今年は一段と暑い夏………先日、暑さと寒さに滅法弱い非万能型の隼は夏と言う強大な敵の前に膝をついたが今日の隼は昨日とは違っていた。
「くくく…………くはははははははは!!!!!! 夏よ……効かぬ……効かぬぞ!! お前の攻撃はもう俺には届かない!!」
「うわ~………昨日とはえらい違いね……」
「よっぽど嬉しいんだろな………………教室のクーラーが直ったことが…」
そう、隼のこのバカみたいなテンションはクーラー復活のためであった。朝、先日同様にフラフラしながら教室を開けた瞬間、隼は萎んだ花が再び咲き誇るかのように復活したのだ。
「お、どうやら直ってるな。昨日、朝一に届を出した甲斐があったな」
「祐作……お前って奴は……………大好きだぞ!! 友よ!!!!!」
「なにか状況が上手く呑めないが……俺もだぞ沖田!!!!!!」
「な……なんか二人の後ろに薔薇の花が…」
「ふふ、隼君ってそっちもいけるのかな?」
いきなり抱きしめ合った二人を見て女子の大半は顔を紅くしていたことにこの時の隼が気付くことはなかった。
「おい、お前ら………その辺で止めとけって……すげぇ目立ってるから…」
「………………………ふぅ………おいおい、今の聞いたか? まるお君よ~………」
「あぁ、聞いたぞ沖田よ………まったく、高須にはやれやれだ……」
「ホント、あんたは空気が読めないわね…………この駄犬…」
「え? なに? 俺が悪いのか?」
「高須………………まぁ、たまにはこういう日もあるから気にするな」
「そうそう、能登っちの言うとおり、今日はタカッちゃんの調子が悪かっただけだよね~」
「ちょっと待て!!? だからなんで俺がおかしいみたいになってんだ!!? え?なに皆、優しい目で俺を見てくんだよ!!?」
『…………………………はぁ………』
「なんだってんだよぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」
竜児の暴走のせいで朝のホームルームが遅れそうになるも『それも俺のせいかよ!!? 先生が来るの少し遅かっただけだろ!!?』無事に終わり今は一時間目の授業の準備をしてるものが多い中……二人の若者が向きあっていた……。
「…………本当にやるのかい? ………………遊戯」
「誰だよ!!?」
「聞く必要があるのか? みの…………城之内君」
「隼!?お前かよ!!? ていうかなんでわざわざ間違えて言いなおした!!? 城之内って誰だよ!!?櫛枝だろ!?」
「さすが高須、キレのいいツッコミだな!!」
「じゃあ………………始めようか!!」
『運命の~デュエルだーーーー!!!!!!!!!!』
お互いにカードを取り出しデュエルが始まった。最初は実乃梨(城之内)のターンであり実乃梨(城之内)はデッキからカードを引きそれを場に出した。
「俺は十円を生贄にして手札から『高須』君を特殊召喚するぜ!!」
「十円を生贄って………何でもありね……………」
「櫛枝が俺の絵の乗ったカードを………櫛枝が俺の絵の乗ったカードを……櫛枝が」
「お~い、高須~聞こえてるか~?」
「北村君、そんな駄犬は放っておいていいよ」
「つうかどこで売ってんだよ、あのカード……」
「いいな~あれ、俺も欲しいな~」
わけのわからない召喚方法に亜美はツッコミ、ツッコミ役が板についてきた竜児は実乃梨(城之内)の出した自分のカードを見て妄想の世界に入っていた。能登はカードの出来を見て「あれはやっぱり売り物なのか…?」と本気で悩んでいて春田は本気で羨ましそうに見ていた。
「まだ俺のターンは終わっちゃいねぇ!! リバースカードを一枚セット『北村君』を召喚してターンエンドだよ」
「ふっ……さすがだな城之内君…1ターン目から二体のモンスターを出すなんてな、『カビキラー高須』………攻撃力1800 守備力1500、持ち前の目つきで俺のモンスターの攻撃力を常に500ポイント落とす気か……厄介な……」
「なんかしれっとケンカ売られてないか俺?」
「気のせいだ、高須」
「さらに『人造人間北村』か………攻撃力2100 守備力200、クラス委員長パワーで俺のモンスターの攻撃は寄せ付けないか………」
「効果の前の内容はともかくちゃんとした効果はあるみたいだな……」
「なら俺のターン、ドロー!! ………俺は手札から『アホの春田』を召喚!! さらにこのカードがフィールドに出た時、手札に『むっつり戦士 能登』がいれば特殊召喚をすることが出来る!!」
「お~!!! 俺のカードだーーーー!!!」
「いや冒頭の単語はスルーか!!? 俺のカードちょっと待てよ!! それ完全に偏見だぞ!!」
「はっ…どうだか……」
「やんのか木原!!!!!」
「ほらほら、二人とも落ち着いて」
隼(遊戯)も二体のモンスターを出したがそれに動揺することなく実乃梨は不敵な笑みを浮かべていた。
「ふふふ………遊戯よ…何か忘れてはおらんかね?」
『(なんで爺さん口調に!!?)』
「私の記憶では『能登』君は攻撃力-300 守備力-300のいいとこなしモンスター…そして、高須君が出てる限り並の攻撃力じゃ勝てないよ」
「はっ!! そいつは居てもいなくても変わらない雑魚モンスターだから問題ない!!」
「扱いひどすぎだろぉぉぉぉぉおおおお!!!!!! -ってなんだよ!! 0以下とか聞いたこともねぇよ!!!」
「だがこちらには『春田』がいることを忘れちゃいねぇか?」
「確かに春田君は攻撃力2200 守備力1800と有能だけどそれだけじゃ… 隼(遊戯)「春田には雑魚を呼ぶ以外に効果があるのさ」なん……だと……」
「春田は鈍感(バカ)故に…………相手のあらゆるカードの効果を受け付けない!!!!!」
『(わ……なんか納得)』
「竜児を殺しターンエンドだ!!」
「物騒なこと言うんじゃねぇ!!!!!!」
「あの~………授業を始めたいのですが?」
いつの間にか来ていた先生は苦笑いを浮かべていつの間にか隼達の周りに集まっている生徒達に話しかけた。隼と実乃梨は渋々、カードを片付け……ることはせずそのまま放置することにした。
Side隼
授業が終わるたびにデュエルの続きをするが中々決着がつかない………だがそれももう終わる。四時間目の歴史は自習になったから決着をつけてやるぜ!!
「この時間に決着をつけようか………城之内君!!!」
「望むところだぜ!!!」
「俺は場にいる『腹黒な美少女 あーみん』と『能登の嫁 まーやー』と『クラス№1の巨乳 奈々子』を生贄にするぜ!!」
「(隼のやつ絶対昼休みに仕返ししてやる………でも)……美少女ってのは悪くないかな……///」
「だからさっきも言ったけどこんな奴の嫁なんかじゃないってばーー!!!!」
「俺だってお前みたいな奴、嫌だよ!!!!」
「あらあら/////(隼君は胸の大きな子が好きなのかな?)」
「いでよ…………………『生徒会長 狩野すみれ』!!!!!!!!」
「………やはり神を出して来たね……攻撃力 言い値 守備力4000……魔法も罠も効果も効かない」
「言い値って………実質無限だな……」
「やっと決着着いたわね……………」
「俺の勝ちだな」
俺が竜児と大河の言葉を聞き笑みを浮かべそう言うと実乃梨は不敵な笑みを作り場に伏せてあったカードを捲った。……………!!!!? そ、そのカードは!!!?
「ば……バカな……」
「気付いたようだね…伏せカードオープン!!!! 私は『幸せの手乗りタイガ―』を発動する。このカードは相手が神を召喚した時に発動できる、神の召喚を無効にし……手札から『大河』を特殊召喚する!!!」
バカな最後の最後で……『もう一人のボク………』はっ……相棒…『あきらめちゃダメだ、まだ君には出来ることがある』だが……このターンをエンドした瞬間、『手乗りタイガ― 大河』のフィールドのカードどころか相手のデッキを破壊する凶悪な効果で一掃されてしまう……俺にはもう手が……はっ!! いや、待てよ……そうか!!『気付いたようだね』あぁ、相棒!! 俺は勝つぜ!!
「リバースカード、オープン!!! 『20代最後のアプローチ』!! このカードは相手に俺の墓地の一番下にあるカードを言ってもら……「『能登』君」そして言えなかった場合相手の場にあるカードを無効……って、え?」
「だから『能登』君!!」
俺は一番下のカードを見て見た。……………『むっつり戦士 能登』だな、うん。あまりのあっけなさに俺は膝をつき俺は敗北した。その後、俺はやつ当たりに能登を追いかけまわした。『俺のせいじゃねぇーーーーーー!!!!!!!!!!!』とか言っていた気がするが知るか!!! 畜生があぁぁぁぁああ!!!!!
SideOut
本日の授業は無事に終わり帰りのホームルームの時だった。担任の恋ヶ窪 ゆりがにこやかな笑みを浮かべてから口を開いた。
「知ってる人は知ってるかもしれませんが今週から、いよいよプール開きです。楽しみですねぇ、体調をきちんと整えてから挑みましょう!!」
「え~! この学校って男子と水泳一緒なのー!!? やだやだ、はずかしいー!!」
「(川島 亜美!! あんたスタイル超いいし超可愛いじゃん!! つうかモデルじゃん!!!)」
「う~、にのうでが気になる~」
「(バカたれが……あんた等、若いんだからいいじゃんか!! 私なんて…私なんて……)」
ゆりはもうすぐ30になることに気を落としていたがホームルームが終わった後、隼がゆりに『不思議と元気が出る飲み物』を渡しそれを飲んだゆりは不思議と元気が出て笑顔で教室を出ていった。
ホームルームが終わり実乃梨は部活が今日は無く、祐作も生徒会の用事がなかったので久々にメンバー全員で一緒に帰っていた。そして、話題はプールの話になった。
「そういえば、亜美ちゃんって水着持ってるの?」
「うん、ジムで着てた競泳用のやつがあるからそれでいいかなって。全体で薄いグレーでサイドにオレンジのラインが入ってるやつ。」
「あれ? でも確か校則で水泳の時は黒か紺の無地、ラインは白のみって決まってたよ。」
「え! そうなの奈々子ちゃん!!?」
「だったら、あーみんも一緒に水着を買いに行かないかい?」
「だからみのりん!! 私は行かないってば!!」
「この前、「休日に一緒に買いに行こう!!!」って、約束したじゃないか。それに水着腐らせたんでしょ? どっちにしたって必要でしょ」
「あれはみのりんが強引に…………水泳はサボるからいい」
実乃梨は「あいたー」と天を仰いだ。そして、その言葉に反応したのは祐作だった。
「その言葉は聞き捨てなりませんな!!」
「き、北村君?」
「特に体調が悪いわけではないんだったら形だけでも参加はしなきゃな。一応授業の一環だからな。」
「それは………そうだけど」
「ふむ…………………よしこういう時は沖田だな!! 沖田、お前からも何か言ってくれ!!」
「……ん? あ~…………そうだな~」
隼はだるそうにしながらも大河に視線を向ける。大河は隼に何を言われるのかと内心ビクビクとしていた。そして、体育大好き少年な隼の口から出たのはあまりにも予想外な言葉だった。
「いいんじゃね? 別にサボっても……」
『…………………………………………』
「あ? どうした?」
『はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!???』
「うぉ!!? びっくりさせんなよ…」
「ハヤッちゃんが体育に関することで消極的な意見を出すなんて……」
「隼!! 具合が悪いのか? 医者呼ぶか!?」
「落ち着け竜児!! だいたいお前と能登と祐作は驚く必要ねぇだろが!! 忘れたのか?」
「へ? ……………………あ、そうか。そういやそうだったな」
「うむ、俺もすっかり忘れていた!!」
「忘れてたって何を?」
「隼は去年、水泳の授業だけは全部サボったんだよ」
その言葉に去年も隼と同じクラスだった者達以外は信じられなかった。『隼と言えば体育』これはだいたいのクラスが知っていることだ。そんな彼がどうして水泳の授業だけサボるのか疑問に思っていた。
「ねぇ、高須君。隼君、体調でも悪かったの?」
「いや、隼は中学の頃から… 「竜児!!!」っ!!? 悪い…」
竜児はつい失言してしまったと心中で後悔した。もちろん他の者たちはそれを聞いていて去年、同じクラスだった能登もまさか中学の頃からだとは思っていなかったため驚いていた。祐作はわけを知っているのか特に表情を変えてはいなかった。
「ねぇ、隼。あんた…もしかして泳げないの?」
「あ~…多分、泳げんじゃね?」
「なんで疑問形?」
「この『バカ』の言った通り中学の時からプールとか入ってないからな泳いでみなきゃわからん」
「なんで、プールに入んないの?」
他の者が聞きにくかったことをあっさりと聞く麻耶に他の皆は焦るがこれを好機とみて隼の次に紡ぎ出す言葉を聞き逃さんと耳を傾けた。
「嫌いだから。以上!!」
あまりにストレートな答えに思わず皆はずっこけてしまった。
「そ、それだけ?」
「それだけだ!! なんだ香椎? もっとちゃんとしたエピソードでも欲しかったのか? なら今度、作ってきてやるから待ってろ……………そういや、なんの話してたんだっけ?」
「あっ!!? 忘れるところだった!! 大河の水着を買いに行くって話しだった。」
「だから行かないってば!!」
「なぁ、隼。後でさっきのことで詫びも含めてハーゲンダッツでもおごるかr「任せろ!!」早いな、おい!!」
「お~い、大河~」
「ハヤ君…………」
「水泳に出る、出ないはともかく一応でも水着を買いに行く約束をしたんなら約束は守らなきゃな? 俺は大河が約束を守らないような子じゃないと信じてるぜ。」
「…………………わかった、行く」
「うん、大河ならそう言うと思ったよ」
「ん………//////」
小さく返事をする大河に優しい表情を浮かべた隼は大河の頭を優しく撫でた。大河は気持ちよさそうにしながらそれを受け入れていた。大河の頭を撫でていると隼はいきなり足の小指らへんを踏まれてしまい悶絶した。
「つぅ~~~~~~~………………何のつもりだ? 亜美…」
「べっつに~…………」
「こら、バカチー!!! ハヤ君になにすんのよ!?」
そっからケンカになる両者…もういつものことである。二人がケンカをしていると実乃梨が隼に話しかけた来た。
「ねぇ、他の皆にも聞いたんだけどさ隼君は明日、暇?」
「うん? 一応、予定はないな」
「なら水着を買いに皆で行こう? …………似合ってるかどうか見てもらいたいし……」
「今、なんか言ったか?」
「な、何にも言ってないぜい!!///」
「そうか? あ~っと水着を買いにだよな? う~ん…………ま、いっか。うん、問題ないし行くよ」
「うん、それならよかった!! それじゃ、私はそろそろあの二人を止めてくるよ」
そう言ってから実乃梨は亜美と大河のほうに向かって行った。他の皆が止めているのを隼は離れた所から見ているとふと隣から声をかけられた。その人物は祐作だった。
「沖田、すまなかったな。俺がお前に話を振らなきゃ、たいしてしつこく聞かれもしなかったことを…」
「気にすんな祐作、もう済んだことだ。それに本当の『理由』はお前と竜児以外にばれてねぇから問題ねぇ」
隼は祐作が真面目な表情をしていたのでさすがに『まるお君』とは言わなかった。てか、言ったら雰囲気ぶち壊しである…。祐作は竜児と同様、隼の過去を知る者の一人であった。
「…………沖田、なにがあろうと俺と高須だけは一生お前の味方だ。それだけ覚えておいてくれ。」
そう言って祐作も竜児たちの元へと行き二人のケンカを止めに行った。残された隼は苦笑して口を開いた。
「…………感謝してるよ……お前らには…。…さて、俺も止めに行きますか!!!」
その後、二人のケンカを止めた隼は帰りに竜児からハーゲンダッツを奢ってもらい幸せそうにそれを食べていた。