牢屋を出た俺はまずその女警官に浴場に連れて行かれた。
……え? なんで? その異世界なんとか局長に会いに行くんじゃないの? えっまさか浴場の中に? 裸の付き合いってやつ?それとも アッーー………
「囚人2406番 臭い。風呂入ってこい」
「ですよねー」
だってずっと風呂入ってないもん。ただ女性にストレートに臭いで言われるのは軽く心が折れる。
髭剃りとタオルと新たな服を渡された俺は浴場へ入った。
俺以外に誰もいないようだな。
浴場を確認して 上の服を脱いだ。そして横にいるやつに尋ねる。
「なんで普通に男湯に入ってきてるの?」
横には女警官が当たり前な顔をして立っていた。
「もし逃げたりしたら私の責任になるんです。何か起きないよう監視するのは当たり前じゃないですか。」
なんかすごくバカにするような目で見られた。
「いやいや 入り口一つしかないし どうやって逃げるっていうの!?」
「ぐちぐち言ってないで急いで入ってください!時間は限られてるんです! 私がお風呂に入れますよ!」
あれ? なんで俺 怒られてんの? あっ 押さないで、入るから、自分で入れるから!
久しぶりに風呂に入って気持ちよかった。
人って体 洗わないと泡がちょっと黒くなるんだな。
風呂って最高だな!
斜め後ろに女警官がいなかったらだけど。
これが逆セクハラってやつかな?
すごいまじまじと見られた。もうお婿に行けない。
髭を剃り 新しい服を着替えたNEW俺は 女警官に連れられ
大きなホールに辿り着いた。
「中に入れ」
そう言われたおれはホールの中に入った。
そこには 凄い数の人がホールにびっしりあつまっていた。
強面のおっちゃんやヨボヨボのじいちゃん、中学生くらいの少女までいろんな人達がいる。
周囲を見渡すと自衛隊らしき人達がこのホールの人達に銃を向けている。
なんだこれ? いったい何が始まるんだ?
「おいっ まえをみろ!」
誰かが叫んだのが聞こえた
前を見ると、ホール前方にある画面に太った男が映し出された。
「ごきげんよぉー!! 異世界交流局の局長 奈川昌司だよぉ! 」
妙に高い耳障りな声がホールに響く。
「なんでみんながここに呼ばれたか疑問に思ってると思うけどぉ 今から簡単に説明するよぉ。
君達にはある異世界に行ってもらう!!!!!」
ドヤ顔で奈川は言った。
は? 異世界? あの異世界?いやまぁ 確かに今や世界のいたるところに異世界へのゲートがあるけれど 異世界へ行けるのは軍と上位階層の人達だけだし、犯罪者の俺が行けるわけがない。
そもそも行く理由は… …
考えていると 奈川の声が思考を遮った。
「行く理由は?と思ったとおもうけどぉ 今回行ってもらう ”シャングリ•ラ”という異世界は長年隠されてきただよねぇ
なぜかというとね〜 異世界へ行った人達が帰ってこなかったから。軍隊を送っても何者かに襲われて 帰ってこなかった。」
悲しそうな顔で言う。
そんな異世界があるのか…?異世界と言って思いつくの全ての異世界は基本全部向こうの住人は友好的だ。だから 帰ってこなかったとういうのが信じられない。
「近年 新たな異世界へのゲートが見つかっていない今の日本政府は とうとうこのパンドラの箱 ”シャングリ•ラ”を開ける事を決めた。けれどシャングリ•ラに行っても 何者かに襲われてしまうから どうしようと悩んでいて……
君たちが選ばれたのさぁぁぁ!!!!」
奈川は汗を飛ばしながら 大声で叫んだ。
「社会のゴミの君たち、囚人ならいくら死んでも困らなからさ
うってつけだとおもってさ。 だからさっそく…… 」
「ふざけてんのかぁ!!!てめぇー!! 言いたい放題言いやがって!! そんな危ないとこ いくわけないだろぉ!!」
俺の横にいた強面のおっちゃんが叫んだ。 うわーこえぇー 絶対ヤクザだろ。ただよく言ってくれた。 今 ここにいる全員の気持ちを代弁してくれた。おっちゃん 感謝!
奈川がニヤっと笑って言った。
「ごめんごめんー 言い忘れてたけど 強制だから。
断るとそいつみたいになるよー。 打て。」
パンッ
銃声がこのホールに響いた。
横にいた強面のおっちゃんが目の前に倒れた。頭から血が止まらない。
「え?」
突然過ぎて思考が追いつかない。
『うわっーーー!ーーー!』
俺は倒れたおっちゃんをゆやさぶった。
「おい おっちゃん! おっちゃん!!」
嘘だろ嘘だろ嘘だろ。おっちゃんはピクリとも動かない。本気かよ こいつら。
周りの自衛隊の人がおっちゃんをどこかへおっちゃんを運んでいった。
「見せしめに1人殺したけど 無闇に殺したりしないから安心してね!これ以上減ってもいい事ないし…」
奈川は演技臭い悲しそうな顔をしたが、すぐにニヤニヤした顔に戻り言った。
「ただ 異世界に行くだけじゃ みんなモチベーションがないだろうし、だからぁ、いつも何者に襲われて帰って来れないのか、その異世界の新たな知識や物資 文化の存在を知らせに帰ってきたら 君たちを釈放して、君たちに願いを叶えてあげるよぉ まぁ僕たちにできる限りだけどねぇ! 」
ホールの人々はざわめいた。
「はははっ」
周りの人達が怪訝そうな表情で俺をみた。
つい笑ってしまった。悩む暇もない、選択肢なんて一つじゃねぇか。どうせ断っても死ぬんだろ? それなら 行くしかないじゃねぇかよ。うじうじするのは俺らしくない。
願いもかなうらしいからな。
待ってろよ…加奈子。兄ちゃん すぐにお前の病気直してやるからな。
俺は血のついた手を握りしめた。
「出発は明日8時だよ。 7時には呼びに行くから今日は一人一人部屋を用意してるからゆっくり休みなさい。 うーん 何か言ってないような…
そーーだ!!! 一個大事な事言ってなかったぁ!! 今回の異世界探索では 異世界の一つ ホーティス王国と日本で協力作成した 武器が一人一個配られるから!あたりとはずれがあるから 楽しみにしててねぇー!」
ホーティス王国と言えば 科学が発展した国じゃねぇか。
どんな武器が作られたんだろう。
「では また明日ーー! ここにいる1000人中何人帰ってこれるかな? あっ999人だったー 」
奈川が映っていた画面が消えた。
『なんなんだよっ! これは!』
『なんで 私が……』
ざわざわしてるいるホールを無視して
俺はおっちゃんの死体があった場所をちらっと見て、祈り、誘導する自衛隊員についていった。
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