ワン•マンス•イン•ザ•シャングリ•ラ   作:阿蘇の天然水

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まだ 異世界には行きません
次の話ではいけると思います。



3話 前夜

川上 仁

 

俺の名前が書かれた部屋の前についた。

俺はすぐにあのホールから出たので まだ周りに人がいない。

部屋の鍵のカードを渡されていたので カードを入れて部屋に入る。

 

「おぉーー」

 

思っていたより広く どこかのホテルみたいだ。窓は鉄格子だが…

特にすることもないので俺はベットに飛び込んだ。

寝転びながら 今日 あったことを思い出す。

突然 異世界へ行くだなんて どっかの2次小説かっての。

ははっ笑えねぇ

 

そういえば武器が配られるって言ってたけど どんなの…

「武器 届きました。」

「ピンポンは!?」

 

あの女警官が あたり間のように部屋に入ってきて 椅子に座った

 

 

「プライバシーとかそういうのどうなってるの!?」

「はっ あなたにプライバシーがあるとでも?」

 

あっ 俺 囚人でした。

そういえば 武器 届いたって…

 

女警官が机の上に でっかいスーツケースとボストンバッグを置いた。

 

「この中に 今回の異世界探索に必要な道具 武器 食料 服が入っています。 そしてこれが今回の旅のしおりです。」

 

そう言いながら 冊子を俺に手渡した。

 

「修学旅行かっての」

 

俺はパラパラ見ながら 何個か質問する。

 

「あのさ 今回の探索って1ヶ月なの? 」

「はい、ぴったし1ヶ月後にもう一度 この世界へのゲートが空きます。ただし 何か成果をとってきてないと 元の世界に戻さないと聞いています。」

 

異世界で、タイムリミット付きとかそれなんて無理ゲー?

 

「食料とか1ヶ月持つの?」

「最初は保存食を持って行きますが 10日毎に 異世界ゲート付近にばら撒く事になっています」

 

ばらまくって…俺たちは犬か!

 

 

「説明はもう十分ですか?」

 

嫌々そうな顔でこっちを見てくる。

感情が顔にですぎ。

 

「あとひとつお願い!」

あっ もっと顔がゆがんだ

 

「チーム編成ってどういうこと?」

しおりのチームのページに知らない名前がかかれていたのを見る。

 

「あぁ それはですね さすがに1人で探索して 助かる見込みも少ないので 生存率を高めるために チームを組んで 探索することになっています。 チームにつき一つの成果でゲートを通してもらえます。」

 

「へーそれは助かった。 1人で行動する予定だったからな。」

ってか せざるをえなかったっていうか 他の人に話しかけれなそうっていうか

 

「コミュ症みたいな顔してますもんね」

「やかましいわ!」

当たってるせいで強く反論できない…

 

 

「ではこれで失礼します。明日朝6時に迎えに来ます」

そう言って 女警官は部屋から出て行った。

 

はぁー 一気に疲れたな

俺はベットに座った。

あの女警官、俺らが明日には命がけで頑張ってるというのに…くそっ なんかいらついてきた…

そういえば 武器っていうのはどれかな?

机の上の厳重そうなスーツケースを手元に持って来て

開いた。

中には拳銃と刀が入っていた。

まだ心のどこかでこれは現実ではない。明日、目が覚めれば元に戻る。そう思っていた。けれども 目の前に人を殺せる道具があるとどうしても現実に引き戻される。俺が今から1ヶ月間過ごすところはそういうところなんだと。

 

刀の上に説明書が置いてあった。うん? 説明書?

 

「刀に説明書ってどんな 刀だよ……

えッーと なになに 武器NO.2406 妖刀 血濡雨

所有者の血または相手の血をを吸い取れば吸い取るほど 力、速さ、斬れ味が上がる。

また所有者の血を操れる……中二病すぎるっ!」

 

何これっ!使う方が恥ずかしいんだけど! 作った人 絶対中二病だよね。

まぁ それは置いといて 今の科学はすごいな。

センスは抜きにしても 血を操るとか凄すぎだろ。

発展した科学は魔法と見分けがつかないと言うけど その通りだな。

ただ刀っていうのはありがたい。

俺は黒と赤を基調としたかたを取り出して思った。

小さい頃から剣道や習ってきて、結構な数の大会で優勝してきたから自信がある。まぁ 正体不明の異世界の生物にに通じるかと言われると ちょっとあれだけどね…。

 

こっちはただ拳銃だな。 俺は拳銃を持ち上げた。

 

 

「結構重いんだな」

 

拳銃を触っていると、さっき打たれた強面のおっちゃんを思い出し そっと元の場所に戻した。

 

 

「あとはっと…」

 

 

 

 

バックをあさくっていると 変わった素材で出来た黒い服が出てきた。わーすげーすべすべしてるー。

 

これにも説明書があったので読んでみる。

 

 

 

クリアスーツ

汚れが付かず 匂いも付かない。衝撃にも強く ある程度の衝撃では伝わらない。柔軟性もあり破れにくい。 チーム毎に色が分かれている。

 

 

 

科学ってすごいな… この世から洗濯機が消えるぞ…

ただ これはありがたいな。洗濯とか風呂の大切は今日ちゃんと身を持って知ったし。

それにしても色は黒か…

なんかどんどん中二病へ向かって行ってる気がする…。

 

道具や食料を全て確認して、元の場所に直し、

俺はベットに寝転んだ。

 

願い事が叶う。 あいつはそう言ったが本当に叶わせてくれるのだろうか? 本当に叶うなら何を叶えるだろう。俺は すぐに加奈子を治すことを考えた。

 

加奈子とは俺と5歳離れた13歳の妹で 俺みたいなクズやろうとは違って 真面目でとてもやさしいやつだった。

大人どもは俺をゴミを見る目で見てきたが、あいつだけは俺にちゃんと接してくれた。お兄ちゃんとよんでくれた。俺を必要としてくれた。加奈子は俺の生きがいだった。

俺らは両親が死んでしまい、2人で生きてきた。

2人で支え合いながら、生活は苦しかったけど それでも俺らは幸せだった。

 

けれどそんな幸せも長くは続かなかった。

加奈子が異世界から流れてきた新種のウイルスにかかってしまった。

神がいるなら一度ぶん殴ってやりたい。なぜ加奈子なんだ

なぜ俺じゃないんだ。

俺はいろいろな病院へ加奈子を連れて行ったが、断られ、

その病気を治すためには最新鋭の治療をしないといけなと知った。その治療費は馬鹿げた値段だった。

貧乏な俺らがそんな大金払えるはずがない。

入院している加奈子は俺に「私は大丈夫」と笑って見せた。

何故 俺はこんな状態の加奈子に気を遣わせてるんだ?

俺は彼女を死なせるわけにはいかない。

自分はどうなってもいいけど 彼女だけは…

 

俺は朝から晩まで必死に毎日働いた。寝る間も惜しんで働いて働いて働いた。それでもお金は足りず、俺の体は限界だった。

 

俺は馬鹿だからどうすればいいかも思い付かず、

タイムリミットは近づいていく。

 

俺はとうとう 犯罪に手を染めてしまった。

 

加奈子がそんな事しても喜ぶはずがないと知っているのに。

 

金をいろいろな所から盗み、盗み、盗みまくった。家から コンビニから 銀行から…

結果、俺は警察に捕まり 加奈子が今 どのような状態かも分からない。

本当自分でも バカだなと思う。加奈子もこんなクズな兄はもう見たくはないだろう。それでも俺は彼女を助けたい!助けないといけない!

 

その最新鋭の治療をしないともって半年と医者に言われたから、余命まで1ヶ月半あるけれども何があるか分からない。

 

もし もう加奈子が生きていたかったら 俺の生きる意味が、頑張る意味が無くなってしまう。

そんな事は考えたくないがどうしても考えてしまう。もし…

そんなはずはない。加奈子は強いやつだ。俺は自分自身に言い聞かせながら、眠りへ落ちていった。

 

 




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