まぁ、読者さんったらいけない人!!
大河が隼にフられて(?)から数週間が過ぎた。竜児は大河のためにあれこれ考えてはいるが今のところ二人の関係を向上させるような出来ごとはなかった。そして、現在は高須家で隼と大河と竜児で飯を食べていた。
「うまっ!!? 竜児、この生姜焼きめっちゃうまいぞ!! 料理人になれ!!」
「いいすぎだ……。それにお前のほうが料理上手いじゃねぇか。」
「え!!? ハヤ君って料理出来たの!!?」
「おい大河…………そんなに意外か? 後、竜児……俺は確かに料理が得意だがこういった和食を作る腕ではお前の方が断然うまいぞ。」
洋食なら隼、和食なら竜児、隼は和食も大抵のものは作れるがやはり竜児には及ばないのである。まぁ、康子からしたら「どっちもおいし~」になるのだが…
「め………めし……めし…たべ……べたい…」
「おい竜児!! インコちゃんに飯をやってなかったのか!?」
「バカな!! 確かにやったはずだぞ!!?」
「う………う……うそぴょーん」
「………なんか腹立つわね………この鳥…焼き鳥にしましょうか?」
「竜児ー、包丁借りるぞーー。」
「お前ら沸点が低すぎだろ!!! あーーー!!!! インコちゃんの頭の毛が抜けたーーー!!!!!!!!」
「ストレスね…」
「ストレスだねーーー……………原因はなんだろな?」
「お前らだろーーーーが!!!!!!!!!」
隼の包丁を持った姿を見たインコちゃんは震えながら『食べてもおいしくない………多分』と言っていた。………今日も高須家は平和なようだ。
今日は休日、現在、隼と大河と竜児は喫茶店でデザートを食べながら満喫していた。そして、デザートを持ってきたのは隼達のクラスメートである櫛枝 実乃梨がウェイトレス姿でやって来た。
「ふふふ~………隼君、通常のパフェの六倍のメガパフェを頼んだよね?」
「おうよ!! 食うぜ!! 俺はぺろりと食うぜ~。」
「なんつう物を頼んでんだよ………」
「まず大河にはバニラアイス!! 大増量しといたぜ!!」
「ありがと、みのりん!!」
「そして~~~~~隼君にはこれ!!!!!!!!」
そう言って実乃梨は隼の前にメガパフェよりも明らかにボリュームのある物が置かれた。
「九倍の………ギガパフェだぜ!!」
「でかっ!!!?」
「これ大きさがありえないだろ!!!!!!」
隼の前に出された物はバケツのような大きさの器にたっぷりと入れられたパフェだった。しかし、隼は不敵に笑いスプーンを取った。
「くくく………これは俺に対する挑戦か実乃梨よ? このフードファーター隼を舐めるなよ!!!!!」
「おい、初耳だぞ…………」
「フードファイター隼よ………お前の実力見せて見ろ!!!」
「なんか盛り上がってるし邪魔しないでおきましょうか?」
「そうだな……」
実乃梨は仕事に戻り隼は一人でパフェに集中した。その横で竜児と大河は驚愕していた。何故なら大河が見ていた雑誌に載っていた人物……モデルの川嶋(かわしま) 亜美(あみ)が来店してきたからだ。ちなみに隼はまだパフェと戦っていた。頭部が小さく八頭身のボディー、肩まで伸びたサラサラの髪、子供のように小さな顔に店内の客はその姿に見惚れていた…一人のフードファイターを除いて…………。
「こ、この雑誌の人よね!!」
「あ、ああ…間違いないと思う!! って、隼!! 少しは興味持てよ」
隼は一度竜児に首を向けるがすぐにパフェに向きなおり再び食べだした。そして、川嶋 亜美を親しく呼ぶ人物を見て竜児と大河は飲んでいた飲み物を噴き出してしまった。さすがの隼も二人の有様に驚き手を止めてしまった。その人物とは北村 祐作だった。
「おい二人ともいきなりどうした!!?」
「あれ? 高須に逢坂に沖田じゃないか、奇遇だな!!」
「おう………じゃない!! 北村、あれはどういうことだ!!?」
「あれ? あれは俺の両親だが?」
「そうじゃなくってもう一人の!!」
「どうしたの? 祐作?」
すると二人の気になっていた人物、川嶋 亜美がやってきた。祐作は隼達に紹介すると亜美も自己紹介を始めた。
「初めまして! 亜美です、よろしくね!(うわ……なんかありえないぐらいの大きさのパフェがあるんだけど!! でもあの眼帯つけた子かなりレベル高くね? 亜美ちゃん、狙っちゃおうかな…)」
「お……おう」
「よ、よろしく」
「……ん。(そんなことよりパフェだよパフェ!! だけどさすがに会話中だし、初対面だし………あ~めんどくさ…)」
「(あれ? なんかこの子だけそっけなくない? 亜美ちゃんの魅力に気付いてないのかな?)」
その後、隼達のテーブルに置かれていた雑誌を甘い悲鳴を上げながら抱きかかえる亜美の姿に隼は思った。『なんか……わざとらしいな』と。そして、亜美が自分で自分のことを『天然』とよく呼ばれると言った瞬間に大河と隼の表情が変わり二人してこう思った……『こいつは猫を被ってる』と。
Side竜児
俺はいきなり北村にトイレに行こうと強引に誘われついて来たんだが北村はいきなり立ち止まり川嶋 亜美のことをどう思ったか?と、聞いてきた………どう思ったも何も可愛いとしか……。
「まぁ、逢坂と沖田は気付いたようだがな。」
「気付く?」
「ああ、今のあいつは仮面を被ってるにすぎない……沖田はストレートに言う奴だから多分、間もなく見れると思うぞ。」
北村にそう言われ俺と北村はしゃがんで三人の様子を見て見た。
「隼君って凄いカッコいいね♪ 本当は俳優かなにかやってんじゃない?」
「…………んなもんやってねぇよ……興味ねぇし」
「…………………………………………」
「へ~そうなんだ。隼君はカッコいいから売れると思うんだけどな~。」
川嶋はそう言いながら隼に近づいていた。大河は嫉妬するわけでもなく冷たい目で川島を見ていた。そして、隼の方を見て見ると…………あれはそうとうキレてるな…川嶋に質問攻めにあってる隼はこめかみをピクピクさせながら右手に持っているスプーンをへし折らんばかりに握っていた。
「予想通り沖田は不機嫌になってるな。」
「アイツがあそこまでイライラしてるの久しぶりに見たぜ……」
「まぁ、なんにせよそろそろだろう……」
俺と北村が話していると何かのへし折れる音がした。隼達の方を見て見ると隼の持っていたスプーンがへし折れていた。
「………………疲れた…」
「へ?」
「お前の相手するのが疲れたって言ってんだよ………俺は自分に嘘をつくやつが大っ嫌いなんだよ」
「や、やだなぁ~。一体、何の事だか亜美ちゃんわからないな~。」
「あんたが猫を被ってることなんて初めからわかってんのよ…………正直、相手するの面倒なんだけど?」
「…………うるっせぇよ!!!! テメエらに何がわかんだよ!!!」
確かに北村の言うとおりだ……。これが本性か………なんかさっきと正反対だな。腕のいい詐欺師になれるぜ。
「はぁ? 何も言ってないんだからわかるわけねぇだろが!! バカかお前?」
「バカ!? 亜美ちゃんにバカって言った!?」
「バカにバカって言って何が悪いよ。とにかく自分を偽ってる奴なんかとこれ以上話す暇はねぇんだよ!! そしてパフェのアイスが溶けちまうだろうが!!」
一通り言い争った後、川嶋は去って行き俺と北村は隼の元へ向かった。
「ごくろうだったな。逢坂、沖田。」
「ハヤ君の一番嫌いなタイプの人間だったよね?」
「まったくだ……。だいたい天然って言うのは実乃梨のような奴を言うんだよ。」
「あ~~…確かに櫛枝は天然だな。」
「うん、みのりんは本物の天然だね。」
「天然だな。」
「あ~………やっぱり結構、溶けてるな。あの野郎…………変な質問ばかりしやがって…おかげでパフェが溶けちまったじゃねぇか…」
隼は溶けたパフェを見ながら絶句していた。北村は困った表情を浮かべてから隼に話しかけた。
「沖田、頼みがあるんだが……………」
「はぁ~………………何よ?」
「亜美と仲良くしてやってくれないか?」
「!!!?」
川嶋と仲良くしてやって欲しいと隼に北村が言った瞬間、大河は唖然としていた。そりゃ、好きな人が別の女と仲良くするのは嫌だよな。
「アイツはホントはいいやつなんだよ………ただ接し方が下手なだけなんだ。きっと本当のアイツを知ればお前も気にいるはずだ。」
「アイツが本当の自分を皆の前に出せるようになったら自ずと仲良くなれるさ。だいたいなんで俺なんだよ? お前でもいいじゃねぇか?」
「……俺じゃ無理だ…いや、無理だった。でも……お前ならアイツの気持ちを理解してやれるんじゃないかと俺は思った。」
「………はぁ、期待すんなよ?」
その後、俺と大河と隼は北村と別れ現在家に向かっている。すると、先ほどから黙っていた大河が隼に質問をしていた。
「ね、ねぇハヤ君…………ハヤ君って、あの女みたいにスタイルがよくて可愛い方がタイプ?」
「ぶっ!?(なんつうストレートな質問してやがる!!)」
「ん?………ん~、別にそういうのには興味ないな。俺は一緒にいて楽しい奴がタイプだな!! カッコいいだけの奴だったら大河も嫌だろ?」
「うん!! そうだね!! そうだよね!! ………えへへ」
隼がそう言った瞬間、大河はわかりやすいくらい頬が緩んでいた。そして、それをした本人はと言うと……『……帰りにハーゲンダッツを箱買いするか』と真面目な顔で呟いていた。というか、なんでハーゲンダッツごときで真面目な顔をするんだよ!? 俺がそう考えていたら俺の頬を隼の拳がかすった。
「………貴様……今、ハーゲンダッツ様を侮辱しなかったか?」
「し、してない!! 神に誓ってしてない!!(様づけ!!?)」
こいつはエスパーか!!? ホントに変な時だけ勘がいい……。そういえば、北村が隼に川島と仲良くしてやってくれって言ってたけど………会う機会もうなくないか? そう考えていた俺は明日になって仰天することになるとはこのとき思いもしなかった…。
SideOut
Side隼
俺は一旦、竜児たちと別れてスーパーに向かった………そう、ハーゲンダッツを買うために。すると目の前にクラスメイトを発見した。
「あ、沖田君だ!! お~い!!」
「木原…近くでそんな大声出すなよ……聞こえてるっつうの。」
「こんにちは『ファルコン』様♪」
「ははは………香椎…ケンカ売ってんのか?」
一人は木原(きはら) 麻耶(まや)、見た目はギャル系だが可愛らしい女の子だ。少し自己中なのが傷だが…。もう一人は香椎(かしい) 奈々子(ななこ)、口元にホクロのある温厚な美人だ…………と思っていたんだがどうもコイツは少し黒い………会っては俺に向かって気にする一言を言いやがる。……俺が一体、何をしたというんだ!! ………このセリフ最近よく使ってる気がしないでもないような気もない!!
「それで…『ファルコン』様は何をお探しで?」
「よし、わかった。やっぱ、ケンカ売ってんだな♪」
「沖田君、暇ならこれからカラオケに行かない?」
「女子しかいませんから必然的にハーレムですよ♪」
「だからお前は俺を何だと思ってやがる……。あ~、悪いが俺にはやるべきことがあるのであしからず…」
俺はそう言ってアイス売り場に向かおうとしたが二人に肩を掴まれ動けない。
「あのぉ~……何か?」
「行くよね、カラオケ♪」
「いや、だから行かな…」
「行かないって言ったら……私…ここで『きゃ~、この人痴漢!!』って大声で叫んでしまうかもしれません…ショックで」
「脅しかよ!!? なんでショックを受けたら脅されんだよ!!」
「ほら、行くよ!!」
「行きましょうね♪」
「って………離せーー!!!!!」
俺は二人に引っ張られながらスーパーを去った………ハーゲンダッツが……。カラオケの部屋には『例』の会員だらけで呼ばれまくったよ…………あの忌々しい呼び名で……
「あらどうしたんですか?『ファルコン』様?」
「お前はもう黙れーーーーーー!!!!!!!!!」
今日は不幸の連続だった……。おそらく厄日だったのだろう……。明日になれば少しはマシになるかな? そう思いながら今日一日が終わった。
SideOut