『とらドラ~竜と虎と隼~』   作:Falcon

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くそ……ネタが思いつかない……酒、飲まずにはいられない


第六話 『俺……思うんだ…合コンって……戦場だよな…』

 

連休明けの爽やかな朝だった…………。担任の恋ヶ窪 ゆりが「転校生がいます」と言って、そこに現れたのは…………

 

「今日からこちらに転校してきました、川嶋 亜美です。よろしくお願いします♪」

「うそぉ!! あれって本物の亜美ちゃん!!?」

「あらあら、まあまあ♪」

「うおぉ~~~!!!!! すげぇ!! 本物の亜美ちゃんだ!!」

「やべぇ、ちょ~~~可愛い!!」

「………………嘘だろ…」

「………ちっ」

「みんな、よろしくね♪」

 

川島 亜美であった。クラス中の大半は亜美の登場で盛り上がるがその中でも竜児は信じたくない現実に項垂れていて、大河は不満を隠すことなく表に出していた。そして、この前、亜美と言い争った張本人はというと………………

 

「…………zzzzzzzzz」

 

寝ていた………。大河からの相手を射殺すような熱い眼差しを見なかったことにした亜美は隼がいることに気付いた。そして、自分がいるにも関わらずぐうすかと寝ている隼を見て他の人からはわからないレベルでこめかみをピクピクさせていた。ゆりも隼が寝ていることに気付き呆れながら近づき持っていた出席表で隼の頭をコツンと叩いた。

 

「こら、起きなさい。隼君。」

「…………ん………んん……なぁ、知ってるか?」

「え?」

「死神は…………リンゴしか…………食べにゃい………」

『(……………………………………寝言なのか?)』

『(猫みたいで可愛い……///)』

「寝ぼけんな!!!!!!」

「痛っ!!!!!!!!! 何が起こった!!? 敵襲か!!!?」

 

寝惚けてる隼に対しゆりは出席表の角っこで隼の頭を叩いた。あまりの痛みに隼は混乱しながら辺りを見渡してゆりと目があった。

 

「…………………………寝てません。」

「いや、無理でしょ。どう考えても寝てたでしょ。涎のあとついてるわよ!!」

「え!? マジですか!!?」

「嘘よ。」

「………………………図ったな、シャア…」

 

生徒と教師が普通はやらないようなやり取りをしていると隼はゆりの格好がいつもの可愛い系の服と違ってジャージにパーカーというラフな格好になっていることに気付いた。

 

「あれ? ゆりちゃん、なんか服装かなり変わったけどイメチェン?」

「…………………………」

 

隼がそう言った瞬間、ゆりは目に見えるくらい落ち込んでいた。それを見たクラス中は思った。「あ~………地雷踏んだな」と………。

 

「先生はね…………この休みにね……………最後っぽい弾をね………打ち損じましたぁ!! でも……でもね……仕事は頑張らなきゃね……」

「ゆりちゃん、その………なんかゴメン……」

「いいの………いいのよ…………どうせ私なんて……もうすぐ三十路だし……もらってくれる人なんて…」

「ゆりちゃん!!!!!」

『なっ!!!!!?』

 

クラス中が驚愕の声を上げた。何故かというと隼がゆりを抱きしめたのだ。それを見た女子の大半は黒いオーラを放っており男子は寒気のようなものを感じていた。

 

「大丈夫……いつか必ずゆりちゃんのことをわかってくれる人が現れるから俺も応援するから……」

「は……隼君………」

「ゆりちゃん………」

「隼君!!!!!」

「ゆりちゃん!!!!!!!」

「え………っとぉ…………私忘れられてるのかな?」

「みんな聞いてくれ。実は亜美は俺の幼馴染でもある。同じクラスとは思わなかったが仲良くしてやってくれ。では、朝のホームルームは以上だ!! 起立! 礼!」

「つか………あの茶番劇はスルーなのか?」

「ハヤっちゃん、すげぇ~~!!!」

「…………………………(なんか面白くない…)」

「あらあら…………………………(どういじってあげようかな?)」

「………………………(ゆっくり、お話しようじゃないか…隼君)」

「……………………(ハヤ君の馬鹿……)」

「…………アイツだけは読めねぇ…………」

 

ゆりと隼が抱きしめあってるのを尻目に祐作は号令をしてようやく朝のホームルームが終わりゆりは隼から離れた後、名残惜しそうにして職員室へと去って行った。そして、隼はというと……………

 

「な、なぁ…? 俺なんかやったか? なんか女子の視線がいつもと違って怖いんだけど……」

「…………………お前……本気で言ってるのか?」

「なんかモテても鈍感って哀れだな…」

 

女子の視線にビクビクしていた。能登は女子に人気のある隼を羨ましさ半分、哀れみ半分で見ていた。亜美はというと他の男子や女子にちやほやされていた。

 

そんなこんなで時間は経過し三時間目の数学が終わったところで隼は席を立ち自販機へと向かった。そして、それを後ろから追う者がいた。

 

「ん~~~~…………オレンジか………グレープか……………いやここは…………この『これであなたもマッスル山田!! 筋肉ジュース!!!』でいくぜ!!」

「いや、ありえねぇでしょ……」

「あん?」

 

隼が自販機のとこで筋肉ジュースのボタンを押すと同時に後ろから亜美に声をかけられた。隼は呆けた顔をしてから答えた。

 

「何でお前がこの学校にいんだ?」

「………今日、転校してきたでしょ…。あ~……そういや、あんた授業中ずっと寝てたわね……………」

「そうか、そりゃ悪かったな。」

 

隼は悪びれもなく平然と返した。亜美も「べっつに~」と返し自販機にお金を入れた。隼は壁によりかかりジュースの蓋を開けようとすると亜美に声をかけられた。

 

「あんた随分と人気じゃん。女子からも男子からも高評価だったわよ」

「そりゃ、嬉しいね。んで? お前は俺になんか用でもあるのか?」

「別に~話しかけただけ。…………………あんた、あたしのこと嫌いじゃなかったの? さっきから随分と普通に返してるけど…」

「何を勘違いしてるのか知らんが俺は『偽ったお前』が嫌いなんだよ」

「はぁ? 意味わかんないんですけど?」

 

隼は亜美の返答にやれやれとオーバーリアクションをとった。亜美はそれが気に入らなかったのか少し機嫌悪そうに顔を顰めた。そして、隼は言った。

 

「だから、猫被りしてない普段のお前なら俺は好きだって言ってんだよ。」

「んなっ!!?//// 好きって///……バ、バカじゃねぇの!!?」

「……なに紅くなってんだ? 大丈夫か? あ!! これ飲むか?」

「いるか!!!!!!!」

 

隼は急に紅くなった亜美を心配して、筋肉ジュースを差し出すが亜美に力強く拒否されてしまった。チャイムもなり二人は教室へと帰って行った……教室に帰る途中、亜美の顔は常時真っ赤であった。

 

本日の授業が終わり隼は竜児と大河と共に高須家に帰る……………………そのはずであった……。

 

「………………おい…竜児………………なんだこの状況は?」

「……頼む……………………何も言わないでくれ…」

「なんで、木原がいんだよ……」

「はぁ? うるせぇよ能登。文句があるならお前が帰れよ。」

「まぁまぁ…二人とも落ち着いて…楽しくやろうよ楽しく!!」

「亜美ちゃん、春田君にさんせ~い」

「………………………………」

「ふふ……能登君と麻耶ちゃんは仲いいね」

『どこが!!? なんでこんな奴と!!?』

「息ぴったり~♪」

 

能登が「亜美ちゃんの歓迎会を含めて合コンを行おう!!」と言ってからが始まりだった……それを聞いた亜美が「私、合コンって初めて♪」とノリノリに賛同し麻耶と奈々子を誘ったのだ。そして、竜児は春田と能登に押し負けて参加し大河は「……ハヤ君が行くなら…」と渋々来て、隼は竜児に「今日はファミレスで飯を食べる」と聞き、やって来たのだがこの現状を見た隼は唖然としていた。

 

「お!! 沖田、やっと来たのか。」

「能登…なぁ? こりゃ、一体なんの集まりだ?」

「亜美ちゃんの歓迎会だよ。」

「ほら『ファルコン』様も座って座って♪」

「香椎~…………てめぇ~…………」

「ねぇ、奈々子ちゃん。『ファルコン』ってなんのことなのかな?」

 

奈々子は隼のことを説明するとそれを聞いた亜美は無邪気な『作り』笑顔を作って隼に言った。

 

「なら、私も『ファルコン』って呼んじゃおうかな♪」

「出来ることなら勘弁してほしいな~…(言ったら地獄見せんぞコラ……)」

「(やっぱり、不機嫌になってきたな…)」

「(皆の前だから抑えてるけどこのままじゃあのバカチワワ相手に我慢できなくなるかも…)」

 

竜児と大河がそう心配していると亜美はいきなり大河に話しかけてきた。

 

「そういえば…逢坂さんって、お友達いるの?」

『………………………………』

「…………あぁ?」

 

亜美の発言に全員が固まった。竜児と隼以外は『亜美ちゃんの天然が出た~』と思っているのだろうが竜児はこれから起こるであることを想像するだけで頭が痛くなった。しかし、隼は笑顔を作って言った。

 

「俺も竜児も実乃梨も大河の『友達』だぜ♪」

「そうよ……わかった?(ありがとハヤ君………でもなんでだろ………少し複雑…………)」

「そうなんだ~、ごめんね逢坂さん。(ちっ………なんかむかつくわね)」

『ほっ…』

 

それから落ち着いたところで春田が「王様ゲームやろ~!!」と宣言しそれにほぼ全員が賛同し王様ゲームが始まることとなった。

 

「最初に言ったけど過激なのは駄目だよ。よくて…………抱き合うくらいかな?」

「……………うわ、なんか興奮してきた」

「死ねよ、発情期のサルが…………」

「ハヤっちゃんにタカっちゃん、暗いぞ~」

「なんで俺まで…………」

「…………それは俺のセリフだろうが竜児……巻き込みやがって…」

「…………(ハヤ君と抱き合う……………………//////)」

「まぁまぁ、隼君も楽しみましょう?」

「なんでこういう時だけお前は名前で呼ぶんだよ?」

「ふふ……乙女のひ・み・つ♪」

 

そんなこんなで第一順目が始まった。最初の王様は……………

 

「あ…俺が王様だ…………」

「よし!! 高須、景気づけに一発かましてくれ!!!!」

「高須君!! あんまりひどいのは勘弁ね!!」

「亜美ちゃんに当たったらどうしよう~♪」

『(変なの当てたらわかってんな?)』

「(ブルッ……寒気が…)え~っとじゃあ………一番が四番に膝枕で」

「制限時間はどうすんの?」

「五分くらいでいいんじゃね~? それで一番と四番って誰?」

 

すると二人が手を上げ一番が奈々子で四番が隼だった。隼は逃げようとしたが能登が「あれ? 沖田ともあろうお方がまさか敵前逃亡を?」の発言で抵抗するのをあきらめた。

 

「気持ちいいですか? 隼君?」

「あ……あぁ…/// 悪くない…………///」

「そうですか♪」

「………………………………」

「大河……………………気持ちはわかるが抑えろ………」

「………………なんか、失敗した気分だ……」

「…………いいなぁ~、ハヤっちゃん」

「いいな~亜美ちゃんもしてもらいた~い。(なんかモヤモヤするわね……)」

「………………(やっぱり、面白くない………)」

 

そして、五分がたち奈々子は満足げな顔、隼は無表情だが顔を真っ赤にしていた。そして、二順目の王様は………大河だった。大河は不機嫌そうな顔で言った。

 

「…………二番が三番にデコピン」

「え? デコピン?」

「よかった~思っていたのより全然、軽いやつだ~」

「それで二番と三番は? 俺は三番だが。」

「あ、俺だ。」

『え!!!!!?』

 

それを聞いた能登の顔は青ざめていた。女性陣はたかがデコピンでなんでそんなに青ざめているのか不思議に思ったがこの後の惨劇を見て納得することになる。

 

「そんじゃ、行くぞ~」

「頼む!! 手加減してくれ!!」

「せいっ!!!」

 

隼がデコピンを放った瞬間、能登は後ろに吹き飛んで気絶した……。そして、それを見た皆は声が出ないでいた。その後、帰還不能になった能登をおいて三順目が行われた。次に王になったのは奈々子だった。

 

「それじゃあ~四番がここのメニューにある『男達の汗から抽出された煮汁ドリンク』ってやつを飲むってことで」

「そんなのあるの!!? って、私じゃん四番!!!!」

「なにそれ~亜美ちゃん怖~い!(当たらなくてマジよかった………)」

「うへぇ~…なんか名前からヤバそう…」

「ていうかこの店大丈夫なの?」

「いや、駄目だろ…………」

「……だが、なにか気になるな…………一回飲んでみても……」

「よせ!! 絶対に後悔するから!! ……ほら見て見ろ、今、木原さんの前に持って来られた飲み物……………黄緑色してんぞ………」

 

麻耶は飲み物の色に怖気づくが気合いを入れなおしコップをつかんだ。そして…………

 

「麻耶………逝きます!!!!!!!!!!!」

 

文字通り飲んだ瞬間、麻耶は倒れ二人目の脱落者となった。そして、始まった四順目……王となったのは……春田だった。

 

「お~、やっと来た!! それじゃあね~二番が王様に抱きつく!!!!」

「……………………俺………二番なんだけど………」

『………………………………』

「………く………くくく………おい…笑うなよ…大河……」

「……………だ…だって…しょうがないよ………犬と……ぶふっ!!」

「あはははははは♪(は……腹痛ぇ……)」

「あらあら、これは誰徳かしら?」

 

その後、きっちり五分間抱き合った二人は周りの客に見られたり隼達に写メを撮られたりして色々な物を失ったショックでその場に倒れた。残るは四人…………表面上はチワワ『川嶋 亜美』、手乗りタイガ―『逢坂 大河』、意外と腹黒いぞ『香椎 奈々子』、取り残された唯一の男『沖田 隼』……。そして、始まったラスト五順目………王となったのは…………隼だった。

 

「え、えっとぉ~……………(え…なに? このプレッシャー? なんか怖い…)」

「……(最後はハヤ君と………最後はハヤ君と………)」

「……(なんかあってくれなきゃ亜美ちゃんつまんないな~)」

「……(隼君………最後にふざけたこと言ったらどうなるかわかってますよね?)」

 

隼は軽い物を言おうと思ったが何故か口からそれを言う事が出来なかった。言おうとすると体に寒気が走るのである……。そこで隼は直感的に思った…『何かインパクトのあることを言わなきゃ殺される』と…そして、隼が出した答えは……………

 

「さ……三番が王様とこの『カップル専用ドリンク』を一緒に飲むってことで……」

「は~い、私、三番♪」

「…………ちっ……」

「む~……………残念…」

 

飲み物を頼み持って来られた物は……………何故かグツグツと煮えたぎった液体だった。隼と亜美はそれを見て苦笑いを浮かべるしかなかった。そして、隼は飲み物を持って来てくれたウェイトレスさんを見て固まった………そこにはにっこりと笑顔を浮かべる実乃梨の姿があった…

 

「やあやあ、隼君。さっきから楽しそうだね♪」

「………実乃梨、なんか怒ってない?」

「全っっっ然!!!!! 怒ってないよ。あ、これは私からのサービスだから♪ …まさか隼君は女の子からの差し入れを無下にはいないよね?」

 

ごゆっくり~、と実乃梨は言って去って行った。後に残ったこの飲み物を隼は飲み「うん、滑らかな舌触りと甘さとしょっぱさと辛みと苦みが合わさってぶはっ…」と言って倒れ今日の合コンは終了した……。この日以来、隼が合コン嫌いになったのは言うまでもない………

 

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