外に投げた。

 

「それじゃ、お先~♪」

「信じらんない! 信じらんない!!! 信じらんないーーー!!!」

 

亜美は大河を恨みがましく睨むが大河はどこ吹く風と受け流しかなりのスピードでビート板+バタ足で進んでいく。

 

「うおおおおおおおお!!!!」

「ん?」

 

興奮する男子陣の声を聞いて起きた隼は試合が始まってることに気付き大河がリードしてるのを見て目を見開いた。

 

「実乃梨の予知もたいしたもんだ………。あれ?」

 

隼は大河の様子がおかしいことに気付いた。恐らく足がつっている。隼はすぐに向かおうとしたが竜児がすでに大河の元に辿りついていたので落ち着いていた……………次の光景を見るまでは…

 

プールの外で暴れていた男子が竜児の頭の上に落ち竜児が水の中へと沈んだのだ。すぐに近くにいた大河が支えるが長くはもたないだろう。

 

「やべぇ!!!!!」

 

隼はプールに飛び込んで竜児たちの元へと泳いで行った。

 

Side隼

 

「触れるなーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」

 

なんとか竜児を助け出すことが出来た。体育教師が横にしていた竜児を運ぼうとするが大河がそれを制した。

 

「ばかばっかりだお前らはっ!! なんで気づかないのなんで竜児を助けてくれないの!! お前らみんな大っ嫌いだーーーーーー!!!!!!!」

 

大河は涙をボロボロこぼし声を張り上げた。

 

「竜児は私のだあぁぁぁぁぁあーーーーーっ!!! 誰も触るんじゃなぁぁぁああーーーーいっ!!!!!!」

 

そう言っておお泣きする大河。周りは気付かなかったが俺は竜児が微笑んでいるのに気づいた。

 

SideOut

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。